オトギテール RIVAL   作:爆裂おいしい君

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第5章開幕です!


第5章
Ep.54「魔法少女 エントリー」


 

「久しぶりに外食でも行こっかな?トンカツ食べたいや」

 

 羽塚(はねつか) せいな、高校2年生。昼下がり、青空の下。財布の中を覗きながらそう呟いた。好物はトンカツ、嫌いな食べ物は鶏肉。

 

 『全ての魔法少女を倒せ』

 

 ――この間、妙な女にそう言われた。なんでも、そうすれば願いが一つ叶うのだとか。

 

「みなみ……絶対治してあげるからね」

 

 ――トンカツ100年分なんて馬鹿げた夢じゃない。これは自分じゃなくて、誰かのために使わないといけない。そう思った。

 決意を固く結び直して、せいなは前を向いた。

 

 《オトギウィング 羽塚せいな》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ねえ、よな。今日あの女の人が言ってたこと、信じる?」

「うん、信じるよ、むな」

 

 ある日の夜だった。石川(いしかわ)むな、石川よな。中学3年生。左で髪を結んでいるのがむな、右がよな。双子の姉妹が顔を見合わせて、寝室で話していた。

 

「願いが叶う……なんかいい感じだよね」

「だねー。……何を叶えたい?むな」

「うーん……まだ決められないよ」

「ねー。そうだねー……じゃあ、よなはふかふかの枕が欲しい」

「枕かぁ。……じゃあ私も枕のために頑張るよー」

 

 クスクスと笑ってはお互いの手を握って、2人は仲良く眠りについた。

 

 《オトギミラー 石川むな・よな》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 人が行き交う街の中、一際目立つ白い肌に黒色混じりの銀髪。身長が高いのもあり、向かいを歩く人たちが一瞥(いちべつ)をしては去っていく。

 

「おー、ワタシってそんなセクシィ?」

 

 レジーナ・ピークス。アメリカ生まれ日本育ちの高校2年生、身長173cm。特段スタイルが良いわけではない。

 

「さてさて、お腹が減りました」

 

 そば屋の戸をガラガラと開けて、静かに着席する。厨房でせっせと働いている大将に声をかけては、そばを注文する。

 それはすぐに到着して、大将がカウンターの上に丼をコト、と置いた。中には出汁の染みたお揚げ、そして少量のネギが添えられている。

 

「今日も香りが最高でーす!いただきまーす!」

 

 啜った瞬間にそばの香りが鼻腔を突き抜ける。他の料理では感じられないそれがとても心地いい。

 

(やっぱりそばは最高でーす♪……!)

 

 そば、最高。

 その時、昨日自身に問いかけた問いの答えがピカリンと浮かんできた。

 

(最高のそば……!そうです、最高のそばを!)

 

 なんでも願いが叶えられるという魔法少女ゲーム。その『願い』が見つかった。

 

(最高のそばを食べたいでーす!)

 

 《オトギペーパー レジーナ・ピークス》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「いつも通り誰もいません、ね……」

 

 神社の中、一人の少女が何かボヤきながら、ホウキを掃いては落ちている葉を除ける。

 横浜(よこはま) みつき、高校2年生。

 

「ゴホッ、ゴホッ!」

 

 不意に、咳が出た。自分の掌を見る。

 

(どうして私はこうも体が弱いのでしょう。どうしてこうも弱く産まれてしまったのでしょう……)

 

 何を呟いても、何を思っても、誰も問いには答えない。いつものことだった。抜け出す道もない、これが自身の背負う『呪い』だと思っていた。

 

 『全ての魔法少女を倒せ』

 

 チャンスがついに到来した、そう思った。これさえ出来れば、この呪いから抜け出せる。

 

「ふふ……嬲り殺し、です」

 

 《オトギカース 横浜みつき》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「……もうダメか」

 

 ガレージで、彼女はバイクを見る。

 為我井(ためがい) あすみ、高校3年生。見つめるバイクも彼女のものである。

 少々無茶をして、バイクを故障させてしまった。修理しようにも今は費用が足りない。そんな彼女に先日、妙な誘いがあった。

 

(魔法少女、か……。よく分かんねぇけど、喧嘩なら得意だぜ)

 

 その誘いは喧嘩の大好きな彼女にとっては好都合だった。その上で、バイクも修理出来る。まさに最高、一石二鳥だ。手加減もしなくていい。

 

「また走ろうぜ」

 

 これからどんな喧嘩が出来るのか楽しみで仕方ない。愛車のシートを撫でると、ニヤッと笑って、ガレージのシャッターを閉めた。

 

 《オトギフリーズ 為我井あすみ》

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「バン!バンバ〜ン!」

 

 手に持った銃から光が放たれて、離れた距離にある空き缶が吹っ飛んだ。

 

「うん、最高の命中率♡」

 

 赤色の光のラインが走る銃。クルリと回して、ニヤニヤといたずらな笑みを浮かべる少女はそれを見る。

 

「いつ会えるのかな、楽しみ〜」

 

 そう言っては再び何回か発砲する。先程吹っ飛んだ空き缶が更に吹っ飛んで、どこかへ消えた。またニヤニヤとそれを見届けると、呟いた。

 

「さっさと撃ちたいなー、ぶちのめしたいな〜」

 

 スマートフォンに写っていたのは紫色のツインテールの少女、金陽 うみ。舌打ちをして、サイドテールの少女は銃口をその画像の額に向ける。

 

「私が殺してあげる。嬉しいでしょ?オ・ネ・エ・サ・マ?」

 

 《オトギマグナム 金陽(かねひ)そら》

 




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魔法少女がエントリーです。
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