赤龍帝のIS学園生活   作:hinozi

7 / 16
9日もかかってますよ奥さん。こんなに腕が錆ついてますわよ。


遅れてすみませんでした。こんなに文章書くのができなかったなんて。
なんていうか、色々とグダグダです。


まとめられた転校生たち

……なぜだ。いや、原因は分かってるんだけど何でこんなことに。

 

「えっと、これからよろしくね。真輝」

 

「ああ、よろしくな」

 

 おそらく過去史上、最高にいい笑顔ができていることだろうと思うがポーカーフェイスの才能でもあるのか、それともただただ笑うしかないのか。恐らく後者だろう。流石にそんなことは分かるようなことだ。

 ハッハッハッハ、ハハハ、ハッ、は……

 

「はー」

 

「?」

 

どれもこれも先生たちのせいだ。

 

 

 

 

 生徒の部屋割りを変えるために面倒な事務処理をこなすためにはどうしても時間がかかる、そう織斑先生と山田先生に言われて俺の今いる従業員の寮を現在3人の生徒が住み込んでいる。俺、シャルル、ラウラの3人である。

 何回か一夏の部屋に行ったことがあるが、仕切りやベッドの大きさや各用品の質が違うってだけでそこまで大した違いはない。強いて言うなら部屋が一回り小さいことだろうか。後はあまり物が置いてないから妙にスッキリしている。

 でも二人部屋というのは同じらしく、ベッドが二つ置かれている。一つ減れば相当スペースができるんだが、そこは諦めよう。一々織斑先生に言うほどのことでもないし、何よりもこれ以上手間を掛けさせたくはない。

 

 ともかく織斑先生に頼まれ、山田先生に泣かれた以上は断るわけにもいかないだろう。直接謝られたわけではないが、どことなく申し訳なさそうな顔をしていた織斑先生はレアだ。それを見られただけで儲けものなんだが、素直に喜べない。

 シャルルというのは偽名で、実はシャルロット・デュノアという女性であることは、現在俺だけ知っている。

 俺の口からシャルルの正体に繋がる手がかりをいつ出すか分かったもんじゃない。俺がシャルロットと口に出すこともあるかもしれない。可能性を上げると本当にキリがない。

 

「……それは後でもいいかな」

 

「? どうかしたの」

 

「いや独り言だ。ともあれ明日もあるからな。シャワーは従業員用の部屋があるから、そこを使えばいい。風呂はここの寮にはないから諦めてくれ」

 

「大丈夫だよ。僕はあんまり汗かかない方だし、気にならないから」

 

「それならいいさ。そうだ。ラウラにも伝えておくから先に寝ててたいなら電気消してもいいからな」

 

「うん、わかったよ」

 

 考えておくに越したことはないが、俺にできることは精々意識してシャルロットの名を口に出さないことだけだ。

 何気なく口から出まかせにラウラの名前を出してしまったが、自分でもいつボロを出すか分からない状況で二人っきり。デュノア社の経営状態を口に出して脅せば絶対にやれる。冗談だけどなんてエロゲー?

 そんなシチュを考えなかったわけではないがあまり嫌われるような行動はとりたくない。ましてや相手は笑えないレベルの幸薄少女だ。傷つけるわけにはいかない。何はともあれ、逃げ出して頭を冷やすには最高の口実だと思う。

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

「行ってらっしゃい真輝」

 

 なんか、もう新妻に見送られてるようにしか見えない。

 

 

 

 

 

 

 理性が暴走しそうになったが逃げ出すことで過ちを犯さないで済んだ。童貞にはとてもではないが、辛い。

 

「オーイ。ボーデビッヒ。いるか?」

 

「……誰だ?」

 

 ラウラの部屋の扉を叩いて呼び出す。すると扉の前で待ち構えてるのが分かった。素人の俺にも分かるほど警戒心が漂ってくる。少し笑いそうになるが、済ませること済ませてさっさと外の風を浴びるとしよう。

 

「ここで分からないことでもないかと思ってな」

 

「無い帰れ」

 

「シャワー室はここを出てどこにある? 知ってるみたいだからな」

 

「なぜ言わなければいけない」

 

「知ってるならそれでいいけどよ。一夏に対してああも他人に突っ張る奴は大概話を聞かないからよ。ここに一週間以上いるもんの独り言を聞いといた方がいいんじゃねぇかと思ってな」

 

「…………勝手にしろ」

 

 織斑先生の話なら聞いてそうだ。まあ、そんなところも可愛いもんだ。何より『デレ』を知っている身としては凄味なんてもんは一切感じられない。俺の話に相づちを打っていたところを考えるとやっぱり知らなかったんだな。

 

「……ああ、それと一年の寮で朝食を取りたいときは7時からだ。時間制限はないけど授業に遅れると大層な理由がない限りは織斑先生に殺される覚悟をしておけ」

 

「……そうか」

 

「それじゃあ、良い学生生活を」

 

「貴様、名は何だ?」

 

「俺か? 俺は名御叢真輝。それじゃあ、また明日」

 

 別れの言葉を告げてクールに去る。ここでラウラちゃんが扉をバッと開けて引き留めたらさぞドラマチックな展開を味わえるが、そこは軍人さん。それ以前に俺の妄想なので一切追ってくる様子がない。それはそれで悲しいものがある。

 だがこの後待っている大切な時間と現時点では有り得ない妄想と比べれば、この後の大切な時間、実験の方がはるかに大切だ。

 

 

 

 

 

 

「『赤龍帝の籠手』」

 

 そう唱えれば俺の左手に赤くと緑色の宝玉が印象的な籠手が現れる。これからやるのは倍化のテストだ。俺のやること、成すこと全てが2倍となる強化、Explosionと一瞬だったり効果が持続したりと様々な効果を表すTransferとやり方がある。

 実は2~3日でもうおおよそのことは分かってたりする。

 

 Explosionは簡潔に言えば俺の強化。パンチマシーンに殴って150キロから300キロになり、100m走9秒が6秒になったりと、効果はとても簡単。一回なら2倍。二回なら4倍といった具合で増える。ただしスタミナとか曖昧なところは増えない。

 要するにステータスアップの魔法。そんなにポンと体力なんかの上限が上がったらインフレどころじゃなくなるし、今は努力しただけ成長してるのが良く分かるからやりがいがある。

 

 Transferには、抽象的になるが譲渡した対象によって変わる。譲渡した相手の体力、筋力を倍にすることができる。ここまではExplosionと同じ能力だが、その範囲が兵器なんかの無機物にも及ぶ。

 これが『おおよそ』しかわかってない理由だ。いざ詳しく調べてみようと思ったらまずどれから手を付ければいいのかわからなくなり、今は手短なもので試している。

 剣や銃など機能に特化した物を譲渡した場合は、考え無しに譲渡するのと選んで譲渡するのとでは効果がハッキリ違う。

 

 武器に考え無しの譲渡をすると、一撃の攻撃の威力が上がったりする。そこは俺の性格のせいじゃないかと考えた。面倒だし分からないことを考えても無駄でしかない。無意識だとそうなる。そう思って納得する。

 個別による譲渡は確実にその点のみが倍化する。以前近くの小石の硬度を譲渡した物としなかった物で検証してみたが、譲渡しなかった物は一撃で粉砕できたのに譲渡した物はヒビが入る程度にしか通らなかったのだ。

多分それでもヒビを入れるだけでも十分凄いが、先に跡形もなく粉砕してるのでどうにも不満がある。殴っただけなのに。倍化も何にもしてないのに小石を粉砕っておかしくない?

 順調な人外かを体験したが、今は譲渡の実験が先だ。試すのは俺の拳。これで手っ取り早く始める。試すための武器もないんだけどね。今日の実験内容はただ斬るのと譲渡した際にどれだけ切れ味が上がるかである。

 

「まずは一回目」

 

『Transfer』

 

 俺の拳の威力は現在木を揺らす程度が精一杯だ。だけど、2倍の威力を持った拳で気を殴りつければ、ヒビは入るか。次の二回分までの20秒を待つ。

 

『Transfer』

 

「これで二回目、4倍」

 

 近くにあった木をもう一度殴る。威力は先ほどとは段違い。さっきとは別に試した木がヒビの大きさが先ほどの2倍。目に見えて威力が上がっている。それにしても意外と木は頑丈だ。

 三回目、8倍は気に拳がめり込んだ。4倍と8倍の差は明らかだった。2の乗法だと三回目から一気に増加していく。2、4、8、16と増えていく。改めてこの倍化は使うたびに思い知らされる。『神滅具』は強すぎる。

 

「……殴った木どうしよう」

 

 焼いたら目立つため却下。バラバラにして木材加工にでもするか? 持っていく手段がない。あっ、量子変換(インストール)があるじゃないか。でも入るか? と一瞬考えたが難なく入った。いつか暇ができた時に木材加工の会社にでも行こう。

 一夏、シャルル、俺の順で三回ずつ使ってさっきの分も合わせると今日は合計で十二回は使ったかな?

 限界までやったことはないから試してみたい気もするが限界を超えて倍化ができることを考えれば、あんまりやりたくないな。でも俺自身どこまでやれるかってことは知っておいた方がいい。限界を知らないと無茶のしようがない。

 

『強さは正義で、弱さは悪』

 

 弱肉強食。俺は弱いから、弱かったから隅っこで丸まって生きてきた。強さを見つけられなかった人間で、ただ羨望しかできなかった自分には戻りたくはない。いや、戻らない。戻る意味もない。俺は弱かったころより強くなった。

 弱いままの人間でいたくない。あの惨めな人間だったころに戻りたくない。亡国企業(ファントム・タスク)には悪いが、俺の踏み台になってもらおう。その先がどうであれ、奴らに好き勝手されると俺の新しい学生生活が台無しになる。せめて2年生に上がる前には、亡国企業は殲滅する。

 

「…………まずは、強くならないとな」

 

 限界を知るのは日を改めるとして、その前にさっさと量子変換終わらせないと帰れない。

 

 

 

 

 

 最近俺の朝は早い。身体がすぐに疲れを直すからだ。どんなに身体を酷使しても大体3時間ぐらいで目が覚める。惰眠を貪れなくて困る。多分俺の肉体の回復スピードが段違いなんだろう。この異常な回復スピードはすぐに強くなれるようにと思って白靄が付けてくれたんだと思う。

 最近日課になって来た眠気覚ましの運動のために起きてISスーツを着込む。寝るときにはちと窮屈だが、体を動かすのにこれほど最適な服装はない。そのまま下着になるから楽でいい。使ったことないけどスポーツインナーみたいだ。

 

「……ハァー。さて、今日は何をやるか」

 

 4キロの外周を終えたところで行き当たりばったりな計画を作る。テンプレながら腕立て、腹筋、背筋でもやろうかな。

 

「…………終わっちゃった」

 

 携帯を見るとランニングから1時間ほどたった。筋トレの基礎も時間をかけてやれば相当な負担になる。この負担が鍛えられてる気がして楽しい。マゾじゃないよ。

 とはいえ今まで筋トレなんかと縁のなかった俺だ。ここから何をしようかと訓練メニューないのでとても困る。汗もすぐにスーツが吸って体が徐々に冷えるが、やる気は元よりなんちゃって人間の俺はすぐ飽きる。これまでやった内容を毎日やれてるだけ進歩してるんだろうが。

 

「貴様は、名御叢真輝」

 

「おやラウラ・ボーデビッヒ。こんな時間に何を?」

 

「それは私のセリフだ。貴様こそ言った何をやっていた」

 

「朝のトレーニング。最近寝覚め良くてね。どうしてもこの時間帯に起きちゃうのさ」

 

 振り返っていた最中に誰が話しかけたと思ったら意外なことにラウラだった。そういえば軍人なんだっけ。やっぱり明後日早いのかしら。

 

「そう言うラウラも大分早いな。今、5時だぞ」

 

「私はここに来る前は専業軍人だからな。訓練生時代と比べればまだ遅い」

 

「ウソだろ。5時より早いのかよ」

 

「ふっ、私は生まれながら軍の中で育ってきたからな。なんてことはない」

 

 流石です。俺の予想の斜め上を超えている。そういえばラウラは試験管ベビー、ホムンクルスのような生まれ方をしたんだった。軍人以外の生き方がなかったってのは本当に悲しいが、それもここで変わるだろう。命令を聞くだけが人生ってわけじゃないからな。

 

「そうだ。ランニングと腕立て、腹筋、背筋を一通りやった後、何やればいいのか分からなかったんだ。軍隊式を教えてくれないか」

 

「ふっ、軍隊式の訓練を教えろ、か。いい度胸だ。すぐに値を上げるだろうが付いて来る自身があるなら付いて来い」

 

「何から始めるんだ」

 

「まずはランニングだ。最低でも外周20週はやるぞ!」

 

「外周4キロほどあります」

 

「…………行くぞ」

 

 今日は絶対にクタクタだろうなー、と思いながら80キロを2時間で走りきった。今日はExplosion漬けだろうな~。

 




ヒロインについては熟考中。
取り敢えずラウラ、シャルロット、更識姉妹、のほほんさんは一応確定。

千冬さんと束さんだが、未だに据えかねる。俺の手に余る。
だが書きたい。けど書くと~

って具合のジレンマに襲われてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。