全てはホロメンのために   作:夜桜透

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20話投稿です。
最近調子が悪く、調整しきれてないところがあるかもしれません。
誤字や読みずらさがあるかもしれません。何卒ご容赦を。


20話 鉄壁

 

 

S君がぎっくり腰になって数日後。

寝たきりで動けなかったS君は、普通に仕事ができるまで回復していた。休んでしまった分を取り返そうと、バリバリ働いている。むろん、腰に気をつけながらだが。

 

S君「ふぅ〜。とりあえず半分くらいは貯まってたのは片付いたかな」

 

忙しい時期に数日休んでしまったのは大きい。同僚や葛山がフォローしていたとはいえ、出社して自分のデスクを見たときには、いろいろなものが積み上がっていて、一瞬固まってしまった。

だが、その中にホロメンからの差し入れがあったのにはほっこりした。

 

S君「さぁ〜てと、残り半分もやっちゃうか」

 

残りの仕事に取り掛かる。するとそこに、1人の女性スタッフがやってくる。

友人Aこと、えーちゃんだった。

 

えーちゃん「桜木さん、こんにちは!今、少し大丈夫ですか?」

 

S君「えーちゃんさん、こんにちは。おつかれさまです。大丈夫ですよ」

 

えーちゃん「ありがとう。ちょっとお願いがあってきたんですが、今度外回りに行けそうな日ってありますか?できれば一日かけて」

 

S君「丸一日の外回りですか?ちょっと待ってくださいね…」

 

自身のスケジュールを確認する。このところは休みを取ってしまったのと、大型イベントを控えているため、予定が詰まり気味だった。

 

S君(どこも詰まってるけど…ここら辺を調整すれば大丈夫かな?)

 

S君「お待たせしました。この日なら大丈夫ですよ」

 

えーちゃん「ありがとうございます!そうしたら、この日は◯◯漁港に行ってほしいんです」

 

S君「漁港ですか?なんでまたそんなところに…」

 

えーちゃん「ポルカさんのポル伝の下見です。本来ならポル伝担当が行くんですが、生憎予定が調整できなくて。それで桜木さんに白羽の矢が立ったんです」

 

S君「そういうことですか。分かりました。行かせていただきます」

 

えーちゃん「ありがとうございます。助かります。詳細はこの資料を見てください。先方には、私から連絡しておきます。よろしくお願いしますね」

 

S君「了解です」

 

えーちゃんが戻っていく。

 

S君(さて、ちょっとペース上げるか)

 

急遽、漁港下見に行くことになったS君。下見に向けて、仕事を早めに処理するために、いそいそと動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

数日後、◯◯漁港。

 

 

S君「ここか」

 

漁港に到着したS君。辺りを見渡すと、漁業用や釣り体験用などのたくさんの漁船が停泊していた。

漁師の威勢のいい声も響いてくる。

 

S君「さすが、漁港。活気があるな」

 

S君が独り言を言っていると、一人の漁師が近づいてきた。

 

漁師「おたく、どちらさん?ここに何か用で?」

 

S君「あぁすみません。私、ホロライブプロダクションの桜木と申します。本日、こちらで下見をさせていただくことになっておりまして訪問いたしました。ご担当の方はどちらにおられますか?」

 

漁師「おぉ〜あなたが桜木さんですか、話は伺ってますよ。俺の方で担当します。こちらへどうぞ」

 

漁師に案内され、事務所に通される。そして、企画内容を説明し、ポルカが乗る船を見せてもらうことになった。

 

漁師「これが、乗ってもらう予定の船です」

 

S君「こちらですか」

 

船を見るS君。船はよくバラエティ番組などで見る船に近い。10人程度が乗れる大きさだ。

 

漁師「船内も見てみますか?」

 

S君「ぜひお願いします」

 

そして船内に入る。

 

S君「へぇ〜、中はこんなふうになってるんですね。実際に見るのは初めてです」

 

漁師「そうですか!この船はいい船ですよ~!割と新しいので、あまりストレスなく乗れますよ」

 

S君「そうなんですか。楽しく釣りができそうですね!」

 

S君(ストレスなく乗れるのはいいな。船酔いのリスクも少なそうだ。俺もちょっと釣りしてみたいかも)

 

その後も、釣り用具やライフジャケットなどをチェックし、写真も撮っていく。

また、釣りをした後、新鮮な海鮮が食べられる食堂や自分で釣った魚を調理できる調理場などを見せてもらい、確認すべきところは全て見ることができた。また、漁師から当日の注意事項も聞き、後は帰るのみとなった。

 

S君「本日はいろいろ見せていただき、ありがとうございました!」

 

漁師「いやいや、こっちとしても釣りや漁業に興味をもってもらういい機会です。当日は楽しみにしてますよ!」

 

S君「ええ、よろしくお願いいたします。では、失礼します」

 

S君が帰ろうとしたとき、

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

男性の叫び声が聞こえてきた。

 

漁師「なっなんだぁ!?」

 

 

叫び声が聞こえてきた方を見ると、漁師達が急いで船から降りていくのが見える。そしてその後ろには…

 

 

 

 

 

S君「!!」

 

グロンギの姿があった。

 

メ・オクタ・ギ

大きく丸い頭部。触手のような手。顎からも短い触手が伸びている。恐らくタコの性質を持ったグロンギだ。

 

S君(クソっ、こんなところで!!)

 

S君(どこか目立たない場所は)

 

辺りを見渡すが、ここは漁港。周りは開けており、身を隠せるような場所はなかった。

 

「たっ助けてくれぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

漁師の助けを求める声が聞こえる。

 

S君(迷ってる場合じゃない!!)

 

S君は荷物を下ろし、アークルを出現させる。

 

S君「変身!!」

 

S君の身体が変わり、クウガへと変身した。

 

漁師「桜木さん、あんた…」

 

漁師は驚き、目を見開く。

 

クウガ「はっ!」

 

クウガは跳躍し、漁師とオクタの間に着地する。

 

クウガ「早く逃げてください!」

 

漁師達の方を向き、逃げるよう声をかける。

 

漁師達「あっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

漁師達は走って逃げていく。

 

S君(よし、あとはあいつをたお…)

 

バチン!!

 

クウガ「ぐぁ!!」

 

クウガは、オクタの触手に弾き飛ばされる。漁師達を逃がそうとするクウガは隙だらけだった。そんな隙をみすみす逃すはずはない。

 

クウガ(目を離すべきじゃなかった…!)

 

よろよろと立ち上がるが、オクタは追撃を加えようと、走ってクウガに向かっていく。

オクタは大振りの一撃を加えようと、腕を振るうが、クウガはその腕を掴み、巴投げをお見舞いした。

そしてバックステップで間合いを取るが、

 

ズキッ

 

わずかだが、腰に痛みが走る。

 

クウガ(まだ本調子じゃない…激しく動き回るのはできない)

 

クウガ(どうする?)

 

クウガは考える。どうしたら確実に敵を倒せるかを。

マイティやドラゴンは無理、ペガサスは距離が近すぎる。

そのとき、近くに釣竿が落ちているのが目に入った。

 

クウガ(あれしかないか)

 

クウガ「超変身!!」

 

クウガの声とともに、姿が変わる。

その姿は薄い紫色の堅牢な鎧を纏ったような姿だった。

 

 

 

『クウガタイタンフォーム』

 

 

 

クウガは落ちていた釣竿を拾い、右手で持つ。すると、釣竿は大振りな剣に変化した。

 

〈邪悪なるもの あらば 鋼の鎧を身につけ 地割れのごとく 邪悪を切り裂く戦士あり〉

 

『タイタンソード』

 

タイタンフォームの専用武器だ。

クウガはタイタンソードを持ち、オクタに向かってゆっくりと歩き出す。

 

オクタはクウガの姿が変わったことに驚くが、手の触手を伸ばし、臆せず攻撃する。しかし、紫の鎧は微動だにしない。その後も、何度も攻撃するが、クウガの歩みは止まらない。

 

オクタ『ギギッ!!』

 

触手による打撃は無理と判断し、口から炭のような黒い塊を打ち出してくる。黒い塊がクウガに着弾すると、

 

 

 

 

 

ドォーン!!

 

 

 

 

爆発が起こった。

 

黒煙に消えるクウガ。

 

オクタ『グッグッグッグッグ』

 

勝ち誇ったように笑うオクタ。しかし、

 

 

煙が晴れると、傷一つ無いクウガが現れた。

 

オクタ『グガッ!?』

 

自分の攻撃が一切効いていないことに驚くオクタ。

クウガは、なおも歩みを止めず、距離を詰めてくる。

オクタは我武者羅に攻撃し始めた。触手による打撃、炭による爆発、だがどれもクウガには効かない。

そして、再び触手を伸ばしたとき。

 

クウガ「ふっ!」

 

クウガはタイタンソードを振るい、触手を切断した。

 

オクタ『グガァァァァァァァ!!』

 

痛みに悶えるオクタ。しかし、まだ諦めてはいないようで、残った触手を伸ばし、クウガの足に絡みつく。そのまま転ばせようとしたが、全く動かなかった。

クウガが転ばない理由。それは、単純に重いからだ。堅牢な鎧を纏っている分、体重は全フォーム中、最重量となる。焦ったオクタには、しっかりと力を込めることができていないのもある。

 

ザン

 

クウガは残った触手を切り落とした。

 

 

オクタ『アァァァァァァァァァァ!!!』

 

再び叫び声をあげ、悶えるオクタ。

 

そしてクウガはオクタの目の前に到着し、

 

クウガ「ふっ!だぁ!」

 

袈裟斬り、横一閃を入れる。

 

クウガ「ウォォォォォォォォ!!!」

 

最後に、オクタの腹部にタイタンソードを突き刺した。

 

『カラミティタイタン』

 

突き刺さった剣と先程斬られた箇所に、封印の文字が浮かび上がり、封印エネルギーが流れ込んでいく。

 

エネルギーがオクタのバックルに到達し、

 

 

 

オクタ『グオォォォォォォォ!!!』

 

 

 

断末魔を上げ、爆散した。

 

クウガ「ふぅ」

 

小さく息を吐き、変身を解除する。

 

 

漁師「桜木さん…」

 

漁師が近づいてくる。その後ろには、先程逃がした他の漁師達もいた。

 

漁師「あんた、いったい…」

 

S君「あ〜、えっと〜…」

 

なんと言えばいいのかわからず、上手く話せない。考えた末、口を開く。

 

S君「え〜っと、できれば内緒にしていただけませんかね??」

 

苦笑いをしながら、内緒にしてほしいことを伝える。

漁師達はお互いを見合う。

 

漁師「…」

 

今日、S君を案内してくれた漁師も下を向いたままだ。

 

S君(あ〜、こりゃ無理かなぁ〜)

 

受け入れてもらえないことを覚悟し始めるが、

 

 

 

 

漁師「わかった!!あんたがそういうのなら俺は黙ってる!!」

 

 

 

 

 

S君「えっ」

 

S君は、漁師の言葉に驚く。

 

漁師「あんたは俺達を助けてくれた!あんたは恩人だ!恩人の頼みを聞かないわけにはいかない!」

 

その力強い言葉に、他の漁師達も「そうだ!」「あんたのおかげで助かった!」「ありがとう!」と、みんな感謝の言葉を口にした。

 

S君「皆さん、ありがとうございます!」

 

深く頭を下げるS君。

 

漁師「いやいや!お礼を言うのは俺達の方だ!あんたが今日来てくれて本当によかった!おかげで誰も死なずに済んだ!」

 

S君「そうでしたか!それは…本当によかった!」

 

S君は驚くと同時にとても嬉しくなった。今まで、どんなに頑張っても犠牲者をゼロにすることができなかった。

だが、今日は誰も死ななかったことが分かり、S君は心の底から嬉しくなった。

 

漁師「いけね、あまりにも驚いちまって敬語抜けてた。すんません、こっちの話し方でいいですかい?」

 

S君「いいですよ。俺は気にしません」

 

漁師「そうかい!ならこれでいかせてもらう!ささっ、桜木さん!こっちに来てくれ!せめてものお礼に、漁師飯食べてってくれ!」

 

S君「いいんですか?では、せっかくなので、いただきます!」

 

その後、S君は漁師達から漁師飯をご馳走になり、みんなでワイワイと食事を楽しんだ。さらに、帰り際には大きなカツオをいただいてしまった。

 

 

 

夕方

ホロライブプロダクションオフィス

 

 

S君「ただいま戻りました〜」

 

葛山・えーちゃん「「桜木(桜木さん)!!」

 

葛山とえーちゃんが詰め寄ってくる。

 

えーちゃん「大丈夫でしたか!?漁港に未確認が出たってニュースで流れて!電話も繋がらなかったし、もしかしたらやられちゃったんじゃないかって心配で!」

 

目に涙を浮かべながら話すえーちゃん。

 

S君「すみません。ご心配をおかけしました。電話は、バッテリー切れで気連絡が繋がらなかったみたいです。すみません」

 

えーちゃん「いいんです。無事に戻って来てくれたなら」

 

涙を流すも、笑顔になるえーちゃん。すると、葛山がコソコソと話しかけてきた。

 

葛山「それで、今回は大丈夫だったのか?」ヒソヒソ

 

S君「ええ、俺はなんともありません。それに、今回は誰も犠牲者は出ませんでした」ヒソヒソ

 

葛山「そうか、ならよかった。だが、電話くらいはちゃんとしろよ」ヒソヒソ

 

S君「はい、すみません。今度はちゃんとします」ヒソヒソ

 

えーちゃん「お二人ともどうしたんですか?」

 

ヒソヒソと話す二人を不思議そうに見るえーちゃん。

 

葛山「いや、なんでもない。ところで、桜木。それはなんだ?」

 

S君が持っている発泡スチロールに目をやる葛山。

 

S君「ああ!これですか!これは漁師の皆さんに頂いたものでして!」

 

 

ガチャ!!

 

 

そのとき、勢いよく扉が開く。入ってきたのは尾丸ポルカだった。

 

ポルカ「S君が帰ってきたって本当!?」

 

S君「あぁポルカさん。俺はここですよ」

 

ポルカ「っっ!!」

 

ポルカはヘナヘナと座り込んでしまった。そして、

 

ポルカ「よかったぁぁ」

 

ポロポロと涙を流し始める。

 

ポルカ「S君が、ポルカが頼んだ下見に行って…そこで未確認が出て…連絡つかなくて…」

 

S君「あっ、えっと、スマホがバッテリー切れで、電話に出られなくて、えっと、すみません!!」

 

泣き続けるポルカにアタフタし、心配をかけてしまったことを謝る。

 

ポルカ「違う!今日依頼したのはポルカだから!それで、もし死んじゃったらって思ったから!!」

 

S君「ポルカさん。大丈夫ですよ。俺は無事ですから」

 

ポルカ「うん…本当に無事でよかった…」

 

その後、少し経ってポルカは泣き止んだ。

そして、S君が持ってきた発泡スチロールの箱の話に戻った。

 

S君「では、改めて」

 

蓋を開け、カツオを見せるS君。

 

ポルカ「おお!」

 

えーちゃん「これは立派なカツオですねぇ!」

 

葛山「あぁ、すごいな」

 

S君「俺一人じゃ食べきれないので、みんなで食べましょう」

 

ポルカ「いいの!?S君!」

 

S君「ええ!みんなで美味しくいただきましょう!」

 

その後、もらってきたカツオはS君や葛山、えーちゃんを始め、他のスタッフ、ポルカや今日仕事やレッスンに来ていたホロメン達に美味しくいただかれた。

 

食べている者たちの顔はみんな笑顔だった。S君はその顔を笑顔で見つめていた。

 

今回の戦闘では、犠牲者は出なかった。しかし、今後もそれが続くとは限らない。

 

辛く、厳しい戦いはこれからも続いていく。それでもS君は歩みを止めない。ホロメン達の笑顔を守るために。

 

 

 

 

 

 

全てはホロメンのために




今回も読んでいただき、ありがとうございました。

今回登場したグロンギはオリジナルのグロンギです。
イメージとしては、仮面ライダーアギトにでてくるタコ怪人です。
こいつはグロンギの中でも弱い個体で、S君でも無傷で倒せました。
メ階級に昇格したのも、たまたまゲゲルが成功したからです。
普通に戦ったらズ階級よりも弱いです。

今後もオリジナルグロンギを思いついたら出していきたいと思います。
次回もよろしくお願いします。
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