俺は普通の高校生なので、   作:雨ノ千雨

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2章22 ...THE PART-TIME OPERATION ⑦

 ポートパークホテル美景。

 

 その敷地内に入るとまず緩やかな坂があり、ホテル建物へと続く。

 

 

 弥堂たちを乗せたワンボックスカーはホテル前の駐車場でもない適当なスペースに停車する。

 

 すぐにドアを開けて外へと出た。

 

 

 一番最初にアスファルトに足を乗せた弥堂は周囲を視まわす。

 

 

 警察車両や救急車に消防車。

 

 それらが多く停まっており、こうしている間にもどんどんパトカーが集まって来ていた。

 

 そして、それとは真逆に恐らく宿泊客のものであろう一般車両が次々にホテルから出て行く。

 

 

 視線をホテル建物へ向けて、下から上へなぞっていく。

 

 

 ホテルの上階の方の何ヶ所かの窓から煙が漏れ出ていた。

 

 

 弥堂はスッと眼を細める。

 

 

(おかしい……)

 

 

 先程ウェアキャットがSNSで見た、この付近のホテルでの火事の発生――

 

 

 恐らくこのポートパークホテル美景がその発生元なのだろう。

 

 実際に救急車や消防車が何台も来ており、煙が上がっている。

 

 

(だが――)

 

 

 火が見えない。

 

 

 角度的に見えないだけか、それともそれほど大規模な火災ではないのだろうか。

 

 

「――落ち着いてください! 焦らないでゆっくりと避難してください!」

 

 

 視線を下ろすと、その先では警官がホテル内から避難してくる一般人たちを誘導している。

 

 ここに来る前に車内で見たが、付近の道路の閉鎖もしているようだ。

 

 

 被害の拡大を防ぐためなのかもしれないが、裏を返せば小火程度の小規模な火災でそこまでの対応をするものだろうかという疑問も持つ。

 

 弥堂はこうした災害現場の知識に明るいわけではないが、出動してきているパトカーの数も随分と多いように感じた。

 

 

 それに――

 

 

 他の車も一つ一つ視認していく。

 

 

 通常のパトカーだけではなく、弥堂たちが乗ってきていた黒塗りのワンボックスカーのような車両も多い。

 

 他の車のようにホテル外に出て行くのではなく、敷地内で停車しているのを見るに警察の関係車両だろう。

 

 まるで中に戦闘員が乗っているようにも見えてしまう。

 

 

 

「う、うわぁ……、スゴイ騒ぎになってるね……」

 

 

 弥堂に続いて下りてきたウェアキャットも周囲を見て驚いている。

 

 どうやら彼も知らない事態のようだ。

 

 

 ホテルの上階を仰ぐ彼のキャップの陰を視る。

 

 角度的に見えるはずの素顔はやはり見えない。

 

 

「おぉーい、座席をズラしてくれるかな?」

 

「あっ、ゴメンなさい……!」

 

 

 最後列に座っていた佐藤が出られなくなっているのをアピールすると、ウェアキャットは慌ててセカンドシートをズラしに行った。

 

 弥堂も彼を視るのをやめて、また周囲の様子を確認しようとする。

 

 

 すると――

 

 

「――いいカンしてル」

 

 

 助手席から降りてきた黄沙(フワンシャ)がいつの間にか隣に立っていた。

 

 弥堂は女児の頭の上でピクピク動く犬耳カチューシャをジッと視下ろす。

 

 

「鼻がキイてル。オマエ、生き残れルゾ」

 

「……そりゃどうも」

 

 

 適当に肩を竦めて受け流し、頭の中では別のことを考える。

 

 今の彼女の言葉で発想を得て、察せるものがあったのだ。

 

 

「うんうん。いい感じだね」

 

 

 車から降りてきた佐藤が、大騒ぎの災害現場を見てニコニコとする。

 

 

「な、なに言ってんの佐藤さん! これってボクたちも救助とか手伝った方がいい⁉」

 

 

 それとは真逆にウェアキャットは血相を変えている。

 

 

「その必要はない」

 

「え?」

 

 

 非難混じりに佐藤に向けた問いには弥堂が答えた。

 

 ウェアキャットは彼の方へ顔を向ける。

 

 

「どういう意味? 確かにボクら仕事あるけど、今はそんなこと言ってる場合じゃ――」

 

「――いや、いいんだよウェアキャット君。マッドドッグ君の言うことで正解だ」

 

「せいかい……?」

 

 

 弥堂に詰め寄ろうとしたウェアキャットを制止して、佐藤は笑みを浮かべる。

 

 どこか満足げな。

 

 弥堂はそんな彼に冷たい眼を向けた。

 

 

「この火事はブラフか?」

 

「えっ⁉」

 

「ふふふ……」

 

 

 弥堂の言葉にウェアキャットは驚く。

 

 佐藤はやはり笑みを深めた。

 

 

「その通り。この火災はダミーだよ」

 

「そうか。だが、どういうことだ?」

 

 

 そこまでは弥堂にもわかった。

 

 だが、その先がわからないのでそれを訪ねる。

 

 

「現在この“ポートパークホテル美景”では、何者かに持ち込まれた不審物による火災が発生している――ということになっている」

 

「なっている……?」

 

「突発事故を偽装してホテル及び周辺の区画を閉鎖。爆発物があるって話になっているから、警察もたくさん出動していても全く不自然じゃない」

 

「ということは……」

 

「そう。現場の変更だよ」

 

 

 イタズラが成功したとばかりに、佐藤はパチリと不器用なウィンクをした。

 

 

「さっきの“ホテルニューポート美景”が博士一行の滞在先だと、わざとリークしたのさ」

 

「そして当日の時間直前に突然それを変更――か」

 

「そういうことだね。それに、こうすれば区画の閉鎖や警察の動員も可能になる。あくまで博士とは別件でって建前でね」

 

 

 そこまでを聞いた時、駆け足で数名の男たちが近寄ってきて佐藤の前でビシッと止まった。

 

 

「失礼します! 一般人の避難、間もなく完了します!」

 

「うん、ご苦労さま。それじゃ、“救助”開始。よろしく」

 

「はっ! “救助”開始します!」

 

 

 敬礼をしながら佐藤と効率よく言葉を交わし、男たちはホテルの方へ駆け足で向かう。

 

 彼らだけでなく、他にも何チームもの人員が一斉に建物内部へなだれ込んでいった。

 

 だがその動きや並びは規則的なものであり、明らかに訓練されたチームだ。

 

 

 それに――

 

 

「“救助”、ね……」

 

「そうそう。あくまで“救助”、だよ」

 

 

 弥堂の呟きに佐藤は笑みを深めて嘯く。

 

 

 今しがたのチームは佐藤の部下ということなら警察関係者だろう。

 

 しかし、彼らの装いは救助隊にはまるで見えなかった。

 

 そういった知識に疎い弥堂でも一目でわかる。

 

 まるで暴徒鎮圧の為のような装備をしていた。

 

 

 あれでは救助隊ではなく、突入部隊だ。

 

 だから、そういうことなのだろう。

 

 

「なるほどな。目立てないから兵を配置できない――そのデメリットを利用したのか」

 

「そういうことだね。別のことで目立って我々はそれを隠れ蓑にする。そして相手は逆に近寄りづらくなる」

 

「ついでに伏兵も間引きか」

 

「うん。既にスパイがいるって話だったからさ。あっちのホテルには従業員や宿泊客を装った伏兵が潜り込んでいたかもしれない。だけど、今からじゃこっちに移動するのはとても間に合わない」

 

「そうか。火災を偽装してホテルから一般客も従業員も追い出して……」

 

「その後は味方だけで固めて、他には誰も入れない――ってわけさ」

 

 

 佐藤の種明かしに相槌を打ちながら弥堂はもう一度ホテルの上階を見上げる。

 

 偽装という話だが、窓からは今も煙が出ていた。

 

 

「本当に火事を起こしたのか?」

 

「まぁ、多少のリアリティは必要だからね。フリで済む程度に」

 

「ホテル側にバレたら問題にならないのか?」

 

「そこの話はついてるんだよ。元々ここのオーナーさんと懇意でね」

 

「最初からグルだったのか?」

 

「そこまでではないよ。実はここのオーナーとは別に、“偶然”話を聞きつけた親切なスポンサー様が現れてね。その方が追い出した宿泊客への賠償とかを持ってくれるってさ。お金とアイディアを提供して下さったんだよ」

 

 

 そこまでいくと出来過ぎた話だと、弥堂はジロリとした眼で佐藤を視る。

 

 

「向こうから? 怪しくないのか?」

 

「いや、先方の身元はちゃんと保証されているよ。この地の守護者側の方だからね」

 

「……そうか。それならよく出来た作戦だな」

 

「ふふ、オジさんも中々やるだろぉ?」

 

「そうだな」

 

 

 若者相手に得意げになる中年男性を適当にあしらいつつ、弥堂はウェアキャットの様子をチラリと見遣る。

 

 

 佐藤の説明に「ふんふん」と感心したり、周囲を物珍しそうに見まわしたりしている。

 

 火事がブラフだとわかったからだろうか。

 

 さっきまでのような慌てた様子はなく、一安心して今は関心の方が勝っているようだ。

 

 

(こいつも知らされてなかったのか……?)

 

 

 そんな風に見えるが断定は出来ない。

 

 だが、それを考えている時間はもうない。

 

 

 ふと、けたたましいサイレンの音が近づいて来る。

 

 それは秒ごとにどんどんと大きくなってくる。

 

 さらにその音は一つや二つではない。

 

 

 ホテルの敷地の入り口の方へ眼を向けると、縦一列に並んだ救急車が次々に入ってくる。

 

 救急車が三台、その後に装甲車のボディを赤く塗ったような消防車が並び、その後ろにも救急車が三台続く。

 

 その一団は弥堂たちの近くを通り過ぎて地下駐車場へと繋がるホテル内部へと入って行った。

 

 

「さて、お客さまがご到着されたようだし、僕たちもそろそろ中へ入ろうか」

 

「……あぁ」

 

 

 どうやら今の車の中に福市博士や“G.H.O.S.T(ゴースト)”が乗っていたようだ。

 

 火事を偽装し、その現場に救急車両を装って紛れて、敵に気付かれないようにホテルに入る。

 

 そういう手筈だったようだ。

 

 

「スマホは持っていってもいいけど、一旦通信を切っておいてくれるかな? “G.H.O.S.T(ゴースト)”の人たちが通信や電波のチェックをすると思うから、万が一それに引っ掛かったら不要な疑いをかけられるかもしれない」

 

『――チッ、なのだ。ユウくん、一旦通信切るのだ。大丈夫になったら掛け直して欲しいのだ』

「わかった」

 

 

 エアリスへ向けた承諾だが、彼女の存在を知らない佐藤は満足げに頷いた。

 

 弥堂がスマホの電源を切るための操作をしている間に、佐藤は今度は別の者に指示を出す。

 

 

「ウェアキャット君はここで待機ね」

 

「はい」

 

「僕はマッドドッグ君を先方に紹介したら、ここの指揮を執るために戻ってくる。それまでお願いね? 黄沙(フワンシャ)ちゃん」

 

「ハヤク行け、デブ」

 

「キッツイなぁ……」

 

 

 上司を冷たく罵倒してから黄沙(フワンシャ)は弥堂へ眼を向ける。

 

 

「グッドラック、キョウケン」

 

「そっちもな」

 

 

 決まり文句のように意図も意味もこめずに返し、弥堂はホテルへ歩き出した。

 

 

「あ、ちょっとちょっと……!」

 

 

 本来は誘導する側のはずの佐藤が、その後を慌てて追う。

 

 

 佐藤が弥堂の横に並ぶと、どこからともなく数名の男たちが集まって来た。

 

 黒服の男が二名、弥堂と佐藤の後ろに付き、さらに両翼に先程の突入チームと同じ装備をした男たちが並ぶ。

 

 佐藤の護衛のようだ。

 

 

 彼らを横目で一度視て、弥堂は何も言わずに視線を前方に戻す。

 

 

「ねぇ、弥堂君」

 

「なんだ?」

 

 

 すると、佐藤が少し声を潜めて話しかけてくる。

 

 

「聞けたらでいいんだけどさ、チャンスがあったら博士と話してみて欲しいんだ」

 

「なにを」

 

 

 弥堂も佐藤もお互いに視線を向けずに前を見ながら最小限の動きで唇を動かす。

 

 

「彼女自身がどう考えていて、どうしたいと思っているのか――それを聞いてみて欲しい」

 

「聞いてどうする?」

 

「特には」

 

 

 佐藤は少し苦笑いを浮かべた。

 

 

「僕たちに出来る範囲で、助けられれば助ける。本人が望まないのなら無理強いはしない」

 

「……機会があればな」

 

 

 それ以降は無言で、数名のガードを引き連れた二人は正面入り口からホテルへと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 その二人の背中を見送ってから、ウェアキャットは黄沙(フワンシャ)の方を向く。

 

 

「今、ボクがすることはある?」

 

「ナイ。ヒツヨウなら、ジブンのジュンビ」

 

「ん。じゃあ、ちょっとスポット探してくるね」

 

「15分で、一度戻レ」

 

「了解」

 

 

 軽い調子で返事をして踵を返そうとすると、ホテルの方から大声が聴こえてくる。

 

 

「――う、うわあぁぁっ! 山田君……、山田くぅん……っ!」

 

「ちょ、ちょっと……! 少しは落ち着いてくださいよ先輩っ! 大丈夫ですから!」

 

 

 どうやら避難してきた一般人のようだ。若い二人組。

 

 ふくよかな体型の男の子が、ぱっと見で女の子のようにも見える華奢な男の子に泣きながら縋りついている。

 

 

「ぼ、僕こんなの初めてで……、怖くって……!」

「もう外ですから! 大丈夫ですって! ていうか、重いです!」

 

「だ、だって、こんなのってないよ……! 普通の高校生であるところの僕がある日偶然泊まったホテルを爆破されるなんて……!」

「なんですかそのラノベのタイトルかスレタイみたいなの……。爆発なんて起きてないでしょ? 火が出たってだけで」

 

「うぅ……、僕はもうここで死ぬんだ……。山田君、後生だ。僕が死んだら昨日購入した品々はどうか爆破しておくれ……。頼んだよ」

「いや、今先輩が死ぬなら僕も一緒に死ぬと思いますけど? ていうか、どっちみち爆破するんですね」

 

「なに言ってるんだい! 死ぬだなんて軽々しく言うものじゃないよ! 僕はそんなの認めないね! 生きるんだ山田君!」

「もう……、この人めんどくさいなあ……」

 

 

 どうやらこの火事騒ぎで随分と動揺してしまっているようだ。

 

 高校生くらいだろうか。

 

 二人は警官に誘導されながらウェアキャットたちの前に差し掛かる。

 

 

「そもそも先輩、買った物しっかり持って来てるじゃないですか。その紙袋と先輩の体重でボクが転んじゃいそう……、って、あれ?」

「ん? どうしたんだい? 山田君」

 

「先輩、荷物は?」

「ん? 今持ってるじゃないか」

 

「いや、元々持って来てたキャリーバッグとかは?」

「いやあ、火事だーってなった瞬間さ、パッと思いついたのが『エロ本がバレる!』だったんだよね」

 

「えぇ……。いや、まぁ、わからないでもないですけど……。でも、そんな場合でもないし仕方ないか。今から12Fまで戻れませんしね。後日にでも返して貰いましょう」

「そうそう。それに――」

 

(――っ⁉)

 

 

 ドキリとウェアキャットの心臓が跳ねる。

 

 

「――もしかしたら誰かの役に立つかもしれないしね」

 

「レイヤーさんを撮るための機材が火事の時に何の役に立つって言うんですか」

 

 

 二人組の男の子は笑いながらウェアキャットたちの前を通り過ぎていく。

 

 

 その通り過ぎ様――

 

 

 ほんの一瞬、華奢な男の子に抱きつく太った男の子の目が、自分に向いたようにウェアキャットには感じられた。

 

 雑に伸ばした前髪と大きなサングラスで隠れて、その奥にある目は見えなかった。

 

 だが、その視線が自分に向けられたようにウェアキャットには感じられたのだ。

 

 

 気のせいだと頭を振る。

 

 そうして視線を上げると――

 

 

「――うぇっ⁉」

 

 

 今度は声が出るくらいに驚いた。

 

 

 今の二人組に続いて、ホテルからぞろぞろと一つの集団が出てくる。

 

 その者達はまるで学校の避難訓練の見本のように、押さずに掛けずに綺麗に整列して歩いていく。

 

 避難をする者としては非の打ちどころもない。

 

 

 ただ、一点。

 

 各人それぞれが頭に紙袋を被っていなければ――

 

 

「――な、なにあれ……? え? 紙袋が防災頭巾なの……?」

 

 

 見るからに異様な集団にウェアキャットは取り乱す。

 

 

「ン? そういえバ、チカクで、イベント」

 

「あ、そっか……、その参加者か。ってことはコスプレ……?」

 

「ソレの参加者、イッパイ、泊まってタ」

 

「そういうことか。ビックリしたぁ……」

 

 

 あんなに怪しい集団が普通はいるわけがない。

 

 だが、そういうことなら納得が出来る。

 

 

 しかし、普通と謂えば――

 

 

「…………」

 

 

 さっきの泣きながら避難をしていた男の子たち。

 

 あれがこんな時の普通の人の反応だろう。

 

 

「イベント、楽しみにしてたんだよね……」

 

 

 火事を偽装してホテルから一般客を追い出して要人の警護にあてる。

 

 先程弥堂はよく出来た作戦だと評していたが、しかしそんなものはこっちの勝手な都合だ。

 

 

「あの人たちにはなんにも関係ないのに……」

 

 

 人の生命を守るために仕方のない部分はあるかもしれない。

 

 こうせざるをえない――そんな言い訳も経つかもしれない。

 

 

 だけど、普通の世界で普通に生きてる人たちの幸福を犠牲にしていることも間違いのない事実だ。

 

 

 清祓課や“G.H.O.S.T(ゴースト)”が悪いとまでは、思わない。

 

 

 そもそも、自分たちの利益のために、他人の身柄や生命、成果を――不法に狙ってくる者が悪いのだ。

 

 

 そういった者達をなんと呼ぶか――

 

 

 それは、悪だ。

 

 

 敵は明確な悪だと云えた。

 

 

 ウェアキャットにとっては急遽参加することになった作戦だが、明確に自分自身の中に戦う理由が出来た。

 

 

 こんな風に普通の人たちに犠牲を強いて、その上で無実な博士の生命まで喪われるだなんて、そんなことは――

 

 

「――絶対に許さないんだから」

 

 

 小さく呟いて、ウェアキャットは周辺の地形を把握する為に踵を返した。

 

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