俺は普通の高校生なので、   作:雨ノ千雨

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1章50 神なる意を執り行う者 ⑥

 

 水無瀬に支えられながら、弥堂は地面に足をつける。

 

 

「弥堂くん、だいじょうぶ? 私抱っこしててあげようか?」

 

「ご苦労」

 

 

 別に馬鹿にしているわけでなく100%の善意から屈辱的な提案をしてくる水無瀬へ、弥堂は遠回しにしかし尊大に断りを入れる。

 

 しかし、彼女は何故か弥堂の身体に両腕を回してむぎゅっと抱きついてきた。

 

 

「……なにをしている」

 

「え? 抱っこ?」

 

「しなくていいと言ったんだ」

 

「あ、そうだったんだ。私てっきり抱っこして欲しいのかと――むぎゅぅっ」

 

「離れろ」

 

 

 水無瀬の顔面に手を付けて無理矢理引き剥がした。

 

 

 手を離した際に、弥堂の手に付着していた血液が彼女の頬にも付く。

 

 しかしそれも一瞬のこと。すぐにその血の穢れは崩れ消えるようにして大気へと溶けた。

 

 彼女の周囲にはキラキラと光の粒子が輝き、フワフワと滞空している。

 

 

 弥堂はそれを視て眼を細めて視線を広範囲に動かし、そして裏山の方で止めてそちらを睨む。

 

 

「どうしたの? 弥堂くん」

 

「……いや、なんでもない。それよりも捕えた敵をそろそろ処理した方がいい。とっとと殺すか、それとも拷問にかけて情報を――」

 

 

 言いながら魔法の盾で創った箱に捕えていたボラフの方へ顏を向けて、そして言葉を止める。

 

 

 そこには何もない。

 

 ボラフも居なければ、彼を捕えていた魔法の箱も綺麗さっぱり無くなっている。

 

 

 もしも、ヤツが魔法の盾を破壊して逃げるのならば、全方位を囲む全ての盾を壊す必要はない。一つだけ破壊すれば事足りる。

 

 それが一つも残っていないということは――

 

 

 弥堂は無言で水無瀬へジトっとした眼を向ける。

 

 

 すると彼女は、何故かもじもじと恥ずかしがるような仕草をした。

 

 

「あのね? もうゴミクズーさんはみんな浄化したし、あんまりボラフさんをイジめるのはカワイソウかなぁって思って……」

 

「そうか」

 

 

 どうでもよくなって弥堂はそうとだけ答えた。

 

 どのみち生殺与奪の権利は彼女にある。

 

 

「それならとっとと撤収するぞ。帰れ」

 

 

 絶体絶命のピンチを助けに来てくれたクラスメイトの女子へ血も涙もないことを言った。

 

 

「えっ? ダメだよっ。私がちゃんと病院に連れてってあげるよ?」

 

「必要ない」

 

「き、今日は絶対にダメだよっ! 死んじゃうよっ!」

 

「問題ない。ちょっとそこで転んだだけだ」

 

「ころんだ……? で、でもでもっ、車に轢かれたみたいになってるよ⁉」

 

「お前、車に轢かれた人間を見たことがあるのか?」

 

「えっ? それは……、ない? かな……?」

 

「じゃあ嘘じゃねえか。この卑劣な嘘つきめ」

 

「えぇっ⁉」

 

 

 大ケガをしたおともだちを心配していたら突然口汚く罵倒され、びっくり仰天した愛苗ちゃんのピンクツインテがぴょこんと跳ね上がる。

 

 

「私嘘つきじゃないよぅ……」

 

「ふん」

 

 

 ふにゃっと眉を下げて自身の潔白を主張してくる彼女を弥堂は鼻で嘲笑った。

 

 

「どうせ大した怪我でもない者を強引に病院に連れて行って無理矢理治療を受けさせ、そして法外な治療費を請求するバイトでもしているんだろう? そう簡単に俺から金を取れると思うなよ」

 

「私アルバイトしてないよぅ」

 

「それは真実か?」

 

「ホントだよぅ。たまにお家のお手伝いはするけど、私魔法少女のパトロールでいっぱいいっぱいだし。それにウチの学校、特別に許可もらわないとアルバイト禁止じゃない?」

 

「ふん、そうか。では神に誓え」

 

「えっ? えっ……? えっと……、か、かみさまっ! 私は“ちりょーひ”をもらうアルバイトはしてませんっ!」

 

「いいだろう。次からは誤解を招くようなことを言うなよ。謝れ」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「よし、今回は特別に許してやる」

 

「ありがとう……」

 

 

 本当に心から心配をして病院に連れて行くことを申し出ただけだったのに何故か謝らされてしまい、水無瀬はしょんぼりとする。だがそれでも、とってもよいこな愛苗ちゃんは許してもらったのできちんとお礼を言った。

 

 こうして今日も、生命を救ってもらったにも関わらず、『ありがとう』も言えないクズ男に彼女は言い包められてしまった。

 

 

「では、帰れ」

 

「うん……、でもね? 弥堂くん」

 

「病院には行かない。というか、どのみちもう時間切れだ」

 

「時間切れ……?」

 

「聴こえるだろ」

 

 

 そう言って耳に手を当ててみせる弥堂に倣って、水無瀬もお耳に両手をそれぞれ当てて耳を澄ましてみる。

 

 

 すると、遠くから喧しい音が近づいてくるのが聴こえた。

 

 

「……なんか、ファンファンゆってる……?」

 

「お前は他人の心配をしている場合じゃないぞ」

 

「どうして?」

 

「わからないか? これはパトカーのサイレンだ」

 

「おまわりさん?」

 

「まだわかってないのか? お前はこのままだとテロリストとして逮捕されることになるぞ」

 

「えぇっ⁉」

 

 

 まさか自身にそのような容疑がかかっているとは露知らず、正義の魔法少女はびっくり仰天した。

 

 

「こ、これって、私を捕まえにきてるの⁉」

 

「そうだ」

 

「で、でもっ、私、魔法少女だし……、テロリストさんじゃないよ?」

 

「そうだな。俺はそれを知っているが、果たしてここの惨状を見たヤツらもそう思ってくれるかな」

 

「ここ……?」

 

 

 周囲を見回す弥堂の視線を追って水無瀬もキョロキョロとする。

 

 

 視界に映るのは瓦礫の山。

 

 元は存在していた校舎は一棟がほぼ消し飛び、時計塔は半ばからへし折れて倒壊し、平和だった学園が地獄のような風景に為り果ててしまっていた。

 

 

 その光景を目に映した水無瀬は――コテンと首を傾げた。

 

 弥堂は半眼で彼女を見遣る。

 

 

「まだわかんねえのかよ。お前よく思い出してみろ」

 

「……? なにを?」

 

「……お前、結界はどうした?」

 

「けっ、かい……?」

 

 

 さらに深く首を傾げた水無瀬は宙空へ、ぽへーっとしたお目めを向ける。

 

 

 今夜、ここに来てからのことを思い出しているようだ。

 

 

 数秒ほどしてから水無瀬はハッとなった。

 

 

 大慌てでバッ、バッ、ともう一度辺りを見回す。

 

 

 改めてその地獄絵図を見止めて愛苗ちゃんはお顔をサァーッと青褪めさせた。

 

 

「どっどどどどど、どうしようっ⁉」

 

「やっと気づいたのかよ」

 

 

 両手で頭を抱える彼女に弥堂は醒めた眼を向ける。

 

 

「お前、結界張るの忘れただろ?」

 

「わ、わたし……、たいへんだぁって慌てちゃって、それで……。でも、みんなの学校を私……」

 

 

 この世の終わりのような表情をする水無瀬の様子に弥堂は一定の満足感を得た。

 

 

「まぁ、やっちまったもんは仕方ない。というわけでバックレるぞ」

 

「ばっくれ……?」

 

「逃げるぞと言っているんだ」

 

「えぇっ⁉ ダ、ダメだよ、そんなのっ……!」

 

「は?」

 

 

 通常、警察が来たら逃げるか戦うか嘘を吐くかしか選択はないはずだ。

 

 深夜にここに居る時点でもう不法侵入はどう足掻いても成立してしまうので今回は逃げるのが無難なのだが、それを拒否する彼女へ怪訝な眼をする。

 

 

「お前、警察をやっつける気か? 勝てるだろうがお勧めはせんぞ」

 

「やっつけないよ⁉ そうじゃなくって、悪いことしちゃったから、ちゃんとゴメンなさいしないと……」

 

「なんだと?」

 

 

 弥堂は益々眉を歪める。

 

 

 警察に謝るということは罪を認めるということになる。

 

 そんなことをしても何の得にもならないので、弥堂の常識では絶対にやってはいけないことの一つだ。

 

 

 それをするという水無瀬へ、やはり魔法少女とは理解不能で相容れぬバケモノなのだなと蔑んだ眼を向け、その違いを視た。

 

 

 だが、まぁ、自分と彼女は仲間でもないし共犯関係でもないので、彼女が自首したとしても自分には関係ないと、彼女を見捨てることにする。

 

 

「まぁいい、好きにしろ。俺はもう行く。絶対に警察に俺の名前を漏らすな――」

 

「――弥堂くんのことはおまわりさんにお願いしておいてあげるねっ」

 

「――なんだと?」

 

 

 思いも寄らない人物から突然脅迫をされ、弥堂は眼を細める。

 

 

「おまわりさんに病院に連れてってあげて下さいって言ってあげるから、もうちょっと我慢してね?」

 

「…………」

 

 

 どうやら脅迫のつもりではなかったようだが、弥堂にとっては同じことで、そして最悪だ。

 

 

 水無瀬に関しては魔法少女であることを明かしさえしなければ、彼女がこの大規模な破壊を行ったと言っても警察も真に受けはしないだろう。

 

 だが、弥堂の場合は話は別だ。

 

 

 ここに弥堂が居ることがバレた時点で、何をどうと言わずとも何がなんでもこの破壊の犯人に仕立てあげられるだろう。

 

 

 弥堂はここの地元の警察に面が割れてしまっている。

 

 

 ここに来たばかりの頃に勝手がわからずに何度か警察と揉めてしまっているし、仕事で暴力団の抗争にも参加したことがある。

 

 完全に組の関係者として認定されていて、先日のようにちょっとしたことで難癖をつけられて連行されたことも何度かある。

 

 チャンスと罪状さえあればヤツらが嬉々として弥堂を検察に送るであろうことは想像に難くない。

 

 

 そんなわけで話が変わった。

 

 

 水無瀬の身柄を警察に渡すわけにはいかない。

 

 嘘を吐けない――というか吐く気のない彼女はきっとよかれと思ってベラベラと聞かれてもいないことまで喋り、結果として芋づる式に弥堂が指名手配されることは考えるまでもない。

 

 

 この“脳天はっぴぃぱらだいす娘”を、どうにかして無事にお家に帰す必要がある。

 

 

 大変お強い『神意執行者(ディードパニッシャー)』様にご納得して頂いた上で穏便にお帰り頂けるよう、弥堂は口を開く。

 

 

「おい、水無瀬」

 

「なぁに? 弥堂くん」

 

「安心しろ」

 

「えっ?」

 

 

 先程まで散々不安を煽ってきていた男に突然安心を促され水無瀬は困惑する。

 

 

「これはアレだ。大丈夫だ」

 

「えっとぉ……? でも、私学校壊しちゃったし……」

 

「よく考えてみろ。この学園は誰の持ち物だ?」

 

「えぇ……っと、理事長さん……?」

 

「まぁ、そうだな。そしてお前はそれを壊してしまったというわけだ。間違いがないな」

 

「うん……、だからちゃんとゴメンなさいしないと……」

 

「そうだな。しかし一体誰に謝る気だ?」

 

「えっ?」

 

 

 手応えを掴んだと、既に不法侵入と窃盗の罪が確定している男は満足げに頷く。

 

 

「えと、あのね? おまわりさんが来るから私ゴメンなさいしようかなって」

 

「その必要はない」

 

「え? そ、そうなの……?」

 

「そうだ。自分で言っただろ。この学園の所有者は理事長であると。つまりお前が謝るべき相手は警察などではなく理事長なんじゃないのか?」

 

「た、たしかに……?」

 

 

 尤もらしい屁理屈で思考を誘導され、混乱しつつもよいこの彼女は聞き入れてしまう。

 

 

「というわけでお前は理事長に謝罪をするわけだが、しかしだ、水無瀬」

 

「うん?」

 

「その理事長が謝罪は要らないと言ったならどうだ?」

 

「えぇっ?」

 

 

 そんなわけはないと水無瀬は驚く。

 

 

「で、でもっ、こんなに壊しちゃったし……」

 

「落ち着け。これはもしも、仮に、そうだったらとしたら……、そういう話だ」

 

「かりに……」

 

「そうだ。もしも仮に。そうだな、例えばの話をしようか」

 

「たとえば……」

 

「例えば、仮にだ。俺がお前のシャーペンの芯を一本折ってしまったとする。実はそのことについてお前に謝罪をしたいと思っていたんだ。どうか俺に謝らせてくれないか?」

 

「えっ? そんなのいいよぅ。私もいつもペキッて折っちゃうし」

 

「それだ」

 

「はっ⁉」

 

 

 ズビシッと指を差され愛苗ちゃんはハッとした。

 

 

「わかったか? 持ち物を壊してしまっても、本人が特に怒っていないこともこのようにあるだろう?」

 

「た、たしかに……っ」

 

 

 急に物事の規模をとても矮小なものに縮小された例え話を持ち出され、愛苗ちゃんはご納得をしてしまう。

 

 

「で、でも、学校壊しちゃったら理事長先生も怒っちゃうと思うの」

 

「そうかもしれないし、そうではないかもしれない。少なくともそれを決めるのはキミではなく、そして警察でもない。理事長本人だ」

 

「そうかもしれないけど……」

 

「ここは一つ俺に任せてくれ」

 

「え?」

 

「実は俺は理事長とはそれなりに親交があってな。個人的に彼女の頼みを聞いてやっていたりもする。だから俺がこの件を不問にするように口をきいてやろう」

 

「で、でも、ごめんなさいはしないと……」

 

「言っただろ。それを求めるかどうかは被害者次第だと。安心しろ。彼女は金持ちだ。時計塔なぞシャーペンの芯程度の価値しかないと常日頃から口にしている」

 

「そ、そうなの……? すごいんだね」

 

「そうなんだ。すごいんだ」

 

 

 ちなみに理事長である御影も、真の所有者である郭宮生徒会長もそんなことは一度も言ったことはなく、むしろ財政難に日々頭を悩ませている。

 

 息をするように次々と嘘を吐くクズの攻勢に、口の上手くない水無瀬は段々と「そうなのかな?」と思い始めてしまう。

 

 

「まぁ、なんにせよまずは本人に話をしてみないことにはな。ということで、ここは一旦俺に話を預けてくれ」

 

「いったん?」

 

「あぁ、そうだ。あくまで一旦だ」

 

「いったん……」

 

「今日はこんな時間だ。明日にでも話をしてみよう。それでもしも彼女が謝罪を求めてくるというのならその時に謝ればいいし、そうでないのなら問題はないということだ」

 

「う、うん……、でも、おまわりさんはどうするの?」

 

 

 こうして話している間にパトカーのサイレンの音は大分近づいてきている。

 

 

「被害者が被害届を出さなければ警察ごときの出る幕ではない。ヤツらには勝手に自分の仕事をやらせておけばいい。放っておけ」

 

「そ、そうだったっけ……? 弥堂くん、おまわりさん嫌いなの?」

 

「別に」

 

 

 疚しいことが数えきれないほどある男はスッと眼を逸らす。

 

 

 そもそも、現在近づいてきているパトカーは、夜の空に轟轟と燃え上がる炎を発見した市民が美景台学園の時計塔の屋上が火事だと通報したために発進したものであり、他に聴こえてくるサイレンには消防車や救急車のものも混ざっている。

 

 後続のパトカーたちは、なにやら爆発音がしたという別の通報により増員されたものではあるが、発端としては完璧に全てが弥堂のせいであった。

 

 

「さぁ、もういいだろ。撤収するぞ」

 

「あ、あの……、病院は?」

 

「大丈夫だと言っただろ。それが本当かどうかも明日になればわかる。俺が死ねば学校には来れないからな。それも明日まで待て」

 

「えっ? えっ……? それってダメなんじゃ――」

 

「――細かいことは気にするな」

 

 

 弥堂は水無瀬を落ち着かせようと頭を撫でてみる。

 

 しかし彼女の頭に置いた手がポッキリと手首からイッテいたので、愛苗ちゃんは尚更に顔を蒼くする。

 

 

「あ、あの……っ! 弥堂くんやっぱりびょうい――」

 

「――うるさい黙れ」

 

「ひゃんっ」

 

 

 言葉と同時にピシャリと水無瀬の尻を打つ。

 

 都合が悪くなれば最後はお決まりのパワープレイだ。

 

 

「うぅ……、なんでお尻ぶつのぉ……?」

 

 

 驚いてぴょんこと跳び上がった水無瀬はショックで勝手に飛行魔法が発動されたのか、そのままふよふよと宙に浮かぶ。

 

 

「もう時間がない。さっさとしろ」

 

「で、でも……」

 

「こんな時間にこんな場所で補導されたらお前の両親が悲しむぞ」

 

「りょうしん……」

 

 

 水無瀬は改めて視線を周囲に遣る。

 

 目に入るのは変わらぬ破壊の惨状。

 

 

「お、お母さんに怒られちゃう……」

 

 

 再び顔を青褪めさせることになった。

 

 

 そんな彼女に弥堂は胡乱な瞳を向ける。

 

 

 このような大規模破壊をたった一人で成しえ、化け物数体を余裕で秒殺をするような危険人物がお母さんに怒られることに震え上がる姿に、何とも言えずに呆れた心持ちになった。

 

 

 とはいえ、サイレンの音もかなり近い。

 

 これ以上はゆっくりはしていられない。

 

 

 弥堂はちょうどいい位置にきた尻を執拗に責め立てる蛮行にでた。

 

 

「いいから。さっさと。いけ。誰にも。見つかるなよ」

 

「いたい、いたい、いたい、やめて、いたいよぉっ⁉」

 

 

 言葉を切るごとにペシっと彼女の尻を打ち、それから逃れようと水無瀬はその度に高度を上げていく。

 

 

「まずは誰にも見られない高さまで上がってから逃げるんだぞ。降りる時も人目を気にしろ。万一見られたら確実に始末しろよ。いいな」

 

「わ、わかりましたぁ……」

 

 

 半ベソをかいた魔法少女はようやく立ち去ろうとしてくれる。

 

 なおも弥堂の身体を気遣うようなことを口にする彼女を、パンパンっと手を叩いて追い立てると「ひゃぁぁぁ~っ」と奇怪な悲鳴をあげて飛び去っていった。

 

 

 弥堂は魔法少女のお尻を厳しく責めたことで消耗し、荒くなった息を整えようとして諦める。

 

 

 そして校庭の向こうへと眼を一度遣り、弥堂もこの場から立ち去った。

 

 

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