遅熟転生者のダンジョン攻略記   作:ayuアユ

11 / 12
テストが明けたと思ったらインフルで死んでた...。
そろそろ本編勧めないとね。


第十一話 幕間②

 退院から一か月。俺はまたお医者さんのところに来ていた。とはいえ、またやらかしたわけではない。大事な検査を済ませに来たのだ。俺の診察結果のカルテに目を通したお医者さんは、やわらかい笑みで俺へと向き直る。

 

「傷はもう完治していますよ。」

「え、つまり...!?」

「冒険者としての活動を再開してもらっても大丈夫です。」

「よっし「病院ではお静かに。」あっはい。」

 

┗( ・´ー・`)┛~~~

 

 興奮を抑えるため無言でコロンビアポーズをしながら病院を出る。そう、足の安静期間が終わったのだ。杖がなくても前と変わらないように足も動くし、なんといってもまたダンジョンに潜れる。

 

「ここまで長かった…。ダンジョンの前に這いつくばってしてリリカにゴミを見る目で見下ろされたときは死にたくなったが...やっと俺の時代が来たぜ!」

 

 行きつけのダンジョンへと全力疾走し…交差点の向こうに人混みが見えて足を止める。見れば普段はスーツでバリバリ働いてそうなお兄さんやお姉さん方がほとんどで異様とも思える光景だ。

 

「そっか、今日は土曜日だもんな。それにあそこにあったのって確か、完成(・・)ダンジョンだったっけ…?」

 

 完成ダンジョン。それは、冒険者たちが勝手に呼び始めたダンジョンの区分。まず、ダンジョンには二種類の形態があり、ダンジョン連盟が定めている正式名称は I 型ダンジョン、 II 型ダンジョン、。れを冒険者が呼びやすいからと変換され、未完成ダンジョン、完成ダンジョンという名前で呼ばれるようになった。

 

 I 型ダンジョン、つまり未完成ダンジョンは、これまで俺が潜ってきたような種類のダンジョン全般を指す。構造はすべて洞窟のようであり、出てくるモンスターも変異種を除けば決められた一種類しか湧かない。モンスターへの対策も立てやすいし、討伐以外に意識を割かないでいいので、駆け出しの初心者はここで素材集めやレベル上げを経験することとなる。

 

 そして、II型ダンジョン、つまり完成ダンジョンは、 未完成ダンジョンとは何もかもが違う。まず、中の構造はダンジョンごとに全く違い、ある所では火山、ある所では砂漠、またある所では青い空が広がる草原など、まさしく異世界といった風景が広がっているのだ。広さも段違いで、遭難する冒険者も後を絶たないとか。敵の種類もそれに合わせ、一応環境にあったテーマに沿いつつも多種多様になり、力押しでの攻略は困難になるだろう。

 

 ではなぜ、わざわざ社会人冒険者が貴重な休日を費やして殺到するのか?理由は単純、実入りがとてもいいからだ。完成ダンジョンの最奥には例外なくダンジョンボスという強敵が設置されており、一度入ると再入場するまで湧かない代わりに、倒すと莫大な経験値と希少な素材、そして宝箱を落とす。野良宝箱ほど当たりばっかなわけではないらしいが、一度の冒険に小さいながらもプラスを増やしてくれて、上振れるとそれはもうすごいらしい。ならなぜ、俺はそっちに行かないかって?…制限があって、レベル10未満は入れないからだ。

 

 

ま、まぁ、そのおかげで未完成ダンジョンは大体スカスカだし、素材取り放題だし~?全然、全然悔しくないからぁ!!ほんとだから!!(迫真)

 

 

 

♦

 

 

 

 そんなこんなで装備を着けてダンジョンに入る。久しぶりのダンジョンは体が軽くなったような解放感が心地いい。

 

「っと、狩りに出る前に、ステータスの確認を…あれ…?」

 

 いつものウィンドウではなく小さな二つのウィンドウが現れる。これは…スキル選択画面?

 

「マグネタイト・ゴーレムを倒した時か?まぁ確かに、あれだけ苦労してたんだから、スキルの一つや二つ上がっててほしいけど...。まぁ、早く決めて進むか。」

 

 左が…【キック】か。まぁ、あいつへのとどめで使ったけど、あくまで剣が使えないから代用としての手段だし...微妙だな。そんで右が…【疾風】?スキル効果じゃなんもわかんないな...。風っぽいスキルってことしか分からんが、それなら貴重な遠距離手段になるだろう。

 

 右のウィンドウを押すと、元のステータスウィンドウが更新され書き換わる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一ノ瀬碧

 

 レベル:8→9

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv8】【跳躍Lv7】【壁面歩行】【突撃斬りLv4】【加速】

     【疾風】

 SP:1→3→0

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 スキルもずいぶん増えたな。そんで、今回もレベルが無いスキルと。感覚的にはパッシブ(常時発動)なんだが...。

 

「疾風!…まぁ、出るわけないわな。」

 

 後は走ったりとかか...?…あれ、なんか、風を肩で切る感じが変だな…。俺を中心に渦巻いてるというか…いや、これは...纏ってる?

 

 しばらく走り回っていると目の前から見覚えのある低い影が現れる。

 

「シャァ!!」

「出たな、ファイアリザード。よし、今日の一発目だ!」

 

 壁に着地し…【壁面歩行】【突撃切り】…壁を思い切り踏みしめ、リザードの首めがけて切りかかる。すると...

 

「はぁ!?」

 

 突如として大量の風が俺の体の表面を巡ったかと思うと、それらは今まさに振り下ろしている剣にまとわりつき、その風の刃はリザードの体を両断した

 

「これが...【疾風】の力…。」

 

剣を見る。すでに風は霧散して、今ではただの市販のショートソードが手の中に納まっているだけだ。

 

「今の感じだと、大事なのは速度か…?」

 

試しに跳躍と壁面歩行を兼用したいつもの移動をやってみる。すると、風が服のようにぴったりとまとわりつきながら流れ、動きも阻害されない。

 

「おぉ…風の鎧みたいだ…」

 

 よく目を凝らせば風はライトグリーンに色づいている。これはこの風がただの風ではなく、厳密には風属性の魔力であることを示していた。自由に操れるわけではないが、疑似的な魔法に近いスキルなのだろう。

 

「よし、もっと速く…!って曲がり角!?」

 

 もちろん急な減速などできず頭から突っ込み…体中を渦巻いてた風は顔に集まり衝撃を吸収した。

 

「あぶなかった…。この風は攻撃にも防御にも使えるのか。しかも、魔力なしで俺が速く動くだけで出るなんて…珍しくついてるな!」

 

 一か月という長いブランクがあったから不安だったが、これなら戦えそうだ。俺はきたる学園に向けて、着々と己を磨くのだった。




レベル10になる目安は、一般人なら半年くらいでなれます。

今回短けぇ!って自分でも思いますが、リハビリ兼次章に向けてのやり残しの清算回なので大目に見てください。
よろしければモチベになるのでぜひ感想と評価お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。