赤き血の英雄、悪を穿つ。   作:ただねこ

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14話

「よし、始めるか」

「う、うん……よろしくね、渡我くん!」

「おー。まあ適当に聞いといてくれ。あんまり教えるの上手くないかもだし。……だからそのノートとペンをしまえ」

 

それは、体育祭2週間前に遡る。場面は、緑谷との稽古。万が一とのことで、相澤先生が見てくれている。

 

「それで、僕の個性の制御だよね?」

「ああ。……お前、どんなイメージで個性使ってる?」

「え?それは電子レンジの卵が割れないイメージで……SMASH!って」

 

それを聞いた俺は思った。コイツ馬鹿だ。

 

「よし、その認識は全部忘れろ」

「ええっ!?でもオー……っ師匠がこれでもいいって……」

「そしたら相当の感覚派か、単純に教えるのが下手な奴だ。……で、だ」

「!」

 

緑谷が俺に向き直る。

 

「まず、お前は個性を使わずに組手をしてもらう。俺は使うが」

「──え?」

 

 

・・・・・

 

 

「はぁっ、はぁっ、ゲホ……!」

「……貧弱だな」

「ぐう……!もう1回……」

「ダメだ休憩。コレ終わったら休憩って何回言ったか覚えてるか?」

「えっと……2?」

「5だバカタレ。ったく……ほら、水だ。沢山買ってるから飲め」

「あ、ありがとう……」

 

ある程度息が整った緑谷に向け、声をかける。

 

「そうだな……個性使わずに俺とやってみて、どうだった?」

「勝てないよ……無理に決まってる」

「……急に発現したんだったな、そういや。かなりやりづらかったろ」

「うん」

「それに、相当無茶なトレーニングまでしてたな?筋肉のつき方も少し歪だ」

「うぐっ」

 

相澤先生は、必要な時に止めてくれる。まあ……うん、今のところ何もしてこないので、OKなのだろう。ならばどんどんやらせてもらう。

 

「とまあ、置いておいて……俺の個性は血液操作だ、緑谷。それを利用し、()()()()という技で身体強化をしてる」

「それは……何回も聞いたよ?それがどうかしたの?」

「全身の血中成分使って強化してるんだよ。赤燐躍動のやり方」

「いや、それができるのは君だけだよ……僕は渡我くんじゃないんだから」

「そうだな。でもやってることは同じ身体強化だ。お前の場合は制御が効かなくてぶっ壊してるが……」

 

当然のことじゃないか?とでも言いたげな……いや。

なにやら閃いたな。

 

「そうだ、そうだよ……!なんで腕だけ使ってたんだ僕は……!全身だ!全身で、ワン・フォー・オールを──!」

 

……ワン・フォー・オール?

 

「バカ、今全身100%でやろうとしたろ!!」

「あっ……!!」

「無意識か?……無意識の制御が出来てるんだ、下から上げてけ。心臓を起点に、身体の隅々までエネルギーを流すんだ」

「……!!」

 

なるほど、これが──

 

「そうだ、それが第一歩、()()()使()()ということだ」

「ここが上限……5%!」

「……やれるか?」

「多分!!」

「かかってこい」

 

 

・・・・・

 

 

……これで5%、末恐ろしい。相澤先生も目見開いてた。これの20倍か……考えたくはないな。

 

「お疲れ。初日でそこまで考えついたなら、あとは伸ばすだけだ。まずは簡単に移動とアクロバット、それから攻撃だ。1週間で全部叩き込んでやる」

「うん!!」

 

 

・・・・・

 

 

というわけで、緑谷は残りの1週間でさらに化けた。今なら俺の赤燐躍動や爆豪の機動力に匹敵する。

 

「ンの、デク……!!」

「緑谷!?」

「さあ、遊ぼうぜ」

 

早速、緑谷が俺に向かって殴りをいれる。……っく、コイツまたパワー上がったか……!?

 

『A組緑谷が猛追ーー!!四つ巴の戦いだぁ!!ここまで来るともうワケわかんねぇな!!!』

『互いを警戒しすぎて、あまり踏み出せてないようだな。もっとも、アイツ(緑谷)は関係なさそうだが』

 

「ンだそれ……まだ俺に隠して……いや、制御したのか」

「うん。渡我くんに教えてもらったんだ」

「渡我……」

「どうせやるなら全力だ。その方が楽しい」

 

赤縛。

 

「!?」

「誰がお前を鍛えたと思ってる、緑谷」

「うあ……あぁっ!!」

「……マジか」

 

赤縛って破れるもんなんだな。

 

「フんッ!!」

「い゛っ!?!?眩し……!!」

 

爆豪か!!爆破を応用しての目眩まし……!ほんっと、才能溢れすぎだぜお前はよ……!!

 

「赤燐躍動……(サイ)*1

「うっ……!?」

「あ゙っっっづ……!」

「うぐぁ……!?」

 

『轟が蹴り飛ばされたぁ!?!?』

『アフガンどころか……さらにその手前まで蹴っ飛ばしたぞ。どういう威力してんだアイツの技は』

 

「赤燐躍動の出力を極限まで高めたものだ。裏を返せば、現時点で俺の身体能力はここが限界ってことだ。ここ凌がねえと土俵にすら立てねえぞ」

「うるせぇ……!!テメェの熱で汗ドバドバだわ!!」

 

右の大振り──!!

 

「がっ……!」

「ついてくんなデク!!」

「いやだ!追いかける!」

 

あ゙ー……仕方ねえ、1回戦は譲ってやるか。俺の不注意、自己研鑽不足だ。

 

「2回戦、よろしくな」

 

 

『さぁさぁ1位は──爆豪勝己!!そして2位!!緑谷出久!!3位は渡我漿だぁ!!』

*1
呪術廻戦では腸相しか使っていなかったが、載とは、その術式の技の出力を術者の限界まで高めるもの。極ノ番や領域とはまた違うもの。




主人公のテンションが上がりに上がってます。戦闘狂。カッシーかな?
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