赤龍帝のIS学園生活   作:hinozi

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戦闘シーンがひたすらきつかった。でもいいんじゃないかと思ってる。

次は数週間後になると思います。流し見して話が大体わかれば嬉しいです。
戦闘シーンは本当に流す程度でいいと思います。


嵐の中に

 待ちに待った朝が来た。俺は何とかラウラとペアを組むことができた。まあ、ラウラも俺と組む気が合ったから話は簡単に進んだ。

 

「真輝、それでは確認するぞ」

 

「ma'am,Yes ma'am」

 

 学年別トーナメントの作戦を確認。腕が鳴るぜ。細かい戦術は俺には早いとのラウラ少佐からの指示だ。この数日間はラウラとのワンツーマンの特訓で忙しかったから今日で終わりとなると息が付けそうだ。ここ数日本当に休むヒマがなかった。

 朝から40キロマラソンやり終え、筋トレ、格闘訓練をこなしていく。特に格闘訓練はやられっぱなしだ。関節技や絞め技は個人的に諸刃の剣だと思う。天国と地獄を両方味わえるISスーツで密着技は卑怯だ。

 

「織斑一夏は私が抑える。貴様には織斑の仲間を頼む」

 

「了解。押されることはないだろうが、その時は」

 

「……必要とあればフォローに入れ。ただし私の方はともかく、アンティーク持ちの方は強い。貴様が足を引っ張るなよ」

 

「手こずるだろうけど大丈夫だ。そっちもやられるなよ」

 

「それこそありえないな」

 

 自信と慢心は紙一重っていうけど、ラウラを見てると境界線がどこだか分からなくなるな。

 実際格闘訓練で俺が攻撃を当てられたのは最初だけだった。殴る蹴るは避けて関節技や合気道のような搦め手で倒されていた。向かい合って三秒後、地面に転がるなんてこともざらだ。軍隊格闘、CQCをこの身を持って味わったわけだ。

 さらに色んな武器の一通りの使い方や銃の撃ち方なんかも教えてくれた。それにISでのマニュアルでの動かし方も教わった。ラウラからは相当学ばせてもらった訳だが、その時のラウラの思い浮かべると自信か慢心なのか混乱しそうになる。

 

「そうだな。まあ、気を付けるに越したことはない。だな」

 

「無論だ」

 

 そう言い切るラウラはカッコカワイイと思う。

 一夏とシャルロットVS俺とラウラの対決があともう少しで開始を待つだけだ。

 

 

 

 

『BOOST!』

 

 今回の学年別トーナメントで新しく追加された禁止事項が一つある。俺自身への倍化能力を使った強化、譲渡は禁止されている。まあ、他人への譲渡は禁止されてないのでラウラに積極的に使っていく形になる。

 

『真輝、作戦通りに行くぞ』

 

『アイアイ』

 

 俺たちの作戦。それは俺がシャルロット、ラウラが一夏を担当して各個撃破という簡単なものだ。それが俺とラウラが決めた最もシンプルな決着のつけ方。原作通りの展開にする必要はない。それが必要なことだと決めづけていたが、それは俺の勝手な言い分だ。

 楽しむために来たんだ。結果どうなるかは、未来任せ。破れかぶれとも言う。

 

「死ね! 織斑一夏」

 

『Transfer! Transfer!』

 

 ラウラのIS、シュヴァルツェア・レーゲンの二倍に強化されたレールカノンが発射。俺が単機で突っ込んでくると思っていたのか、レールカノンに二人は驚いて散開する。それと同時にラウラが一夏に突っ込んでいく。ラウラは接近しながら続けざまにレールカノンを撃ち、ギリギリで避けられるような絶妙な箇所に射撃を繰り返す。

 最初の譲渡は身体能力へ、次はレールカノンへの譲渡。俺に対して使うのがダメならラウラに譲渡する良いと考えるのは当たり前。強化等が禁止されてから今日まで譲渡しながら訓練をしてきたからな。

 その訓練の成果と一夏とシャルロットのチームに有効な作戦が、分断だ。

 

「お前の負けが見えてきたな。織斑一夏」

 

「俺だってこの一週間何もしてこなかったわけじゃないんだぜ。ラウラ!」

 

 シャルロットと一夏の間に俺とラウラが割って入る。これで分断成功。ラウラと入念な打ち合わせのおかげだろう。後は俺がシャルを押えれば、俺の仕事は終わりだ。

 

「一夏!?」

 

「悪く思うなよシャルル。こっちは勝ちに来てるんだ」

 

 俺とシャルロット、ラウラと一夏の一騎打ちの状態へ開始早々に変わる。一夏はラウラが仕留めてくれる。だが、それ以上に一夏の進化を信じる。こんなところで負けるような奴ではないはずだ。

 ラウラを信頼してない訳じゃない。でも一抹の不安とも呼べるものが一夏にはある。才能の片鱗でも見せれば、こっちもどうなるか分かったもんじゃないな。

 

「真輝、本当に悲劇を起こしたくないの? 真輝がやってることは矛盾してるよ!」

 

「日本ではケンカをするほど仲がいいってことわざがあるんだ。悲劇は、まあ何とかなるでしょ」

 

「何とかなるって、無責任だよ!」

 

「一夏がどうにかするさ。こんなところで終わるなら生き残れやしない」

 

「本当にどうかしてるよ! ……真輝、止める気は?」

 

「ない」

 

 言い切るとシャルロットは静かに目を閉じて武器を出す。俺の説得は無理と判断したんだろう。俺を倒して一夏を守ったほうがいい。この世界の女の子たちが考えることは

想像するに難くない。『男は女より弱いから守らない』と、ってな。

 あんまり男を舐めないほうがいいよ。戦いは本来、男の方が優れてるってことを証明してやる。

 

「行くよ! 真輝!!」

 

「かかってこい!! 返り討ちだ!」

 

 シャルロットの両手にあるマシンガンから弾幕が張られる。俺に近づかせないためのもの。格闘しかない俺にはこれ以上ないほど鬱陶しい。でもそれを掻い潜るための技術を山田先生に頼み込んでとっくの昔に対策済みだ。

 左右に動く的と上下左右に動く的のどっちが撃ちづらいと聞かれれば、誰だって上下左右って答えるに決まってる。ISは宙を移動できるんだ。俺が山田先生から教わったのは地面、空中にいる敵が撃ってきたときの対処法だ。

 

 地面にいる敵なら対処する方向は大まかに上と左右の三方向の分類される。斜めなんかも加えると際限ないけど、地面で正面きって行くよりかは当たりづらい。さらに山田先生いわく緩急を付けて接近されると一段と当てるのが難しくなるらしい。

 空中だとさらに何倍も難易度が上がる。理由は簡単だ。上下左右、四方向に変わるからだ。いかなる体勢での射撃が可能なISであろうとも、人間の感覚がそれに追いつかない。だからこそISの稼働時間が多い人間こそ有利になるのだ。経験は裏切らない。

 俺はそれを、経験差を想像力で補う。良い感じに、頭がクールで心がヒートになっている。今なら行けるな。

 

「追いついてみせろよ! シャルル!!」

 

「侮らないでよ! 真輝!」

 

 何も考えず、ただ早く動くことだけをイメージする。シャルロットはその場で迎撃を考えてるようだけど、本気で動いたときの早さがどれほどの物かは、俺も知らないぞ。

 

 まず上昇、それなりに上がったところで右上、左に少し長めに行って後ろにカーブを描きながら移動。

斜め右下に動きながら前へ。

 気分的に背後に一歩下がった後、降下してすぐに弧を描くような軌道を取り、上昇。

 まっすぐシャルルの方向に突撃、する振りをして止まる。

突撃の際の瞬時加速(イグニッション・ブースト)の勢いを無駄にしないよう後ろに振り向きながら円を描きつつ移動。

 半円を描いたところで斜め下に降下。

 今度は無理に止まって体勢をそのまま後ろ向きに移動。

 背面飛行の状態から体を捩って体勢を立て直して地面に突入。地面に立ち、今度は一気にシャルロットに突貫する。

 

「この!」

 

「さすがだよ、でも残念!」

 

「くぅううう!」

 

 俺の左ストレートを瞬時加速(イグニッション・ブースト)の勢い交じりに殴られてはさしものシャルロットでもタダではすまない。俺の一撃を耐えるにはラファール・リヴァイヴの装甲と防御で十分だ。その分かなりSEは削った。

 俺の一撃を受けて壁にまで押されるシャルロットの苦悶な表情を見て、決めどころだと判断する。さらに接近し、止めを刺す一撃の入れるために殴れる手前でシャルロットの目を左手でふさぐ。

 

「えっ?」

 

 接近するために走った勢い。体の限界まで捻った腰。その全てを支え、伝えるために踏み出す足。その状態を作り、支える目をふさぐ手。

 自分でも驚くほどしっくりとくる体勢だった。どの部分もリラックスして、時間が止まってる錯覚するほどの高揚感で満たされている。今なら、理想の、最高の一撃が打てる気がする。

 

「……くらえ」

 

 自分の声かと不審に思うほどの冷たい声が出た。

 驚きを感じつつも引き絞った体は反動を付けて動く。半身の状態で踏みしめた足から上半身へ、自然と堅く握った拳は下に半円の軌道を進みながら上に振り抜く。アッパーカット。下から上へと振る種類のパンチだ。

 手でおおった目隠しで何をされたのかわからない状況で振り抜かれた俺の一撃は、意識を確実に刈り取る。そう思っていた。

 

 シャルロットは首を仰け反らせて壁を背に座り込む。視界がメチャメチャになっているはず。でも立とうとしては崩れ落ちる。ISの機能越しに見るシャルロットの足は痙攣して動かないはずだ。この意志の強さ、思い当たる節が一つあった。どうやら早々に落とされたようですね。

 

「あ……れ、た、てない……あうっ」

 

「何度立とうとしても無駄だ。SEを突き抜けたみたいだからな」

 

 あのアッパーの時の感覚はどのパンチにも、いやどんな攻撃にも応用が利くはずだ。あの時の感覚は覚えておかないと。それにあのアッパーの体勢はスマッシュやブロー、はてにはストレートにまで使える。パンチ技で最強の威力を出すための体勢を偶然にも編み出したかもしれない。

 その瞬間の感覚を反芻しているとトーナメント中なことを思い出す。そしてラウラの方を見ると、驚愕した。ISが至るところから煙を巻き上げながら膝をつくラウラが見えたからだ。

 

 その近くに、零落白夜を発動させた一夏がいる。息を荒げた状態で、明らかに普通じゃない。もしかしたらと思う。

 

「真輝。テメェエエエエエエエエエッ!!!」

 

「あっ、やっぱり切れてた」

 

 突っ込んできた一夏には背負い投げをくれてやる。しかも叩きつけるのは地面ではなく、壁に向かって叩きつけるために放り投げる。これで治まるだろう。

 シャルロットが近くにいるのをすっかり忘れて一夏に巻き込まれているけどこれで止めになったはず。今は眠れ、安らかに。

 

 遅くなったがラウラに近寄り、状態を確認する。

 

「ラウラ、大丈夫か?」

 

「わ、私は平気だ。だがシュヴァルツェア・レーゲンがすでに修復ができないほどのダメージを負ってしまった」

 

「仕方ない。ISコアさえ無事なら修復も効くはずだ。ISコアを引っ張り出して逃げるぞ」

 

「……これだけのダメージなら起動しないだろう」

 

「ん? どうしたラウラ?」

 

「いやなんでもない。すぐに撤退する」

 

 その後ラウラは取り出したISコアを持って撤退してもらうことになった。まさかこんなことで原作崩壊するとは、予想だにしなかった。

 

『名御叢、一夏! 今すぐにそこを撤退しろ!! 今そちらに』

 

 なんでこうなったのかを探り当てるための記憶を探していたが、織斑先生の一言で断念させられた。突然轟音が響いたからだ。音のする方向を見てみるが、すぐに後悔した。

 

「何でゴーレムがここで出てくるんだよ」

 

 意味不明すぎて笑えてきた。




一応補足。真輝の最後の一撃。

シャルちゃんが意識を微かに保っていたのはSEのおかげです。SEなかったら死んでもおかしくないレベルだけど緩衝材の役割を果たしたためです。
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