アチェとリキュ 2人のCuriosity 作:LUCIOLE
幸いにも上の段の荷物は少ない。その押入れの上の段に上らせ、天井の板を外して体を押し込む。
玄関では、ガンガンと鍵を壊す音が始まった。
私は素早く、携帯を操作して録画を開始しつつ上を見たが、まだつっかえていた。
(早く!)
(待って!胸がつかえて・・・)
(あん!?)
(ヒッ!?)
私より大きい尻を拳で突き上げ、それに驚いたリキュがなんとか上ったのを見て私は物置の戸を閉めた。
私が天井裏に点検用の入り口から入った瞬間、大きな音がしてドアが強引に開かれた。
ライトを広域モードにして口の前で人指し指を立てる。
ドカドカと不躾に乱入してくる人の数が大凡4人と思っていたら、リキュによると外に見張りが1人、中に5人だそうだ。
其の中の1人が洗面所に入ってくる、一拍置いてもう1人が入って来て次々とドアを開けていく。そして、最後に私達の入って来た物置の戸も開かれた。
瞬間的にライトを消して息を潜める。緊張が高鳴り心臓がばくばくと早鐘を叩く。
誰かの声に急かされる様に戸を開けたまま男は返事をして部屋の奥に行った様だ。
暫く家の中を探し、何かを叫んで外へ出ると直ぐにドアを壊す音が再開された事から、隣の部屋に向かったのだろう。
男達は両隣を家捜しすると、なにやら叫んで足音が離れていく。
ここでやっと抑えてた呼吸を再開させ、2人共大きく息を吐いた。
「もう大丈夫かな?」
「う~ん多分。でも、どうしてここに居る事がばれたんだろう?」
聞き耳を立てて様子を伺ったリキュが室内には誰も居ないと教えてくれる。
私はライトを点け直して、ゆっくりと天井の板をずらしてその隙間から顔をそっと出す。
開けっ放しの戸のから見える範囲に人陰は無い。
そっと、下に降りて気配を探りながら廊下に出ようとした時、後ろでガタガタっと音がして、リキュが落ちて来た。
「脅かさないで!」
ドキドキする胸を押さえて、小声で抗議する。
「ご、ごめ~ん・・・」
ずり落ちた格好のまま謝るリキュに呆れつつ、先程の連中が戻って来ないか警戒したが、どうやら気付かれずにすんだ様だ。
一度探した場所だけに直ぐには戻って来ないだろうけど、早く次の場所に移りたい。
だが、私達がここに居る事がばれた原因が気になった。
「ここに入ったのを誰かに見られたのかな?」
それは間違いないのだろう、ならどこから?裏に人影は無かった・・・と思う。
視線とかは感じなかったのだが、木や建物の陰に隠れて気配を隠していたのかもしれない。
私達は細心の注意をして、開け放たれたままのベランダから外を見た。
手摺壁の隙間からの視界はとても狭いので中から覗いてるのはばれないと思いつつ、尚慎重に外を探ったが人影は見当たらない。
「一体何所から・・・」
少し身を乗り出しそうになった時、リキュが私の体を部屋の中に押し込んだ。
「何、リキュ?」
急に私を抑えたリキュに抗議をしようとしたら手で動かない様に押さえられた。
「あれ」
そう言って視線で裏の上を指した。
空の上、小さく白い点の様に何かが空に張り付く様に浮かんでいた。
「あれ、ドローン?」
「うん、多分白く塗ってるし離れてたから気が付かなかったのかも」
更に近くを別のドローンが大きな音を立てて飛んでいた所為も有るだろう。
「仕方ないよ、でもどうしようか?」
このままだと裏からの移動が出来ない。とは言え玄関側を行けば偶然見付かる場合もある。
リキュの耳を頼るのも良いが、構造上挟み撃ちになると面倒だ。
「リキュ、他にドローンは居ない?」
「離れてる所は分らないけど、見える範囲には居ない・・・とは思う」
2機目は今は下の方に行っているらしい。
「何か武器でも有れば良かったんだけど・・・」
周りを見回すが、この部屋にはおろか他の部屋にも武器になりそうな物は見当たらなかった。
「アチェ、何か持ってないの?」
「攻撃出来る様な物はなにも。リキュは?」
リキュは手を上げて首を振る。
2人して悩む。
「何か投げてぶつける?」
「何かって・・・」
今度は引き出し等も開けて探してみるが、やはり武器になる様な物は無くて、どうしようかと考えていたらリキュがこれは?とこっちに投げ寄越した。
最後まで読んでくれて本当に有難う御座います。
しおり、ブックマークも有難う御座います。
誤字脱字の指摘修正とても感謝してます、ありがとうございます。
ご意見ご感想、アドバイス、突っ込み、疑問等有りましたら気軽にお書き下さい。
作者が喜びます。拡散も勿論喜びます。
※無断転載・無断翻訳を禁止します。