ビックリするぐらいに書けなくてちょっと焦った。
キャラがちゃんと合ってるのか心配だ。
テスト、つまりこれからISを動かすための試験が始まるわけだが、その会場まで移動するために山田先生の後を付いて行く。軽快な会話の一つもないまま自然と山田先生の後ろ姿に目がいくんだが、手と足が一緒に前に出てるのを見ると緊張が緩む。
初対面で物凄く緊張するかもと思ってけど山田先生の挙動がおかしなところを見ると吹きそうになるので堪える。
「……あの山田先生?」
「ハ、ハイ!?」
いつになったら着きますかと聞こうとしたが、やはり驚かれた。一夏がIS学園に来て一カ月以上になるだろう。だけどやはり織斑一夏個人ならまだしも、他の男に慣れるかは別問題か。
そっちは俺が頑張ればいいのだが、生まれてこの方女性と親しくなった記憶はない。喋ると言ったら従妹か、母親ぐらいのようなものだ。
……家族とは仲が良かったんだ。それでいいじゃないか。うん。
「そ、そうですね。あと数分くらいでつ、着くと思いますよ」
さっきから目が泳いでいる。これは時間がかかりそうだ。ふぅーむ、何か話す内容でもないんだろうか? あっ、そういえば聞いておきたいことがあったな。
「それじゃあ、着くまで質問でもいいですか?」
「あっ、はい! 何でも聞いてくださいね!」
どうやら山田先生のスイッチに触れたらしい。先ほどまでの挙動不審な姿から一変して自身に満ち溢れた顔をしている。何かしらのスイッチ触れたんだろうか。
「適正テストって何するんですか?」
「適正テストですか? 普段は教師と一対一で戦闘をするんですよ。でも他の先生たちはすでに担当を取り持っているでしょうし、事務員さんぐらいしか動かせる人がいないんですよね」
「事務員が動かせるんですか!? ISを!?」
「はい、IS学園で勤めてる人は全員ISが動かせるように特訓を受けているんですよ! 織斑先生が主導で月に一回してくれるんです」
なるほど。事務員っていうからてっきり轡木十蔵さんのほうかと思ってた。さすがにそれはないか。そして俺のリアクションが山田先生の教師心をくすぐったのか、なぜかさっきよりも倍増しで興奮、もとよりキラキラ目を輝かせていた。
「へえー、それって俺も参加できますかね?」
「できると思いますよ。織斑先生に直接申し込めば誰だって快く引き受けてくれるはずですよ。でも、特訓が物凄く辛いですよ。それこそ三年生の人だって値を上げるほどなんですよ」
「それを毎月ですか。大変そうですね」
手っ取り早く強くなるなら強い人に教わるのが一番だからな。俺としても願ったり叶ったりだ。あの草木生い茂る中を走ってた時、まるでFPSの中の出来事を自分の身体で動かしているようだった。あの感覚からして、俺は間違いなく運動音痴なんかじゃなくなった。
今までの劣等感が優越感に変わったことを再認識した俺は、一回でもいいから織斑先生の特訓にでも参加してみようと思った。
「真輝君も頼んでみたらどうですか?」
「あぁ~、考えときます」
「そうですか。あっ、更衣室ですね。ここで着替えてください」
クセになりつつある無難な言葉に空気を悪くしたが運よく更衣室に到着したようだ。でも先生の話を聞くと、色々と抜けているんだが。
「えっと、何に着替えればいいんですか? それにどこに置いてるんですか?」
「す、すみません。ISスーツが置いてありますから、それに着替えてください。ベンチに置いてあるはずですので。」
「分かりました」
ISスーツはすぐに見つかった。着替えるのも少しばかり手間取る程度でそこまで難しくはなかった。着替え終わったらどこに行くのかを山田先生に聞き忘れて軽く死にたくなったが、適当に他の通路がないかを探すと何個かあったので入ってみる。
一つ目、トイレの入り口。しかも女性用。そっと閉じることにした。今日、俺は、何も、見ていない。
よし、二つ目を開けてみよう。用具が色々と入っていた。掃除用具からタオルまであった。タオルを見ると、次の部屋は何となく予想が付きそう。
三つ目はやはりシャワールームだった。少しいい香りがしたので一瞬名残惜しくなったが、すぐに閉じる。……閉じた勢いで香りがふわりと鼻に付く。やっぱり女子高なんだなぁ~。開けて入りたくなるわ。
四つ目を開けると観戦する場所だ。イスや立ち見の手すりなんかもあって一目で選手の観戦席だと分かった。シャワーといい、観客席といい細やかだな。これで全ての扉を開け終えた。別の場所か? さっき山田先生に聞いておくんだった。いや聞きに行くか。
「あのぉ~、山田先生、ちょっといいですか?」
「あれ着替え終わったんじゃないんですか?」
「いやそっちは終わってるんですけど、サイズもあってるんで」
「それじゃあ、付いてきてください。試験で使うISのところまで案内します」
やっぱりかー。……ちょっと顔が熱い。さっきまで勘違いしてたなんて。いや仕方なかったんだけど、もういいや。黙ってりゃいいことだ。
黙って山田先生の後について行き、すぐに部屋に入っていく。するとそこには、ISがあった。武骨な印象を思わせる形状のIS、たしか『打鉄』だったかな。
「山田先生、これが?」
「はい、インフィニット・ストラトス。通称ISです」
既存兵器の全てを上回る性能を持つISが、俺の前にある。そして、女性だけにしか使えなかった欠陥品。なぜ男の一夏が使えるのかは知らないし、俺が使える理由は神のみぞ知っている。別に原作でどうせ明かされるだろうし、作者次第だが時機に解明するだろう。
こっちの世界でISが売ってるのはどう考えてもありえないけどな。
「それじゃあ真輝君、これからこのISを動かしてもらいますね」
「わかりました」
素直に話を聞き、ISに近づく。このISを見た瞬間に鳥肌が立つのを感じた。これがきっと運命を感じ取ったときの感覚なんだろうな。ISに触れると全身に電流が流れる。静電気なんて目じゃない電気が俺の身体に流れてくる。
不快ではなく、むしろ心が湧き立つよう気分だった。それが収まると俺はISに乗っていた。なんとも不思議なもんだ。自分の手足の延長のように感じる。手を動かしてみるとその通りに打鉄の指が動く。ちょっと楽しい。
「装着できましたね。それじゃあ、まずはアリーナに降りて一通り自由に動かしてみてください」
普通に歩く動作を思い浮かべながら身体を動かしてみる。スムーズに身体が歩く。格納庫からあと一歩でも進むとアリーナに真っ逆さまだが、飛び降りる。何もない状態で空を降りるよりはちっとも怖くない。
途中でPICを使ってスピードを和らげるイメージを作ってアリーナに音をたてないように立つ。意外と自分の思い通りに動く。これは思っていた以上に楽だな。
次に宙に浮くイメージ。これも意外と簡単にできた。次に前へ身体を押し出すイメージをISに伝える。ゆっくりと前へ前進していく。速さはイメージ次第らしい。
一通り空中浮遊を楽しんだ後に打鉄に搭載されてるIS用のブレードを手に持つイメージする。何か白いが出てきて、消えると刀が手に乗っていた。やっぱり不思議だ。
『それじゃあ、真輝君。これからISのテストを開始しますね』
「わかりました」
刀を白い靄で包んでしまう逆のイメージを思い浮かべると俺の手から消えた。簡単にいけた。ホントすごいな。それにしても誰が相手なんだ? 会長でもくるの?
「ハーイ、君が新しい男の子かな?」
「oh my god……た、誰ですか?」
俺は聞き覚えのある声に思わず名前を言いかけた。来るんじゃないかと思ってはいたが、まさか生徒会長さんが来ようとは。俺の内心は奥底に収めるとして、会長さんが初っ端の相手はきついんじゃないか? ISで戦うはもとよりケンカなんて初めてですよ。
「出会っていきなりoh my godとは失礼じゃないかしら?」
いや、それでもさ。こっちは素人で、そっちは国の代表するIS操縦者でしょ。それにこっちは汎用機ですよ。寄りによって
ザクとガンダムをガチンコで戦わせるようなもんだろ! 勝てる要素がどこにも見当たらねぇ!
「いやいやいやいや、こっち打鉄でしょ! そっちはどう見ても専用機じゃないですか!?」
「アハハハ、そうね。諦める?」
「諦めるとかそんな次元じゃない気が」
「でも決まっちゃったものは変わらないわよ。賽は投げられたってやつよ」
会長さんは心から楽しそうな声で言ってのける。こっちからすれば死刑宣告されたのと一緒だってのに。
「それじゃあ、麻耶ちゃん。初めて」
『えっ、もうやるんですか?』
「いきなり「ヤル」だなんて、もう、男の子なんだから」
「違うわ!? そっちのやるじゃない!」
『えっと、それじゃあ始め!』
いまだ混乱している最中なのに山田先生のたった一言で、会長さんが一気に接近してきた。本当に始まりやがった。試験っていうから、ある程度動かして終わりなんじゃないかって思ってたのにここまでガチでやるなんて。
「もう! どうにでもなれ!!」
向かってくる会長さんに向かってファイトポーズを取る。神様に祈りたくなってきた。
今回は長らくお待たせしましたが、次は早く書けるはず。
ようやく勘を取り戻してきたところです。
次話はもっと早く投稿します。ハイ。