Ep.54「魔法少女 エントリー」
「久しぶりに外食でも行こっかな?トンカツ食べたいや」
『全ての魔法少女を倒せ』
――この間、妙な女にそう言われた。なんでも、そうすれば願いが一つ叶うのだとか。
「みなみ……絶対治してあげるからね」
――トンカツ100年分なんて馬鹿げた夢じゃない。これは自分じゃなくて、誰かのために使わないといけない。そう思った。
決意を固く結び直して、せいなは前を向いた。
《オトギウィング 羽塚せいな》
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「ねえ、よな。今日あの女の人が言ってたこと、信じる?」
「うん、信じるよ、むな」
ある日の夜だった。
「願いが叶う……なんかいい感じだよね」
「だねー。……何を叶えたい?むな」
「うーん……まだ決められないよ」
「ねー。そうだねー……じゃあ、よなはふかふかの枕が欲しい」
「枕かぁ。……じゃあ私も枕のために頑張るよー」
クスクスと笑ってはお互いの手を握って、2人は仲良く眠りについた。
《オトギミラー 石川むな・よな》
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人が行き交う街の中、一際目立つ白い肌に黒色混じりの銀髪。身長が高いのもあり、向かいを歩く人たちが
「おー、ワタシってそんなセクシィ?」
レジーナ・ピークス。アメリカ生まれ日本育ちの高校2年生、身長173cm。特段スタイルが良いわけではない。
「さてさて、お腹が減りました」
そば屋の戸をガラガラと開けて、静かに着席する。厨房でせっせと働いている大将に声をかけては、そばを注文する。
それはすぐに到着して、大将がカウンターの上に丼をコト、と置いた。中には出汁の染みたお揚げ、そして少量のネギが添えられている。
「今日も香りが最高でーす!いただきまーす!」
啜った瞬間にそばの香りが鼻腔を突き抜ける。他の料理では感じられないそれがとても心地いい。
(やっぱりそばは最高でーす♪……!)
そば、最高。
その時、昨日自身に問いかけた問いの答えがピカリンと浮かんできた。
(最高のそば……!そうです、最高のそばを!)
なんでも願いが叶えられるという魔法少女ゲーム。その『願い』が見つかった。
(最高のそばを食べたいでーす!)
《オトギペーパー レジーナ・ピークス》
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「いつも通り誰もいません、ね……」
神社の中、一人の少女が何かボヤきながら、ホウキを掃いては落ちている葉を除ける。
「ゴホッ、ゴホッ!」
不意に、咳が出た。自分の掌を見る。
(どうして私はこうも体が弱いのでしょう。どうしてこうも弱く産まれてしまったのでしょう……)
何を呟いても、何を思っても、誰も問いには答えない。いつものことだった。抜け出す道もない、これが自身の背負う『呪い』だと思っていた。
『全ての魔法少女を倒せ』
チャンスがついに到来した、そう思った。これさえ出来れば、この呪いから抜け出せる。
「ふふ……嬲り殺し、です」
《オトギカース 横浜みつき》
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「……もうダメか」
ガレージで、彼女はバイクを見る。
少々無茶をして、バイクを故障させてしまった。修理しようにも今は費用が足りない。そんな彼女に先日、妙な誘いがあった。
(魔法少女、か……。よく分かんねぇけど、喧嘩なら得意だぜ)
その誘いは喧嘩の大好きな彼女にとっては好都合だった。その上で、バイクも修理出来る。まさに最高、一石二鳥だ。手加減もしなくていい。
「また走ろうぜ」
これからどんな喧嘩が出来るのか楽しみで仕方ない。愛車のシートを撫でると、ニヤッと笑って、ガレージのシャッターを閉めた。
《オトギフリーズ 為我井あすみ》
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「バン!バンバ〜ン!」
手に持った銃から光が放たれて、離れた距離にある空き缶が吹っ飛んだ。
「うん、最高の命中率♡」
赤色の光のラインが走る銃。クルリと回して、ニヤニヤといたずらな笑みを浮かべる少女はそれを見る。
「いつ会えるのかな、楽しみ〜」
そう言っては再び何回か発砲する。先程吹っ飛んだ空き缶が更に吹っ飛んで、どこかへ消えた。またニヤニヤとそれを見届けると、呟いた。
「さっさと撃ちたいなー、ぶちのめしたいな〜」
スマートフォンに写っていたのは紫色のツインテールの少女、金陽 うみ。舌打ちをして、サイドテールの少女は銃口をその画像の額に向ける。
「私が殺してあげる。嬉しいでしょ?オ・ネ・エ・サ・マ?」
《オトギマグナム
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