赤き血の英雄、悪を穿つ。   作:ただねこ

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5話

『第二戦、スタートだ!!』

 

「それじゃ渡我、作戦通りに」

「……いや、そうも言ってられないな」

「?」

 

空気の冷える感覚がする。……いや、本物!!実際に冷やされて……!?

 

「尾白っ!!」

「わ!?……っ、なんだコレ、氷……!?」

「……この規模は聞いてないな」

「動いてもいいけど……足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」

「関係ねえよ」

「!?」

 

赤燐躍動(せきりんやくどう)。体内の血中成分の操作に、この名前を付けた。かっこよくね?

 

「氷が……!」

「てめえ、何した……!?」

「教えるかバーカ」

「っ!」

 

苅祓(かりばらい)で牽制しながら、尾白を赤燐の熱で解放する。

 

「残念だったな、轟。2対1だ」

「いや、もう障子が来てる」

「……隙がないね、君ら」

「渡我、好きにやってくれ!俺は核の保護に徹する!」

「了解」

 

そんじゃ、思いっきり暴れましょうや。

 

「な──」

「遅えよお2人さん」

「がっ……!?」

 

轟と障子の目に入ったのは、青空だ。

 

「核による被害さえ齎せりゃあ、俺等の勝ちなんだ。……被害とか気にせずにやらせてもらう」

「この……!」

「あ、障子は目障りだから捕縛しとくな」

 

赤縛(せきばく)を使い、障子を縛る。ついでに捕獲テープも巻き付けちゃお。

 

「くっ!?すまない轟!俺はダメだ!」

「いや……俺も油断した。渡我のやつ、相当強いぞ」

 

『さあ、障子少年が早くも捕縛!障子少年、こっち戻っておいで!』

 

「じゃ、やるか氷野郎」

「……うるせえ」

 

 

・・・・・

 

 

「うおお……!!」

「あいつらやべえって!!」

「純粋な戦闘能力が段違いなのか」

 

「この……!」

「こっち」

「あがっ」

「身体に霜が降りてるぞ」

「……」

「寒そうだな、ハグしてやろうか?」

「願い下げだ、気持ちわりい」

「そりゃ残念」

 

手順①。百斂(びゃくれん)による血液の圧縮。これがないと始まらない。

 

「!」

「そうら、避けてみろ」

「んなもん待たずに……!」

「させるかよ」

 

手順②。百斂で圧縮した血液に指向性を持たせて、同時に轟の氷の妨害。

 

「撒き散らされた血に反応して凍ってく……!?」

 

手順③。あとは放つだけ。

 

「当たったら死ぬからな」

「!?」

「避けろよ。……穿血!!」

「がっ……!」

 

『……ヴィランチーム、WIN!』

 

 

・・・・・

 

 

講評にて、MVPは尾白となった。俺は爆豪と緑谷みたく建物の破壊、障子は何も出来なかった判断の遅さ、轟は俺に阻まれたとはいえ、すぐさま核を処理しに向かわなかった過ちだと。

 

「でも、勝ったのは渡我のおかげだしな」

「いいんだよ勝てば」

「……」

 

後ろで爆豪が物凄い形相で睨んでくるな……。

 

「おい」

「どした?爆豪」

「体育祭だ」

「!」

「体育祭でてめえを完膚なきまでにブチ殺す。……いいな、渡我」

「それは退屈しなさそうだ」

「言ってろ」

 

 

・・・・・

 

 

「よっ、緑谷。爆豪なら帰ったぞ」

「……渡我くん?なんでかっちゃんを探してるって……」

「訓練のときの2人見てたら嫌でもわかる。……さっさと話してこい。あ、皆で反省会してたけど大丈夫か?」

「うん、大丈夫。また明日!」

「おー」

 

……あの様子なら、まあ大丈夫か。

 

「で!で!?結局渡我の個性って血を操るでいいのか!?」

「あー……そうだよ。でも自分の血液限定だから、たとえ血液型が一致しても他の人の血は操れないし、血液を増やすことも出来ないから使いすぎると貧血になる」

「まぐろは貧血にいい食べ物ですものね」

「そそ。体内の血中成分まで自由自在だからさ。それで轟の氷を溶かしたの」

「へー!なんか技名付けてたよな!あの血のビームなんて技!?」

「聞いて驚け、穿血(せんけつ)だ!」

「くっ、かっけえ……!!」

「男子のこのノリはまだわかりそうにないな……」

「でもカッコいいのはわかる。血で穿つってどう考えてもカッコいい」

「え、葉隠ってそっち側?」




百斂の「斂」の字がさ、「びゃくれん」だと出てこねえんだ。
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