やめてよね、僕が准将みたいに出来るわけないじゃないか 作:星乃 望夢
太平洋を全速力で北上したボズゴロフ級潜水艦艦隊の浮上と共に、アラスカの凍てつく空へと解き放たれたザフトのモビルスーツ部隊。その中には、本国からこの地に馳せ参じたクルーゼ隊の姿もあった。
大気圏内用サブフライトシステム『グゥル』にその巨体を固定し、高度を維持しながら戦域へと進入するGAT-X303『イージス』。
そのコックピットのモニターが映し出す眼下の光景に、アスラン・ザラは息を呑み、言葉を失った。
「これが……アラスカ本部、なのか……?」
かつて地球連合軍地上最高の要塞と謳われ、天険の地を利用した不落の城塞であったはずの場所。
そこには、緑豊かな大地も、白銀の美しい永久凍土も残されてはいなかった。
視界を埋め尽くしているのは、大気圏外から降り注いだコロニー残骸による質量爆撃が穿った、無数の禍々しいクレーターの群れだ。
地表はドロドロに融解した泥濘と化し、黒煙と巻き上げられた土が、アラスカの鉛色の空をさらに暗く塗り潰している。
本来であれば、偽装された無数の対空砲座、堅牢な重装甲要塞砲、地下から迫り上がるVLSの群れなど、総力を挙げた地球軍の迎撃火網を正面から突破しなければならなかったはずだ。
いくつもの強固な隔壁ゲートから次々と現れる膨大な数の守備隊や、常時展開する精鋭の警備部隊。それら全てを正面から生身で相手取れば、ザフト軍とてどれほど精鋭を揃えようとも、一歩進むごとに山のような死体とモビルスーツの残骸を積み重ねる、多大な犠牲を強いられたに違いない。
それは分かっていた。頭では完全に理解していたはずだった。
だが、地獄の底のようなクレーターの隙間から、這うようにして地表へと現れる地球軍の将兵たちの姿が、アスランの目を釘付けにした。
彼らの駆るストライクダガーは、岩盤を強引に溶断したためだろう、両腕のマニピュレーターが焼き切れ、黒く煤けている機体も少なくない。
リニアガンタンクはキャタピラに泥を噛ませながら、狂ったように空へと砲身を向けている。通信網も壊滅し、まともな指揮統制すらままならないであろう中で、満身創痍の兵士たちが、ただ生き延びるため、そして祖国の心臓部を守るためだけに、悲壮なまでの迎撃準備を整えようとしている。
戦う前に勝負は決していた。天からの鉄槌によって、彼らは戦う権利すら奪われ、一方的に圧殺されたのだ。
(……これが、戦争なのか?)
アスランの胸の奥底から、鉛のように重く、言い知れない不気味な感情がせり上がってきた。
戦争はスポーツじゃない。フェアプレーの精神なんて、命のやり取りをする戦場においては、ただの甘えであり欺瞞だ。そんな下らない綺麗事のために決断を誤り、味方に無駄な犠牲を出すくらいなら、一撃で敵の息の根を止め、戦争そのものを終わらせる方が遥かに正しい。
最高評議会議長であり、ザフトの総大将でもある父、パトリック・ザラが執ったこの『オペレーション・スピットブレイク』の戦略思想は、軍人として、そして指揮官として至極当然であり、完璧な模範解答であるはずだった。
自軍の犠牲を最小限に抑え込み、敵には立ち直れぬほどの最大の損害を与える。これ以上の勝利の方程式がどこにあるというのか。
(なのに……何なんだ、この感情は……ッ!)
胸の奥を激しく掻き毮るような、自身の良心が鋭く叱咤してくるかのような、この不快なまでの拒絶感。
正面から堂々と武力を競い合うのではなく、無抵抗の者を上空から一方的にすり潰すような戦法に対する、生理的な嫌悪。
アスランは、己の内面で激しく渦巻くその暗い感情に、どうしても「名」を付けることができなかった。
「各機、降下。うろたえるナチュラルの残党どもを、一機残らず掃討せよ」
通信回線から流れる、ラウ・ル・クルーゼのどこか愉しげで冷徹な命令。
その声に弾かれたように、周囲のジンやディンがグゥルから飛び立ち、無防備な地表の守備隊へと向かって一斉に火線を浴びせ始め、新たな悲鳴がアラスカの大地を揺るがしていく。
アスランは、トリガーを握る自身の指先が、微かに震えているのを自覚せざるを得なかった。正義の、庇護の名を冠された赤き機体『イージス』のコックピットの中で、彼はただ、燃え盛る地獄を凝視し続けるしかなかった。
◇◇◇
凍てつくアラスカの天を覆うのは、味気ない鉛色の雲と、大質量爆撃の爪痕たる黒煙、そしてそれを切り裂くモビルスーツの無数のスラスター光だった。
地表への決死の出口を穿ち、泥濘のクレーターに這い出してきた地球連合軍アラスカ守備隊。彼らを包囲し、文字通りの「肉挽き」を開始したザフトのアラスカ攻撃部隊の通信回線には、大きく分けて三つの異なる「温度」が存在していた。
一つは、戦場を支配する圧倒的多数の狂熱と、凄惨な愉悦の声である。
「見ろ! ネズミどもが泥の中から這い出てきやがった!」
「バカなナチュラルどもが、この期に及んでまだ抵抗する気か!」
「ハハハッ! 潰せ! 焼き払え! 漸く、あのユニウスセブンの弔い合戦が出来るんだ! 一匹も生かして帰すなッ!!」
彼らにとって、眼下の光景は「戦争」ですらなかった。天からの質量兵器によって完全にへし折られ、なす術もなく泥にまみれる劣等種族への、正当なる報復であり、なぶり殺しの祭典だった。
地表からの反撃は、あまりにも貧弱だった。
かつてザフトの空挺部隊を震え上がらせたはずの対空砲火は見る影もなく、クレーターの斜面に据え付けられた自走砲や、泥に足を取られた戦車から、散発的なミサイルや砲弾が虚しく空へと放たれるだけ。
連合の新型量産MS『ストライクダガー』も、不完全な迎撃体制のままビームライフルを構えて必死に応戦するが、ザフトが最も警戒していた「厄介な航空戦力」は、ついに一機として空へ上がってこない。
当然だった。戦闘機スピアヘッドが発進するためのカタパルトゲートや滑走路は、最初の一撃で跡形もなく蒸発しているのだ。彼らには、空への出口そのものが存在しなかった。
地底の裂け目から命からがら発艦したまばらな戦闘ヘリの編隊も、高空を我が物顔で旋回するディンにあっという間に包囲され、火達磨となり、大地へと墜落していく。
「動けない戦車など、ただの的だ!」
地を駆けるバクゥの群れが、クレーターだらけでまともに前進出来ないリニアガンタンクを、頭部のビームサーベルで車体を両断していく。
重量級のザウートは重装甲を頼りに突撃し、呆然と立ち尽くす戦闘車両をその巨体で次々と轢き潰していった。
そして、前線に投入されたザフトの新たな主力量産機──『ジンハイマニューバ2型』の存在が、連合の絶望を決定的なものにしていた。
本来の歴史よりも早く、ゲイツに代わる主力の座を勝ち取ったこの高性能機は、空間戦闘における圧倒的な優位性を重力下でも遺憾なく発揮していた。
ストライクダガーが放つビームライフルの光条。しかし、ジンハイマニューバ2型は、その腕部に備えた最新鋭の「対ビームシールド」を正確に差し出し、眩い粒子を爆散させながら直撃を完全に無効化する。
「なっ……ビームが効かないのか!?」
恐怖に駆られる連合のパイロット。その一瞬の隙を見逃すほど、ザフトの兵士は甘くはなかった。
背部の大型スラスターが凄まじい爆音を立てて明滅する。
強化された推進器は、重力下という足枷を嘲笑うかのように、ノーマルのジンを遥かに凌駕する爆発的な機動性と三次元的な運動性を発揮した。
クレーターの縁を蹴り、空中をステップするように滑空したジンハイマニューバ2型は、ダガーの死角へと瞬時に回り込み、重斬刀を一閃。あるいはビームサーベルの鋭利な刃で、まともに動くのもやっとという様子の連合製MSの胸部を正確に貫いていく。
「これだよ! この力を待っていたんだ!」
「いいザマだな!ナチュラルのオモチャども!」
狂気的な愉悦と、積年の恨み辛みをぶちまける罵詈雑言が通信回線を埋め尽くしていく。その昏い空気が、伝染病のようにザフトの攻撃部隊全体へと蔓延していく。
だが──その狂熱の渦から完全に隔絶された、二つ目、そして三つ目の反応を示す者たちが、クルーゼ隊の赤服・緑服の精鋭たちの中に存在していた。
アスラン・ザラのように、コックピットの中で言い知れぬ不快感と良心の呵責に震え、引き金にかけた指を凍らせている者がいる一方で、普段はナチュラルに対して苛烈な言葉を隠さない少年たちの間にも、奇妙な沈黙が広がっていた。
「……チッ、手応えのない雑魚ばかり並べやがって」
バスターのコックピットで、ディアッカ・エルスマンは吐き捨てるように呟いた。
いつもならば、不敵な笑みを浮かべてナチュラルを嘲りながら、その圧倒的な長距離火力で敵陣を木っ端微塵に吹き飛ばしているはずの彼だった。
しかし、画面に映し出されるのは、腕が焼き切れ、這うようにして泥を掻き分け、武器すら持たずに逃げ惑うストライクダガーの姿だ。
ディアッカの放つ砲撃は、確かに敵を撃破してはいたが、その火線はいつになく「甘い」ものだった。彼自身のプライドが、戦士としての矜持が、これ以上の蹂躙を「戦い」と認めることを拒んでいた。
それは、誰よりも気性が激しいイザーク・ジュールも同様だった。
本来の彼ならば、この大決戦の場において、誰よりも先んじてデュエルを敵陣の最深部へと突撃させ、敵を切り刻んでいたはずである。
だが、今のアラスカの戦場において、イザークは驚くほど「大人しかった」。
デュエルの足取りは重く、クレーターの影から飛び出してくる敵機を最低限の動きで迎撃するのみ。普段の激情家な面影はどこへ行ったのか、通信回線に彼の怒声が響くことは一度としてなかった。
銀髪の隙間から覗くその瞳は、ただ冷徹に、そしてどこか嫌悪感を孕んで、おぞましい歓喜に沸く味方の通信を黙殺し続けていた。彼にとっても、この戦場は己の武を競うべき栄誉ある舞台ではなく、ただの「虐殺の生贄祭」にしか見えなかったのだ。
そして、アルテミス要塞での激戦で重傷を負い、未だ前線に復帰できずにいるニコル・アマルフィ。彼の代わりにクルーゼ隊へと配属された赤服の少女、シホ・ハーネンフースもまた、自らが心血を注いで組み上げた実験機『シグー・ディープアームズ』のコックピット内で、完全に言葉を失っていた。
両肩に装備された試製ビーム砲。その高出力の光条が、連合のストライクダガーを一撃で消し飛ばすたびに、彼女の胸の奥に冷たい不快感が蓄積していく。
(これは……戦いじゃない……)
技術兵としての冷静な視点が、目の前の光景を正確に分析してしまう。防衛網は崩壊し、指揮系統は存在せず、ただ生き埋めの恐怖から逃れてきただけの人間を、上空から効率的に間引いているだけ。
ともすれば「虐殺」と形容すべきその光景を前に、彼女はただ一言の言葉も発せず、唇を噛み締めてモニターを見つめることしかできなかった。
そんな、複雑な想いを抱えながらも戦わざるを得ない赤服の若者たちを、緑服という立場でありながら「先輩」として精神的にまとめ上げる立場にいたのが、ミゲル・アイマンだった。
彼は、自身のパーソナルカラーである鮮やかなオレンジに染め上げられた、フルチューン仕様の『ジンハイマニューバ2型』を駆り、戦場を縦横無尽に駆け巡っていた。
黄昏の魔弾と称されたその操縦技術は健在であり、隊の赤服たち──迷いを見せるアスランやイザークたちに代わって、彼は的確に戦闘行動に参加し、確実に連合の戦力を削り落としていた。戦場で突っ立っているわけにはいかない。それが軍人であり、生き残るための鉄則だと誰よりも理解しているからだ。
だが、ヘルメットの奥にあるミゲルの表情は、決して晴れやかなものではなかった。
彼とて、ユニウスセブンの悲劇に涙し、ナチュラルに対して思う所がないわけではない。しかし、通信回線を飛び交う、敵をいたぶることを愉しむような、狂気的な蹂躙の愉悦に染まった同胞たちの声には、明確な「拒絶感」を抱いていた。
(……気に食わねえな)
ミゲルは、メインスラスターを吹かしてストライクダガーの突撃を紙一重で躱すと、ビームサーベルでその胴体を容赦なく撥ね飛ばした。爆発する光に照らされながら、彼は歪む通信回線の音量を絞る。
己の任務は果たす。だが、あの狂熱の渦に身を委ねるつもりは毛頭ない。
勝敗の決した戦場で、ただ怨嗟のままに引き金を引き続ける連中とは、どうしても肌が合わない。
ミゲルはオレンジの機体を反転させ、冷徹なプロの戦士として、ただ淡々と、この地獄のようなアラスカの防衛線を突き崩すための刃となり続けていた。
血と硝煙、そして狂気と沈黙。
アラスカの白銀の大地は、両陣営の思惑を孕みながら、底知れぬ泥沼へと沈み込んでいくのだった。
◇◇◇
「……もぬけの殻、だと?」
アラスカ基地の心臓部、地下数百メートルに位置す統合参謀司令室。
地表への決死の脱出路を切り開き、次なる防衛指示を仰ぐべく血相を変えて飛び込んできた前線指揮官たちは、その場に縫い付けられたように立ち尽くした。
巨大なホログラムスクリーンは砂嵐を映し出すのみ。オペレーター席の端末はログアウトされ、かつて傲慢な態度でふんぞり返っていたロード・ジブリールをはじめとするブルーコスモスの重鎮たち、そして大西洋連邦の最高将官たちの姿は、影も形もなかった。
デスクの上には、飲みかけの冷え切ったコーヒーと、慌ただしく引き抜かれたデータチップの残骸だけが散乱している。
「あの野郎ども、俺たちを見捨てて逃げやがったんだ……!」
一人の将校が拳をデスクに叩きつけ、血を吐くような声を絞り出した。
最初の大質量爆撃の直後、地表の兵士たちが暗黒の坑道で酸欠と熱に喘ぎながら、ビームサーベルで岩盤を溶かしていたその瞬間、首脳陣は安全な地下ドックから潜水艦に乗り込み、とっくの昔にアラスカを脱出していたのだ。
最前線の将兵は、彼らが無傷で逃げ延びるための、ただの時間稼ぎ──文字通りの「使い捨てのデコイ」に過ぎなかった。
激しい衝撃と怒りが指揮官たちの脳裏を駆け巡る。
しかし、裏切りを呪う時間すら、今の彼らには残されていなかった。
何処にも逃げられない。それが、アラスカ守備隊に突きつけられた冷酷な物理的現実だった。
地表への出口は、自分たちが死に物狂いで掘り進めたメインゲートの一カ所のみ。そこを一歩出れば、空を埋め尽くすザフトのディンやジンハイマニューバ2型による、一方的な対地掃射の嵐が待っている。
ならば、ジブリールたちが使った地下潜水艦ドックから海へ逃れる道はどうか。
確かに、ドックにはまだ多くの潜水艦や輸送潜水艇が残されていた。だが、水中用のモビルスーツを一切持たない大西洋連邦の敗残兵が、今このタイミングで鉄の鯨に乗って外海へ出たところで何が起こるかなど、火を見るより明らかだった。
ベーリング海の冷たい暗黒の底には、太平洋を北上してきたザフトのボズゴロフ級潜水艦艦隊が既に遊弋している。水中の絶対的強者である『グーン』や『ゾノ』の魚雷とフォノンメーザー砲の餌食になるだけだ。
推進器を破壊され、ソナーを潰され、水深数百メートルの深海でなぶり殺しにされる。潜水艦による脱出とは、自ら進んで「鉄の棺桶」に入り、海の底へ沈みに行く自殺行為に他ならなかった。
背後には深海の地獄、目の前には泥濘の地獄。
極限の絶望に精神をへし折られた一部の部隊が、絶望的な現実から逃れるようにして、泥まみれのストライクダガーのビームライフルを放り投げた。彼らは機体のマニピュレーターに、ちぎった防寒シートの白い布を掲げ、クレーターの淵へ向かって両手を挙げた。
「頼む、撃たないでくれ! 我々は武器を捨てた! 投降する、捕虜として扱ってくれ!」
スピーカーから響く、若い地球軍兵士の悲痛な哀願。
だが、その救いを求める声に対するザフトの返答は、あまりにも冷酷で、容赦のない「拒絶」であった。
「ナチュラルの捕虜なんか、誰が要るかよッ!」
「お前たちが……お前たちのような野蛮な種族が、ユニウスセブンを、俺の家族を焼き殺したんだ!!」
狂熱と積年の怨嗟に目を血走らせたジンのパイロットたちが、嘲笑混じりの怒号と共に、一斉に76mm重突撃機銃の引き金を引き絞った。
容赦のない実弾の雨が、無抵抗のストライクダガーの装甲を容赦なく抉り、引き裂いていく。白い布は一瞬にしてハチの巣にされ、泥の中に踏みにじられた。機体から這い出て、両手を挙げていた生身の歩兵たちに対しても、ジンの重突撃機銃が容赦なく放たれていく。
「あ、ああ……ああっ!!」
モニター越しにその凄惨な光景を目撃した守備隊の将兵たちの間で、絶望が確信へと変わった。
彼らには、降伏という選択肢すら存在しないのだ。プラント最高評議会議長パトリック・ザラがこの作戦に込めた本質、そして前線のザフト兵たちが抱く剥き出しの殺意は、「連合軍の制圧」などではなく、徹底的な「ナチュラルの根絶」であった。
捕虜になっても殺される。海へ逃げても沈められる。外へ出れば肉挽き器にかけられる。
前線の指揮官たちに遺された選択肢は、ただ一つ──戦って、一秒でも長く生き延びる方法を模索することだけだった。
「……各部隊へ伝達! 地表の残存兵力を直ちに地下要塞内部へと反転させろ! 籠城戦へ移行する!」
生き残った数少ない、真っ当な理性を持つ指揮官たちが下した決断は、苦肉の策としての「亀の子作戦」であった。
幸いにも、最初の大質量爆撃によって地表施設は全滅したものの、地下要塞そのものの堅牢な隔壁や通路の大半は未だ健在である。そして、ザフト側にとっても、アラスカの地下へ侵入するためのルートは、自分たちが内側から切り開いた「メインゲートの一カ所」しかないのだ。
ならば、その狭隘なメインゲートの入り口にリニアガンタンクを並べて即席のトーチカとし、ストライクダガーの防衛線を幾重にも敷けば、地形の利はこちらにある。
どれほどザフトのMSが高機動を誇ろうとも、狭い地下通路の直線戦闘であれば、物量と火力を集中させて侵入を拒むことができる。
そうして地下の闇に引きこもり、息を潜め、パナマや他の軍事拠点から大西洋連邦の増援が到着するまで、文字通り亀のように殻に閉じこもって耐え忍ぶ。それだけが、この地獄で生き残るための唯一の合意形成であるはずだった。
だが、アラスカという基地の「最悪の歪み」が、ここで決定的な破綻を齎した。
この基地に残されていた将兵の大部分は、ムルタ・アズラエルによって意図的にパナマから排除され、集められた狂信的な「ブルーコスモス・シンパ」の不適格者たちだったのだ。彼らの脳細胞は、積年のコーディネイターへの憎悪と選民思想によって完全に焼き切れていた。
「地下に引っ込んで、化け物どもを相手に命乞いの籠城だと!? ふざけるな!」
「ジャンク屋上がりの薄汚い鉄案山子ならいざ知らず、我ら大西洋連邦の精鋭が、宇宙の害虫を前にして背中を向けて逃げ隠れできるかッ!」
「ジブリール様が仰ったはずだ! 青き清浄なる世界のために、化け物どもは一匹残らず駆除せねばならんと! 出口があるなら、突撃して刺し違えるのがナチュラルの義務だろうが!」
クレーターの泥にまみれ、死を目の前にしながらもなお、狂信者たちは血走った目で喚き散らし、理性的な指揮官たちの命令を真っ向から拒絶した。彼らにとって、戦術的な撤退や籠城は「コーディネイターに対する屈辱的な敗北」であり、受け入れがたい妄執であった。
「この期に及んで、まだそんなバカげた思想を……! いい加減にしろ、これは全滅を避けるための──」
「黙れ、腰抜けのユーラシア派閥め! 貴様らこそ害虫の内通者ではないのか!?」
味方同士で銃口を向け合いかねない、醜悪極まりない内紛の兆候。
防衛線を統制するための無線回線は、狂信者たちの罵詈雑言と、悲鳴と、錯乱した怒号によって完全にパンクした。
現場の前線指揮官たちは、激しい徒労感と絶望に目眩を覚えた。彼らには、この極限状況の中で、話の通じない狂信的なバカどもを一人一人説得し、軍の規律を取り戻すための気力も、精神的な余裕も、そして何よりも「時間」が致命的に足りていなかった。
数時間後にはザフトの水陸両用部隊が上陸し、包囲は完璧なものとなる。そのカウントダウンが刻一刻と進む中、組織としての機能は、完全に終わりを迎えた。
「……もういい。勝手にしろ」
前線指揮官の一人が、乾いた笑いと共に通信機のスイッチを切り替えた。もはや指揮統制も、作戦行動も、クソ喰らえだった。現状のシステムでは、各々の判断に全てを委ねる以外に道はなかった。
「死にたい奴は、その歪んだ正義とやらのために外へ出て、化け物どもの弾除けになれ。生きたい奴、あるいは一秒でも長く抗いたい者は、俺と共に地下の奥深くへ来い。……身内で肩を寄せ合って、来ないかもしれない増援を待つぞ」
その宣告を境に、アラスカ守備隊は完全に二つの「色」へと分裂した。
大半を占めるブルーコスモスの狂信者たちは、叫び声を上げながらストライクダガーのスラスターを限界まで吹かし、泥のクレーターを飛び越えてザフトの包囲網へと無謀な突撃を敢行していった。
彼らの駆るダガーは、不完全な出力のままビームライフルを乱射し、ジンハイマニューバ2型の対ビームシールドに防がれ、空中からディンの機関砲によって蜂の巣にされ、あるいはバクゥのサーベルによって五体をバラバラに引き裂かれながら、文字通りの「肉の壁」となってアラスカの荒野へと散っていく。
それは戦いですらなく、ただの無意味な玉砕であり、ザフトの恨みを晴らすための凄惨な生贄の儀式に過ぎなかった。
一方で、生き残ることを選択した兵士たちは、武器を抱え直して冷たい地下の暗闇へと静かに引き返していった。
彼らはメインゲートの入り口に、破壊されたリニアガンタンクの車体を積み重ねて即席の防壁を作り、ストライクダガーのビームサーベルを構えて、いつ破られるかも分からない闇のボトルネックをじっと見つめていた。
外からは、同僚たちの肉が焼ける臭いと、狂信者たちの断末魔の叫び、そしてザフト軍の圧倒的な勝利の凱歌が、土砂を通じて不気味な地鳴りのように響いてくる。
兵士たちは、ただ互いの機体の金属音を微かに感じながら、冷たい汗を流し、息を潜めて、自分たちの運命のダイスがどちらに転がるのかを待つしかなかった。
統制を失った最高司令本部の成れの果ては、地上での血みどろの狂宴と、地下での窒息しそうな静寂という、あまりにもいびつな二つの地獄へと塗り潰されていくのだった。
◇◇◇
地上へと我先にと飛び出していった狂信者たちの無謀な突撃。それは軍事戦術的には最悪の愚行でありながら、地下に残された理性的で真っ当な将兵たちにとっては、何物にも代えがたい極上の「奇跡」として機能していた。
外で繰り広げられているのは、狂熱に浮かされたブルーコスモスの信奉者たちが、ザフトの圧倒的な機動兵器を前に次々と肉片と鉄屑に変えられていく一方的な屠殺場だ。
だが、その哀れな馬鹿どもが一人残らず死に絶え、ザフトが地表の掃討を完了するまでのわずかな猶予──それこそが、地下要塞に潜伏する生存者たちが最も欲していた「時間」という名のタイムリミットであり、唯一の希望の種であった。
外からの断末魔の叫びが微かに響く中、地下深くの闇では、息の詰まるような緊迫感の中で冷徹な防衛線の構築が急速に進められていた。
唯一の出入り口であるメインゲートの通路。そこは今、異様な光景に塗り替えられつつあった。
機動力を喪失し、あるいは地表への道を切り開くための発破作業で動力を使い果たしたリニアガンタンクの車体が、狭隘な直線通路を塞ぐように何重にも隙間なく並べられている。クレーン車で強引に引きずられてきたその鋼鉄の巨体は完全に固定され、即席の強固な「鉄の壁」として機能していた。
さらに、そのリニアガンタンクの隙間や天面を埋めるように、十数枚ものストライクダガーのシールドが隙間なく溶接され、まるで古代の重装歩兵が組むファランクスのような頑強な防御陣地が形成されていたのである。
それは、限られた直線でのみ敵を迎え撃つための、完璧に計算された障壁型のトーチカであった。
だが、彼らが手に入れた希望は、単なる地形の利と即席の盾だけではなかった。
崩落を免れた広大な地下格納庫の片隅。非常用ライトの淡い光の下で、大西洋連邦所属の若き士官は、目の前の信じられない光景に呆然と立ち尽くし、乾いた声を漏らした。
「……おい、お前たち。こんな時に一体何をしてるんだ?」
彼の視線の先では、数十人のユーラシア連邦の整備兵たちが、埃とオイルに塗れながら、巨大な油圧クレーンと電動レンチを狂ったように作動させていた。彼らが組み上げていたのは、大西洋連邦の洗練されたスマートなダガーシリーズとは似ても似つかない、無骨で、四角く、泥臭い重量級の鉄の塊──。
「見て分からんか、大西洋の坊や。ここにある『ティエレン』を組み立てているのさ」
大型レンチを肩に担いだユーラシア連邦の老練な先任曹長が、顔の汗を拭いもせずに不敵な笑みを浮かべて答えた。
「ティエレン……? ユーラシア連邦のMSか!? 馬鹿な、ここは我が大西洋連邦の総本山だぞ! なぜそんな機体がここに転がっている!」
大西洋の士官は狼狽を隠せず声を荒らげた。彼ら大西洋連邦のプライドからすれば、コーディネイターが作ったOSを搭載し、ユーラシアが血眼になって買い漁っているティエレンなど、旧時代的な陸戦兵器の紛い物に過ぎないという認識だったからだ。
しかし、ユーラシアの曹長は、その無知な詰問を鼻で笑い飛ばした。
「これだから、頭の硬い政治屋の身内は困る。お前ら大西洋の特権階級は知らんのだろうがな。確かにビクトリアの生命線を守るために、我がユーラシア部隊の大部分はティエレンと共に太平洋を南下した。だが、この広大な地下要塞の留守を預かるために残留した部隊も、確かにここに存在する。そして……ここは地球連合軍の『総本山』なんだよ」
曹長は組み立て途中のティエレンの胸部装甲を、愛おしそうにガンガンと叩いた。
「ここはただの司令部じゃない。ユーラシア連邦の陸戦部隊が駐留し、維持するための地下一大拠点だ。当然、ティエレンを稼働させ、整備し、そして──前線へ補給するための『簡易生産ライン』と膨大なパーツデポが設けられている。格納庫にはロールアウト直前の完成機がまだ何機もある上に、ブロック状態で保管されている交換部品や予備の脚、腕、主砲なんてものは、そこら中のコンテナに文字通り腐るほど眠っているのさ」
ユーラシア連邦がこれほどまでにティエレンに傾倒したのは、単に装甲が厚いからではない。その本質は、徹底的なまでの「モジュールブロック構造」と、それを統括するキラ・ヤマトの「TC-OS」の異常なまでの汎用性にあった。
「ダガーシリーズのような繊細な骨格を持った高級品は、ちょっとフレームが歪んだりセンサーがイカれれば、専用のドックで精密な調整を受けなきゃ動かん。だが、コイツは違う。徹底して規格化された頑丈な箱の組み合わせだ。砲弾が飛び交い、泥に塗れた戦場の最前線であっても、破壊された味方の死体から生きてる腕をもぎ取って、その場でボルトで締め直すだけでレストアさえ可能な、俺たちのタフな『動く棺桶』なんだよ」
曹長の指示で、ティエレンの巨大な脚部ブロックがクレーンで吊り上げられ、胴体フレームへとガッチリと結合される。高圧エアレンチが耳を劈く機械音を立ててボルトを締め上げていく。その間、わずか数分。さらに、コックピットに滑り込んだオペレーターが起動スイッチを入れると、TC-OSの驚異的な自己診断プログラムが作動し、異国の地で急造されたいびつな四肢のバランスを自動でキャリブレーションし、モノアイに鋭い赤光が灯った。
「確かに、広い大平原でザフトのバクゥやディンを相手に追いかけっこをすれば、コイツはただの鈍重な鉄屑だ。だがな、坊や。こと『守り』の籠城戦に関しちゃ、コイツは陸の城塞、不落の盾に化ける。狭い通路の奥にコイツをずらりと並べて、200mm滑腔砲の射線を固定してみろ。入ってきたザフトのモビルスーツは、その自慢の高機動を発揮するスペースすら与えられず、一歩足を踏み入れた瞬間に等しく肉挽き機の刃にかかる。このアラスカ本部に蓄えられた、何万人分もの数年規模の備蓄食料を俺たちが平らげ尽くすまで、化け物どもを相手に耐え忍ぶことなんざ、朝飯前だ」
自慢気に語るユーラシアの将兵たちの目には、先ほどまでの絶望は微塵もなかった。あるのは、自分たちが選んだ兵器への絶対的な信頼と、泥臭く泥水をすすってでも生き残って見せるという、歴戦の陸戦部隊特有の獰猛な執念であった。
かつて、あの凄惨極まりない『カオシュン宇宙港攻防戦』において、ザフトの猛攻を前に、たった一箇所も防衛線を突破させず一ヶ月間持ち堪えて見せた鋼鉄の鉄案山子。
そのティエレンという兵器のポテンシャルが最も凶悪な形で発揮されるシチュエーション──それこそが、まさに今彼らが置かれている、この「狭隘な地下要塞での徹底的な籠城戦」という舞台そのものであった。
大西洋連邦の士官は、次々と産声を上げる緑色の巨神たちの威容を前に、ただ圧倒され、言葉を失うしかなかった。外の馬鹿どもが命を散らして稼いだ血の時間が、地下の暗闇の中で、ザフトの首を確実に絞め殺すための「最悪の鉄の砦」へと変貌を遂げつつあった。
「それにだ坊や。この分厚い鉄屑の案山子はな?……言うなれば、初心者にも徹底的に優しい『補助輪付きのチャリ』と同じなのさ」
「チャリ……? 自転車のことか?」
「おうよ」
油と泥に塗れたユーラシア連邦の先任曹長は、組み上がったばかりのティエレンの分厚い脚部装甲をスパナの柄でガンガンと叩きながら、獰猛な笑みを深めた。
「そこら辺で震えてる歩兵や、ペンを握るのが仕事の事務方どもを引っ張ってきて、ペラペラのマニュアルを読ませてコックピットに放り込む。たったそれだけで、1時間もすりゃ熟練パイロット並みの歩法で重力下を踏破してのける。……実戦経験ゼロの、ケツの青いタマゴ野郎くらいの連中なら、30分もあれば立って、歩いて、狙いをつけて、引き金を引く程度の『兵士の仕事』が完璧にこなせる」
曹長は口に咥えていた火のついていない葉巻を吐き捨て、誇らしげに自らの胸を親指で指し示した。
「当然、俺たちしがない整備士だって即戦力だ。整備だ運搬だなんだでコイツを歩かせる事くらい毎日やってるからな。なにせ、この俺自身が、カオシュンで基地が地獄に落ちかけた時、コイツの操縦桿を握って何度も命を救われたんだからな。こう見えても俺は、ザフトの生意気なブリキ野郎を、コイツの滑腔砲で6機ブチ抜いて落としたことがあるんだぜ?」
「――――ッ」
大西洋連邦の若き士官は、完全に言葉を失い、戦慄に唇を震わせた。
我が大西洋連邦が威信を懸けて開発した、純粋なるナチュラルのための次期主力機『ストライクダガー』。
戦時急造でデチューンされているとはいえ、専用のナチュラル用OSを搭載したその機体を「歩かせる」ためだけに、正規の訓練を受けたテストパイロットたちがどれほどシミュレーターの中で四苦八苦し、血の滲むような訓練を重ねてきたことか。
歩行時の重心移動、マニピュレーターの連動、照準の補正。本来、それらの複雑怪奇な演算をパイロットの脳と肉体に直結させるのは、遺伝子を調整されたコーディネイターの特権であったはずだ。大西洋連邦の技術陣は、それを強引にシステム側で補助することでダガーを動かしている。それでもなお、パイロットへの負担は計り知れない。
だが、目の前のユーラシアの整備兵は、平然と言ってのけたのだ。
この無骨な鉄の塊は、『30分で新兵が撃てるようになり』、『1時間で熟練兵に化け』、あろうことか『本職ではない整備士でもエースパイロット並みの戦力になる』と。
その異常なまでのハードルの低さと汎用性の根源。
それこそが、一人の超常の少年が世界へとばら撒いた悪魔の果実──『TC-OS』の真の恐ろしさであった。
そもそも、キラ・ヤマトがティエレンを設計した根底にあるのは「兵器」としての思想ではない。ジャンク屋や民間人が、複雑な訓練を経ずとも、重機や建機を扱う延長線上の感覚で安全に運用できる「民生用作業機」としてのインターフェースである。
歩行のバランス制御から、地形の起伏に対するアクチュエーターの自動調整、さらには射撃時における反動吸収の姿勢制御に至るまで、パイロットが「こう動かしたい」と直感的にレバーを倒すだけで、OS側が全自動で機体各部への最適な命令言語へとコンパイルし、完璧に実行してしまうのだ。
「オーライ、システムオールグリーン! 次のブロック持ってこい!」
士官が呆然としている間にも、地下格納庫では狂気的な速度で「素人パイロットの量産」が始まっていた。
モビルスーツの操縦資格を持たない一般歩兵、通信兵、手が空いている者が次々とティエレンの無骨なコックピットへと押し込まれていく。
彼らはヘルメットを被り、泥縄式の簡単なレクチャーを受けただけで、信じられないほどスムーズに機体を立ち上がらせ、駆動系のアイドリングを安定させていた。
「いいか、坊や」
曹長は振り返り、メインゲートへと続く暗く長い坑道──リニアガンタンクとストライクダガーのシールドによって構築された、即席のトーチカ陣地を顎でしゃくった。
「外で玉砕しに行ったあんたんとこのバカどもには悪いが、コイツは『待ち』に徹した時、文字通り不落の要塞と化す。素人だろうがなんだろうが関係ねえ。狭い通路の奥にこのティエレンを並べて、TC-OSのオートエイム機能を通路の入り口に完全固定しておく。あとは、センサーが敵の熱源を感知した瞬間、コックピットに座ってる連中が『ただ引き金を引く』だけでいい」
大西洋の士官の脳裏に、その光景が鮮明に浮かび上がった。
メインゲートの分厚い残骸をこじ開け、意気揚々と侵入してくるザフトのMS部隊。
だが、彼らを待っているのは、身動きの取れない極小の直線通路と──その奥から放たれる200mm滑腔砲と300mm大口径砲の、寸分の狂いもない『死の壁』である。
「高機動のジンだろうが何だろうが、避けるスペースのねえ直線通路じゃ、機動力なんざクソの役にも立たねえ。踏み込んだ瞬間、装甲ごとミンチになって終わりだ。俺たちはこのアラスカの地下で、ザフトの化け物どもに『真の泥沼の塹壕戦』ってやつを教えてやるのさ」
曹長の言葉には、圧倒的な物量とシステムに裏打ちされた、冷酷なまでの確信が満ちていた。
地球軍の誇る最先端の洗練されたテクノロジーが、宇宙の脅威を前にあっけなく崩壊したその廃墟の底で。
泥臭く、時代遅れに見えながらも、徹底的に人間の闘争本能と生存の執念に寄り添うように設計された「鋼鉄の鉄人」が、絶望の淵に立たされた残存兵たちを糾合し、史上最悪の防衛網を構築していく。
「さあ、始めるぞ、大西洋の坊や。あんたらの盾のすぐ後ろが、俺たちの大砲の指定席だ」
轟音を響かせながら、次々と産声を上げる緑色の巨神たちが、地響きと共に前線へと行軍を開始する。
アラスカの地下深く──逃げ場を失ったネズミたちが牙を剥く、血も凍るような『処刑場』が、今まさに完成しようとしていた。
最初はパナマみたいな凄惨な結末になるんだろうなって調子で書いてたのさ。
でも、何処にでもあっても不思議じゃない設定にしたせいか、勝手にポップしちゃったティエレンマジなんなん?
きのこかたけのこかお前は?
籠城戦、出入り口は一カ所直線的。
ヒャッハー!!ナチュラル共は皆殺しだーー!!
ティエレン「ドーモ、コーディネイター=サン、ティエレンです」
アイエエエ!?!?ティエレン!?ティエレンナンデ!?!?
ジッサイカタイ!ヤスイ!オトク!カンタン!
なーんでこんな所にもティエレンは居るんだと言われたら、そりゃ地球軍総本部でユーラシア連邦の駐留部隊も居るんだから、ティエレンは居るし、そのティエレンをメンテナンスする設備とかパーツは一通りあるわけで。
マジでユーラシア連邦部隊ティエレン一本化したから、ユーラシアが居るところには絶対ティエレンが居るって証明になったちゃったんだよなぁ。
誰だよこんなティエレン一本化なんて軍略改革したのは。