全てはホロメンのために   作:夜桜透

2 / 4
2話投稿です。

まずは1話を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
お気に入りや評価をいただけたこと、とても励みになっています。

今回から、少しずつホロメンとの関わりの描写が始まっていきます。
ただ、作中での描写については、実際の印象と少し違って感じる部分があるかもしれません。そこは本作なりの解釈として、温かく見ていただけると嬉しいです。

また、本作に登場するホロメンは「中の人」を元にしたものではなく、あくまでキャラクターそのものとして描いています。
その点をご承知のうえで、楽しんでいただければ幸いです。

それでは、第2話をどうぞ。


2話 謙虚

今日は、白上フブキとの仕事だった。

 

現場は3D配信の準備で慌ただしい。

機材が多く、配線も複雑に絡み合っている。

 

「Sく〜ん!それこっちに持ってきて〜」

 

「わかりました」

 

指示に従い、機材を運ぶ。

しかし慣れていない部分もあり、少し動きが遅れる。

 

「大丈夫?」

 

S君「すみません。大丈夫です」

 

「今日は3Dのゲーム配信ですよね。意外と準備がいるんですね」

 

フブキに機材を渡しながら言う。

 

「そうだね〜。結構準備は必要かも。ありがと」

 

軽い調子で返される。

そのまま自然に会話が続いた。

 

「S君ってゲームやるの?」

 

「やりますよ」

 

「へぇ〜、何やるの?」

 

「いろいろやりますけど、モンハンが多いですかね」

 

「おお〜、結構やってる人だ」

 

興味が乗ったのか、少し身を乗り出すように聞いてくる。

 

「モンハンは上手いの?」

 

「う〜ん、どうでしょう……そこそこですかね。一応ランクはカンストしてます」

 

一瞬、フブキの動きが止まる。

 

「え、それ普通にすごくない?TAとか配信とかやらないの?」

 

「いや〜それはやらないですね」

 

「なんで?もったいないじゃん」

 

少し不思議そうな声。

S君は一瞬だけ視線を落とす。

 

「う〜ん……仕事とか用事とかで忙しいので、そこまで詰めてやる時間がないんですよね」

 

言葉としては事実だった。

ただ、どこか歯切れが悪い。

 

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

 

「でもなんかもったいないな〜。絶対上手いのに」

 

軽く笑いながら言う。

 

「ありがとうございます」

 

「あっそろそろ時間ですね」

 

「ほんとだ!じゃあ始めよっか!」

 

配信が始まる。

画面の中で、フブキは一気に“配信者の顔”に切り替わる。

 

「うわー!やられたー!www」

 

「あっははははは!」

 

楽しそうな声が響く。

S君はその様子を見ながら、静かに考えていた。

 

(本当は違う……やってみようかなっていう気持ちはある)

 

(忙しいのは嘘じゃない。でも、それだけじゃない)

 

(いつも何か理由をつけて「やらない」にしてる)

 

(まあいいかって……)

 

(中途半端だな、俺は)

 

視線の先では、フブキが心から楽しそうに笑っている。

その姿は、まっすぐだった。

 

(ああいう風に、ちゃんと楽しめるのは……)

 

ほんの少しだけ、羨ましいと思った。

 

 

 

 

配信終了後。

片付けが始まる。

 

「いや〜楽しかった!」

 

「お疲れさまでした」

 

「S君もおつかれ〜!ありがとね!」

 

「いえいえ。では撤収作業に入りますので、帰り気をつけてください」

 

「は〜い、ありがと〜!」

 

そのまま帰るかと思ったが、フブキは途中で足を止める。

 

「そうだ、S君!」

 

「はい?」

 

「今度さ、よかったらホロメンのゲーム配信出てみない?」

 

「えっ、俺がですか?」

 

一瞬、反応が遅れる。

 

「うん!絶対楽しいと思うんだよね!どうかな?」

 

「えっと……」

 

少し迷ったあと、答える。

 

「かっ考えておきます」

 

「うん!よろしくね!「じゃ、おつかれ〜!」

 

ようやくフブキが去る。

現場に静けさが戻る。

 

(誘われてしまったか……)

 

少しだけ考える。

 

(まあ……)

 

(ホロメンのためになるなら、悪くはないかな?)

 

(フブキさんの誘いを無下にするのも良くないしな)

 

「気が向いたら上司に相談でもしてみようかな」

 

 

全てはホロメンのために




これから少しずつホロメンたちも登場し、物語が動いていく予定です。
また、本作では実際の出来事やエピソードを参考にすることがありますが、デビュー時期などの時系列は物語の都合上、現実とは異なる部分があります。ご承知いただければ幸いです。

感想や評価、誤字脱字のご報告などもいただけると励みになります。

投稿は3日〜1週間に1話程度を目安に、マイペースに続けていく予定です。
これからも『全てはホロメンのために』をよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。