背中が痛い。
もう少し寝たいと強く思いながら僕は寝返りをうつ。
ッっ!?
唐突に普段寝ているベットではないことに気づく。
意識が急激に覚醒する。
周りを見渡すとそこは"闇"だった。
暗い。現代では体験することない暗さ。
そして以上な暗さに続きいつものベットじゃないことに気づく。
…コンクリートだろうか?
状況が理解できず逆に落ち着いた心境のなか僕は辺りを手探りで探す。
動かずに手の届く範囲には何もない。
そうだ、スマホは?あまりの状況に困惑して現代人として最初に探すものを忘れていた。
ポケットを探ると最後に記憶に残っている状態で持っていたものはあるようだ。
スマホの電源をつけながら目を覚ます前の記憶を思い出す。
僕は、そうだ部活まえに一度寝たんだっけ。そのあとなんかする約束をしてたような…
なんだかぼんやりして思い出せない。
そうしてるとスマホの起動が完了した音がした。
……圏外か。
小説やドラマあるあるの展開だ。見たことがある。
そんなことを考えながらライトをつけ周りを見渡す。
辺りはコンクリートの床、そして学校の教室のような広さの部屋のようだ。
しかし、明らかにおかしいところがある。
壁が全面シャッターなのだ。
壁一面ごとに4枚ずつシャッターが付いている。
ライトをつけ周りを見たことで、現実みがなくあまりなかった恐怖心が一気に僕を支配する。
ここは、どこ?なぜ、夢?
怖い、怖い怖い怖い。
僕は動けない。もう一度目を瞑って開けたらもとの場所に戻れるのでは、と何度も目を閉じては開く。
しかし、戻らない。
ずっと暗闇のままだ。
しゃがみ混んでいると一つのメモ書きに気づいた。
ライトで照らすと僕は思わず悲鳴をあげそうになった。
明らかに血みたいなものが付いている。
暗闇のせいか最近見たホラー小説、ドラマが頭の中をよぎる。
こんなの触らない方がいい。そうは思いながらもその紙を見たいという好奇心の方が勝っていた。
その紙には、赤い文字で、
「シャッターを開けて進め。
"まっすぐ"だ。何があってもまっすぐ。
何が起きても君のせいじゃない。
1998年3月11日」
と書かれていた。
1998年…?今は2036年だぞ?
そんな昔にしては紙は綺麗すぎる。
僕はその紙に誰かが赤い絵の具で文字をかいた大規模なイタズラだと思い込むことにした。
そんな大規模なイタズラなんてありえない?
小説やドラマのキャラのようになってしまう方がありえないだろう。
そう思い込むことで僕は必死に平静さを保とうとしていた。
メモを見つけたことでとりあえず部屋の中をくまなく探してみた。
しかし何もない。
シャッターに耳を当て何か聞こえないか試したが、どこも無音。叩いてもなにもない。
意を決してちょうど正面、真ん中のシャッターを開けることにした。
ガラガラッ
重そうな見た目とは裏腹に軽い力で開いてしまったシャッターの先は先ほどとは違い明るい部屋だった。
目が眩んでなかなか見えないがどうやら先程と同じくシャッターで囲まれた部屋のようだ。
ようやく目が慣れてきて周りを見渡すが、特に何もない。
考えても無駄だと思い、私は次のシャッターを開けた。
そこには人が1人立っていた。
唐突に現れた人に思わず悲鳴をあげた。
その人は優しく笑っている。
僕は警戒しながらもその人に近づく。
「ここはどこですか…?あなたは…?」
そう聞きかけて僕はその人に気づく。
昔の担任の先生だ。
知っている人間で少し安堵しながらも別のことを思い出す。
この先生何かしらでニュースに載ってるって噂があったような、、。
そんなことを思っていると、男性が、
「おお!西川高校の岡部くんじゃないか!こんなところでなにしとるで!」
と喋り出した。
「お久しぶり降りです。山田先生、5年ぶりですかね。あと僕は岡田です。岡田。」
「そうか、そーじゃった歳をとるといかんねえ。………それで君はどうしてここに?」
急に笑みはきえ真面目な雰囲気だ。
「気がついたらここに、部屋で寝たはずなんですがおきたら…」
それを聞くと先程の真面目な雰囲気は消え、また優しい笑い顔にもどった。
「そうか、それは災難じゃったのう。君のように稀に巻き込まれる人もおるらしいからのう。」
「先生は何か知ってるんですか?!」
僕は少し食い気味に質問する。
しかし、先生は答えずにニコニコと笑っている。
「先生!!!」
「おおそうじゃ、ここのルールは知っとるか?」
唐突に聞かれあのメモ書きの内容を思い出す。
「そうじゃ、それさえ守れば帰れるじゃろう。ではわしはこっちのシャッターなのでな。」
先生はそういい歩きさっていく。
「待ってください!まだ聞きたいことが!」
しかし、先生はシャッターに手をかけた瞬間消えた。
まるでテレビでみたマジックショーだ。
すぐに消えたシャッターのとこまで走る。
耳を当てても何も聞こえないし、何度も呼んでも返事がない。
メモ書きの内容が頭の隅にあったが消えたシャッターを開けた。
するとそこは…最初の部屋だった。
しかし最初とは明確に違うことがあった。真ん中に蝋燭があり、その小さな光源の照らす床には、
「2度目はない。ルールを守れ。」
と書かれていた。
………
…………
………………
……ルールを守れってなんだよ……先生はどこに行った!?…ここはどこなんだ…何なんだよ!!
頭の中を色んな想像がグルグル回る。
グルグル
グルグル
グルグル
………………
考えるのをやめた。
とりあえずメモ書きの通りまっすぐ進んでみよう。