遅熟転生者の現代ダンジョン攻略~そろそろフィジカル貧弱なのやめない?~   作:ayuアユ

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この主人公ソロがデフォです。


五話 技スキルと来たる聖夜

シュバッ…ストン....シュバッ....ストン…シュバッ....ストッ

 

俺は壁から壁へ飛び移りながらダンジョンを進んでいく

真っ向から風が当たって口もまともに開けないが、その速度は今までの比ではなかった。

しばらく移動した後ようやく地面に降りてふらつきながら立つ。

 

「はぁ…はぁ…これは…使える…けど…おぇぇ…」

 

思わず四つん這いになって嗚咽が漏れる。三半規管へのダメージが深刻のようだ。

ちなみ、今してたのはこの前ゲットした【壁面歩行】スキルを【跳躍】と合わせて横に推進力を生みだす方法である。まず【壁面歩行】スキルで壁に引っ付き、【跳躍】を使用して横に飛ぶ。基本はこれだけ。だが魔力の消費を抑えるために逐一【壁面歩行】スキルを切ったり付けたりしないといけないし、壁に飛び移るときは身をひねって足裏からそっちの壁に着地しなければならない。足をひねったりしそうだが、【跳躍】スキルを発動すると跳躍するまで足に強化がかかり何倍もの力を発揮できるのでその間に着地すれば怪我無く使えるという寸法だ。

もちろん、使い方は移動だけではなく…

 

「お、スケルトン発見!」

 

眩暈から回復した俺は体を起こすと、先ほどのように壁に立ち、跳躍を発動させスケルトンの方向に真っすぐ飛ぶと、その勢いを県に乗せて切り裂く。その力強い斬撃はスケルトンを真っ二つにしただけでは飽き足らず風圧で亡骸をばらばらに吹き飛ばした。

 

「ん、この感触…」

 

体を包む全能感にもはや条件反射でステータスを開く。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:5→6

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv4→6】【跳躍Lv1→4】【壁面歩行】

 SP:1→3

 

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やはりというべきか、レベルが上がっていたようだ。

前のレベルアップから一カ月半、かなり長い道のりだった…そのせいでスキルだけが順調に上がっていく。ちなみに俺は冒険者デビューは三カ月半だが、一般の冒険者は三カ月、俺みたいに毎日潜っているとくらいのペースで潜るとレベル9がデフォである。

 

「って、いかんいかん、将来性があるのは俺の方なんだから、我慢だ...!」

 

勝手にダメージを負っていると、二つのウィンドウが出てくる。

ちなみに俺はこれをスキル抽選と名付けた。

 

「今回は....【突撃斬り】に…【料理】か。多分法則的には左が本来のレベルアップで得られるスキルで、右が【転生者】スキルでランダムに選ばれたやつ....って認識でいいのか…?

まぁいいや。【料理】は…あったら便利そうだけど、今はいらないな。そんでこの【突撃斬り】スキル....もしかして技スキルか。」

 

技スキル。

それはアクティブスキルでもパッシブスキルでもない第三の項目の特殊で珍しいスキルだ。

このスキルの特徴は特定の技の補助をすること。例えばこの【突撃斬り】は勢いに応じて斬撃の威力が強くなる業だ。【跳躍】と【壁面歩行】を組み合わせたあの一撃が反映されたのだろう。

そしてどのように補助するのかというと...技スキルはその技に関連したスキル…【突撃斬り】について考えれば【剣術】【跳躍】【壁面歩行】が該当するだろう....これらのスキルをこの技を使う時限定で威力が強くなったりなどの強化がされて使うことができる。分かりやすく言うと該当スキルのスキルレベルを一時的に軒並み上げて使えるということだ。さらにメリットはこれだけではない。この【突撃斬り】スキルを発動すると以前この技を使ったときの経験を統合して、それらを一つのコンボとして瞬時に繰り出すことができる。....まとめると一芸特化スキルである。

 

っと、そうこうしてる間に二つのウィンドウは消えてステータスがまた書き換わる。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:6

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv6】【跳躍Lv4】【壁面歩行】【突撃斬りLv1】

 SP:3→0

 

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これでスキルが5個....最初からあった【転生者】スキルを除くと獲得したのは四つだ。

普通の冒険者のレベル6ではスキルは2個しかない。

スキルの数に二倍の差がある。そう考えるとモチベも上がるという奴だ。

 

「そろそろスケルトンも卒業か....」

 

思えばこいつらばっか相手してたから剣術スキルの上がり速度がおかしかったのかもしれない。

そういう意味では感謝しかないが....留まる選択肢などない。このまま潜っていてもレベルが上がるのにさらに遠のくだけだろう。

俺は涙ぐみながら【突撃斬り】でスケルトンを次々と骨粉に変えていったのだった。

 

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あれから一か月。世間はきたる年末とクリスマスムードで浮かれている中、俺は今日もダンジョンに潜っていた。このダンジョンに出てくる敵はファイアリザード。素早く足元を張って火を噴いてくる陰湿トカゲであり、このダンジョンの平均突破レベルは四人パーティで平均9レベル。ソロだともっと上がるだろう。だがその分経験値もとても美味しい。

 

俺はというと、レベルは全く足りていない。なので火吹き攻撃が直撃でもしようものなら俺は灰になって燃え尽きるだろうし、俺の剣はこいつらの装甲をなかなか突破できない。

だが今の俺にはそれを解決できる速度と力があった。

【跳躍】と【壁面歩行】による高速移動、【突撃斬り】による外付けの威力。

致命的な点としては魔力がゴリゴリ減って継続戦闘などまともにできないことだが、それはポーションを大量に買って飲むという脳筋プレイで何とか突破している。おかげで俺のせいで特定の時間のポーションが買い占められていると非難の目を向けられることもあるが、まぁ我慢していただくしかない。というかすぐに供給されるのだから待ってればいいのに....(ブーメラン)

 

とはいえ、経験値効率は格段に上がりなんとレベルも一か月ほどで上げることができた。

 

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一ノ瀬碧

 

 

 レベル:6→7

 ジョブ:

 スキル:【転生者】【剣術Lv6→7】【跳躍Lv4→5】【壁面歩行】【突撃斬りLv1→4】

 SP:0→2

 

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とはいえスキルが増えるのは次のレベルアップなのでまた先だろう。

突撃斬りでトカゲどもを殺しながら素材をはぎとっていく。その足のまま装備をロッカーに預けて冒険者ギルドに行き換金してもらった。

今では諭吉…じゃないシブサワが数枚ほどの稼ぎとなっている。

もはやそんじゃそこらのバイトじゃ満足できねぇぜ。ちなみにだが、税なんかの問題はダンジョン課の冒険者支援の一環として自動で税理士さんの紹介もしてくれるので、けっこう至れり尽くせりである。

 

そんなこんなで引き上げようとしたその時、こちらに迷いなく歩み寄ってくる勝気そうな金髪の美少女…もといリリカが目に入った。思えば換金するときにたまに会うくらいだが、ちゃんと話をしたのはあの時以降あまりない。

 

「あんた、最近順調そうね。あんな量のファイアリザードの素材、そう簡単に集められるものじゃないもの。」

 

「え、褒めてるのか?お前が、俺を....?」

 

「ほ、褒めてないわよ!揚げ足とるなっ!!....コホン、や、やっぱり、そんなに頑張るのって、あの事があったから…?」

 

「あの事....まぁ、そりゃあな。簡単に忘れられるものじゃないし。」(初日にコインランドリーでレベルが遅いのを煽られたこと。)

 

「~~~~~!ふ~ん、へ~、そうなんだ..../////」(やっぱり、私を迎えに来るために、こんなに頑張って....やっぱりこいつ、アタシのこと/////)

「うへへ....そ、そっちがその気なら、あたしだって....」

 

「おーい、大丈夫か、さっきから上の空だぞ?....まぁいいや、お互い頑張っていこうぜ。」スタスタ

 

「そ、そうとなったら、今すぐにでも実力を....って、あれ、いない!?」キョロキョロ

 

あいつ話すたびに変になってる気がするが…まぁいいや。

帰路に就くと、スマホに着信が入る。送り主は紗良だった。

 

紗良『こんばんわ、一ノ瀬君。ダンジョン帰りですか?クリスマスに一緒に過ごす予定を考えてきたんですよ。』

 

碧『なんでクリスマスにお前と一緒に過ごすことが確定してるんだよ。』

 

紗良『え?だって中一の頃から、私が何かに誘わないとボッチだったくせに....』

 

碧『うるせぇ!事実を突きつけてくるな!....っとはいえ、今年はダンジョン行くからパスだ。入学までにもっとレベルを上げないと。』

 

紗良『ふっふっふ、頭ダンジョンに犯された一ノ瀬君の行動を予測できない私ではありません。実は付き合ってほしい場所は、なんと、ダンジョンなんです!』

 

碧『は?ダンジョンってお前、登録もしてないだろ....?』

 

紗良『だからですよ。この前、私もダン学に行くために冒険者になるって言ったでしょう?それなら早ければ早いほどいいかなと思いまして。だから、バタバタするであろう年末より一ノ瀬君が確実に暇になるクリスマスなら邪魔も入らないかなって。』

 

碧『最後のやつ普通に傷ついたんだが....まぁ、別に一日くらいならいいぞ。俺が手伝えばレベリングも楽になるだろうし。』

 

紗良『ありがとうございます!では、24日の朝から私はダンジョン課に行って冒険者登録してきますので、昼頃から冒険者ギルドに集合しましょう。ふふ、どんな服着ていこうかな~』

 

碧『結局防具に着替えるんだから意味ないだろ....』

 

まったく、調子のいいやつだ。でも、こいつがいると周りも明るくなるし、そういう意味では尊敬もしている。なんで俺みたいなやつと一緒にいるんだろうな?

というかこれ、傍から見たらクリスマスデート....なわけないだろ、ダンジョンだし。

はぁ、あいつの言いそうな事考えちまった....ペースに乗せられたらあいつの思うつぼだ。俺はスマホをポケットに突っ込むと、徐々に紫になる空を見上げながら家へと足を進めるのだった。




こいつ全然貧弱じゃ無くね....?わからせなきゃ(使命感)
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