俺は普通の高校生なので、   作:雨ノ千雨

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1章48 周到な執着 ⑥

 

 繁華街での仕事を終えて自宅への帰路に着く。

 

 

 歩く道のりは効率至上主義の弥堂らしい最短ルート――ではなく、別方向からの回り道だ。

 

 

 進行方向右手に先程も訪れた空き地が見える。

 

 弥堂はまたその空き地の中へ這入ると、先程同様に積まれた木材の今度は左端に腰を掛けた。

 

 

 トロトロと昇り揺らめく煙を視界の端に地面をまた鉄筋で削る。

 

 

 するとスマホがブルブルと震え着信を報せた。

 

 届いたのは恐らくE-MAIL――Y’sからの連絡だろう。

 

 

 弥堂はスマホに一瞥もくれずにガリガリと地面に溝を掘り続ける。

 

 そして何を模したものかわからない落書きが完成し、二本目のタバコに火を点けてからようやくスマホを手に取った。

 

 

 やはり送り主はY’sで、指示していた作業が完了したとの報告だった。

 

 

 チラリと右上の時計に眼を遣る。

 

 

 現在時刻は19:42だ。

 

 

 かなりの大がかりな仕掛けを組む作業だと思っていたが、法廷院たちの運搬作業が終わってから大体二時間ほどで完了させたことになる。

 

 情報収集に関しては優秀な人材だと思っていたが、こういった技術にも長けているようだ。無茶ぶりをしたのは弥堂であるが、まさかたった一人でこんな短時間で本当に出来るとは考えていなかった。

 

 

(それとも、一人ではないのか……?)

 

 

 しくじったなと、心中で舌を打つ。

 

 

 本来は弥堂一人で時計塔の屋上へY’sに仕掛けを作らせるために必要な物を運ぶつもりでいた。その後は繁華街の見廻りに出なければならないので、時間の余裕は全くないと考えていた。

 

 それが運よく法廷院たちに出くわし運搬を押し付けることができたので、ここまで魔法少女のせいで見廻りにあまり時間を割けていなかった見廻りに今日は多めに時間をとるかと判断をした。

 

 しかし、昨日近隣の牧場で起こった家畜が食い殺された事件に対する警察の捜査方針を知ったことで、その見廻りは今日に関しては軽く流す程度のものに変更となった。

 

 

 こんなことなら時計塔で張り込みをしてY’sの正体を特定することを優先させるべきだったと、自身が下手を打ったことを認める。

 

 結果論ではあるが、あまり上手くないなと苛立ちを感じた。

 

 

 なので、重労働の無茶ぶりに見事に応えてくれた同僚に労いの言葉をかけるのではなく『殺すぞ』と端的な脅迫文を返信した。

 

 

 すると10秒も経たずに何故か喜びの感情を伝える文章が送り返されてくる。

 

 チッと、今度は音に出して舌を打った。

 

 

 弥堂は腹いせに次の無茶ぶりを送りつけてやることにした。

 

 

『学園の警備ドローンを乗っ取って学園の外で運用できないか』

 

 

 送信をしてまたスマホを脇に置く。

 

 

 そして鉄筋を掴み直して落書きに灰を被せる作業を再開する。

 

 

 まもなくスマホがまたバイブレーションする。

 

 手をスマホではなく懐へ動かし三本目のタバコに着火する。

 

 木材の上のタバコを落として灰で溝を埋める作業に集中をした。

 

 

 黙々と手を動かして最後に小瓶から赤い液体を流して完了する。

 

 

 落書きに蓋をしてスマホを手に取った。

 

 

『30分ほど時間を下さい。可能か不可能か調べます。』

 

 

 Y’sからの返答をつまらさなそうに見下ろして鼻を鳴らす。

 

 

『やれ』

 

 

 端的なパワハラ返信をする。

 

 形の上では『できないか?』と質問をする形式をとったが、これは『そうする必要があるからやれ』という意味だ。

 

 可能であれば迅速にやればいいし、不可能なことであるのならどうにかすればいい。

 

 いずれにせよ『NO』という返答は許されていない。

 

 

 やはり技術系に長けている人材は社会的な常識に欠けているのだなと偏見を強めてスマホの電源を落とそうとする。

 

 

 しかし、その寸前で希咲からのメッセージに返答をしていなかったことを思い出す。

 

 社会的な常識に欠けているという点であの女を連想してしまったようだ。

 

 

 先程よりも強く舌打ちをする。

 

 

 可能な限りあのムカつく女と会話をしたくないと弥堂は考えていたが、一応現在は彼女はクライアントのようなものでもある。

 

 来月から彼女を便利に使い倒すためには今のうちは機嫌をとっておく必要がある。

 

 

 弥堂はメッセンジャーアプリの“edge”を起動して『@_nanamin_o^._.^o_773nn』さんとの専用チャットルームに『今おきた』とメッセージを打ち付けた。

 

 

 返事が来るまでの間にここを撤収する準備をして、それが終わってもまだ来なければもう自宅に帰るかと考えながらスマホを置こうとすると、手の中で“ぺぽ~ん”と通知音が鳴る。

 

 

「…………」

 

 

 どいつこいつもレスポンスが速いなと辟易とした気持ちで弥堂はスマホに眼を落とした。

 

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:おきてる?』 4/21 20:37

 

 

『今おきた』 4/22 19:53

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:どうしてごめんなさいできないの?』 19:53

 

「…………」

 

 

 首元のネクタイの結び目を緩めながら弥堂はベッと地面に唾を吐き捨てる。

 

 

『なぜ俺があやまる必要がある。ばかめ』

 

 

 会話を開始して2秒で開戦した。

 

 すぐに彼女から弾が返ってくる。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:返事おそい』

 

『だからどうした』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:おそくなってゴメンっていえばいいじゃん! なんでヘタクソなウソつくわけ?』

 

『さっきまで寝てたんだ』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:んなわけねーだろ! ↑送ったの昨日だし!』

 

『それは気付かなかった。てっきり今日のものだと』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:日付みろ』

 

『まだ24時間たっていないから昨日じゃない』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:うっさい へりくつゆーな!』

 

『次回からはぜんしょしよう』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ぜったいウソだし』

 

『どうでもいい。なんの用だ』

 

 

 今日も今日とて彼女とのやりとりは用件を聞くまでに無駄に言葉が消費される。

 

 弥堂は早くもうんざりとした心持ちになってきた。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:は? メッセしてきたのあんたでしょ』

 

『昨日お前がしてきたんだろうが』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:へんじしなかったじゃん 今日はあんたからだからあんたが用あるんでしょ』

 

『めんどくせえなおまえ』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:めんどいゆーな ジョーダンよ』

 

 

 無意識に内ポケットの中のタバコに手が伸び、弥堂は衝動を抑制した。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ただの定時連絡みたいなののつもりだったの』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:愛苗の様子はどう?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:って』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:変わったこととかない?』

 

 

 どうせそんなところだろうなと思ってはいたが、弥堂は少し返答を考える。

 

 

 変わったことは、ある。

 

 むしろ変わったことだらけだ。

 

 

 魔法少女の件にクラスの件。

 

 

 しかし、そのどちらもどう説明するべきか、そもそも彼女に説明すべきか。

 

 その判断に迷ったのだ。

 

 

 魔法少女の方については言わずもがな、クラス内でのことについても、水無瀬に対する関心が失われていっている、まるで忘れてしまったかのように。

 

 こうとしか説明の仕様がないが、しかしそう言ったところで何も伝わらないだろう。

 

 

 あの空気感はその場に居なければ違和感として感じることは出来ない。

 

 

 だったらそれを希咲に説明するだけ無駄だ。

 

 弥堂はそのように見限ってしまう。

 

 

 しかし、現在は彼女からの依頼を受けている途中でもある。

 

 形上の義務は果たすべきかと判断した。

 

 

『野崎さんたちは何て言ってる』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ん?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:なんで野崎さん?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あんたに聞いてるんだけど』

 

『いいから』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:えっと』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:特に変わりないよーって』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:言ってた』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:聞いたの昨日だけど』

 

『今日は』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ねぇ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:↑これ使ってよ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:質問してんのかわかりずらい!』

 

『ぜんしょしよう。それで』

 

 

 間にジト目のネコさんスタンプが一つ挟まれてから彼女の返答がチャットルームに増えていく。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:今日はきいてない』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あんま毎日きくとうざいかなって』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:信用してないのかって思われちゃうかもだし』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:だからあんたに聞いてんの』

 

 

 パッパッとテンポよく吹き出しが重なっていき最後に激おこネコさんスタンプで締められた。

 

 

「…………」

 

 

 弥堂は不満げにそのネコを睨み返してから返事を打つ。

 

 

『おれもうざがってるんだが』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:は?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:なにそれ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:なまいき』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:他にメッセしてくれる人いないんだからいいでしょ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:やーい』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ぼっち』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:どーせヒマでしょ』

 

『いそがしい』

 

 

 イライラしながら拙い手つきで返信をするが、今日も圧倒的な物量の差に押されてしまう。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:さっき寝てたってゆったじゃん』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:うそつき』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:つか、どーせまたワルイことしてんでしょ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あたしのおてつだいしてイイことするのに時間使いなさいよ』

 

『うるさい』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:てか』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:野崎さんたちに』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ウザがられちゃうとマズイけど』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あんたに』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ウザがられてもノーダメなのよね』

 

 

 もういっそのこと魔法のせいでおかしなことになっていると真実をそのまま言ってしまおうかという気になる。

 

 その方がおちょくってると思われて彼女を怒らせることが出来るかもしれない。

 

 

 結果として『コイツに聞いても時間の無駄だ』と思って貰えたら儲けものだ。

 

 そして希咲が学園に帰ってきた際に、そこで起こっていることを目にした時の彼女の顔は見物だと――

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ごめんごめん』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ジョーダンよ』

 

 

――そんな風に考えが傾きかけたところで軽い調子で謝罪が送られる。

 

 

 それに対してこちらが何かを発言する前にすぐに次の希咲の言葉が送られてくる。

 

 話の流れはそうして彼女に握られたままだ。

 

 相変わらずの切り替えの早さに感心して苛立ちを唾と一緒に吐き捨てる。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:マジメな話』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:どんな感じ?』

 

「…………」

 

 

 口喧嘩を続けても意味がないと、こちらも切り替えることにする。

 

 

『みなせ自身は変わりない』

 

 

 それは真実でもあり、ある意味では嘘だ。

 

 クラスメイトたちに対する水無瀬は何も変わりがないが、しかし魔法少女としての彼女は日々変わり続けている。

 

 少なくとも弥堂の眼にはそう映っている。

 

 

 数秒の間が空き――

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:どーゆーイミ?』

 

 

――そう返ってくる。

 

 

(さすがに目敏いな)

 

 

 全部を説明する気はないが、それでも違和感に気付けるようには報告をする。それが依頼を受けたことへの弥堂なりの誠意のつもりだった。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ホントになにもなかったら』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:かわらない』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ってだけ打つよね あんたなら』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:うざそうに めんどそうにしながら』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:なにがあったの?』

 

 

 見通されていることは気分が悪いが、確かに彼女の言う通りだ。

 

 自分なら本当に何もなければそのようにする。

 

 

 少し考えて、次の返信を送る。

 

 

『あいつ誰かに嫌われてるとかそういうことはないか』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:は?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:なにそれ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:そんなわけないでしょ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ふざけてんの?』

 

『まじめな話だ』

 

 

 気色ばむ様子の彼女にそう伝えると少しの間が空く。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ちょっとだけまって』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:少し頭ひやす』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:1分』

 

 

 出来ればあと一か月くらい頭を冷やしていて欲しいと思ったが、弥堂はそのまま待つ。

 

 すると30秒ほどで次の返信がきた。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ゼッタイない』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:って言い切れないかも』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:言いたくないけど』

 

『そうか』

 

 

 弥堂としても別に聞きたいわけでもないので、これで話は終わったつもりで返事をした。

 

 しかしすぐに続きが送られてきてしまう。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あの子ちょっと』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ぽわぽわしてるでしょ?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:そこがカワイイんだけど』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:でも』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:それにイライラしちゃう子はいるかも』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:いると思う』

 

 

 それは確かになと、得心をする。

 

 

『なるほど』

『その気持ちはわかる』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:は?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:わかるな』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ひっぱたくわよ』

 

 

 弥堂としては珍しく共感の意を示したのに理不尽にも怒られてしまった。

 

 きっと何をしてもこの女のことは怒らせてしまうものなだと割り切ることにした。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:てか』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:やっぱりなにかあったの?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:じゃなきゃ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:そんなこときかないわよね』

 

 

 さて、これにはどう答えるかと考える。

 

 

 先述した通り、そのまま説明してもきっと伝わらない。

 

 さらに、誰かが直接意図をもって水無瀬に何かをしているという話ではない。

 

 そうであるのならば、例えば寝室が悪い、結音が悪いと罪過や責任の在処を誰かに向けやすいのだが、現状はそうではない。

 

 むしろ現状だと、何もしなかったという点で罪の在処を野崎さんたちに向けなければならない。

 

 

 希咲と弥堂。

 

 希咲と野崎さんたち。

 

 

 その関係性上、希咲と関係のよくない弥堂がそれを伝えても反感を買うだけになりそうだ。

 

 

 さらに個人的な問題点がもう一つある。

 

 

 仮に現状起きていることを希咲に説明して、まるでみんなが水無瀬のことを忘れていっているようだと話して、彼女がそれを理解し信じてくれたとしても――

 

 

――じゃあ、何故弥堂はそうはなっていないのか。

 

 

 そう疑問に思われ質問された場合、何も答えることが出来ない。

 

 

 

『現状は何もおこっていない。だが本当になにもおこっていないのではなく。誰かがなにかをしているわけでもない。だから目に見えては何もおこっていなく。なにも怒っていないということがおこっている。それがおかしい。』

 

 

 だから、微妙に嘘で、微妙に本当のことを伝える。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:え?』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ちょっとまって』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:日本語ヘン!』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:どういうイミ⁉』

 

『俺にもよくわからない。何か教室にいわかんがある。だがふとそのいわかんを何も感じなくなるというか忘れることがある。野崎さんたちにも聞いてみてくれ。だが俺の言ったことを伝えずに彼女たちがどう感じているかをお前から聞いたほうがいい』

 

 

 そして自分は何もわからないし、解明する能力はないと暗に伝えて、責任の所在を希咲へと押し付けた。

 

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ふざけてんじゃないのよね?』

 

『まじめだ』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:わかった』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:あたしの方でも調べてみる』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:愛苗は何もないって言ってたけど』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:無事なのよね?』

 

『暴力を奮われたりなど直接的な被害はなにもない』

 

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:おけ』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:ありがと』

『@_nanamin_o^._.^o_773nn:また連絡するね』

 

 

 出来ればもう連絡しないでくれと思ったが、今回はそれを文字にしないくらいの冷静さが弥堂にはあった。

 

 恙無く希咲への報告を終わらせられたと思った時――

 

 

――ふと疑念が生じた。

 

 

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