全てはホロメンのために   作:夜桜透

3 / 4
3話投稿です。

2話まで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
少しずつですが、S君とホロメンたちとの関わりも広がっていく予定です。

本作は、ホロライブの世界観や実際の出来事を一部参考にしつつ、独自の解釈を交えて描いています。
そのため、時系列や細かな設定など、現実とは異なる部分がありますが、作品として楽しんでいただければ幸いです。


3話 料理

キッチンに立つ大神ミオの後ろ姿をS君は眺めていた。

特に何をするでもなく、ただ準備が進むのを見守っている。

 

今日は料理配信の手伝いだ。

買い出しから機材設置まで含めた裏方作業。

 

ミオ「ふぅ、下ごしらえはこんなもんかな。あとは配信で調理するだけだね」

 

S君「お疲れさまです。これなら時間通り始められますね」

 

ミオ「そうだね。でもごめんね〜、買い出しとか設置とか付き合わせちゃって」

 

S君「大丈夫ですよ。それが仕事ですから」

 

ミオ「ふふっ、ありがとう」

 

ミオ「そういえば、S君って一人暮らしだったよね?料理とかするの?」

 

S君「まぁ、簡単なものくらいなら作りますね」

 

ミオ「へぇ〜、どんなの作るの?」

 

S君は少しだけ考える。どんなのを作るか聞かれると、意外とすぐに出てこないものである。

 

S君「そうですねぇ。まぁ、親子丼とか、オムライスとか……あとおにぎりとかですかね」

 

ミオ「おぉ〜いいね、それ」

 

ミオ「S君、手先器用そうだからちゃんと美味しいのを作りそう」

 

S君「いや〜、どうですかね。なんとなくでやってるだけなので」

 

S君「まぁでも、不味いものは作らないですよ」

 

ミオ「ふふっ、それ大事だね」

 

S君の話に笑うミオ。

 

ミオ「今度さ、ホロメンにも作ってみたら?」

 

ミオ「私も料理するし、みんなにも作るからさ」

 

ミオ「S君の料理、ちょっと食べてみたいかも」

 

ミオの言葉に少し驚く。

だが、自分の料理を人に出すほどのものとは思えなかった。

 

S君「いやいや、ミオさんに出すほどじゃないですよ」

 

(別にできないわけじゃない)

 

(でも、人に出すほどのものでもない気がする)

 

ミオ「ふふっ、冗談だよ」

 

そんな会話をしていると、いよいよ配信開始時刻になり、配信が始まった。

 

ミオ「こんばんミオ〜ん。今日は料理配信だよ〜!今日作るのは〜?ハンバーグ!」

 

いつもの挨拶で始まり、早速調理が始まる。

包丁の音が一定のリズムで響く。

トントン、と無駄のない動き。

迷いがない。

 

ミオ「こんな感じで切っていくよ〜」

 

ミオは手際よく料理を進めていき、時折雑談を交え、リスナーを楽しませていく。その姿に安心感や、絶対美味しいものができることへの期待感などが募っていく。

プロの配信者としての姿、動作に自然と目が追ってしまう。

 

S君(……やっぱり、すごいな)

 

特別なことをしているようには見えない。

それでも、確かに“成立している空間”だった。

 

ミオ「よし!かんせ〜い!じゃあ味見してみるよ!」

 

そして、出来上がった料理を口に運ぶミオ。

 

ミオ「う〜ん!美味しい!みんな〜上手くできたよ!」

 

〈さすがミオしゃ〉

 

〈めっちゃ美味そう(*´﹃`*)〉

 

〈食べたい!〉

 

どうやら料理は美味しくできたようだ。リスナーも、完成した料理を見てミオの料理を褒めている。

 

ミオ「みんな、ありがとう!残りはこの後、私の晩御飯でいただくね〜」

 

ミオ「じゃあ、今日はここまでにするね!おつミオ〜」

 

 

 

 

そして配信は問題なく終了する。

 

 

 

ミオ「ふぅ〜、うまくできてよかった!配信終了!」

 

S君「お疲れさまでした」

 

ミオ「S君もおつかれさま。今日はありがとね」

 

S君「いえいえ、美味しくできてよかったですね」

 

ミオ「ありがとう!そうだ、S君も一口食べてみる?」

 

S君「いいんですか?」

 

ミオ「いいよ〜。はい、どうぞ」

 

S君「では、いただきます」

 

ミオからハンバーグ一欠片をもらい、口に運ぶ。

口に入れた瞬間、口いっぱいに広がる肉汁。これは店で出してもいいレベルだと思ってしまう。

 

S君「さすがミオさんですね。とても美味しいです」

 

素直な感想を言うS君。ホロメン屈指の料理上手の名は伊達ではない。

 

ミオ「ふふ!ありがとう!じゃあ改めて今日はおつかれさま。片付けはやっておくから大丈夫だよ」

 

S君「わかりました。では失礼します」

 

 

 

ミオの家を出る。

外の空気に触れた瞬間、少しだけ現実に戻る感覚があった。

 

S君「ミオさんの配信、無事に終わってよかったな」

 

ほんの少しだけ、ハンバーグいい匂いが記憶に残っている。

 

S君「……俺は、俺の仕事をやるか」

 

歩き出す。

 

誰かの役に立てているなら、それでいい。

 

 

全てはホロメンのために




今回も読んでくださり、ありがとうございました。
今後も『全てはホロメンのために』をよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。