「……1位」
爆豪は呟いた。僅差ではあるが、1位だ。
……僅差だったのは、緑谷出久。彼の幼馴染。
今まで無個性だと見下していた幼馴染。
「……まだだ」
轟はどうやら、渡我の蹴りでふっとばされた影響でかなり転落したようだ。
「全部……完膚なきまでの1位を獲ってやる……!」
・・・・・
「騎馬戦かぁ」
最初は蹴落とし合い。今度は協力。……なるほど、これもプロになるための前段階か。
予選を通過した42名、その順位ごとにポイントが割り振られる。下から5Pずつ。……1位は1000万だが。
「緑谷」
「へ?」
「組もう」
「渡我くん……なんで……」
「俺が一番お前の個性を知ってる。活かすなら俺だ」
「……」
「生き残るなら、それが一番合理的だ」
「相澤先生みたいだ」
「……俺も思った」
とりあえず緑谷と組むことにした。で……どうすっかね。
「……?」
あの紫髪……尾白と話してるのか。
「赤燐躍動」
聴いてみるか。
「──が…前……」
「そんな……──」
……尾白が動かなくなった?いや、虚ろに……。
「緑谷、面白いものが見えた。行くぞ」
「えっ、あ、うん!」
・・・・・
「や、紫髪くん。俺たちと組まない?」
「お前ら……A組の2位と3位か」
「うん、そう……」
やっぱ会話で発動するタイプの個性か。
……答えなくて良かったよ。
「……っ、なんで知って……」
「悪かったな、さっきちらっと聴いてた」
「……はぁ、好きに使え」
「その前に個性教えて」
「……ああ」
尾白と緑谷をひっぱたいた、普通科の
個性は”洗脳”。自分の問いかけに対する返答をキーとして発動する個性。
洗脳にかかれば、相手をある程度言いなりにすることができる。
解除するには少し衝撃を与えればいいだけ。
「こんな個性だ。敵向き、とか言われ続けてこのザマだよ」
「そんなわけないよ!」
緑谷……?
「暴れる敵に話しかけて、答えさせるだけで無力化できる!色々制約はあるだろうけど……それでも強力な個性だ!」
「!」
「君はヒーローになれるよ、心操くん!」
なんともまあ、緑谷らしい。
「……ハッ、不思議だなお前。わかった、組もう。騎手はどうする?」
「お、いいね。尾白も組むか?」
「ああ。よろしくな緑谷、渡我、心操」
「うん!」
・・・・・
「……熱、耐えられるか?」
「うん」
「OK、それじゃ行こうか」
「準備は出来てる」
「頼んだぞ、緑谷……!」
……百歛、今のうちに発動しとくか。
アレはまだ見せない。
「お前ら、俺の言う通りに動け」
「わかってるよ爆豪!」
「いくぞー!」
「今の俺の知識じゃ、この布陣が限界だ。頼らせてもらう」
「ああ!」
「いつでも使ってください!」
「俺もいつでも走れるぞ!」
『よーし組み終わったな!?準備はいいかなんて聞かねえぞ!!いくぜ残虐バトルロイヤルカウントダウン!!!』
3。
「鉄哲、恨みっこなしだぞ」
「おう!」
2。
「狙いは……」
1。
「1000万しかないよな」
『STARTォ!!!!』