エッチングの平原北端
ヴォイドワームが彼方此方にヴォイドストームを発生させながら暴れていた同時刻
慌ただしい職員や生徒らを横目に通り過ぎる影が1つ
そう、騒ぎの元凶である「ヴォイドワーム」を生み出し各所で起きている異常な量のヴォイドストームが発生した『原因』である「彼」だった
「……………まだ、…まだ足らない。この程度じゃ…まだ……」
刹那の夕星が手を纏うように形を変え、目の前にいる霜纏いの寄生甲へ手を伸ばした
「まだ、贄は、足らない」
霜纏いの寄生甲は彼を見るなり襲い掛かったが、しかし彼の圧倒的な力の前に屈服させられ羽を捥がれ苦悶の鳴き声を上げていた
「■■■■■…!?」
だが彼は気にも留めず、ブツブツと呟き羽を引き千切った
「どうせ…もう…後には引けない……もう…俺に…道なんて…希望も…」
引き千切られた羽の部位を押さえ動けない霜纏いの寄生甲を掴むと光さえ弾く黒く染まった刃のように鋭い指先を剣のように鋭く、軽く、突き刺した
突き刺した腹部から霜纏いの寄生甲の身体がドロドロと崩れ、そして溶け始めていた
そして彼は近くを徘徊していたカフンクマバチ、ビリリを掴み、周波数もバラバラに成りかけ溶けかけている霜纏いの寄生甲に投げつけた
カフンクマバチ、ビリリの如きの力では彼に抵抗できず、そのまま一直線に溶けた身体へぶつかり、そして混ざり合った
そして混ざり合った集合体は周波数を混ざりに混ざり合い、彼の指先から注入されたヴォイドマターを材料とし新たな残像へ変異した
彼は自身の音痕に触れつつ、形成された残像を歓喜の目で見つめ放った
「汚染変異体ヴォイドキメラ…と、言った所か。」
それは雀蜂のような異質な顔を持つ人並の大きさを持ち、6つの腕から電撃を迸させる蟲の形をした残像だった
「GREEEEEEEEEE!!」
彼はヴォイドキメラへ一計を投じた
『人を襲い続けろ。ただし、何があっても『ピンク色の髪』の女だけは襲うな。良いな?』
ヴォイドキメラは理解を示し、そしてビヤートル・ウーズへ飛び去っていた
そして飛び去ったキメラを眺め、彼は自身の手を見つめていた
その手は遂、先程までのヴォイドワームを生み出した時のような罪悪感による手の震えはなく
ただ作業をこなしただけと言わんばかりに落ち着き、冷酷残忍だった
「もう……………どうでもいい。…倫理観も、善性も、優しさも、他者も、「己自身も」。それが「彼女」を救うなら、悪役にも、ラスボスにもなろう。どんな煮え湯を飲まされようが、罪に対する仕打ちを受けようが…彼女が生き返るだけで良い。それ以外は所詮烏合の衆、邪魔な敵だ。他者を潰し、希望を塗りつぶし、アレフ1とのーーーー契約を果たす。」
「ただ『彼女が、彼女と笑える世界』の為、犠牲となれ。」
彼はまだ知らない。
彼女ーーーエイメスが死していないことも。
そして自身が
1つ
1つ1つ
1つ1つ1つ1つ1つ1つと…
アレフ1の「目」…傀儡へと着実になり始めた事を
エイメスを死したと盲信し、少しずつアレフ1に身体が蝕まれ始めている事を
今の彼には
見えていない。
最近のマイブームはfate/ZEROと女神異聞録ペルソナです