赤龍帝のIS学園生活   作:hinozi

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第2話です。……ああ、生きてるなー。

ジワリとやる。じっくり、確実に、死なない限りは続ける。
だが二月からまた投稿できなくなる。死にたい。


新しい世界に休みはない

 意識を取り戻した俺は何故か顔が寒かった。訳がわからない。取り敢えず体を大の字に開いて少しでも衝撃の緩和を試みる。だがスピードは一向に緩やかになる気配がない。変わらず落ち続ける。もう諦めてこのまま落ちてみようかな。

 そこで落下の速度で打ちつけられる強烈な風で寝ぼけた頭が元に戻ったのか、恐らく顔面が物凄いことになっていることを絶賛体感中だが、一度冷静になるために叫ぶ。柱の男と同じだ。叫んで溜め込んだものを全て吐き出すと心の整理がしやすくなる。

 

「……なんじゃこりゃぁぁぁあああああああ!!!」

 

 なんでこんなことになっているか訳が分からないと思ったが、すぐに心当たりを思い出す。あの白靄、もう一度会ったら絶対に殴ってやる。その前に俺生きていられるか心配になったけど。

 しかも今気が付いたがパラシュートがない。パラシュートの無いパニックならまだ俺も喚いていられただろうが、そんな余裕はない。地面ははるか先だ。時間はまだある。落ち着いて打開策を見つけないと目も当てられない死体になるだけだ。あっ、【赤龍帝の籠手】(ブーステッド・ギア)があることをすっかり忘れてた!

 

「来い! 【赤龍帝の籠手】(ブーステッド・ギア)!!! …………あれ、何の解決にもなってない」

 

『BOOST!』

 

「……このまま落ちたら……ミンチかなぁ。いや肉塊か?」

 

『BOOST!』

 

 そうこう言っているうちに十秒経過。パラシュートがなくても意外と時間はある。

 十秒ごとに力を倍加させる『赤龍帝の籠手』。神滅具と言われる神器で赤龍帝と呼ばれた赤い龍、ドライグが今俺の中に眠っている。さて、現段階での『赤龍帝の籠手』は身体能力を倍化するだけの『Explosion』の能力しかない。

 そして森がみえた。どうやら地面まで数百キロ、いや数十もないと思う。腹を括って限界まで倍加の能力を引き延ばして生存確率を高めてやる。というかなんでこんなにのんびりしてるんだ俺は。

 

『BOOST!』

 

「考えてるうちに3回目。これで三十秒経過」

 

 まあ、落ちてますが。四回ならなんとか骨折ぐらいで済むかな、落ちてますが何か? 痛いのは嫌だけどいきなり死ぬのはもっと嫌だ。しかもまだ四十秒しか経ってないのに。そしてそんなこんな考えてる最中にまた一回。本当に落ちてます。命に係わることだから三回言いました。

 そしてとうとう見えてきた地獄という名の地面、というより森。流石にここまで来たら根性と肝っ玉に力入れてやるしかない!! 蛇式・五点着地法だ!

 

『BOOST! BOOST!』

 

「これで五回! どうだ!?」

 

『Explosion!』

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉっ!?」

 

 木の枝に絡まって揉みくちゃになりながら最後には奇跡的に五点着地法で大ケガは回避できた。身体が痺れて動けないが、今改めて考えるとまさに奇跡だな。着地した場所から見上げてみればとんでもない大穴が見えていた。俺が降ってきたせいか。

 空が、青いな。

 

「いてぇー」

 

 足腰と手に激痛ではないものの、かなり痛いので実は何回か泣きかけている。今まで感じたことないくらいまでに痛いんだが、痛みが今いる世界が俺の現実なんだっていう実感が湧く。俺は今まで感じたことがないくらいに生きてる感覚がする。

 体育の授業だってほとんど隅っこで気の合う友達と話してた記憶がないし。俺に負けず劣らずの運動音痴だったし。……ウソです。俺よりはるかに運動神経良かったです。

 

「なにわともあれ、生き残った」

 

 きっと体を五回も強化したおかげなんだろう。五回でこれだけなら、あと十回もやってみたらどうなるんだろうか? 少し怖いわ。

 

「アイテテ、それにしても、ここどこだ? どっかの島に着いたみたいだけど」

 

「お、おい! なんかすごい音したぞ!」

 

「こっちから音がしたぞ! 急げ!!」

 

「………逃げるが勝ち!!」

 

 五倍の身体能力で声の方向とは真逆をひたすら走り抜ける。体が自分の物とは思えないほど軽い。それが何よりもISの世界に来られたのだという実感が湧いた。計画なんてまるでないが、それでもとても楽しく思えてきた。

 だが、その時の俺は理解していなかった。俺はこの世界がISの世界なのだということを。そう……ここが単なる島ではないことを。

 

「う、海ぃぃぃぃいいいいいい!? って島なんだっけ」

 

 IS学園が建つ島だということを。

 そこからしばらく放心状態だったが、俺は警備の人に見つかって、身分証明書の提示をさせられたら間違いなく詰む。まずは逃げておこう。

 と思ってたらIS学園の学生証が財布の中に入っていた。ありがとう、白い靄。初めて感謝したいと思ったよ。胡散臭いとか言ってごめん。だが絶対に殴る。いまだに手足が痺れてろくに感触ないんだから。あいつがまともならこんな目に合わなかった。

 

「あ、あのぉ~」

 

「(ギロッ)」

 

「何でもありません」

 

 一向に展開が読めないので警備員さんにお話を聞いてみたら、口を開いた瞬間睨まれた。解せぬ。にしても両脇を掴まれてるおかげで歩きやすい。手足に本当に力が入らなくって困ってたんだ。

 そんなことを考えているうちにIS学園の正面(?)らしきところに到着した。かの有名な野菜人の肩当てがある施設はどこにあるのかすごく気になる 謎が謎を呼ぶが今は気にしない。いつかきっと見る機会があることだろう。

 

「…ようやく来たか。一時間以上遅刻するとはな」

 

「あっ、いや、すみません。まさかこんな広いなんて思ってもみなかったんで」

 

「言い訳は構わん。とっとと付いて来い。貴様は二週間以上の遅れを取り戻さなければいけないのだからな」

 

「はい!」

 

 織斑千冬だ。……おぉ、なんというか。美人さんだ。次元の違う美人だ。うん。

 オーラのようなものを纏っている感じがあって、つい反射的に謝ってしまった。だからといって怖いだけと表現するのも違和感がある。雌豹のようなしなやかさと力強さを備えた女性と言えばいいのか。まあ、原作で最初に女子生徒たちがキャーキャー騒いでたのも納得できる。

 というか、なぜだか知らんが、どもらずに喋れたな。俺って初見の人と普通に話せないのに。コミュ障解消とか嬉しすぎる! それとも白靄が言ってた稀有な能力のおかげか? コミュ障を解消できる程度の能力、流石にこれはアホすぎるか。

 そしてどうのこうのしてるうちに1年1組の教室に到着。どうやって自己紹介しよっかなぁ~。ウキウキワクワクが止められん。ちょっとしたピクニックみたいだ。あ、後で道とか覚えとかないと。覚えるのを忘れてた。

 

「ここがお前の教室だ。少し待っていろ」

 

 1年1組の扉が開いて、閉じる。そして俺は沈黙を保ちつつ待機。付いて行ったほうがよさそうだ。けど鎮圧作業の途中か? そんなことを考えていた数秒後、俺の期待を裏切らず出席簿の角で殴ったとは思えない音が数十回。一度に数十人って、やることが人間離れしてる上にえげつない。

 ちょっと出席簿アタックの惨状を見てみたいので扉に近づき開ける。自動ドアを学校に設置するとかどんだけの金掛けてんだ? IS学園は儲かってそうなイメージはありそうだけど。

 中に入ってみると一人の少年が頭を抱えて机に俯せてる。あれが織斑一夏か。なるほど何か言い知れぬ気配を感じる。……いつから俺は霊媒師になったんだ?

 

「名御叢、なぜ入ってきた。まだ呼んではいないはずだ?」

 

「えっ、いや、何か叩く音があったんで興味が湧いたんですよ」

 

「……まあいい。入って挨拶しろ」

 

そう千冬さんから言われたのでこれから一年間一緒に過ごすクラスメイトだ。俺としても今後の生活は楽しくしていきたい。そのための第一歩だ。しっかりしていかないと。あっ、でもクラス替えとかどうなるんだろ、あるのか?

 

「えー、名御叢真輝(なみずしんき)です! 趣味はゲームと映画。彼女はいないんで、募集中です」

 

『…………』

 

 なんかいきなり、空気が凍った。何度かスベッた経験はあるけれども慣れない。しかもほぼ女子の中で。これは、思ってた以上に相当きついな。

 

『キャァァァアアアアアア!!!』

 

「まさかのソニックブーム!」

 

『一夏君とは真反対の普通系! でもカッコいい!!』

 

『パッとしないけど普通な感じがいい!!』

 

『彼女になるよー。……フフッ』

 

「普通、普通うるさいわ!? それと最後の奴でてこい! その腐った性根叩き直してやる!」

 

 明らかにからかわれた感が否めない。俺が何をしたっていうんだ? 特にこれと言ってしてないぞ。女って怖いわ。すると視界が正面から変わって下を見ている。気が付くと千冬さんから手加減された一撃を受けたらしい。その証拠に後頭部が痛い。でもすぐに痛みが引く軽いやつだ。

それに今気が付いたが着地した時に受けた痛みはすでに治まってるようだ。千冬さんの出席簿アタックが軽い程度済んだのも倍化のおかげか。

 

「貴様の方がうるさいわ。取り敢えず、お前は窓際の一番後ろだ。座れ」

 

「……ハイ」

 

 席に座るまでの道のりが長く感じる。緊張感がとてつもないくらいにプレッシャーとなって襲ってくる。少なからず悪印象は残らなかったし、逆に良い印象を与えられたと思う。

 だがこれを維持していく労力を考えるとなると、頭を抱えずにはいられない。

 ちなみに教科書なども届いてないので、主人公の一夏君が言ってた広辞苑だったか、電話帳だったかどっちでもいい分厚い本をずっと読みふけっていた。見てみると意外と面白い。こういう専門用語ならば数多の小説を読み続けてきた俺の得意分野だ。でも所々分からなくなるので、教科書が欲しいところだ。

 一応一夏には挨拶はした。ホモなんじゃないかと勘繰るほどに食いついてきた。取り敢えず当面はいなしておくとしよう。それがいい。

 

「それでは名御叢、貴様のISの適正テストを兼ねた操縦試験をしてもらう。山田先生、お願いします」

 

「はい、織斑先生。……それじゃあ名御叢君。付いてきてください」

 

 もうすでにトラブルは間に合ってるんですが、ダメですよね。ハイ。

 

 




仮面ライダー同士の対決はもう恒例ですね。飽きるほど見てきたけど中々飽きない不思議な経験。作品が違うってことが一番の要因ってことですかね?

いつかライダー物も書いてみたいなー。
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