穏やかな日常にも、少しずつ変化の兆しが訪れます。
この出来事が今後どのように繋がっていくのか、楽しみながら読んでいただけたら幸いです。
それでは、どうぞ。
肌寒い季節、外では冷たい風が吹き始め、冬の訪れを伝え始めていた。
ホロライブプロダクション会議室
そこでは、とあるホロメンとS君が打合せをしていた。
そら「じゃあ、カウトダウンライブで私が出るのはみこちの後と、最後の全員でSSSを合唱するときだね」
S君「は、はい!今のところその2つになりますね。もし、ほかのホロメンとデュエットをしたいなど、要望があれば今度の打合せで出してみます。」
S君と話しているのは『ときのそら』、このホロライブプロダクションの最初のタレント。
ほかのホロメンと違い、ホロメンの始祖ともいえる人物に、S君は少し緊張気味だった。
そら「ありがとう。もし思いついたら伝えるね。」
S君「はい、わかりました」
そら「それにしても、もう今年度の半分が終わるなんて、なんだか1年て早いねぇ」
S君「そうですね。ほんとあっという間に過ぎちゃいますね」
そら「そうだね〜。今年もいい年末にしたいね!」
S君「ええ、私たちスタッフもできることを精一杯行います」
そら「うん!よろしくね!」
S君「はい。では、打合せは終了です」
そら「おつかれさまでした」
そうして二人は会議室を出た。
S君(あぁ〜緊張したぁ〜)
S君(そらさんはホロライブの原点。やっぱり最近入ってきた方たちとは雰囲気が違う。なんというか、オーラが出てるというか…)
打合せが終わって緊張から解放され、ほっとしているS君。
すると、そらが話しかけてきた。
そら「そういえばさ、S君はウチで働き始めてからそこそこ経ってるよね」
S君「えっ!?あぁはい…そうですね。」
そら「なんだか早いもんだよねぇ。入ってきたばかりの頃のS君はなんて、かなりオロオロしてたよね笑」
S君「あはは、それはお恥ずかしい」
そら「でも、今ではもうみんなから頼られるスタッフさんだよね。いろんな子から話を聞いてるよ」
S君「そうですか…大したことはできてませんが、皆さんのお役に立てているなら嬉しいです」
少し照れながら頭をかいて言う。
そら「もっと誇っていいよ!私も何度か一緒に仕事をしてて、感謝することはあるからね」
S君「はい、ありがとうございます」
ガタガタガタ…
そら「あれ?地震?」
S君「ほんとだ、少し揺れましたね」
そら「うん…でももうおさまったみたいだね」
S君「ええ、そうですね。大したこと無さそうでしたね」
また歩き始め、オフィスに戻ってくる二人。部屋に入ると、葛山が焦った様子で話してきた。
葛山「桜木か!さっきの揺れ、感じたか?」
S君「えぇ、感じましたが…何かあったんですか?」
葛山「ああ、どうやらここの最寄り駅方面の少し離れたところで爆発事故が起きたらしい」
S君「えぇ!?」
そら「うそ…」
葛山から語られたことに、二人とも酷く驚いている。爆発事故など、そう何度も遭遇するものではない。二人が言葉を失うのも無理はなかった。
葛山「幸いこちらに被害が及ぶことは無さそうだが、念の為職員やホロメンの安全確認をしてるところだ」
S君「そうですか俺もやります!」
葛山「ああ、頼む」
安全確認の為S君が動き出そうとすると、そらが何かを思い出し、焦ったように話し出す。
そら「ねぇ、そういえば今日この後、かなたちゃんが、来ることになってなかったっけ!?」
S君「!!」
葛山「なっ、それは本当か!?」
S君「俺、ちょっと見てきます!!」
そう言ってオフィスから駆け出していく。
葛山「おい桜木!勝手に行くな!外は危険かもしれないんだぞ!」
そら「S君!!」
S君「大丈夫です!気をつけながら行くんで!」
そうして出ていってしまった。
葛山「あいつは全く!!」
そら「気をつけて…」
外に出て、駅方面に走っていくS君。
S君「ハァ、ハァ、かなたさん、無事でいてくれ!!」
S君が出ていってからしばらく経ち、あれからS君からは連絡がない。
そらや葛山がオフィスで待っていると、
かなた「失礼しま〜す」
天音かなたがそろ〜りとオフィスに入ってきた。
葛山・そら「「天音さん!・かなたちゃん!」
そら「かなたちゃん、大丈夫だった!?近くで爆発事故があったみたいだったけど」
かなた「は、はい。私は大丈夫です。騒ぎは凄かったですけど」
葛山「そうか、無事でよかった。そういえば、桜木を見なかったか?さっきの爆発事故のあと、君が来ることを知って、様子を見に行ったんだ」
かなた「そうだったんですか!?すみません、S君は見ていません」
葛山「そうか…でも、天音さんが無事に着いたんだ。桜木を呼び戻そう」
スマホを取り出し、電話をかけようとしたそのとき、
ドカーン!!
2回目の爆発が聞こえた。
葛山「なっ!」
そら・かなた「えっ!!」
三人が窓の外を見る。
ここからは距離があるが、爆発の煙が遠くに見えた。
葛山「くっそ、桜木!!」
S君に電話をかける葛山。しかし…
葛山「ダメだ、繋がらない!!」
かなた「そんな…S君、私のせいで危ない目にあってるんじゃ…」
S君と連絡が取れず、安否も分からない。その事実が、かなたの胸に強い不安を抱かせた。
そら「S君…」
そして三人がS君と連絡が取れないことに焦っていると、オフィスのドアがゆっくりと開けられた。
S君「もどりましたぁ〜」
入ってきたのは…S君だった。
しかし、その姿は先程出ていったときとは違っていた。
葛山・そら・かなた「「「桜木!・S君!」」」
葛山「お前!心配したんだぞ!!それにボロボロじゃないか!!」
戻ってきたS君の姿は、無事と言えるようなものではなかった。顔や服は煤で汚れていた。
かなた「S君、私のことを心配してくれたばっかりに…」
S君「かなたさん、大丈夫ですよ。2回目の爆発現場の近くにいたもので、ちょっと汚れちゃいました。葛山さんにそらさんも、ご心配をおかけしました」
そら「もう!心配したんだよ!!」
葛山「そうだぞ!!もうこんな危ない真似はするな!」
S君「ええ、すみません」
怒るふたりに謝るS君。
そのとき、かなたがS君の右手を見て
かなた「S君!手から血が!」
S君の右手からは血が滴り落ちていた。
葛山「なに!?おい、見せてみろ!」
葛山がS君の袖を捲ると、そこには大きく擦りむいたような傷があった。
そら「痛そう…」
S君「あっホントだ。全然気が付かなかった。爆発のとき、腕まくりをしてたから、その時かもしれません」
かなた「早く治療しないと!救急箱はありますか!?」
葛山「こっちにあるぞ!」
かなたが応急処置をする。
S君「かなたさん、ありがとうございます」
かなた「ううん、こちらこそだよ。私のこと心配してくれてありがとう」
そら「とりあえず、今回はみんな無事でよかったね」
葛山「そうですね。だが桜木、もうこんな危ない真似はよせ!生きた心地がしないぞ!」
S君「はい、以後気をつけます」
その後、警察や消防隊が現場に到着し、現場検証をして安全が確認されたようだ。
ホロライブの職員やタレントたちも仕事を再開した。
なお今回の件で、S君は上司から、タレントの為とはいえ、危険な行為をしたことについて厳重注意をされた。
S君(はぁ〜めっちゃ叱られたなぁ)
S君(でも、かなたさんに何もなくてよかった)
S君(だけど、今回は運がよかっただけかもしれない)
S君(気を引き締めないとな)
全てはホロメンのために
おまけ
かなた「今日はとんでもない1日だったなぁ。S君も無事でよかった」
かなた「なにかお礼したいなぁ」
そうつぶやきながら歩いていると
ラミィ「やっほ〜かなた!」
みこ「かなたんにゃっはろ〜!」
AZKi「こんにちは、かなたん」
ころね「かなたんやっほ〜」
ココ「よぉかなた〜」
話しかけてきたのは同期の5人のホロメンだった。
かなた「あっみんな」
ココ「かなた〜今日は大変だったみたいだなぁ〜」
かなた「うん、そうなの。それでね、S君が私のこと心配してくれて、いろいろ動いてくれたんだけど、なにかお礼できないかなって」
ラミィ「なるほどねぇ、ラミィもこの前お世話になったからなぁ。ラミィもなにかお礼したいかも」
ころね「そうだねぇ〜。この前ころねもお弁当のおかずもらっちゃったし」
AZKi「みんなS君のお世話になってるんだね」
みこ「S君はみこたちのこと、よくサポートしてくれてるからにぇ」
ここでみこが何かを思いつく。
みこ「あっ!いいこと思いついた!」
ココ「みこ先輩、何を思いついたんですか?」
みこ「ふっふーん、それはにぇ…」
みこの発言が気になり、考えを聞くホロメンたち。
こおね「たしかにそれはいい案かもね!面白くなりそうだし」
かなた「それに毎日疲れてるS君にはピッタリかもね!」
AZKi「うん、私もいいと思うよ!」
ココ「そんじゃ、決まりですな!」
ラミィ「日々のお礼も兼ねてやってみよう!」
みこ「じゃあ、まずはS君にバレないように準備するにぇ」
なにやら企てているホロメンたち。その表情は、いたずらを思いついた子どものように生き生きとしていた。
いったい何を考えたのだろうか。
次回へ続く。
いかがだったでしょうか。
最後のおまけパートでは、ホロメンたちが何やら企んでいるようですね。
いったいS君に何をしてくれるのでしょうか?
ぜひ次回も楽しみにしていてください!