戦えない私がキヴォトス中の生徒に執着されるまで   作:Zuzuiikb

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6話 爆音と説明書

 

 

 

 雷ちゃんが深夜のミレニアムを走った翌日、エンジニア部の作業場には、いつもより少しだけ真面目な空気があった。

 

 少しだけ、というところが大事だった。

 

 なぜなら机の上には相変わらず工具が散らばっているし、床にはケーブルが這っているし、壁には「雷ちゃん追跡事故・原因仮説」と書かれたホワイトボードが立っている。しかもその横には、「改善案」「ロマン維持」「安全性」「次回走行ルート」という、並べてはいけない単語たちが堂々と並んでいた。

 

 ロマン維持。

 

 安全性と同じ列に置いていい言葉ではない気がする。

 

「……一応聞くんですけど」

 

 レナはホワイトボードを見ながら、ゆっくり口を開いた。

 

「次回走行ルートって、なんですか?」

 

「仮に再走行が発生した場合の誘導経路です」

 

 答えたのはヒビキだった。

 

 作業机に小型端末を置き、そこに雷ちゃんの行動ログを表示している。いつも通り声は控えめで、表情もあまり大きく動かない。ただ、画面を見ている目はかなり真剣だった。

 

「再走行が発生する前提なんだ……」

 

「発生しないようにします。でも、発生した時の準備も必要なので」

 

「それはそうなんだけど、エンジニア部が言うと急に不安になるなぁ」

 

「昨日走らせた側なので、信用が低いのは分かります」

 

「そこまで素直に言われると、逆に責めづらいよ」

 

 ヒビキは小さく頭を下げた。

 

「すみません」

 

「あ、いや、責めてるわけじゃないよ。昨日のはびっくりしたけど、誰かが怪我したわけじゃないし……雷ちゃんも、たぶん悪気があったわけじゃないんでしょ?」

 

「悪気はないです。設計上、悪気を持つ機能は入れていないので」

 

「そこ真面目に返されるとちょっと面白い」

 

 レナがそう言うと、ヒビキはほんの少しだけ目を伏せた。笑った、のかもしれない。分かりにくいけれど。

 

 今日はウタハとコトリは別室で雷ちゃんの外装確認をしているらしい。レナが呼ばれたのは、ヒビキの制動試験を手伝うためだった。

 

 制動試験。

 

 言葉だけなら安全そうだ。

 

 けれど、ヒビキが用意した試験場に入った時点で、レナはその考えを少し修正した。

 

 広い試験室。床に白線。壁には防音パネル。端には土嚢みたいなもの。中央には雷ちゃんの脚部だけを切り離した試験ユニットが固定されている。

 

 爆発物は見えない。

 

 見えないけれど、それが逆に怖い。

 

「ヒビキさん」

 

「はい」

 

「今日は爆発しないって聞いて来たんだけど」

 

「爆発はしません」

 

「ほんと?」

 

「爆発はしません。衝撃音と反動音が少し出ます」

 

「それ、一般的にはほぼ爆発って言いません?」

 

「分類上は違います」

 

「分類って便利だね……」

 

 ヒビキは作業机から耳当てを二つ持ってきた。

 

「これをつけてください。試験音は抑えていますけど、近くだと少し響くので」

 

「ありがとう」

 

 受け取って、レナは耳当てを頭につける。

 

 少し大きい。

 

 角度が合っていないのか、右側だけ浮いている気がする。

 

「あれ、これで合ってる?」

 

「少しずれてます」

 

 ヒビキが近づいてきた。

 

 手つきは静かだった。工具を扱う時と同じで、迷いがない。耳当ての位置を指先で直し、レナの耳をしっかり覆うように調整する。

 

「このくらいです」

 

「……おお」

 

「痛くないですか?」

 

「大丈夫。なんか、すごく守られてる感じする」

 

「音からは守れると思います」

 

 その言い方が、妙にヒビキらしかった。

 

 守れる、と言い切る範囲が狭い。けれど、その範囲についてはたぶん本気で保証している。

 

「ヒビキさんって、そういうところ細かいよね」

 

「細かいですか?」

 

「うん。爆発とか火力とか、派手なもの作ってるイメージが強いけど、こういう耳当てとか、立ち位置とか、音の向きとか、ちゃんと見てるんだなって」

 

 ヒビキは少しだけ手を止めた。

 

 それから、視線を端末の方へ戻す。

 

「見ないと、危ないので」

 

「それはそうだけど」

 

「大きい音は、作っている側は慣れます。でも聞く人が慣れているとは限らないですし、同じ音でも部屋の形で響き方が変わります。火力は分かりやすいですけど、怖がらせないための調整は分かりにくいので、忘れるとすぐ雑になります」

 

 思っていたより長く喋った。

 

 ヒビキ自身もそう思ったのか、言い終わってから少しだけ口を閉じる。

 

 レナはすぐには茶化さなかった。

 

 試験場の空気は、作業場より静かだった。ヒビキの声も、音を吸う壁に少しだけ柔らかく沈んでいく。

 

「……そっか」

 

 レナは耳当てに触れた。

 

「だから昨日も、最初に“そこに立つと危ない”って言ってくれたんだ」

 

「見えたので」

 

「私は全然見えてなかった」

 

「慣れてない場所ですから」

 

 ヒビキは端末を操作しながら、床の白線を指差した。

 

「レナさんは、その線の内側にいてください。試験ユニットは前方へ反動が出るので、横にいれば大丈夫です。ただ、最初の音だけ少し驚くと思います」

 

「少し?」

 

「……少しよりは、大きいかもしれません」

 

「今ちょっと正直になったね」

 

「嘘をつくと後で怒られそうなので」

 

「怒らないよ」

 

「ウタハ部長は怒ります」

 

「そっちかぁ」

 

 レナは白線の内側に立つ。

 

 ヒビキが端末を確認し、試験ユニットの出力を調整する。雷ちゃん本体ではないのに、脚部だけでも十分に存在感がある。これが昨日、廊下を走っていたのだと思うと、改めてよく逃げ切れたなと思う。

 

「試験、始めます」

 

「はい」

 

「三、二、一」

 

 低い駆動音。

 

 次の瞬間、どん、と床が揺れた。

 

 耳当て越しでも響く音だった。爆発ではない、とヒビキは言った。確かに炎も煙も出ていない。けれど、身体の奥に振動が残る。

 

 レナは思わず息を止めた。

 

「大丈夫ですか?」

 

 ヒビキの声が聞こえた。

 

 耳当て越しで少しこもっている。

 

「大丈夫。びっくりしただけ」

 

「想定より低音が残りました。すみません」

 

「謝るほどじゃないよ。むしろ、これで抑えてるんだって分かった」

 

 レナがそう言うと、ヒビキは端末に何かを入力した。

 

「もう少し下げます」

 

「下げられるんだ」

 

「下げます。音だけ大きくても、意味はないので」

 

 淡々と言っているのに、その声には少しだけ意地のようなものがあった。

 

 レナはそれを聞いて、少し笑った。

 

「ヒビキさんの作るものって、怖いだけじゃないんだね」

 

 ヒビキの指が止まった。

 

「怖いとは思うんですね」

 

「思うよ。昨日の雷ちゃんは普通に怖かったし、今の音もかなりびっくりしたし」

 

「はい」

 

「でも、怖がらせたいわけじゃないのは分かる。なんていうか、ちゃんとこっちが立つ場所を残してくれてる感じがする」

 

 言ってから、少しだけ恥ずかしくなった。

 

 変な言い方だったかもしれない。

 

 けれどヒビキは笑わなかった。端末を見たまま、しばらく黙っていた。

 

「……そう見えたなら、よかったです」

 

 それだけ言って、出力設定を変える。

 

 二度目の試験音は、一度目より少しだけ軽かった。

 

 床は揺れたけれど、身体に残る感じは少ない。

 

「おお」

 

「今のはどうですか?」

 

「さっきより平気。音は大きいけど、びっくりした後に残らない感じ」

 

「なら、こっちを基準にします」

 

 ヒビキは小さく頷いた。

 

「雷ちゃんの保護行動にも、これを入れます。近づく時の音と速度を下げて、相手が逃げる必要がないくらいにできれば、昨日みたいにはならないと思います」

 

「昨日のあれ、保護というより追跡だったもんね」

 

「はい。保護と追跡は違います」

 

 ヒビキは真面目に言った。

 

「火力と威嚇も、違います」

 

 レナは少しだけ目を細めた。

 

 ヒビキの中では、そういう線があるのだろう。

 

 爆発。

 音。

 火力。

 でも、それをただ大きくするだけではなく、どこで止めるかを考えている。

 

 そういう静かな線。

 

「ヒビキさん」

 

「はい」

 

「次も試験あるなら呼んで。音の違いくらいなら、私でも分かると思うから」

 

「……いいんですか?」

 

「うん。耳当てしてくれるなら」

 

「します」

 

 返事が早かった。

 

 レナは少し笑った。

 

「じゃあ安心」

 

 ヒビキは端末を抱え直して、小さく言った。

 

「次は、驚かせないようにします」

 

「少しくらいなら大丈夫だよ」

 

「少しだけにします」

 

 その言い方が真面目すぎて、レナはまた笑ってしまった。

 

 試験場の静かな壁の中で、爆発しない音がもう一度だけ響いた。

 

 今度は、怖さより先に、調整された丁寧さの方が耳に残った。

 

     ◇

 

 ヒビキの試験が終わる頃には、レナの耳は少しだけ音に慣れていた。

 

 慣れていた、と思っていた。

 

 しかし、エンジニア部の資料室に移動した瞬間、その考えは間違いだったと分かった。

 

 音ではなく、文字の量に圧倒されたからだ。

 

「……これ、全部今日の説明?」

 

「はい!」

 

 コトリは満面の笑みで頷いた。

 

 机の上には、分厚いファイルが三冊置かれている。

 

 雷ちゃん制御ログ。

 雷ちゃん行動学習仮説。

 雷ちゃん改善案および補足資料。

 

 名前だけで少し疲れる。

 

「コトリちゃん」

 

「はい!」

 

「薄めってお願いしたよね?」

 

「はい! なので要点だけに絞りました!」

 

「これで?」

 

「はい!」

 

「そっかぁ……」

 

 レナは椅子に座りながら、そっと一冊目を開いた。

 

 文字。

 

 図。

 

 矢印。

 

 注釈。

 

 さらに注釈への注釈。

 

 ページの端には、コトリの手書きで「ここ大事です!」と書かれている。

 

 全部に書かれている。

 

「全部大事なんだね」

 

「はい! 全部大事です!」

 

「要点とは」

 

「重要な点を集めたものです!」

 

「集めすぎたね」

 

 コトリは少しだけ胸を張った。

 

「ですが、今回はレナさんにも分かりやすいよう、専門用語にはできるだけ説明を付けました。たとえばこの“対象認識優先度”という項目ですが、これは雷ちゃんが複数の対象を同時に検出した際、どの対象を先に追跡または保護対象として扱うかを決めるための数値でして、昨日の場合はレナさんに関する認識優先度が予想外に高く――」

 

「つまり、雷ちゃんの中で私の順位が高かったってこと?」

 

「はい! ものすごく簡単に言うとそうです!」

 

「じゃあ最初からそう言って」

 

「でも、それだと重要な補足が抜けます!」

 

 コトリは勢いよくページをめくる。

 

「なぜなら、順位が高いというだけでは行動内容までは決まりません。対象を守るのか、追うのか、誘導するのか、距離を取るのかは別の制御項目で決まります。昨日問題だったのは、対象認識はうまくいったのに、保護行動の表現が追跡に寄りすぎた点で――」

 

「ちょっと待って」

 

「はい!」

 

「今のは分かりやすかった」

 

「本当ですか!?」

 

 コトリの顔がぱっと明るくなる。

 

「うん。長かったけど」

 

「長かったですか……」

 

「長かった。でも、分かった」

 

 レナは資料の図を指でなぞった。

 

 雷ちゃんのセンサー範囲。

 認識した対象。

 行動選択。

 保護、追跡、誘導。

 

 文字だけなら難しいけれど、コトリが横で説明すると、少しずつ形になって見えてくる。

 

「昨日、私から見たら“雷ちゃんに追いかけられた”だったんだけど、雷ちゃん側では“大事な対象を見つけたから近づいた”だったんだね」

 

「はい! ただし近づき方がかなり問題でした!」

 

「そこは全員分かってると思う」

 

「分かっているなら改善できます!」

 

 コトリは嬉しそうに言った。

 

 その明るさが、少し不思議だった。

 

 コトリの説明は長い。かなり長い。途中で置いていかれそうになるし、情報量で殴られている気分になることもある。

 

 けれど、知らないまま放っておかれる感じはしない。

 

 分からないものを、分からないまま怖がらせないように、一生懸命言葉を積んでくれている。

 

 たぶん、コトリにとって説明は、ただ知識を見せるためのものではないのだ。

 

「……コトリちゃんってさ」

 

「はい?」

 

「説明、長いよね」

 

「はい……」

 

 少ししょんぼりした。

 

 レナは慌てて首を振る。

 

「いや、悪い意味だけじゃなくて。長いのは長いんだけど、分からないものをそのままにしない感じがする。昨日の雷ちゃんも、何が起きたのか分からないままだったら、たぶんもっと怖かったと思う。でも、今こうやって聞いてると、怖かったものがちょっとずつ“ああ、そういうことだったんだ”って形になる」

 

 コトリは瞬きをした。

 

 レナは少しだけ視線を資料へ戻す。

 

 言いすぎたかもしれない。

 

 でも、途中で止めるのも違う気がした。

 

「だから、長いけど助かる。……まあ、できれば半分くらいの長さだともっと助かる」

 

「半分……!」

 

「そこはそんなに衝撃受けるところ?」

 

「半分にすると、説明できない部分が発生します!」

 

「じゃあ七割」

 

「八割五分でどうでしょう!」

 

「刻むね」

 

 コトリは真剣に考え込んだ。

 

「では、レナさん向け要約版を作ります。通常版、詳細版、完全版、そしてレナさん向け要約版の四種類です」

 

「増えた」

 

「減らすために増やします!」

 

「その発想がもうエンジニア部なんだよなぁ……」

 

 レナが苦笑すると、コトリも笑った。

 

 それから、少しだけ声を落とす。

 

「でも、嬉しいです」

 

「え?」

 

「説明すると、よく長いって言われますし、実際長いのは分かってるんですけど……それでも、分からないまま進む方が怖いこともあると思うんです。特に機械は、動いているところだけ見ると危なく見えますけど、どうしてそう動くのかが分かると、直せる場所も分かりますから」

 

 コトリは資料に手を置いた。

 

「昨日の雷ちゃんも、ただ暴走した機械で終わらせるより、どこを直せば次はちゃんと守れるのかを説明したかったんです」

 

 その声には、いつもの勢いが少しだけ残っていた。

 

 でも、ただ賑やかなだけではなかった。

 

 レナは頷く。

 

「うん。聞けてよかった」

 

「では、次はこの補足資料を――」

 

「待って」

 

「はい!」

 

「今ので綺麗に終わりそうだったよね?」

 

「ですが補足がまだ二冊あります!」

 

「綺麗に終わらせる気がない」

 

「説明は最後までが説明です!」

 

「強い」

 

 コトリは二冊目のファイルを開いた。

 

 その瞬間、中から折りたたまれた大きな図面が広がる。

 

 机からはみ出し、レナの膝にまで乗った。

 

「大きい」

 

「雷ちゃんの行動遷移図です!」

 

「大きい」

 

「大事なので大きくしました!」

 

「そういう理由で紙って大きくなるんだ」

 

 レナは図面の端を押さえながら、ふと笑ってしまった。

 

 ヒビキの試験場は静かだった。

 

 コトリの資料室は賑やかだった。

 

 同じエンジニア部なのに、二人は全然違う。ヒビキは音を抑えることで怖さを減らそうとする。コトリは言葉を増やすことで分からなさを減らそうとする。

 

 どちらも、昨日の雷ちゃんをそのままにはしていない。

 

「……エンジニア部って、変だけど真面目だね」

 

 つい口にすると、コトリがぱっと顔を上げた。

 

「はい! 変で真面目です!」

 

「そこは否定しないんだ」

 

「ロマンと安全は両立できます!」

 

「昨日ちょっと走らされたけど」

 

「あれは改善します!」

 

 勢いよく言われて、レナは笑った。

 

「うん。じゃあ、改善版を楽しみにしてる」

 

「任せてください!」

 

 コトリは胸を張った。

 

「次に雷ちゃんがレナさんを認識した時は、追いかけるのではなく、適切な速度で接近し、適切な距離で停止し、必要に応じて音声案内を行い、安全かつ安心な保護行動を実現します!」

 

「音声案内?」

 

「はい!」

 

「それ、誰の声?」

 

 コトリは一瞬固まった。

 

 そこは決めていなかったらしい。

 

「……ウタハ先輩?」

 

「余計に実験感出ない?」

 

「ヒビキちゃん?」

 

「淡々と“逃げないでください”って言われたらちょっと怖いかも」

 

「では、レナさんの声を録音して――」

 

「それはやめよう」

 

「なぜですか!?」

 

「自分の声で“落ち着いてください”って言われたら、たぶん落ち着けない」

 

 コトリは真剣にメモを取った。

 

「自分の声では落ち着けない……新しい知見です!」

 

「今のもデータになるんだ」

 

「なります!」

 

 レナは机に広がった図面を見下ろした。

 

 雷ちゃんの動き。

 センサーの範囲。

 認識の優先度。

 次の改善案。

 

 昨日の騒ぎが、少しずつ形を変えている。

 

 ただの失敗ではなく、次のための資料になっている。ヒビキの音の調整になって、コトリの説明になって、きっとウタハの設計にも戻っていく。

 

 それがエンジニア部なのだろう。

 

 変で、危なくて、説明が長くて、爆音がして、それでもちゃんと前へ進もうとする部活。

 

「コトリちゃん」

 

「はい!」

 

「説明、あと一冊だけなら聞く」

 

「本当ですか!?」

 

「一冊だけね」

 

「では一番重要なものを選びます!」

 

 コトリは三冊のファイルを見比べた。

 

 そして、なぜか全部抱えた。

 

「選べません!」

 

「だと思った」

 

 レナは小さく笑って、椅子に座り直した。

 

 資料室の窓の外は、もう少し暗くなっている。遠くの試験場からは、ヒビキが調整しているらしい低い音が一度だけ聞こえた。

 

 昨日より、少し小さい音だった。

 

 コトリが嬉しそうに説明を始める。

 

 レナはその長い言葉を聞きながら、途中で何度か止めて、何度か要約して、何度か笑った。

 

 エンジニア部の夜は、やっぱり静かではなかった。

 

 けれど昨日より少しだけ、怖くなかった。

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