まずは1話を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
お気に入りや評価をいただけたこと、とても励みになっています。
今回から、少しずつホロメンとの関わりの描写が始まっていきます。
ただ、作中での描写については、実際の印象と少し違って感じる部分があるかもしれません。そこは本作なりの解釈として、温かく見ていただけると嬉しいです。
また、本作に登場するホロメンは「中の人」を元にしたものではなく、あくまでキャラクターそのものとして描いています。
その点をご承知のうえで、楽しんでいただければ幸いです。
それでは、第2話をどうぞ。
今日は、白上フブキとの仕事だった。
現場は3D配信の準備で慌ただしい。
機材が多く、配線も複雑に絡み合っている。
「Sく〜ん!それこっちに持ってきて〜」
「わかりました」
指示に従い、機材を運ぶ。
しかし慣れていない部分もあり、少し動きが遅れる。
「大丈夫?」
S君「すみません。大丈夫です」
「今日は3Dのゲーム配信ですよね。意外と準備がいるんですね」
フブキに機材を渡しながら言う。
「そうだね〜。結構準備は必要かも。ありがと」
軽い調子で返される。
そのまま自然に会話が続いた。
「S君ってゲームやるの?」
「やりますよ」
「へぇ〜、何やるの?」
「いろいろやりますけど、モンハンが多いですかね」
「おお〜、結構やってる人だ」
興味が乗ったのか、少し身を乗り出すように聞いてくる。
「モンハンは上手いの?」
「う〜ん、どうでしょう……そこそこですかね。一応ランクはカンストしてます」
一瞬、フブキの動きが止まる。
「え、それ普通にすごくない?TAとか配信とかやらないの?」
「いや〜それはやらないですね」
「なんで?もったいないじゃん」
少し不思議そうな声。
S君は一瞬だけ視線を落とす。
「う〜ん……仕事とか用事とかで忙しいので、そこまで詰めてやる時間がないんですよね」
言葉としては事実だった。
ただ、どこか歯切れが悪い。
「ふ〜ん、そうなんだ〜」
「でもなんかもったいないな〜。絶対上手いのに」
軽く笑いながら言う。
「ありがとうございます」
「あっそろそろ時間ですね」
「ほんとだ!じゃあ始めよっか!」
配信が始まる。
画面の中で、フブキは一気に“配信者の顔”に切り替わる。
「うわー!やられたー!www」
「あっははははは!」
楽しそうな声が響く。
S君はその様子を見ながら、静かに考えていた。
(本当は違う……やってみようかなっていう気持ちはある)
(忙しいのは嘘じゃない。でも、それだけじゃない)
(いつも何か理由をつけて「やらない」にしてる)
(まあいいかって……)
(中途半端だな、俺は)
視線の先では、フブキが心から楽しそうに笑っている。
その姿は、まっすぐだった。
(ああいう風に、ちゃんと楽しめるのは……)
ほんの少しだけ、羨ましいと思った。
配信終了後。
片付けが始まる。
「いや〜楽しかった!」
「お疲れさまでした」
「S君もおつかれ〜!ありがとね!」
「いえいえ。では撤収作業に入りますので、帰り気をつけてください」
「は〜い、ありがと〜!」
そのまま帰るかと思ったが、フブキは途中で足を止める。
「そうだ、S君!」
「はい?」
「今度さ、よかったらホロメンのゲーム配信出てみない?」
「えっ、俺がですか?」
一瞬、反応が遅れる。
「うん!絶対楽しいと思うんだよね!どうかな?」
「えっと……」
少し迷ったあと、答える。
「かっ考えておきます」
「うん!よろしくね!「じゃ、おつかれ〜!」
ようやくフブキが去る。
現場に静けさが戻る。
(誘われてしまったか……)
少しだけ考える。
(まあ……)
(ホロメンのためになるなら、悪くはないかな?)
(フブキさんの誘いを無下にするのも良くないしな)
「気が向いたら上司に相談でもしてみようかな」
全てはホロメンのために
これから少しずつホロメンたちも登場し、物語が動いていく予定です。
また、本作では実際の出来事やエピソードを参考にすることがありますが、デビュー時期などの時系列は物語の都合上、現実とは異なる部分があります。ご承知いただければ幸いです。
感想や評価、誤字脱字のご報告などもいただけると励みになります。
投稿は3日〜1週間に1話程度を目安に、マイペースに続けていく予定です。
これからも『全てはホロメンのために』をよろしくお願いいたします。