彼が行方不明となり10年
もはや名前もうろ覚えとなり殆どが名を言われて微かに思い出すかなな、そんなレベルの頃
リンクドスパインとエッチングの平原の間にある巨大な谷「巨歯の峡谷」に一人
多種多様なエクソウォームの群れや風纏いの寄生甲や唸り種の残像等が徘徊する中 人が歩いていた
彼…レイヴィスは
「……………俺が、やらなければ…彼女は…報われる…べき…なんだ……………」
そんな事をブツブツと同じ事を発しながら足取りを進めていた
「俺も…アイツ等も……彼女に救われたんだ……………だから……………だから……………」
不気味な笑みを浮かべ、腕から伸びている赤黒く薄っすらと光るクローを引きずり
『彼女の為の犠牲になっても構わないだろう?』
『彼女は救った。救世主だ。そんな彼女が救われないエンディングがあって良いハズがない。断じて否だ。彼女は救った者として幸せに過ごす権利も対価があるはずなんだ。いやあるんだ。あるべきなんだ」
息を切らす事なく
彼は言い切り、そしてわなわなと震える腕を上げた
「始めよう…彼女を救う…彼女が笑えるように」
そして付近に居た虎のような容姿を持つ凶暴な機械生命体「リッパーシェード」に触れ
『暴れろ、全て彼女の為に』
そしてリッパーシェードは抗う隙もなく身体が変異し、変り、周囲の他の生物や植物を巻き込み
そしてやがて1つの巨大な塊となり姿を形成していった
「ははは………できるぞ…俺なら…この力なら…」
彼の首元の音痕は禍々しい色をした煙のようなモノを発していたが
狂喜している彼にとってはお構いなしだった
そして塊は形を形成し終え、起き上がり 咆哮をあげた
『■■■■■■■■■!!』
その身体は蛇のような、ワームのような独特なボディ
4つに裂けた顔のような口
そして長細いボディの中央部に巨大な「コア」を持つ『ヴォイドワーム』が誕生した
「ははは………俺は…やったんだ…俺の力で…自分の選択で…ははは…………ふははははは…!そうだ…やったんだ…俺が…!」
そ彼の目には一筋の涙が伝い、頬から零れ落ちていた
「悲しくなんか無いのに…ははは………なんで…なんで…泣いてるんだろ…俺……………成し遂げたハズなのに……………ははは…………ははっ…」
彼の精神が安定してない中
「ああ…でも…ああ…もう…『引き返せない』…あはは…………エイメス…ごめんね…ははは…でも…まあ…良いや。もう『手遅れ』なんだからさ……アハハ…ハハッハハハ!」
そう言い残し辺り一面を包むヴォイドストームが吹き荒れる中、姿を消し去っていった
スタートーチ学園
スペーストレック観測台にて
一人の生徒が走り寄っていた
「モーニエ教授!突然ヴォイドストームが…!」
モーニエは端末の操作を止め生徒の方を向き
「まずは落ち着いてください。それで何処で発生したのですか?」
生徒は深呼吸し
「巨歯の峡谷に……………『10箇所』です…!」
モーニエは怪訝な顔をしつつも
「10箇所…ですか。…シーマとヴォイドストームの動きを計測した観測アレイの観測データはありますか?」
生徒は端末を開き、データを開き見せた
暫く覗き込み頭を傾げた
「…おや、おかしいですね」
「おかしい…とは?何がですか?」
「このグラフですが…こちらのデータ、何かおかしいと思いませんか?」
「シーマの予兆の反応のデータですかコレ…?ーーーあっ!」
生徒はようやく飲み込めたらしく相槌した
「グラフが「殆ど動いていない」!?」
「そうですね。ヴォイドストームが発生する際シーマが発生するのですが…今回の場合、その前現象が規模と数が合っていないんです。」
「こんな現象あり得るんですか…?」
「……………前例がありません。私は校長や教員等へ伝達してきます。貴方は巨歯の峡谷への一時封鎖手続きと連絡を。」
「分かりました!」
そう言い端末を持ち去っていったモーニエと別の方向へ走り去っていった生徒
一方、ヴォイドワームが着々と侵蝕と侵攻を行っていた事、そしてそれと同時刻
ラハイロイ各所にて
「……………了解しました。『組織長』様」
何かが裏で動き始めた事をまだこの時は誰も知らない
もう
後には引けない
とりあえず頑張って書こう。
そう思えた今日頃。