今回はちょっと長めです。
東京都内
頭にツノ、長い尻尾を生やした女性と騎士のような格好をした女性が歩いている。
ノエル「ココ会長、今日はご飯に付き合ってくれてありがとう!いや〜あそこのステーキ美味しかったねぇ!」
ココ「いいってことよぉ!ちょうど私も美味しい物食べたかったし、ちょうどよかった!次はスイーツだね!」
どうやら二人はランチでステーキを食べに行っていたようだ。この後はスイーツを食べる予定らしく、次の目的地に向けて歩いていた。
ノエル「最近はさぁ、未確認が増えてきちゃって、一人で外食とかするのが危なくなってきたよね。二人なら大丈夫っていうのもないけど」
ココ「まぁそうだなぁ。私たちはある程度力があるから、襲われても何とか逃げ切れるかもしれないけど、力のない人達が狙われたらひとたまりもないよな」
ノエル「うん、そうだね。でも最近は新種?って呼ばれてる未確認もいるんだよね。そっちは人を助けてるみたいだね」
ココ「あ〜そうらしいね。でも、だからって安全とは断言できないよね。ほんとに私たちの味方なのか分からないし、仮に味方だったとしても、都合よく助けてもらえるわけじゃないからね」
ノエル「そうだね。まずは私たち自身が襲われないように気をつけないとね」
ココ「だね〜。とりあえず人気のないところが危なそうだから、そういう所には行かないようにしようぜ。とりあえず次のところに早く行こう!ござるさんも待ってるぜ」
二人は未確認について話しながら歩き続ける。次の店では、風間いろはも合流するようだ。
だが、二人は甘かった。人気のないところに行かなければ危険は少ないと。人混みの中なら、未確認は現れにくいと勝手に思い込んでいた。
顔に独特な刺青を入れた男が、後ろから見つめていることに、二人は全く気が付かなかった。
ホロライブプロダクションオフィス
S君は今日も仕事に励んでいる。先日、みことラプラスに正体をバレてしまってから、今まで通りに働けるか不安だったのだが、二人は必要以上に干渉せず、普通に接してくれていた。
それに、今後控えている物に追われ、各々忙しくしていた。
S君「これと、これは終わり。次はこっちをやって…」
S君は、どんどん積み上がっていくタスクを必死に捌いている。決して仕事が遅いわけでは無いのだが、いかんせん仕事が膨大なのである。そこに、クウガとしての役目も入ってくるとなると、忙しさが増してしまうのは無理もない。一つ終わったと思ったら次がやってくるのである。
のどか「桜木さ〜ん!」
S君「あっ、のどかさん。おつかれさまです。どうしました?」
やってきたのは春先のどかだった。
その手には、数枚の書類が握られていた。
のどか「どうしましたかって、桜木先輩、この前私にホロメンの皆さんのケータリングの希望をとって纏めてほしいって言って頼んだじゃないですかぁ。その取り纏めができたから持ってきたんですよぉ」
S君「あっ、そうでしたね。すみません。ありがとうございます」
のどかに頼み事をしていたことを忘れていたS君。忙しさが増し、オーバーワーク気味になっているようだ。
葛山「桜木が頼み事を忘れるなんて珍しいな」
のどか「そうですねぇ。桜木先輩、お仕事はいつも丁寧なのに」
S君「すいません。ちょっと仕事が積み上がってまして…」
葛山「はぁ…いくつかこっちに回せるものは回せ。業務過多になったら、ミスも出てくる」
のどか「私も、部署は違いますが、私ができそうなものならやりますよ」
S君「お二人とも、ありがとうございます。じゃあ葛山さんには、これをお願いします。のどかさんにはこれを頼んでもいいですか?」
葛山・のどか「わかった(わかりました!)」
《¥´∬∑□△◇✻Й》
S君「!!」
突然、ゴウラムから思念が送られてくる。グロンギが出たらしい。だが、普段の連絡とは違う。何か焦ったような思念。
《ЕИЗ&^~▽✗ゝ!!》
S君「なっ!!」
ゴウラムからさらに送られてきた思念に驚愕し、立ち上がる。
葛山「桜木、どうした?」
S君「ノエルさん、ココさん、いろはさんが危ない…」
葛山「なに!?」
S君はすぐさま走り出す。ゴウラムから送られてきた思念は、ノエル、ココいろはが、現在グロンギに追われているというものだった。
のどか「桜木先輩!ノエルさん達が危ないってどういうことですか!?」
桜木は答えず、あっという間に出ていってしまった。
のどか「葛山さん、桜木先輩が言ってたことって…」
葛山「桜木…」
S君「ビートチェイサー!!」
外に出たS君は、ビートチェイサーを出現させ、すぐさまヘルメットを被り、走り出す。
いつもなら人影のないところで出現させ、変身してから発進するのだが、今回はそんなことを気にする間もなく、ビートチェイサーを出現させてしまった。
だが幸いなことに、今は人通りがなく、S君がビートチェイサーを出現させたところを見た者はいなかった。
ノエル「ハァ!ハァ!ハァ!」
いろは「ハァ…ハァ…」
ノエル、ココ、いろはの三人が路地裏を走る。三人の息は酷く乱れていた。走る三人の後ろから一体のグロンギが迫る。
ココ「クッソ!」
ココ(甘かった…甘かった!!)
ココ(人混みにいれば狙われないと思ってた。そうすれば大丈夫だって!!そんなことないのに!!)
ココ(まさか、店を出た途端、目の前に未確認がいるなんて!!)
グロンギに追われる少し前、ノエルとココは、風間いろはと合流し、カフェでスイーツを食べた。ひとしきり談笑し、スイーツを食べ終え、午後からの仕事に向かおうと店を出たときだった。
店の前に、独特な服装をした男が立っており、顔には奇妙な刺青が入っていた。その男は、ノエル達三人を睨みつけている。
そして男は口を開き、
男『ガァゲゲルゾザジレス(さぁゲゲルを始める)』
ノエル・ココ・いろは『ゾクッ!!』
そう言った瞬間。三人は濃密な殺気を感じ、すぐさま逃げ出した。
男は姿を変え、三人を追いかけ始めた。
そして今に至る。
ノエル「ハァ!ハァ!」
いろは「なっ、なんでこんなことに!」
グロンギ『オオオオオオオ!!!』
グロンギが雄叫びを上げ、拳を引き絞りながら飛びかかってくる。
ココ「ハアッ!」
ノエル「ウッ!」
いろは「ああっ!」
ドゴン!!
三人はグロンギの攻撃を何とか躱す。
そして、ついさっきまで自分達がいたところを見る。
グロンギが殴った地面は、大きく陥没している。
今まで逃げることに必死で、グロンギの姿が分からなかったが、今はっきりと認識する。
自分達を狙うグロンギは、硬そうな鱗を持ち、長い尻尾を生やしていた。
『メ・ザラマ・レ』
サラマンダーの特徴を有するグロンギ。体の表面は硬い鱗に覆われ、特に火に強い性質がある。
ザラマ『ほう、よく躱したな』
いろは「未確認が、喋った!?」
ノエル「なんなの、こいつ!?」
ザラマ『お前たち、強いな。やはりゲゲルは強いものを殺してこそ面白い』
ザラマは、グロンギの中では武闘派に入る。彼のゲゲルは強者を狩ることをルールとしており、人間しかいない世界では、武術の有段者を狙っていた。こちらの世界に来てからは、人以上に力を持つものが数多くいたため、より強者に狙いを定めていた。
ザラマ『さぁ、もっと俺を楽しませろぉ!!』
再びパンチを繰り出してくるザラマ。狙いはいろは。
いろは「きゃあ!!」
いろはは何とかザラマの攻撃を躱す。しかし、躱してもザラマから距離を取ることができない。
ノエル「いろはちゃんから離れて!!」
ノエルがメイスをザラマに振り下ろす。力の乗った、ノエルの渾身の一撃だが、
ガシッ
ザラマ『ふむ。いい一撃だが全然足らんな』
ノエルの全力の攻撃は、いとも簡単に受け止められてしまった。
ノエル「ウソ…」
ノエルはあっさりと自分の攻撃が受け止められたことに驚く。倒せなくても、怯ませるくらいはできると思っていた。だが、現実は甘くなかった。
自分の攻撃が全く通らないのだ。
そしてザラマは、攻撃を受け止められただけでなく、メイスをガッチリと握り、ノエルがすぐに離脱出来なくしてしまう。
ノエル「このっ、離して!!」
何とかメイスを取り返そうとするが、全く動かない。なおも必死で取り返そうとする。
いろは「でや!!」
ノエルがメイスを掴まれているところで、いろはもザラマに一太刀を浴びせる。
シュッ
いろは「…え?」
いろはの斬撃はたしかにザラマに当たった。しかし、ザラマの体表が切れたのはほんの1ミリ程度。そしてその傷はすぐに再生してしまった。
ザラマ『お前もいい攻撃をするが、その程度か。』
ザラマの口から炎が溢れ出す。
ノエル(あっ…)
いろは(マズいマズいマズい!!)
ノエルといろはがザラマの炎でやられると思ったとき、
ココ「このぉ!!」
ボウッ!!
ココが口から火球を飛ばしザラマの顔面に直撃させる。
ココ「早く離れろ!」
ココの叫びに、いろははすぐさま離脱。ノエルもメイスを諦め、手を離して距離を取った。
やがて、ザラマの顔から煙が晴れる。
ココ「うそ…だろ?」
ザラマは全くダメージを受けていなかった。
ザラマ『火力が足りんな』
ザラマ『炎とはこういうものだ』
ザラマは口に炎を溜め始める。離れている三人にも熱が伝わってくる。
ノエル(これ、無理かも)
ココ(なにが、「あたしたちなら逃げ切れるかも」だよ。クソっ…)
いろは(誰か…助けて…)
ザラマ『終わりだ』
ゴウゥ!!!
ザラマの口からココよりも大きな火球が撃ち出されたとき、
???「ウオオオオオオオオ!!!」
何者かがノエル達の前に降り立ち、火球を拳でかき消す。
現れたのは、クウガに変身したS君であった。
ノエル達は自分達をザラマの炎から守った存在を見て、驚きの表情を浮かべる。
いろは「新種さん?」
いろはが声を出すと、クウガは三人に振り向き。
クウガ「皆さん!!大丈夫ですか!?」
ノエル「えっ?えっ?」
ココ「あっ、ああ」
いろは「えっ、えっと」
クウガに日本語で話しかけられ、戸惑う三人。
クウガ(よかった。とりあえず無事みたいだ)
三人の無事を確認し、クウガはザラマの方を向く。
ザラマは一切手を出さず、クウガを見ていた。
ザラマ『まさかこんなところでクウガに会えるとはな。面白い』
クウガ(こいつ、強い!!)
ザラマの立ち振る舞いと余裕を見て、クウガは警戒度を引き上げる。
油断したら死ぬ。
そう思わせる相手だと思った。
クウガとザラマ、お互い睨み合う。
そして、両者同時に駆け出し、お互いに右ストレートを繰り出す。
ドゴン!!
両者の拳がぶつかり合い、辺りに轟音が響く。
一度距離を取るが、両者は再び距離を詰め、そのまま格闘戦に入る。
クウガ「ふっ!はあ!」
ザラマ『グッ、ヌゥン!』
互いに攻撃を繰り出し、ダメージを与えていく。しかし、クウガの方が攻撃を受けるを多く受けてしまっている。ザラマの方が経験や戦闘センスが上回っている。
クウガは攻撃を受ける度に、攻撃する頻度が減っていく。
クウガ「クッソォ!!」
何とか相手に攻撃を当てようと果敢に攻めるが、ザラマに受け止められ、逆に壁に叩きつけられてしまう。
クウガ「ぐあ!!」
ザラマ『クウガ、そんなものか。もっと楽しませろ』
ザラマがゆっくり近づいてくる。
そのとき、
ボウッ!
ザラマの肩に火球が直撃する。
火球が飛んできた方向を見ると、ココが立っていた。
ココ「おっおい!アンタ、大丈夫か!」
どうやらクウガを助けるために火球を放ったのだろう。しかし、その行為はザラマにとって悪手であった。
ザラマ『貴様、神聖な決闘を邪魔するか!』
ザラマ『邪魔をするなら殺す!!』
ザラマは武闘派ゆえ、戦いの邪魔をされることを極端に嫌う。
先ほどよりも炎を口に溜める。ココ達を一気に焼き払う気だった。
クウガ(マズい!!)
クウガはすぐに立ち上がってココ達の方へ走り出す。
そして、ザラマは火炎放射のようなブレスを放つ。
ココ(あっ、アタシ死んだ)
目の前に迫り来る炎。
焼かれる。そう思い、ギュッと、目を閉じるココ達。
だが、いつまで経っても自分達に炎が来ない。
恐る恐る目を開けると、
クウガ「くっ、くぁぁぁぁぁ……!!」
クウガがココ達を庇い、全身で炎を受け止めていた。
やがてブレスが止み、クウガはココ達の方に倒れた。
クウガ「うっ。うぅ…」
ノエル「そっそんな、私たちを庇って…」
いろは「しっ新種さん…」
ココ(私は、何をやっているんだ。ただ邪魔をしただけじゃないか)
クウガを助けるつもりが、ザラマの怒りを買い、逆に助けられ、クウガに怪我を負わせてしまった。
その負い目と罪悪感から、ココはガクッと膝をついてしまう。
ザラマ『こんな終わり方をするとは、つまらん』
ザラマは興が削がれたのか、この場を後にしようとする。
クウガ「……待て」
ザラマ『ん?』
クウガがゆっくりと立ち上がる。
だが、ダメージを負いすぎたのか、フラフラだった。
ココ「おっ、おい…」
ココは心配そうに呼びかける。
クウガ「大丈夫です」
クウガ「あなた達は、俺が必ず守ります」
クウガ「だから安心して待っててください」
クウガはノエル達に優しく語りかける。
いろは(あれ?)
ノエル(この声、どこかで…)
ココ(まさか…)
クウガ「お前は逃がさない。ここで倒す」
ザラマ『ふっふっふっ、面白い!!では、仕切り直していくぞ!!』
ザラマはクウガに向かって突っ込んでくる。クウガは構えて待つ。
ザラマ『オオオオオオオ!!!』
ドゴン!!
ザラマの拳がクウガの頬を捉え、重い一撃が入る。
ザラマ『なに!?』
クウガはグッと堪え、動かない。
そしてザラマの拳を掴み、逃げられないようにする。
クウガ「お返しだ」
クウガは腕を引き絞り、ザラマの腹部に拳を叩きつけた。
ザラマ『グオオオオオ!!』
封印エネルギーが乗った強烈な一撃。これにはザラマも堪らず後ずさり、腹部を押さえ、膝を着く。
クウガ(今だ!)
クウガは変身の時と同じようなポーズをとり、両手を開き、右足を引いて力を込める。そして、ザラマに向けて駆け出す。
クウガ「ふっ!」
ザラマの手前で飛び上がり、空中で一回転する。
クウガ「ウオオオオオオオオ!!!」
力強い雄叫びを上げ、ザラマにマイティキックを放った。
マイティキックはザラマの胸に直撃し、ザラマは後ろに吹き飛ばされた。
ザラマ『グッ、グオオオオオ…』
マイティキックが直撃したところに、封印の文字が浮かび上がる。そこから封印エネルギーがゲドルードに伸びていく。
ザラマ『グッ、グゥゥ…!!クッ、クウガよ、見事だ』
ザラマは最後に、クウガに賞賛の言葉を送る。そして封印エネルギーがゲドルードに到達し、
ザラマ『グァァァァァァァ!!!』
爆散した。
クウガ「はぁ、はぁ、はぁ」
クウガ(今回も何とか倒せた。それに…)
クウガは後ろを振り向く。クウガの後ろでは、ノエル達がこちらをずっと見ていた。
ノエル「倒したんだね…」
いろは「よかったぁ、助かったぁ!!」
クウガ(無事に守れたか…)
クウガ(あぁ、もう無理だ…)
クウガはゆっくりと倒れる。
ココ「おっ、おい!」
そして、クウガの姿がS君に戻る。
いろは「っ!!」
いろはがはっと息を呑み、両手で口元を押さえる。
ノエル「S君!?」
ココ「やっぱりかよ!!」
ノエル「S君しっかりして!!」
いろは「救急車!!」
ココ「おい!S君しっかりしろ!」
S君「…んん」
S君がゆっくりと目を開ける。視界に入ってきたのは白い天井。
自分は何をしていたのか…。頭がぼーっとしている。
葛山「おい、桜木、大丈夫か?」
S君「葛山さん?」
ノエル・ココ・いろは「「「S君!!」」」
S君「あれっ、皆さん?ここは…」
ノエル「ここは病院だよ」
いろは「S君、目が覚めてよがっだぁ〜!!」
ココ「あぁ、ほんとによかった!!」
S君「あ〜そっか、俺、戦ってその後気絶したのか」
ギュッ
ココがS君に抱きつく。
ココ「ほんとに、目が覚めてくれてよかったぁ!!」
ココ「私が余計なことしなければ!S君はこんな大怪我しなくて済んだのに、死んじゃうところだった!本当にごめんなさい!!」
大粒の涙を流すココ。不安でいっぱいだったのだろう。もしも目が覚めず、S君がこのまま息絶えてしまったらどうしよう。自分のせいで死んでしまったらとても耐えられない。
だが、S君は無事に目を覚まし、ココは安心して、一気に涙が出てきたのだ。
その後も、「ごめんなさい」と謝り続けるココ。
そんな様子のココを見て、S君はココの頭を撫でながら話す。
S君「ココさん、俺は生きてます。だから、もう大丈夫ですよ。そんなに謝らないでください」
S君「あの時は俺のことを助けようとしてくれたんですよね?」
S君「その気持ちはよくわかってます。だから謝らないでください」
ココ「ほんとに?ほんとに大丈夫?」
S君「はい、俺は大丈夫ですよ」
ココ「うぅ、S君ありがとう。それと、私達を守ってくれてありがとう」
ノエル「私からもありがとう!お陰で助かったよ!」
いろは「S君のお陰で生きていられる。ほんとにありがとう!」
S君「ははっ、いえいえ、どういたしまして」
S君「葛山さん、心配かけてすいませんでした」
葛山「いや、無事に目を覚ましてくれたのならいい。とりあえず今はゆっくり休んで、怪我を治せ」
S君「はい、そうさせてもらいます。すいませんが、仕事の方はお願いします」
葛山「わかってるよ。こっちで何とかしておく」
S君「ありがとうございます。よろしくお願いします」
ココ「あのさ、」
ココは落ち着き、葛山との会話に入ってくる。
ココ「S君のこと、いろいろ教えてくれない?」
ノエル「それ、私も聞きたい」
いろは「ござるも」
三人とも真剣な眼差しを向けてくる。
葛山はS君の方を向き、目を合わせる。S君は頷く。
S君「わかりました。では、お話しますね」
そしてS君は自身のことを話し始めた。
話を聞いたノエル達は、みこやラプラスと同じような反応だった。
S君の置かれた状況や使命を知り、またも暗い表情になってしまった。
だが、S君は簡単には死んだりしないことを話し、ノエル達を安心させようとした。
浮かない顔はなかなか消えなかったが、こればかりはどうしようもないと考え、S君の話を受け入れることにした。
ココ「S君、私達は正直に言うと力になれないかもしれない。でも、何かあったときには頼ってくれよな」
ノエル「うん、私達にできることならなんでもやるよ!」
いろは「だから、遠慮なく言うんでござるよ?」
S君「はい、その時にはお願いします」
葛山「そうだ、桜木。今回、お前が動いたことで、春先もいろいろ気にし始めたぞ。」
S君「あぁ〜そういえば、のどかさんの目の前で御三方が危ないって言っちゃいましたからね」
葛山「もういっそ、春先には真実を打ち明けた方がいいかもな」
S君「そうですね。どうせならえーちゃんさんにも伝えようと思います。疑われるのは時間の問題なので」
葛山「わかった。今度話し合いの場を設けよう」
後日、えーちゃんとのどかにもS君のことが共有された。同僚やホロメン達の間でS君の理解者が少しずつ増えていく。
それに従い、S君も精神面が楽になっていく。同時に絆も深まっていった。
だが、二週間後――バレンタインデー。ホロライブに届いたのは、S君の死亡を知らせる一報だった。
全てはホロメンのために
今回も読んでいただきありがとうございます。
今回出てきたグロンギは、オリジナルグロンギになります。武闘派で正々堂々としたキャラクターにしてみました。
今週末は、ねぽっくすがありますね。
参加される方は楽しんできてください。
次回もよろしくお願いします。
あっ、感想、評価も待ってます。