今回から新たなホロメンが登場します。
本作ではホロメンたちを独自の解釈を交えて描いているため、話し方や雰囲気などが読者の皆さまのイメージと異なる場合があるかもしれません。
あらかじめご了承いただければ幸いです。
それでは、第8話をどうぞ。
カタカタカタカタ
オフィス内にキーボードを叩く音が響く。
S君「葛山さん、さっき頼まれていた書類、終わりました。」
葛山「おう、ありがとう。じゃあ次はこっちを頼む。」
S君「はい、わかりました。」
S君(最近は企業案件が多くなってきたから書類仕事も増えてきたな)
ホロライブプロダクションも大手企業の仲間入りを果たし、様々な企業とコラボをすることが多くなってきた。そのため、ホロメンをはじめ、スタッフも忙しさが増してきているのだ。
そうしてスタッフたちが各々の仕事に勤しんでいると…
ドォーン!!!!!!!!!!!
S君「うわっ!!」
葛山「なっ何だ!?」
オフィスのドアが吹き飛び、そこから小さな人影が
ラプラス「刮目せよ!!吾輩の名前は、ラプラス・ダークネスだ!!」
ドアを吹き飛ばしたのはholoxの総帥である、ラプラス・ダークネスだった。
S君「ラプラスさん!いったいなにやってるんですか!?」
ラプラス「おおS君!今日はお前に用があって来たぞ!」
S君「えぇ~、用があるならもっと普通に来てくださいよ」
そうS君が怒っていると、また新たに入ってくる人影が、
ルイ「ちょっとラプ!なにやってるの!」
いろは「そうでござるよ~、スタッフさんたちに迷惑をかけて~」
クロヱ「うわ~部屋がめちゃくちゃ」
こより「スタッフさん方、本当にすみません!」
ラプラスの後に入ってきたのは、残りのholoXのメンバーだった。
全員この惨状に怒ったり呆れたりしている。
ラプラス「いや~!これくらい勢いがあったほうがいいだろう!」
ルイ「バカ!大迷惑でしょう!みなさん、ご迷惑をおかけしてすみません。」
総帥のやらかしに、必死にペコペコとあやまる鷹嶺ルイ。
葛山「もういいですよ。それで、ラプラスさんは何の御用で?」
もういいと言いつつ、葛山の額には青筋が浮かんでいる。
それを見たラプラスは、少し汗を浮かべながら話す。
ラプラス「う、うむ!今日来たのはだな、S君を我がholoXに勧誘するためだ!」
S君「まだ言ってるんですか。それは前に断ったじゃないですか。」
そう。S君は以前よりラプラスから勧誘を受けており、誘われるたびに断っているのだ。しかも勧誘する理由は、「なんだか普通とは違う気がする!」という漠然としたものだ。
S君(理由がわけがわからないし。俺が入っても、なんにもならないでしょ…)
ラプラス「そこをなんとか!入ってはくれないか!」
食い下がるラプラス。だが、
いろは「ほらラプラス~、S君を困らせちゃだめでござるよ~」
いろはが止めに入る。
S君「ラプラスさん。お気持ちは嬉しいですが、俺なんかが入っても大してなんにもなりませんよ」
S君「俺には取り柄と言えるものはないですから」
自分を卑下振るように言うS君。
クロヱ(そんなことないと思うんだけどなぁ〜)
クロヱは、S君の、自身を卑下する言葉に疑問を感じ、心の中で否定していた。
ルイ(S君て時々自分に自信を持たないこと言うのよね)
ルイはS君の自信のなさが気になるようだ。
ラプラス「むぅ~。しかたない、今日はこれくらいにしてやろう。だが、吾輩は諦めないぞ!!」
クロヱ「はぁ、うちの総帥は全く…」
ラプラス「あっ!そういえばS君!この前、栃〇市の太〇山に行ったぞ!あそこの出店で食べた卵焼きがチョー美味しかったぞ!!」
S君「あぁ、あそこのですね。あそこの店の卵焼きは美味しいですよね。私も好きですよ。」
ラプラス「そうだろう!そうだろう!あとな!〇〇〇も~!」
S君「ええ、そうですね。あそこもなかなか~」
二人は〇木県の話で会話が弾む。ラプラスは地球にきて最初に降り立ったのが栃〇県で、S君もその土地の出身なのである。
葛山「んん゛!!」
葛山の強めな咳払いに、二人はしまったと思った。
holoXの面々も流石にこれ以上はと思い、ラプラスを連れて帰ろうとした。
しかし最後にラプラスが、
ラプラス「そういえばS君。その腹の怪我はどうしたんだ?」
ラプラスからは、先ほどとは打って変わって、有無を言わさぬ真剣な声が出てきた。その場にいた者は、驚いた顔でS君を見た。そしてS君は、怪我がバレたことに驚いていた。
ラプラス「吾輩が気づかないと思ったのか?」
ラプラス「最初に入ってきた時から、少し動きが固かった。それに、さっきから無意識に腹を庇っているだろう?」
ラプラス「呼吸も、ほんの少しだけ浅い」
ラプラス「……それで?どうした?」
こより「S君さん、ほんとなんですか?」
葛山「桜木…」
S君「あっ、いやっ、これはただぶつけただけでして」
ラプラスの指摘、まわりからの視線に狼狽える。
ラプラス「見せてみろ」
S君「だっ大丈夫です!大したことないですから!」
ラプラス「だがなぁ」
S君「本っ当に大丈夫ですから‼」
ラプラス「…そうか。」
かたくなに大丈夫だと言い張るS君に、ラプラスはこれ以上追及するのは無理だと感じたのかあっさりと引き下がった。
葛山「桜木、本当に大丈夫なんだな?」
S君「はい…」
クロヱ「S君さん、無理はしないでくださいね」
ルイ「そうですよ。何かあってからでは遅いですからね」
S君「はい、みなさん心配をおかけしてすみません」
S君は隠していたことに対する負い目もあってか、申し訳なさそうに頭を下げる。
こより「何かあったら私たちでもいいので言ってくださいね。あっ!よかったらこよが回復薬作っちゃいましょうか?」
にやりと笑いながら提案してくるこより。
S君「あっそれは大丈夫ですよ。そのうち治りますから。(危ない薬を飲まされたらたまったもんじゃない)」
どんな薬を作ってくるのかわからないため、やんわりと断る。
こより「ちぇ~」
ルイ「それじゃあ私たちはこれで失礼します。ご迷惑をおかけしました。ドアの修理代は、ラプの給料から引いてください。」
ラプラス「あっ幹部!それはないぞ!!」
いろは「もともとラプラスが悪いでござるよ~」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら帰っていくholoX達。
S君は黙って、彼女たちの背中を見ていた。
葛山「おい桜木、怪我のことだが」
S君「あっはい。心配かけてすみません。でも、俺は大丈夫ですから。」
葛山「…正直、最近のお前は見てて心配だ。怪我をすることが多いぞ。」
S君「はい。そこは本当にすみません。気を付けます。」
葛山「ああ、ほんとそうしてくれ。」
葛山もこれ以上は聞くまいと引き下がる。その目には、疑問が浮かんでいた。
S君「じゃあ、ドアを片付けましょう。まだ仕事がありますし。」
葛山「そうだな」
そうしてオフィス内を片付け、仕事に戻っていくスタッフ達。
S君(しかし、まさか気づかれるなんてな。ラプラスさん、侮れないな)
S君(それに……これ以上、周りに気を遣わせるわけにはいかない)
S君(困らせるわけにはいかないし、同僚やホロメン達に余計な負担をかけるわけにもいかない。気を付けないと)
全てはホロメンのために
今回も読んでくださり、ありがとうございました!
今回はholoXのメンバーを登場させてみました。
特にラプラスについては、作者なりの解釈を少し入れています。
普段は破天荒で自由奔放な印象が強いですが、その一方で周囲をよく見ていて、鋭い一面も持っているのではないかと思っています。
また、秘密結社holoXの総帥という立場でもあるため、ただ賑やかなだけではなく、ここぞという場面では貫禄のある姿も描いてみました。
S君が怪我を隠していたことに最初に気づいたのも、そんなラプラスだからこそかもしれません。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
感想、評価お待ちしています!
それでは、また次回もよろしくお願いいたします!