戦えない私がキヴォトス中の生徒に執着されるまで   作:Zuzuiikb

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6話 柴崎ラーメン

借金の数字を見たあとで食べ物の話をするのは、少しだけ不思議な感じがした。

 

 でも、だからこそ必要なのかもしれない。

 

 人は、借金だけで生きているわけではない。戦闘だけで一日が終わるわけでもない。どれだけ学校が砂に削られていても、どれだけ返済額が紙の上で重くのしかかっていても、お腹は空くし、喉も渇くし、明日のために何かを食べなければいけない。

 

 アヤネさんの説明が一区切りついた頃、窓の外は夕方の色になっていた。砂を含んだ光が対策委員会室へ斜めに入り、机の上の資料を薄く赤く染めている。数字の列まで夕陽に照らされているのが、なんだか嫌だった。少し綺麗に見えてしまうのが、もっと嫌だった。

 

「……で、結局今日はもう解散でいいんじゃない?」

 

 セリカさんが椅子から立ち上がった。

 

 さっきまで机に片肘をついて、いかにも退屈そうな顔をしていたのに、立つ動きだけはやけに早い。帰る、というより、次の予定へ急ぐ人の動きだった。

 

「セリカちゃん、今日もバイトですか?」

 

 アヤネさんが確認する。

 

「そうよ。時間ギリギリ。だから、あとは先生に説明しといて」

 

「分かりました。でも、無理はしないでくださいね。今日も襲撃があったばかりですし……」

 

「無理してない。いつも通り」

 

 その“いつも通り”が、あまり軽く聞こえなかった。

 

 いつも通り、学校で戦って、後片付けをして、借金の話を聞いて、それからバイトに行く。そういう意味なのだと気づいた瞬間、胸の奥が少しだけ詰まる。私だったら、できるだろうか。救護騎士団の訓練でへとへとになったあと、ミネ先輩の膝で眠ってしまった自分を思い出して、少しだけ情けなくなった。

 

「柴関ラーメンですね〜」

 

 ノノミさんがにこにこと言う。

 

「それなら、夕食も兼ねてみんなで行きませんか? 先生も、レナちゃんも、アビドスに来たばかりですし」

 

「はあ!?」

 

 セリカさんの声が裏返った。

 

「なんでそうなるんですか、ノノミ先輩!」

 

「だって、せっかくですし〜。柴関ラーメンはアビドスの大事なお店ですから。先生たちにも知ってもらうのはいいことですよ」

 

「私、仕事中なんですけど!」

 

「じゃあ、私たちはお客さんですね〜」

 

「そういう問題じゃない!」

 

 セリカさんが頭を抱える。

 

 でも、完全に拒絶している感じではなかった。困っている。恥ずかしがっている。もしかすると、バイト先を見られるのが少し嫌なのかもしれない。学校でのセリカさんと、店で働くセリカさん。それはきっと、同じ人だけど、少し違う顔なのだ。

 

 先生が静かに微笑んだ。

 

「迷惑でなければ、私も行ってみたいわ。現地の食事を知るのも大事なことだもの」

 

「先生まで……」

 

「それに、ラーメンは好きよ」

 

 その言い方が妙に真剣で、私は思わず先生を見た。

 

 先生は大人の女性らしく落ち着いた顔をしている。しているのに、目が少しだけ楽しそうだった。シッテムの箱を扱っている時や、作戦の話をしている時とは違う、もっと普通の、好きなものを前にした人の目。

 

「先生、ラーメンお好きなんですか?」

 

「ええ。特に、変わった名前の限定メニューがあると少し気になるわ」

 

「変わった名前……?」

 

「“極限砂漠横断スペシャル”とか」

 

「それ、名前だけで胃が疲れそうです」

 

「でも、名前が強いでしょう?」

 

「強ければいいんですか……?」

 

 思わずそう返すと、先生は少しだけ笑った。

 

「大人になっても、そういうものが気になる時はあるのよ」

 

 大人。

 

 でも、少し子どもっぽい。

 

 先生は先生なのに、こういうところだけ、アビドスの生徒たちと同じ机に座って笑えそうな空気がある。だから生徒たちは先生に話せるのかもしれない。頼れる大人で、でも遠すぎない人。

 

「……好きにすれば」

 

 セリカさんが諦めたように言った。

 

「ただし、店で変なことしないでよ。あと、忙しい時間に邪魔したら本気で追い出すから」

 

「分かったわ。お客さんとして、きちんといただくわね」

 

「先生は普通にしてればいいです。問題はそっち」

 

 セリカさんの視線が私に向いた。

 

「私、ですか?」

 

「あんた、すぐ何か手伝おうとしそう」

 

 言葉に詰まった。

 

 否定できなかった。

 

「……座っています」

 

「絶対よ」

 

「はい」

 

「絶対だからね」

 

「はい」

 

 念を押されるたびに、アヤネさんが少しだけ苦笑していた。ノノミさんは楽しそうに微笑んでいて、シロコさんは何も言わずに立ち上がる。ホシノ先輩だけが椅子に沈んだまま、眠そうな声を出した。

 

「おじさんはどうしようかなぁ。ラーメンは魅力的だけど、動くのがねぇ」

 

「ホシノ先輩も来てください。全員で行動した方が安全です」

 

 アヤネさんの声が少し強くなる。

 

「はいはい。アヤネちゃんは真面目だねぇ」

 

「真面目にしていないと、ホシノ先輩がすぐサボりますから」

 

「信用がないなぁ」

 

「日頃の行いです」

 

 そのやり取りは自然だった。

 

 アヤネさんはホシノ先輩をちゃんと先輩として扱っている。でも、遠慮だけではない。何度も同じことを言ってきた人の言い方だった。ホシノ先輩もそれを受け流しているようで、ちゃんと聞いている。アビドスの中にしかない距離感。まだ私はその輪の外に立っていて、でも、少しずつその形を覚え始めている。

 

 柴関ラーメンは、学校から少し歩いた場所にあった。

 

 道中、シロコさんは私の横より少し前を歩いた。道案内というには、近すぎず遠すぎない位置。砂が深い場所に入る前に自然と歩幅が遅くなり、人が通りにくい細道へ入ると、私がついてきているかだけを短く確認する。

 

 今日は水を飲んだかは聞かれなかった。

 

代わりに、角を曲がる時だけ、シロコさんの視線が一度こちらへ戻る。私が遅れていないか。救護バッグの肩紐がずれていないか。砂に足を取られていないか。言葉ではなく、視線だけで確認されている。

 

 見られている。

 

 でも、責められているわけではない。

 

 その距離感が、まだ少し分からない。

 

「ここ」

 

 シロコさんが短く言った。

 

 小さな店だった。

 

 看板は古く、暖簾の端は少し色褪せている。けれど、扉の隙間から漏れる湯気と香りだけは、砂の多い通りの中で妙にしっかりしていた。醤油と出汁、熱いスープの匂い。お腹が空いていたのだと、その時になって気づく。

 

「いらっしゃいま――って、もう来たの!?」

 

 店に入ると、エプロン姿のセリカさんが振り向いた。

 

 学校にいる時とは少し違う。髪の揺れ方も、声の通し方も、手の動きも。怒っている時のセリカさんより、ずっと静かに、ずっと早く動いていた。水を置く。注文を聞く。テーブルを拭く。厨房へ声を通す。ひとつひとつが早いのに、雑じゃない。

 

 ここでも、何度も何度も同じことを繰り返してきた手だった。

 

「来るって言ったでしょ」

 

「言ったけど! こんなすぐ来るとは思わないじゃない!」

 

「お腹が空いていたから」

 

 シロコさんが淡々と言う。

 

「シロコ先輩、そういうところだけ行動早いですよね……」

 

「ラーメンは大事」

 

「まあ、大事ですけど!」

 

 セリカさんは文句を言いながらも、人数分の席を確認している。混んでいるわけではないが、店内は狭い。先生とホシノ先輩、ノノミさん、アヤネさん、シロコさん、私。六人が入ると、それだけで少し賑やかになる。

 

「レナはこっち」

 

 シロコさんが、入口から少し奥の席を指した。

 

「え?」

 

「人がぶつかりにくい。荷物も置ける」

 

「あ……ありがとうございます」

 

「ん」

 

 それだけ言って、シロコさんは自分も近くの席に座った。

 

 偶然ではない気がした。

 

 入口に近い席なら、誰かが通るたびに救護バッグが邪魔になる。奥なら荷物を横に置けるし、体を休めやすい。そういうことを、何も言わずに選ばれていた。

 

 まだ、優しさと呼んでいいのか分からない。

 

 でも、見ている。

 

 シロコさんは、見ている。

 

「はい、お冷」

 

 セリカさんが水を置く。

 

 その手つきは慣れていた。トン、と置く音が小気味いい。学校で机を叩く時よりずっと軽い音だった。

 

「あんたは、辛いやつやめときなさいよ」

 

 水を置きながら、セリカさんが私を見る。

 

「え?」

 

「砂漠で倒れかけた後でしょ。刺激強いの食べて気分悪くなっても知らないから」

 

「覚えてたんですか」

 

「覚えてない。見たら分かるだけ」

 

 それ、覚えているのでは。

 

 そう思ったけれど、口には出さなかった。言ったら怒られそうだったから。

 

「おすすめはありますか?」

 

「柴崎スペシャル。初めてならそれでいい」

 

「じゃあ、それにします」

 

「……素直すぎるのも調子狂うわね」

 

 セリカさんは少しだけ顔を逸らして、厨房へ注文を通した。

 

 その横顔が、さっきより少しだけ柔らかく見えたのは、たぶん気のせいではないと思う。でも、そう思ったことを悟られたら怒られそうなので、私は静かに水を飲んだ。

 

 先生はメニューを真剣に見ていた。

 

 本当に真剣だった。

 

「先生、決まりましたか?」

 

 アヤネさんが尋ねる。

 

「この“砂漠横断スタミナ盛り”が気になるわね」

 

「先生、それ量が多いと思います」

 

「名前が強いのよ」

 

「また名前で選ぼうとしてる……」

 

 私が小さく呟くと、セリカさんが遠くから「やめといた方がいいですよ」と声を飛ばした。

 

「それ、現場仕事終わりのおじさんたちが食べるやつです。先生、見た目より食べるタイプなら止めませんけど」

 

「挑戦したくなる言い方ね」

 

「挑戦しないでください。うちの店で倒れられても困ります」

 

「では、私も柴崎スペシャルにするわ」

 

「最初からそうしてください!」

 

 先生は少し残念そうだった。

 

 大人なのに。

 

 先生なのに。

 

 でも、こういう時の先生は少しだけ可愛いと思ってしまう。もちろん口には出さない。先生に対して可愛いなんて言ったら、たぶん自分の方が恥ずかしくなる。

 

「先生、領収書は必要ですか?」

 

 アヤネさんが真面目に聞いた。

 

「シャーレの経費にできるかは確認が必要ね」

 

「できなかった場合、どなたが支払うことに?」

 

「……私かしら」

 

「先生、少し遠い目をしないでください」

 

「大人にも現実はあるのよ、アヤネ」

 

「分かりますが、今ここでそんなに実感を込めないでください」

 

 アヤネさんの真面目なツッコミに、ノノミさんが楽しそうに笑う。ホシノ先輩は頬杖をついて「おじさんはノノミちゃんの奢りに期待しちゃおうかなぁ」と言い、アヤネさんに「ホシノ先輩」と即座に咎められていた。

 

 賑やか。

 

 でも、賑やかすぎない。

 

 この店の中だけ、砂の音が少し遠い。

 

 ラーメンが来るまでの間、セリカさんは忙しそうに働いていた。お客さんは多くない。それでも、厨房とのやり取り、片付け、補充、注文確認、全部を一人でよく見ている。学校で怒っている時とは違う顔。怒りが消えたわけではなく、仕事の手順の中に折り畳まれているみたいだった。

 

 何かしたい。

 

 そう思ってしまった。

 

 テーブルの端に空いたグラスがある。隣の席の調味料が少し倒れている。セリカさんが厨房へ入った隙に、手を伸ばせば直せる。忙しそうだし、それくらいなら――

 

「座ってなさいって言ったでしょ!」

 

 飛んできた声に、指先が止まった。

 

 セリカさんが、いつの間にかこちらを見ていた。

 

「でも、忙しそうで……」

 

「客が勝手に店員の仕事しようとしない!」

 

「す、すみません」

 

「謝るくらいならやらない!」

 

「はい……」

 

 完全に怒られた。

 

 シロコさんが横で、少しだけこちらを見ている。ノノミさんは口元を押さえて笑いを堪えている。アヤネさんは「セリカちゃんの言う通りです」と真面目に頷いている。ホシノ先輩は眠そうに「レナちゃん、働き者だねぇ」と言った。

 

 先生だけが、少し優しい目で私を見ていた。

 

「何もしないでいるのが、少し苦手?」

 

 先生に言われて、胸の奥を軽く押された気がした。

 

「……はい」

 

 小さく答える。

 

「見ているだけだと、落ち着かなくて。何かできることがあるなら、した方がいい気がしてしまって」

 

 言ってから、セリカさんの動きが少し止まったことに気づいた。

 

 厨房の前で、セリカさんがこちらを見ている。怒った顔のまま。でも、その怒りが少しだけ形を変えていた。

 

「……そういうの、分からなくはないけど」

 

 セリカさんは低く言った。

 

「でも、店では座って食べるのが客の仕事。分かった?」

 

「はい」

 

「本当に分かった?」

 

「分かりました」

 

「ならよし」

 

 それだけ言って、セリカさんは厨房へ戻っていった。

 

 怒られた。

 

 でも、突き放された感じではなかった。

 

 何もしないでいるのが苦手。

 

 たぶん、セリカさんもそうなのだと思った。だから学校に残って、戦って、バイトをして、怒って、手を動かし続けている。止まったら、何かが追いついてきてしまうから。

 

 ラーメンが来た。

 

 湯気が立ち上る。出汁の香りが、さっきまでの重たい数字を少しだけ遠ざける。器の縁を持とうとした瞬間、横から手首を掴まれた。

 

「触るなって、熱いから!」

 

 セリカさんの手だった。

 

 強くはない。

 

 でも、急だった。

 

 手首に触れられた瞬間、体が小さく跳ねる。ミネ先輩の団長室での訓練が、ほんの少しだけ胸の奥をよぎった。怖い、まではいかない。けれど、急に掴まれると、身体が先に反応してしまう。

 

 セリカさんも、それに気づいたのだと思う。

 

 すぐに手が離れた。

 

「……悪かったわね。急だった」

 

 声が少し小さかった。

 

 セリカさんは目を逸らしている。怒っているわけではない。どうして私が跳ねたのか、まだ分かっていない。でも、自分の掴み方が急だったことだけは分かった顔だった。

 

 私は息を整える。

 

「いえ、大丈夫です。止めてくれて、ありがとうございます」

 

「……熱いもの触ろうとしたあんたが悪い」

 

「はい」

 

「だから、その素直な返事やめて。調子狂う」

 

「すみません」

 

「謝るなってば」

 

 同じようなやり取りなのに、さっきより少しだけ近い気がした。

 

 手首には、まだセリカさんの手の感触が残っている。乱暴ではなかった。強くもなかった。ただ急だっただけ。止めるための手。熱い器に触れる前に引き戻す手。

 

 怖くない手は、ミネ先輩の手だけではないのかもしれない。

 

 そう思ってから、少しだけ恥ずかしくなった。

 

「冷める前に食べなさいよ」

 

「はい。いただきます」

 

 ラーメンはおいしかった。

 

 熱くて、少ししょっぱくて、砂の中を歩いた後の体に染みた。豪華ではない。特別な食材が入っているわけでもない。でも、ちゃんとおいしい。ちゃんと温かい。ここで働くセリカさんが、ここで食べる対策委員会のみんなが、この味を何度も食べてきたのだと思うと、ただのラーメンではなくなる。

 

 ノノミさんが「おいしいですね〜」と笑い、アヤネさんが「領収書は後で確認します」と言い、ホシノ先輩が「おじさん、替え玉いけるかなぁ」と呟く。シロコさんは黙々と食べている。先生はスープを一口飲んで、穏やかに目を細めた。

 

「いい味ね」

 

 セリカさんは厨房の前で、それを聞こえないふりをしていた。

 

 でも、耳が少しだけ赤かった。

 

 食事が終わる頃、店の外はすっかり暗くなりかけていた。

 

 会計のことで先生とアヤネさんが少し真面目に話し込み、ノノミさんが「今日は私が〜」と言いかけてアヤネさんに止められ、ホシノ先輩が「ごちそうさまぁ」とのんびり手を振る。シロコさんは扉の外で周囲を確認している。

 

 私は店の前で、少しだけ立ち止まった。

 

 セリカさんが暖簾を直している。仕事終わりの顔だった。疲れているはずなのに、手はまだきびきび動いている。声をかけるべきか迷っていると、セリカさんの方から言った。

 

「あんたさ」

 

「はい」

 

「明日も来るの?」

 

「アビドスに、ですか?」

 

「他に何があるのよ」

 

「来ます。できることがある間は」

 

「……ふーん」

 

 それだけ。

 

 でも、この前夕方に聞いた「本当に、しばらくいるつもりなの?」とは少し違った。確認というより、予定を聞かれた気がした。

 

 明日もいるのか。

 

 明日も来るのか。

 

 それを、セリカさんは否定しなかった。

 

「なら、道くらい覚えときなさいよ。毎回シロコ先輩に案内させてたら迷惑でしょ」

 

「はい。頑張って覚えます」

 

「頑張るほど複雑じゃないわよ」

 

「でも、今日迷ったので」

 

「それは先生が悪いんじゃないの?」

 

「……先生には言わないでおきます」

 

 セリカさんが、ほんの少しだけ笑いそうになった。

 

 本当に少しだけ。

 

 すぐに顔を逸らされたから、見間違いかもしれない。でも、私はその一瞬を見なかったことにはできなかった。

 

「帰るわよ」

 

 セリカさんが言う。

 

 それは、私に向けた言葉ではなかったのかもしれない。対策委員会のみんなに向けた、いつもの言葉だったのかもしれない。

 

 それでも、胸の奥が少しだけ温かくなる。

 

 帰る。

 

 この人たちには、まだ帰る場所がある。

 

 失いかけていても、砂に埋もれかけていても、今日もそこへ帰ると言える場所がある。

 

 私は胸元のリボンに触れかけて、やめた。

 

 今は、柴関ラーメンの湯気の匂いと、手首に残ったセリカさんの慌てた手の感触と、明日の道を覚えろと言われたことを、そのまま胸の中に置いておきたかった。

 

 明日も来る。

 

 その言葉を、セリカさんは否定しなかった。

 

 受け入れたわけじゃない。信じたわけでもない。まだ、仲良くなったなんて言える距離ではない。

 

 それでも、明日の道の話をしてくれた。

 

 それだけで、今日の砂は少しだけ軽くなった気がした。

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  • 百合って綺麗だから綺麗に終わって
  • 曇らせドロドロ依存エンド希望
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