遅熟転生者の現代ダンジョン攻略~そろそろフィジカル貧弱なのやめない?~   作:ayuアユ

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やっとモチベが上がってきました....。


四話 スキルの代償?....やっぱり不遇じゃん

「……眠い。」

 

今日は九月一日。始業式の日。周りを見直すとまだ夏休み気分が終わってないからか皆眠そうにしている。

だが俺の中にあるのは眠気だけではなかった。

 

(この時間で何体スケルトン倒せると思ってるんだ…半日だぞ半日…!ただでさえレベルが必要なのに…!…はぁ、隕石でもふって休校にならないかな…)

 

恨み言を心の中に吐き出しながら抑えるように机に突っ伏す。もはや中毒症状の域にまで来ているかもしれない。だが、それだけダンジョンの存在は俺の中で大きくなっていた。

丁度そのとき自分が何者かに揺すられていることに気付く。

 

「ーーーーくん、ーー瀬くん、一ノ瀬君!起きてるなら返事してよ....私のこと、嫌いになった......?そんな....そんなのって無いよ....!」

 

顔を上げて隣を見ると今にも泣きそうなとても整った顔がドアップで眼に映し出される。

 

「…そんな言い方、お前は俺の彼女か、紗良?」

 

「か、彼女って…/////ま、まぁ、一ノ瀬くんが求めてくれるなら、私も…////」

 

赤くなった頬に手を当ててくねくねと体を動かしているこの女は白峰紗良。

綺麗なブラウンの短髪に、美しいがどこか親しみやすさも感じる可愛い系の容姿。笑う姿は天使が舞い降りたような錯覚さえ起こさせる。だが…

 

「あれ、一ノ瀬君、もしかして私のこと褒めました?褒めましたよね?」

 

「…べつに(黙ってればかわいいのにな…)」

 

「あ、今悪口言いましたね!見逃しませんから!」

 

…見ての通り残念美人という奴だ。俺以外だったら完ぺきに聖女のような対応をするのだが、俺に対してだけはこんな態度でダルがらみしてくる。

 

「それより、一ノ瀬君、何か私に隠してることあるでしょう?今日は何をしていても上の空ですし、絶対おかしいですよ!」

 

「さっきから俺のこと気づきすぎだろ....」

 

「そりゃずっと見て....って、何言わせてるんですか////」

 

「お前が勝手に言ってるだけじゃねぇか....!....まぁ、あれだよ。…夏休み中に冒険者デビューしたんだ。」

 

「お、ついにですか。一ノ瀬君、口開けばずっとダンジョンダンジョン言ってたし、よかったですね。」

 

「…その言い方なんかイラっとするな。」

 

とはいえこんなでも俺の数少ない友人の一人だ。なんでか中学三年間はずっと同じクラスで隣の席という、神のいたずらとしか思えないレベルの現象が起こっている。

 

「ダンジョンに潜る時間が減るって考えると憂鬱なんだよ。」

 

「あはは、もうすっかりしみ込んじゃってるね。まぁ、そればっかりはしょうがないと思うけど....。ってことは、そうだ!やっぱり一ノ瀬君もダン学、目指してるの?」

 

「ん、まぁな。」

 

国立ダンジョン学園、略してダン学。

国際ダンジョン連合の取り決めによって各国に設置が義務づけられたダンジョン専門学校。

入学条件は冒険者登録していれば誰でもなれるが、その実辞める生徒も跡が立たないといういろんなうわさが飛び交う学校だ。

そして俺がそのダンジョン学園を志す最大の理由が…授業でダンジョン探索ができるのだ。

確かに座学をあるにはあるが、主に実戦に重きを置いておりそのための支援も手厚い。

 

「ダン学か~。私まだ冒険者登録してないんですよね~。」

 

「なんですでに登録するのは確定です、みたいな言い方してるんだよ。というか、お前の学力だったらもっといい高校で安全に進学すればいいだろ、なんでわざわざ....」

 

「そんなの、一ノ瀬君が行くからに決まってるでしょ?」

 

「........。」

 

全くこいつは、さらっととんでもないこと言いやがって…

 

「一ノ瀬君耳赤いよ?もしかして、照れちゃったって、可愛iぐえっ、痛い痛い痛い~~~!」バタバタバタ

 

「調子乗りすぎだ。」

 

アイアンクロ―を解くと紗良はうずくまって涙目になりながらこちらを見上げる。

 

「とにかく!私も今年中に登録して一緒に行きますから、覚悟の準備をしておいてくださいね!」

 

「そこでふざけるなよ。」

 

とはいえ…少し安心したのは秘密だが。

 

 

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ところ変わってダンジョン内

始業式は午前で終わったのでその足のままダンジョンに来ている所存だ。

 

「これからも放課後は通うつもりだが…っ!やっぱり効率は落ちるんでな…!」

 

スケルトンの剣を弾き飛ばすと、骨ごと一閃。骨の断面積がきれいに輝いている。

 

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:3→4

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv4→5】【跳躍Lv1】

 SP:0→2

 

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ステータスを確認すると【剣術】スキルのレベルがまた上がっていた。レベルほど劇的ではないがとてもありがたい成長だ。

ちなみにリリカと別れた後レベル4になってるのは、夏休みの終わりにラストスパートと称してぶっ通しで十数時間は潜っていたからだ。当然馬鹿ほど怒られたがレベルをなんとか上げることができた。

 

「つぎレベルが上がるのはいつになるやら…。ま、今はコツコツ頑張るしかないか。

っと、ちょうどいいところにスケルトンが。」

 

駆け出すと飛び蹴りの体勢でけりかかる。ッと同時に【跳躍】を発動させると、足の裏から強化した足全体のエネルギーが乗り骸骨の頭を扮さいした。

 

「うん、こういう使い方もできるのか。....剣で切った方が早いな。」

 

経験値効率が落ちるので結局俺は剣に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

そうして一か月後。冒険者デビューから約二か月

あれからずっとスケルトンを倒し続けているがレベルアップする気配が全くない。

ちなみにレベル6になる目安が一か月なので俺は周回遅れもいいところだ。

え?文化祭?終わりましたけどなにか?

結局さぼろうとしてたのを紗良に見つかってしまい、一日中紗良の横で受付したりいろんなブースに連れまわされたが、今はもう関係のないことだ。

 

スケルトンの群れを切り刻みながら進んでいくと、内側から熱が大きくなり全能感が体を支配する、と同時にステータスウィンドウを開いた。

 

「よし、やっと来た…!」

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:4→5

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv5→6】【跳躍Lv1】

 SP:2→4

 

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まぁいつもと同じような変わり方だ、だが今の俺の関心はそこじゃない。

既に見慣れたようにステータスウィンドウが二つ開いた。

 

「何々~?【疾走】と…【壁面歩行】?」

 

また謎のスキルが出た。【疾走】はなんとなくわかるが【壁面歩行】には全く心当たりがない。

 

「まぁ壁とか走れたら楽し…強いだろうしな」

 

【壁面歩行】のウィンドウに手をかざすと二つのウィンドウが消え元のステータスが書き換わる。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:5

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv4】【跳躍Lv1】【壁面歩行】

 SP:4→1

 

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ん?このスキルにはレベルがないのか…?

とりあえずは実験からだ。

 

「【壁面歩行】」

 

発動させて壁に飛び移ると....

 

「うわ、引っ付いた....!?

重力ごと変わったような…あ、でも服とかは横に垂れてる…あくまで俺の体だけか....」

 

ちなみに天井に行こうとすると歩けずそのまま落ちてしまう。が、別の方角の壁に飛び移るとまた重力が変わったような感覚で再び立てるようになった。

 

「本当に壁を歩けるようになるためのスキルか....よし、次は…【跳躍】!」

 

すると真上に…いや、真横に勢いよく飛んだ。

 

「うわ…!や、やば、ぶつかる....!あ........ぐえっ....!!!」

 

反対側の壁に綺麗にぶつかりカエルがつぶれたような声が出た。

なんとか頭は守れたが防御した腕がしびれる。

 

「いてて....真上に飛ぶだけのスキルだったから、もしかしたと思ったけど…。

まぁ、うまくやれば勢いもすごいし、いろいろ出来そうかな....。」

 

そうして十分ほど壁を走っていたのだが....

 

「なんだ、急に、気持ち悪....落ちる....」ドサッ

 

眩暈とともにスキルが強制的に解除されてしまったようだ。

だがこの原因を俺はネットの知識で知っていた。

 

「魔力切れか....。」

 

アクティブスキルは使うたびに魔力を使用する。俺のスキルだと【跳躍】と【壁面歩行】が該当するだろう。例えば跳躍は発動すると足が強化され真上に飛ぶ。この時点で魔力の消費は止まる。だが壁面歩行は壁面を歩いている途中ずっと魔力を消費する状態なので消費が激しいのだろう。

 

「魔力はポーションで回復できるが…一番は魔力の容量を上げたいんだけど…」

 

容量を上げる肝心な方法?レベルだよ(絶望)

なのでいくらスキルをとったところで魔力の問題でバンバン使うことも出来ない。加えて身体能力は低いまま。八方ふさがりである。

 

「....久しぶりに不遇さを実感したよ....」

 

ポーチからポーションを取り出して飲むと眩暈は収まっていく。

立ち上がり砂埃を払うと、俺はダンジョン探索を再開するのだった。

 




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