赤龍帝のIS学園生活   作:hinozi

11 / 16
メリクリだ!プレゼントを受け取れ!(小声)

歯の治療して目の治療続きでな(2割)
あと艦これやって、恋姫やったりしてました。(8割)

なんでもします許してください(土下座)



嵐は鳴り止む

 一夏が暴走したので鎮圧したら無人機のIS、ゴーレムが襲ってきた。一度冷静になって考えてみたらまるで笑えない。なぜこうなった。

 しかも両手の甲から武器が伸びている。なぜ手に持たせず、手の甲にのせる形で装備させたのかわからん。だが槍と斧。俺は【ある物】を思い出さずにはいられない。

 

「もしかして神器か?」

 

 誰も答えてはくれないが、無音の中でそう俺は結論付けた。半分は勘、半分は憶測。

あのゴーレムの腕から生えている槍と斧。あれは神器だ。俺の勘もしくは第六感が危険だと脳内で騒いでいるのが分かる。

 うっすらと寒気がするのが根拠だ。ただあの武器にまとわりつくオーラから一撃で俺の命に係わる攻撃力を有しているのは予想できた。

 

「ふぅー」

 

 自然とファイティングポーズを取る。こんな緊張感は初めてだ。多分この無人機ISより強いのは楯無さんや織斑先生以上しかいない。相手は単なるロボットのはずだが、織斑先生のような強者の雰囲気を醸し出している。

 

 間違いなく槍と斧の正体が原因だ。

聖書のイエス・キリストを刺し殺した槍『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)とギリシャ神話の大英雄、ヘラクレスが倒したネメアの獅子の名を冠した『獅子王の戦斧』(レギルス・ネメア)の二つだろう。無人機ISも中々危ない雰囲気を出すが、あの二つはもっと危ない

 

 どうやってこの二つを取り出したのかは、イヤな想像のオマケ付きでわかってしまった。神器は内臓なんかと違って、普通に取り出すことはできない。だが取り出せないことはない。方法は知らない。だが神器を取り出されたら最後、持ち主の人間は死んでしまう。

 人以外に神器が宿らない。これが原則としてある。他にも俺がハイスクールD×Dの原作知識を持っていることで判明している部分と不明な部分が多くある。それでもいきなり神滅具の登場とは。

 そもそも『赤龍帝の籠手』(ブーステッド・ギア)以外の神器があるのかどうかさえ忘れてた。……この分だと他の神器や神滅具も有りそうだな。

 

「それで、神器を二つ同時に受けなきゃいけないのかよ」

 

 一夏とシャルロットの方は二人とも沈黙。ラウラの方は既に避難済み。IS自体が壊れてしまった状態だからVTシステムが動く心配はない。

 俺と神器持ちゴーレムとの一騎打ちってわけだが。今さら遅いけどラウラに二人を回収してもらえばよかった。

 

「やるか」

 

 二人のことは置いておくとして。ゴーレムが出てきたときからスクラップにするつもりだったから問題ない。それがオマケを背負って来ただけ。

一夏がブチ切れてラウラを倒す想定外があったけど俺に飛び火しなければいい。まあ、導火線に火をつけたのは俺だから、ラウラからすればとばっちりもいいところだな。ラウラも一夏に対して非はある。俺も悪かったが、あいつらはもっと悪い。これを期に反省するといい

 

『真輝! 貴様そこで何をやっている!?』

 

「足止めです。強化はさせてもらいます」

 

『退避しろと言ったはずだ! なぜそこに残っている!』

 

「たしか言われました。でも教師部隊がここまで来るのに時間がかかりますよね」

 

『…………』

 

 沈黙で織斑先生は回答した。多分ハッキングによってハッチやゲートのシステムを根こそぎ乗っ取られたんだろう。原作を知ってる者なら想像に難くない。どこぞの天災な姉が原因だ。

 理由は、俺だな。多分俺の『赤龍帝の籠手』(ブーステッド・ギア)を知ってデータ取りにゴーレムを送り出した。そんなところだろう。

 

「あと何分で教師部隊は来るんですか?」

 

『……今急いでシステムを取り戻している最中だ。最低で後5分はかかる。すまんがそれまでの間、織斑たちを守ってくれ』

 

「あれを片付けるのでご心配なく。一夏たちは必ず生きて戻します」

 

『すまない。頼むぞ』

 

さて、織斑先生にも頼まれたことだし……

 

「ゴミクズとスクラップ。どっちがいい」

 

『Explosion!!!』

 

 久しぶりの2倍強化。体中に力がはち切れんばかりに膨れるのが分かる。この数日のトレーニングは俺をさらに鍛え上げてくれた。軍人仕込みの訓練が合わさって、『強化』は以前の何倍にも強まった気がする。

 

 『Explosion』の身体強化を受けた肉体で一気に神器持ちゴーレムとの彼我の距離を詰める。冗談抜きの一瞬。望遠鏡を覗いたように視界が切り替わる。

 距離を縮めた移動速度を殺さずボディに拳を叩きつける。以外にも堅い。全身装甲と見てくれどおりの重量。戦車を殴ってる気分だ。

 

 もう片方の腕に力を入れて連撃に移る準備をするが、バックステップをする。視界の右端に光るものが見えた。斧を付けた左手をゴーレムは俺との間に割り込ませて連撃を防ごうとする。

 大振りで地面を薙いだおかげでゴーレムの背中が見える。おそらく腹より背中の方が装甲は薄いだろう。足に力を加えて一歩踏み出すと同時にイグニッション・ブーストを()かす。踏み出す足を軸にしつつ勢いそのままに回転蹴りをゴーレムの背中に打つ。

 

 背中をくの字に曲げるゴーレム。無人機らしくダメージを感じさせず、すぐさま元の体勢に戻る。斧で地面を薙いだために体の捻りを戻そうとするゴーレム。それを阻止しようとゴーレムの左腕を掴む。パワーはあるようだ。だが強化された俺のパワーは凌駕できないようだ。

 背中に右手のアッパーとブロー、時々膝蹴りを叩き続ける。死角の背中で攻撃され続けて頭に来たのか、足が地面から離れたところに掴んでいた左手をはちゃめちゃに振り回されてゴーレムとの距離が開く。

 

 これで仕切り直しになった。やはりゴーレムを優るパワーで殴られて効いているのか? 顔が見えないのは少し不気味だ。

 相手が機械であることとダメージを数値化するSEがないことも不気味だ。まさにダメージを体で受けるスタイル。ダメージが人間にまで及ぶ可能性のあるISと違う。SEがないならばゴーレムを止めるためには装甲ごと破壊するか、装甲を剥がして破壊するしか思いつかない。

 

 今度はゴーレムが先に動いた。リーチに優る槍を突き出す。『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)の直撃は絶対にダメだ。それなりに滑らかな機動だが、スローモーション同然に動くように見える。回避はたやすい。

 次の功擊として斧を振りかぶる。これは左に転がって避ける。地面に振り下ろされた『獅子王の戦斧』(レギルス・ネメア)から撒き散らされる強烈なオーラに思わず体を身構えさせる。

 

 煙の中から突き出された槍に対して身を捻って回避。そのまま槍は引かれ、安堵する。さっきの一撃から槍で体を叩かれてバランスを崩した所を次の攻撃に繋げられていたはず。そうなったらと思うとゾッとする。

 

「出し惜しみしてられねぇな」

 

『BOOST!』

 

『Explosion!』

 

 今しがた溜まった分も合わせて『Explosion』を一気に使う。これで俺の力は、さらに倍増して128倍。本当に理不尽な数字である。これまで体力が切れるその時まで、たった2倍のスピード、パワー、テクニック、その他諸々を倍にした。全てを128倍に引き上げる。ホントこれで適わない相手がいるんだからハイスクールD×Dはパワーインフレが酷い。

 

 ゴーレムのパワーと防御力は対したものだ。槍と斧が俺の横を掠める風切り音は本当に怖い。何よりも『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)『獅子王の戦斧』(レギルス・ネメア)から発せられるオーラ。それらが否応なくこちらを緊張させる。

 

 神器の恐ろしいところは持ち主に比例してその能力を強めることと、人によっては『至る』可能性があることだ。

 『禁手』と呼ばれる神器の持つ能力を一段階上の次元に到達させる裏ワザがある。ゴーレムが神器を禁手に至らせる可能性はない。だがゴーレムを操作しているのが本当に篠ノ之束だったら十分に有りうる。

 

 底の知れない正真正銘の化け物であることは間違いない。それに『禁手』を使える可能性だってある。

 

「今のところは上々。でもなぁ」

 

 どうにも相手の動きが鈍い。俺の動きに追いきれていないのが丸分かりだ。俺の動く数秒後に動き始めているように感じる。俺の体感時間も128倍なのだから遅いのは当然。意識一つで時間が止まって見えるのだ。

 『赤龍帝の籠手』(ブーステッド・ギア)の面目躍如だ。

 

 全部の能力が倍化されたためか手足に錘を付けた手袋や靴を履いている感覚がある。ラグを感じる。

 

 どう考えても打鉄(こいつ)の性能不足が否めない。強化の対象に俺の打鉄は含まれないらしく、今まで練習だと『譲渡』で反射速度を強化して使ってきた。

 とはいえ、今までの分の『倍化』はもう『強化』に使用済み。次の『BOOST』まで四秒。それまで二十発は殴れる。

 

「フッ!」

 

 相変わらず堅いゴーレムの装甲板を殴る。そこで気が付いたのだが、ボディを中心に所々に装甲板が微かにめくれている。時間と様子見のため、左のボディーブローから右のストレートのコンビネーション。ゴーレムは後ろに電車道を作りながら後退する。

 めくり上がった装甲板の近くを試しに殴った。また装甲板がめくれ上がった部分を凝視する。

 

「これだ」

 

 思わず呟いてしまうほどに突如降ってきた攻略の糸口だった。本当に堅いんだよ。このゴーレム。流石に攻撃が通らないことに飽き飽きしていたところだ。だが無駄ではなかったと安心する。

 

 その安堵を好機と見抜いたゴーレムは機敏な移動で俺との距離を詰めてくる。その勢いを利用させてもらおう。『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)を突き出して俺を刺し殺そうとする。刺し貫かんと迫る。だが目に見えている俺は重心を落とし、頭を振って紙一重で突きを避ける。

 

 右手の指を揃えて貫き手に--

 

「ウォォオオオオオオ!」

 

 --気合を込めて、目標に突き立てる! 流石に貫くことはできなかったけれど、指に引っかかるぐらいには刺さった。倍化した握力で装甲板の端を握りしめ、引っぺがす。

だが、そうはうまくはいかなかったようだ。少しばかり装甲板を引きちぎりながら数センチの亀裂を作っただけ。

 

『BOOST!』

 

 よっぽど強力な装甲なのだろう。128倍の全力で裂くことができなかったのだから。狙ってやったわけじゃないが、四秒経ったか。本当に丁度いい。

 

『Explosion!』

 

「ッラァ!」

 

 気合をさらに込めて、両手でゴーレムの腹からわき腹、背中までの装甲板を引き剥がす。ゴーレムの横を通り抜け、背中にまで剥がれた装甲板を手刀で切り落とす。

 

 ゴーレムの体が左回転を始め、左手の斧がこちらに向かってくるのが見える。今まででさえ、止まって見えたゴーレムの攻撃。それがさらに倍化して256倍。これでは流石に遅すぎる。もうこっちから動くか。

 

「砕けろ!」

 

 左手にある斧が俺に当たる前に脚を動かして跳ぶ。肘へ飛び膝蹴りを打つと同時に左手を手首に置く。肘への飛び膝蹴りが当たる瞬間、左手に力を込めて関節を折る。

 ただし威力がありすぎてゴーレムの肘が本当に砕け散る。『獅子王の戦斧』(ネメア・レグルス)を付けた手はそのまま地面へと落ちる。

 

 腕を無くしたゴーレムは最後の悪あがきに右手の槍を突き出す。しかも体全体を捩じり込んで突き出された槍だ。今までの比でない速さだ。俺の『強化』が128倍の時の速度くらいだ。つまり余裕で躱せる。

 見えているので心に余裕を持って対処する。躱すと同時にゴーレムの右腕にしがみつく。相手が立った状態の変則三角締めをかける。宙ぶらりんではあるが、そのためすぐに足を絡ませられる。

 

「折れろ!」

 

 技は綺麗に決まって千切れる。折れる、ではなく千切れた。無くなった右腕の肘から機械やら配線などがチラ見している。

 ゴーレムは全くひどい状態だ。両腕の肘から先が亡くなっている。おいたわしやと悲しんでやるべきかな。コイツ、まだ一つも悪いこともしてないけどな。

 

「これでお終い!」

 

 落ちたゴーレムの腕を拾って『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)を突き刺し、『獅子王の戦斧』(レギルス・ネメア)を叩き付ける。

 かわいそうなほど無残な姿に成れ果てたゴーレムを眺める。戦闘を一から振り返ってみると「大したことない」と言った印象に落ち着く。

 

 確かに強かったが、『黄昏の聖槍』(トゥール・ロンギヌス)『獅子王の戦斧』(レギルス・ネメア)に気を付けてさえいれば、それほど脅威にはならない。それでも武器を持つ者と武器も何もない、素手で挑む俺には終始相性が悪いといえよう。

 だが結果としてみれば俺の完勝。『強化』も久しぶりに使って試運転させてもらった。いいサンドバックになった。

 

「これで本当に終わりだな」

 

 そう言えばVT-システム一体どうなったんだ?

 

 

 

 

 




「わーい! やっと届いた! 流石天下の黒猫さん!」

「架空の名義で用意した住所と住宅を手放してしまっていいのですか?」

「うんうん、そんな細かいことは気にしなくていいんだよ! さっそく試そう!」

あれは、確かVRゴーグルでしたか? 束様は一体何のためにそんなものをご用意したのでしょう。
 あれよあれよとケーブルとVRゴーグルを接続なさり、被る。

「レッツVR! ……オォー、我ながら現実と遜色ないねー。よーし、倒しちゃうぞー」

 どうやらVRでゲームをなさるようです。でも相手はいったい誰なのでしょう? 束様がわざわざ相手にするような方がおられるのでしょうか? 如何にVRで動かすといっても稼働しているゴーレムの改造型。あり合わせで作ったISです。
 束様が動かす場合、鉄球付きの鎖で繋いだ手錠を両手両足に括り付けて水の中に放り込まれるようなもの。

 さらにVRからの仮想現実のデータを現実空間のゴーレムに移送するまでのラグがあります。その辺りのハード・ソフトの両面は、束様なら抜かりないことを承知しておりますが……

「せい! ……あらっ? あいたっ、ちょっとたんま、この子こんなに強いの!?」

 悲鳴を上げると同時に体をくねらせる束様。顔を機械で覆った状態で。
客観的に見ると何というか、形容しがたい、惨めさが。



その後、面妖なダンスを終えた束様は「次は勝つ」と不敵な笑みをこぼしていました。多分(研究に没頭して)すぐに忘れます。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。