遅熟転生者の現代ダンジョン攻略~そろそろフィジカル貧弱なのやめない?~   作:ayuアユ

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構想に技術が追い付かない…


三話 いつかの約束

レベル2になってから数日。

 

俺はあのゴブリンばかりのダンジョンから卒業し、ワンランク上魔物が出るダンジョンに潜っている。理由は単純明快、経験値効率を少しでも良くしたいからだ。

正直レベルが二つ上がるのに平均1~2日のところ丸々一週間かかったのだ。

 

こんなんやってられるかっ!!!!

 

....とはいえ、すぐに効率が上がるということもない。

このダンジョン、敵は主にスケルトンであり、見た目は見るからに脆そうな骸骨…なのだが、その骨が結構硬い。同じ場所を叩き切る要領でなんども打ち付けてようやく折れるほどだ。

さらにこのスケルトン、一丁前に剣術っぽい物を使ってくるのだ。こん棒を振り回すゴブリンとは比べ物にならないほど強い。

 

「ゴブリンより数倍強いだろ....!何が次のダンジョンだよ....!」

 

なんとか相手の件を受け止めながら隙を見て足をかける。骨なので踏ん張る力はほぼないらしい。マウントポジションで何度も剣をたたきつけるとようやく倒せたのか、骨がばらばらにまき散らされてピクリとも動かなくなる。

 

「これで10体目....相場で言えば3~40体は倒さないとレベルは上がらないって話だが....俺の場合はその倍は行くだろうな....」

 

改めて難儀なものだ。肝心のレベルを上げて身体能力の向上を図らなければ、効率は落ちたまま。

レベルが上がれば上がるほどこういう奴を片手間に倒して経験値を爆稼ぎできるのだろう。

やはりSpが多くもらえると言っても、現状は普通の冒険者の一歩どころか二歩も三歩も後ろを歩いているのは明らかだ。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:2

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv1→3】

 SP:1

 

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「お、また【剣術】のレベル上がってるな。」

 

【剣術】スキルはパッシブに該当されるスキルで、文字道理剣の扱いがうまくなれるスキルだ。

別に筋力は上がったりしないが、技量が上がった剣は太刀筋も鋭くなり、実質的な威力の向上につながる。また、剣での防御や受け流しなんかもできるようになった。

そしてスキルのレベルにはモンスターを倒した際の経験値は必要ない。主に経験によって上がっていくのだ。なので主に剣を使ってくるスケルトン相手だとスキル上げには最適の相手となるだろう。

 

「レベルが上がりにくい俺にとって、スキルだけが頼りだ...意識してあげるようにしよう。」

 

俺は骨の欠片をポーチに詰め、ダンジョンの奥に駆け出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして二週間後。俺はいつものようにダンジョンに潜ってスケルトンと対峙していた。

 

 

「はぁ!せい!折れろ!」

 

始めたころから比べ物にならないほど鋭い太刀筋は骸骨を一瞬でただの骨粉へと変えた。

その時、体にあの熱が広がり全能感が駆け巡る。俺はいそいでステータスを開いた。

 

「よし、やっとレベルが上がったぞ...!」

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:3

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv2→4】

 SP:1→3

 

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「よし、レベル3!剣術もまたレベル上がってるし…レベル4って平均は二か月だよな…」

 

思わず顔がにやける。これまで並みの冒険者以下だった俺がやっと誇れるものができたのだ。

一人で気持ち悪い顔を浮かべていると、画面の上にまた二つのウィンドウが浮かぶ。

 

「お、出たな。なになに...【スケルトンキラー】に、【跳躍】...?」

 

【スケルトンキラー】は知ってる。骸骨系統の敵に与えるダメージが上がるスキルだ。とはいえ、特定のモンスターにしか意味がないので思いっきり外れ枠だが…

 

「【跳躍】って...俺そんな行動あんましてないぞ...」

 

前の【歌唱】もそうだが、この二つの選択肢、片方は多分みなと同じように己にあったスキルなのだろうが、もう片方は一貫性がない。もしかするとランダムに決めているのかもしれないな。

 

「まぁスケルトンをずっと狩り続けるわけでもないし、【跳躍】かな」

 

【跳躍】と書かれたウィンドウに手をかざすと元のウィンドウが現れ画面が書き換わる。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:3

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv4】【跳躍Lv1】

 SP:3→0

 

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「早速試してみるか。」

 

どうやらこのスキルはアクティブスキル…【剣術】のようなアクティブスキルと違って魔力を使って自分で発動させるスキルの様だ。

 

「【跳躍】」

 

発動させると、足に力が流れ込み、真上に一気に飛ぶ...

 

「って、やば...!ぐはっ!」ズボッ

 

ここは洞窟型ダンジョンの中。当然高さはあるわけもなく、俺は綺麗に頭から天井に突き刺さったのだった...。

 

 

...あれから数十分後、なんとか脱出できた俺はそれから跳躍を何度も使ってみることにした。

その結果...

 

「真上にした飛べねぇじゃねえか!」

 

横に飛ぼうとしても真上に行くベクトルが強すぎて斜めに天井に突き刺さるだけだ。

その勢いは確かなものだが、洞窟型のダンジョンでは使い道はないに等しいだろう。

 

「くっそ~、戦闘が楽になると思ってたのに…やっぱりついてないな…」

 

結局、【跳躍】はこのダンジョン内では封印することとなった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

夕方ごろ、ダンジョンから出た俺は装備や素材をロッカーにぶち込み冒険者ギルドに行く。

そろそろ素材もたまってきたので換金に行くのだ。

そうして受付に持っていこうとしたところ、見覚えのある金髪ツインテールの勝気そうな少女が近づいてきた。

 

「碧だっけ?また会ったわね。どう、調子は?」ソワソワ

 

尊大な態度を隔そうともせず受付への道に体を滑り込ませる。どうやら逃がす気はないようだ。

...というか見るからに聞き返してほしそうにソワソワしている。

 

「まぁ、ぼちぼちだ。リリカはどんな感じだ?」

 

その一言が言い終わる前にリリカは顔をぱっと輝かせツインテールをぶんぶん振り回しながら興奮気味にしゃべりだす。

 

「よく聞いてくれたわね!アタシ、今日でレベル7になったの!」

 

「レベル7...!?それは普通にすごいな…。」

 

同時期に始めたのでまだダンジョンに潜って三週間足らずでそこまでいくとは、才能があるのは本当の様だ。ちなみに一般冒険者が三週間でたどり着くレベルの平均は5。

 

俺?3ですが何か。

 

「魔法系のスキルも覚えたのよ!アンタ、レベル上がるの遅かったでしょ?だから…

その....////ぱ、パーティ組んであげてもいいっていうか~?////」モジモジ

 

体を揺らして赤面しながらツンデレのテンプレみたいなセリフを吐いてきたリリカをみて、さわやかな笑顔で答える。

 

「余計なお世話だから大丈夫だぞ。」

 

「ふふ、正直な奴は嫌いじゃないわ!さっそく登録に....え?」

 

リリカの顔から赤みが引き、信じられないものを見るような目で見てくる。

 

「ほ、本気!?た、たしかにパーティになると経験値は分配されるけど、アタシはレベル7よ!?そこらのダンジョンより数段上のところに潜れるし、損なんてどこにも....第一、アタシと一緒に冒険できるなんて普通ご褒美でしょ!」

 

「それ自分で言うのか....。まぁ、確かに魅力的な提案だが、ある程度は自分の力で強くなりたい派だからな。今は遠慮するよ。」

 

「まぁ、そういうことなら....。だ、だったらすぐ強くなりなさいよね!私、諦めたわけじゃないから!」

 

「望むところだ、その時はこっちから迎えに行ってやるよ。」

 

「~~~~~!」カオマッカ

 

リンゴのように顔を赤くしながらリリカは走り去ってしまった。

一人残された俺は、当初の目的どうり素材の換金を終えて帰路に就く。

 

「迎えに行く…か。いつになるやら…」

 

あいつ…リリカのレベルの上がる速度は並大抵の物じゃない。才能があるのは疑う余地のないことだろう。

それに比べて....俺はどうだ?レベルだってほかの冒険者と比べると何倍も遅いし、唯一のアドバンテージのSPがあったって、今回取ったスキルはほとんど役に立ちそうにない。

 

「でも、諦めるつもりは毛頭ない。せっかく第二の生なんだ、俺は俺を貫き通させてもらうぜ....!」

 

そのつぶやきはむなしくも夕暮れの坂道に溶けていく。夏の生暖かい風を浴びながら、俺は一人帰路に就くのだった。

 




正直高校編に入ってからが本番なので中三編は時間バンバン飛ぶし半ばダイジェスト気味に行きます。
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