キラ・ヤマトになってしまった…   作:星乃 望夢

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PHASE-77 オーブ連合首長国軍准将キラ・ヤマト

 

 プラント最高評議会、およびザフト軍国防委員会の空気は、重く沈鬱なものと、微かな安堵が入り交じる極めて複雑な様相を呈していた。

 

 大局的な戦争の趨勢を一気にプラント側へと傾けるはずだった地球連合軍最高司令部アラスカ基地JOSH-A攻略作戦──『オペレーション・スピットブレイク』。

 

 その結果は、ザフトにとって手痛い「失敗」に終わった。

 

 作戦失敗の引き金となったのは、ユーラシア連邦が誇る歩く城塞『ティエレン』部隊による、地を這うような頑強極まる抵抗だった。

 

 実弾をことごとく弾き返し、面制圧でザフトのMSを削り取る防衛線を抜けきれず、さらには戦場へ突如として増援に現れた大西洋連邦の簡易量産機『ストライクダガー』による挟撃。

 

 この致命的なクロスファイアの前に、ザフトの主力攻撃部隊は作戦の継続を断念し、血を吐くような撤退を余儀なくされたのである。

 

 それに先立つ陽動作戦であったビクトリア基地攻撃部隊の甚大な消耗も、決して無視できる数字ではなかった。

 

 しかし、ザフトは全てを失ったわけではない。

 

 アラスカ攻略という最大の目的こそ頓挫したが、彼らは地球における「資源の血脈」を確固たるものにすることには成功していた。

 

 ヨーロッパのジブラルタル基地から地中海を抜け、インド洋を通ってオセアニアのカーペンタリア基地、そしてアジアのカオシュン基地へと至る、広大にして強固な「制海権」の確立である。

 

 さらには、消耗したビクトリア基地攻撃部隊を再編成してアフリカ北部を迅速に占領。

 

 これにより、豊富な資源を誇るアフリカ大陸、大洋州連合、そして汎ムスリム会議からの資源供給ラインが日々活発化し、開戦以来プラント本国が抱え続けていた「資源枯渇の危機」を首の皮1枚で回避することに成功したのだ。

 

 だが、ここで新たな、そして極めて物理的な問題が浮上した。

 

 地上で掻き集めた莫大な資源を、どうやって宇宙のプラント本国へと打ち上げるか、である。

 

 現在、マスドライバーが稼働しているカオシュンへと地球半周分もの物資を集約させてから打ち上げるのは、輸送コストと時間の観点からあまりにも非効率すぎる。

 

 かといって、ジブラルタルやカーペンタリアから従来通りシャトル便を使って打ち上げていたのでは、貨物積載量に限界があり、プラントの巨大な工業力を回すには到底追いつかない。

 

 そこでザフト国防委員会は、物資打ち上げの新たな大動脈として、「ジブラルタル基地へのマスドライバー新規建造」という一大プロジェクトを決定した。

 

 これを完遂し、広大な占領地と長大なシーレーンを防衛するためには、何よりも「モビルスーツの数」が絶対的に必要であった。

 

 しかし、アラスカとビクトリアで失われたジンの喪失数は、プラントの生産ラインをフル稼働させても容易に埋め合わせがつくものではない。

 

 そこへ、ザフト諜報局から信じがたい「機体」の情報がもたらされた。

 

 ジャンク屋組合の市場に出回り始めたという、自衛戦闘用民生MS。

 

 『フレック・グレイズ』。

 

 当初、軍の上層部は「ジャンク屋上がりの民間用MSなど」と冷笑した。しかし、その詳細なスペックと「生産体制」のデータを目にした瞬間、彼らの顔色は劇的に変わった。

 

 13.8mという一回り小さなボディ。装甲にはビームをことごとく弾く驚異の『ナノラミネート装甲』を採用。

 

 だが、ザフトが最も身震いしたのはその防御力ではない。機体を構成する簡略化されたフレームと、徹底された『モジュールブロック構造』の異常なまでの合理性であった。

 

 ザフトの工廠でジンを1機、精密に組み上げ、OSの調整を行っている間に。

 

 フレック・グレイズならば、胴体ブロックに腕と脚のモジュールを「接続するだけ」で、物理的な建造が完了してしまう。生産の手間はティエレンと全く同じ、いや、小型である分だけそれ以上だ。

 

 そして組み上がった直後、搭載されている『TC-OS』の自己診断・補正プログラムがその場で瞬時に機体の重心や出力バランスを最適化し、ロールアウトと同時に実戦投入が可能となる。

 

 その量産スピードたるや、ジンの実に2倍から3倍という、コズミック・イラの兵器生産の常識を破壊する狂った生産性であった。

 

 さらに、機体が小型であるため消費する資源の量も少なく、コストも圧倒的に安い。

 

 極めつけは、あの『TC-OS』の存在だ。

 

「ナチュラルの素人が1時間触るだけで、熟練パイロット並みに動かせる」という魔法のOS。それは即ち、「優れた身体能力を持つコーディネイターの兵士が乗れば、一切の機種転換訓練を必要とせず、その瞬間にエースパイロット級の挙動を引き出せる」という恐るべき事実を意味していた。

 

 プラント最高評議会と国防委員会は、もはや躊躇している余裕などなかった。

 

「ザフト兵たるもの、コーディネイターの誇りであるジンやシグーに乗るべきである」などという高慢なプライドは、前線で流れた同胞の血と、圧倒的な兵力不足という現実の前にかなぐり捨てるしかなかった。

 

「……背に腹は代えられん。早急に、ジャンク屋組合からこの『フレック・グレイズ』を調達しろ。正規のルートが無理なら、ダミー会社を使ってでも、あるだけ全て買い占めろ!」

 

 アラスカでの大敗とビクトリアでの消耗を埋め合わせ、ジブラルタルのマスドライバー建造を死守するため。

  

 プラントは、ジャンク屋組合向けにオーブの特異点が造り上げたこの「安くて資源に優しく、即戦力になるMS」を、喉から手が出るほどの渇望をもってかき集め始めたのである。

 

 キラ・ヤマトが仲間を守るために生み出した「小さな盾」は、その異常なまでの生産性と完成度の高さ故に、ザフト軍の「絶対的な頭数」として、戦場へと大量に呑み込まれていく運命にあった。

 

 

◇◇◇

 

 

 ただでさえ、「自衛戦闘民生用MS」という欺瞞に満ちた建前を引っ提げて現れた『フレック・グレイズ』という小型で異常な生産性を誇る機体が、ジャンク屋組合を経由して各勢力──とりわけザフト軍の軍事ドクトリンを根底から揺るがし、凄まじい勢いで兵器のパワーバランスを塗り替えようと騒がせている真っ只中。

 

 その余波すら収まらぬ世界に、今度は軍事部門という狭い枠組みを飛び越え、文字通り地球上の全人類を震撼させ、歴史の転換点となる超特大のニュースが駆け抜けた。

 

 かつて、「血のバレンタイン」への報復としてザフト軍によって地球全土の地中深くへとばら撒かれた無数のニュートロンジャマー。

 

 核分裂反応を完全に抑制してしまうその装置のせいで、地球上のあらゆる原子力発電所は一瞬にして沈黙した。

 

 深刻なエネルギー不足に陥った地球は、文字通りの「死の冬」を迎えた。電力インフラの崩壊は即ち、暖をとることも、食糧を生産し輸送することもできなくなることを意味する。

 

 飢えと寒さ、そしてそれに伴う暴動と混乱により、どれほど多くの無辜の命が、暗闇の中で絶望と共に消えていったことか。

 

 地球に住む人々にとって、ニュートロンジャマーとは、自分たちから光と温もりを奪い取った「ザフトによる最悪の呪い」そのものであった。

 

 その忌まわしい呪いを完全に無効化し、再び核の火を灯すことができる夢のシステムが、極東の小国・オーブ連合首長国の、とある技術者の手によって開発・実用化されたというニュースは、凍えていた世界を文字通りの歓喜の渦で沸き立たせた。

 

「これで、もう凍えなくて済む!」

 

「工場が動く! 病院の電力が戻る! 生活が、元に戻るんだ!」

 

 地球の各地で、人々は安堵の涙を流し、救世主たるオーブに向かって祈りを捧げた。

 

 無論、この圧倒的なエネルギー技術を前に、世界各国の政府や軍上層部が黙っているはずがない。

 

 大西洋連邦、ユーラシア連邦、赤道連合など、あらゆる国家群が即座にオーブへと特使を派遣し、莫大な資金や技術交換を条件に、NJCの技術供与とライセンス契約を打診した。

 

 だが、オーブ側から提示されたNJCのライセンス要項の冒頭には、血のように赤い文字で、絶対不可侵の条項が刻まれていた。

 

 

【絶対遵守条項】

第一項:本技術(ニュートロンジャマーキャンセラー)の軍事転用(兵器への搭載、軍事施設の動力源としての使用を含む一切の軍事的利用)を、いかなる理由があろうとも固く禁ずる。本技術は、民生用のエネルギー供給網の復旧および維持のみに限定して使用されるものとする。

 

第二項(制裁規定):本技術の軍事転用が確認された場合。オーブ連合首長国は、当該国・当該組織と契約中である全ての技術ライセンス契約を即時打ち切る。

 

 

 それは、世界に対する究極の「平和への脅迫状」であった。

 

 軍事転用さえしなければ、核の火が戻り、再び暖かで豊かな生活が戻ってくる。大多数の一般市民にとっては、何一つ不利益のない、むしろ歓迎すべき絶対の条件である。

 

 彼らは「軍事利用などせずに、一刻も早くインフラを復旧させろ」と、自国の政府に対して強烈な世論のプレッシャーをかけ始めた。

 

 しかし、この条項によって、水面下で世界を支配しようとしていた一部の狂信者たちや、したたかな国家の思惑は、完全に息の根を止められることとなった。

 

 最も致命的な打撃を受けたのは、大西洋連邦のヘブンズベースに陣取るロード・ジブリールらブルーコスモスの急進派である。

 

 彼らの悲願は、コーディネイターたちを青き清浄なる炎で焼き払うことであった。そのために、彼らは虎視眈々と核の復活を待ち望んでいたのだ。

 

 しかし、もし彼らがNJCを入手して核ミサイルを撃てば、どうなるか。

 

 オーブは即座にライセンス契約を打ち切り、「オーブの定めた平和のルールを破り、再び世界をエネルギー危機と核の恐怖に陥れようとした大罪人」として、全世界の民衆と、オーブの軍事支援を受けるユーラシアなどから「世界の敵」として一斉に袋叩きに遭うことは火を見るより明らかであった。

 

 彼らは核を手に入れる道を、政治的にも物理的にも完全に絶たれてしまったのだ。

 

 一方、プラント最高評議会や国防委員会の面々もまた、このニュースに激しい舌打ちを漏らしていた。

 

 実はプラントは、地球とは別に、すでに自国開発による「独自のNJC」の開発を終えていた。

 

 彼らはこの「ザフト製NJC」を切り札として隠し持ち、地球のエネルギー危機が限界に達したタイミングで、「我々に有利な条約(プラントの完全な独立承認と、地球の資源提供)を呑むなら、NJCの技術を恵んでやってもいい」という、地球の理事国に対する極めて優位な外交交渉のカードとして使う予定だったのだ。

 

 ところが、オーブが先に、しかも「軍事転用禁止」という極めて人道的に完璧な大義名分を掲げて無償に近い形でNJCのライセンスを全世界に公開してしまった。

 

 これにより、プラントが用意していた切り札は、ただの紙切れ同然に成り下がった。

 

 もはや「NJCを対価に交渉する」という道は完全に絶たれ、地球側に対して圧倒的優位に立つための重要なカードとしての価値を、オーブに先手を打たれて完膚なきまでに叩き潰されたのである。

 

 そして、このライセンス要項に仕組まれた、政治家や軍高官たちだけが気づき、戦慄した「真のエゲツなさ」は別のところにあった。

 

 NJCのライセンス要項は、あくまで「オーブから技術供与を受ける他国」に対する縛りである。

 

 つまり、開発元であり技術提供者である「オーブ連合首長国自身」は、この軍事転用禁止の縛りを一切受けないのだ。

 

 もしオーブが、自国の防衛のためにNJCを搭載した兵器を実戦投入したとしても。

 

 世界中のどの国も、オーブを非難することはできない。なぜなら、自分たちの国のライフラインたるエネルギーインフラと、軍の主力モビルスーツを動かしているOSの生殺与奪の権利を、完全にオーブに握られているからだ。文句を言えば、自国が闇と鉄屑の底へと突き落とされる。

 

 つまるところ、このコズミック・イラの世界において、「核の火という絶対的なエネルギーを、軍事力として合法的に計上できるのは、自国産のNJCを隠し持つプラントと、全ての首根っこを握ったオーブの二カ国だけである」という、恐るべきパワーバランスがここに完成したのである。

 

 

◇◇◇

 

 

 キラ・ヤマトの脳裏には、シーゲル・クラインから託された、一見すれば単なるデータドライブの、その恐るべき重みが未だに焼き付いていた。

 

 ドレッドノートと共に彼の手元にもたらされたのは、世界を呪縛から解き放つ奇跡の技術――「ニュートロンジャマーキャンセラー」の完全な設計データであった。

 

 確かにキラは、依頼通りにマルキオ導師の元へとデータを届けた。

 

 だが、その足でオーブのモルゲンレーテへと戻ったキラの瞳には、かつてないほど冷徹で、悲痛な決意が宿っていた。

 

 キラの頭脳は、ジャンク屋ネットワークを通じてNJCが無条件にばら撒かれた後の「最悪の未来」を、狂いのない解像度でシミュレートしていた。

 

 もし、何の制約もなしにこの技術が世界中に出回れば、どうなるか。

 

 平和のためのエネルギー復旧に使う者も当然いるだろうが、必ず、絶対に、その技術を「大量破壊兵器」へと軍事転用する組織が雨後の筍のように現れる。

 

 特に、キラの心の中にどす黒く渦巻いているのは、アイスランドのヘブンズベースに陣取るブルーコスモスの盟主、ロード・ジブリールという男の狂気に対する「絶対的な負の信頼」であった。

 

 「青き清浄なる世界のために」という狂信的なスローガンを掲げ、味方の兵士すら囮にして見捨てるあの男が、NJCを手に入れて大人しく発電所に組み込むはずがない。

 

 彼は必ず、NJCを搭載した無数の『核ミサイル』を製造し、プラントに向けて撃ち放つ。

 

 宇宙でプラントに住まうコーディネイターたちが、核の閃光に焼かれて蒸発する。

 

 そして、プラント側も報復として地球全土に未曾有の反撃──ジェネシスによる直接的な絶滅戦争――を仕掛けてくる。

 

 NJCの無差別な解放は、地球のエネルギー危機を救うどころか、地球とプラントの双方を完全に消滅させる「終末の時計」の針を一気に進めるだけの愚行なのだ。

 

 だからこそ、キラは自らの手を底知れぬ泥と欺瞞で汚す決断を下したのである。

 

 彼は、ザフトが血の滲むような思いで開発したドレッドノートのNJCデータを徹底的に解析・再構築し、アーキテクチャの表面をモルゲンレーテの暗号化プロトコルで偽装した。

 

 そして、そのシステムを「オーブ連合首長国が、世界の人々を救うために『独自開発』した奇跡の技術」として、全世界に向けて大々的に公表・提供したのである。

 

 本来であれば、ジャンク屋組合から流れるはずだった「無条件の恵み」は、オーブという国家が厳格に管理する「ライセンス契約(絶対的な軍事転用禁止と、違反時の全ライセンス停止という首輪付き)」へと姿を変え、世界の全国家に無理やり飲み込まされた。

 

 これは、一見すれば人道支援を装った、オーブによる地球全土への『経済・軍事的支配』の宣言に他ならない。

 

 オーブの国力と技術力を背景に、世界中の軍事システムとインフラの生殺与奪の権を完全に掌握する。

 

 それは、シーゲル・クラインが望んだような美しい理想とは程遠い、恐ろしくエゲツなく、そして冷酷な「抑止力」の強制であった。

 

 何が何でも、ジブリールにだけは、絶対に核の火を握らせてはならない。そのための『世界的な楔』。

 

 モニターに次々と映し出される、各国からのライセンス契約締結の通知。それを見つめながら、キラは乾いた唇を噛み締めた。

 

 これで、ジブリールは表立って核兵器を開発する大義名分とルートを完全に絶たれた。

 

 もし彼がオーブの禁を破り、NJCを搭載した核ミサイルを製造・使用した瞬間に、大西洋連邦の稼働する全MSは沈黙し、世界中から「再び地球をエネルギー危機に陥れようとした大罪人」として袋叩きに遭う。

 

 だが、それでも。キラの心の中に巣食う不安が完全に消え去ることはなかった。

 

(流石にジブリールでも、世界を敵に回して、自軍のMS部隊を完全に機能不全に陥らせてまで、プラントに核ミサイルを撃ち込むようなことは……)

 

 そこまで思考を巡らせたところで、キラは大きくかぶりを振った。

 

 ──いや、あの狂信者の群れならば、「絶対にやりそう」なのだ。

 

 彼らは実利や戦術よりも、「コーディネイターの殲滅」という教義を優先する怪物たちだ。

 

 自国の兵士やインフラがどうなろうと、一時的な混乱に乗じて一発でも核をプラントに叩き込めるなら、笑いながらボタンを押すかもしれない。

 

「……どうか、今すぐにはやらないでほしい。せめて、僕たちが準備を終えるまでは」

 

 それは、天才技術者としての計算ではなく、一人の優しすぎる少年としての、縋るような『希望的観測』でしかなかった。

 

 偽りの平和。薄氷の上の抑止力。

 

 NJCというパンドラの箱を、自らの嘘と権力で無理やり押し留めながら。キラ・ヤマトは、いつか必ず破綻するであろうその「狂気の連鎖」を根本から断ち切るため、来るべき日に備えて、アメノミハシラでさらに強大な『悪魔』の建造を急ぐのであった。

 

 

◇◇◇

 

 

 先日、オーブの光たるウズミ・ナラ・アスハと、影たるロンド・ミナ・サハクが、あの少年の処遇について「これ以上の重圧は与えず、我々大人が隠れ蓑となる」と、固い確認と決意を交わし合ったばかりだというのに。

 

 この狂ったコズミック・イラという世界は、またしてもキラ・ヤマトというたった一人の優しすぎる少年に、余りにも大きすぎる、そして残酷な『業』を背負わせてしまった。

 

「ニュートロンジャマーキャンセラー」

 

 シーゲル・クラインからの依頼で、マルキオ導師を通じて密かに世界へ解放されるはずだったこの奇跡の技術を、「オーブ連合首長国という主権国家の『独自開発技術』として、厳格な軍事転用禁止のライセンス付きで世界へと供与する」。

 

 キラからその提案と、彼自身が書き換えた偽装データの詳細を告げられた時、ウズミは血相を変えて激怒し、即座に反対した。

 

「馬鹿な真似をするな! そんな事をすれば……そのシステムの開発者として歴史に名を刻むお前は、世界中の全人類の生殺与奪を握る独裁者として、永久に取り返しのつかない業を背負うことになるのだぞ!」

 

 エネルギーを人質に取り、世界の軍事バランスを一個人の裁量で縛り上げる。それは神の所業であり、同時に最も忌むべき悪魔の所業である。

 

 まだ16歳の少年に、そんな呪いのような役割を被らせることなど、オーブの獅子としての、いや、一人の人としてのウズミの魂が絶対に許さなかった。

 

 だが、ウズミの怒鳴り声を真っ向から受け止めたキラの瞳には、かつて見せたような怯えも、戸惑いも一切なかった。

 

 そこにあったのは、ただひたすらに冷え切った、絶望的なまでの『負の確信』であった。

 

「……ウズミ様。もしこの技術を無条件で解放すれば、ブルーコスモスは必ず、何が何でもこれを使って『核ミサイル』を造ります。そして、血のバレンタインの悲劇──ユニウスセブンへの核攻撃を、今度はプラント全土に向けて絶対に引き起こす」

 

 淡々と、しかし凄まじい熱量を孕んだキラの言葉。

 

 彼らはやる。自国のインフラがどうなろうと、地球が再び死の冬を迎えようと、コーディネイターを絶滅させるためならば笑って核のボタンを押す。

 

 キラの瞳は、ロード・ジブリールという男の底知れぬ狂気を、そして歴史が最悪の方向へ転がることを完全に予見していた。

 

「僕が業を背負うだけで、核の炎から無数の命が守れるなら。……僕は喜んで、世界で一番醜い死の商人になります」

 

 その悲壮なまでの覚悟と、哀しげに微笑む少年の顔を見た瞬間。ウズミは、己の敗北を悟るしかなかった。

 

 大人が守ってやるなどという甘い次元は、とうに過ぎ去っていたのだ。

 

 この少年はすでに、自らの魂をすり潰してでも世界を救うという、後戻りのきかない修羅の道の中央に立っている。

 

 ならばこそ──ウズミは即座に思考を切り替えた。

 

 最早彼を『一介の平の技術士官』などという、無責任な立場に留めておくほうが、国家としても彼自身にとっても危険過ぎる。

 

 オーブの極秘技術はおろか、世界のエネルギーインフラと核の抑止力すら個人的にコントロールする人間が、軍の末端士官であってはならない。

 

 他国から見れば「オーブは軍の統制すら取れていないのか」と侮られ、あるいは「あんな末端の少年さえ暗殺・拉致すればオーブの技術は奪える」という致命的な隙を与えかねないからだ。

 

 ウズミは直ちにアメノミハシラのロンド・ミナ・サハクと極秘裏に結託し、オーブの軍部、そして行政府の議会へと凄まじい圧力をかけ、ある「特例人事」の強行採決へと動いた。

 

 根回しは、驚くほど容易かった。いや、むしろ「熱狂的」でさえあった。

 

 まずオーブ軍部。

 

 現場の将兵たちにとって、キラ・ヤマトはすでに信仰の対象に近い。

 

「国家の防衛」という綺麗事ではなく、「前線で戦う俺たち兵士の命を、最優先で生き残らせるため」にあらゆるオプション装備を寝る間も惜しんで開発してくれた彼に対する、熱心なシンパが、軍内部には自然発生的に、かつ爆発的に広がっていた。

 

 軍の上層部ですら、彼の提出する設計図にはもはや一切の口出しをせず、承認印を押すだけの信者と化していた。

 

 そして、オーブ議会。

 

 彼らもまた、連日国庫に雪崩れ込んでくる『TC-OS』の莫大なライセンス使用料によって、完全に頭のネジが飛んでいた。

 

 かつてはただの技術立国だったオーブを、大西洋連邦やユーラシア連邦といった超大国と肩を並べる「世界トップレベルの経済大国」へと一気に押し上げた少年の功績。

 

 それに加え、今回の『NJC』の独占供与である。

 

 これにより、オーブは世界に核の火を取り戻させる「絶対的な救世主」となり、世界の命運を握る覇権国家へと文字通り昇り詰めた。

 

 議会の中で、キラ・ヤマトの待遇改善に反対する者など、ただの1人もいなかった。 

 

 むしろ議員たちは顔を青ざめさせながらこう囁き合った。

 

「彼をこのまま冷遇して、万が一他国に亡命でもされたら、オーブは終わるぞ……!」

 

「寧ろ、なぜあんな神に等しい少年が、今まで文句の一つも言わずに『技術三尉』などという奴隷のような立場で甘んじていてくれたのだ!? それ自体が奇跡ではないか!」

 

 世界の軍事バランスの首根っこを握り、オーブを世界最強の武装中立国家へと押し上げた、空前絶後の鬼才。

 

 今この瞬間に、彼の待遇改善に異を唱えれば、オーブ国民と軍部の怒りを買い、己の政治生命が完全に絶たれることは誰の目にも明らかであった。

 

 故に、オーブの歴史上類を見ない、否、人類の軍事史においてすら前代未聞の「可及的速やかなる絶対的待遇改善」が実行された。

 

 2階級特進などという生ぬるい次元を超え、軍の法務局が白目を剥いて特例法案をでっち上げるという荒業の連続。

 

「ほぼ1週間掛けて、毎日一個ずつ階級が上がっていく」という、もはや喜劇とも呼べる狂気の昇進劇が幕を開けたのである。

 

 月曜日に「技術二尉」に昇進したかと思えば、火曜日には「技術一尉」、木曜日に「三佐」の佐官バッジを受け取り、金曜日には「二佐」、土曜日には「一佐」。

 

 そして日曜日の朝。オーブ全土に流された官報の末尾には、キラ・ヤマトの階級が『准将』へと到達したことが、厳かに、しかし世界を威圧するような事実として記されていた。

 

 軍事訓練も受けておらず、士官学校の教練も経ていない、生粋の「技術士官」。

 

 通常であれば、どれほど優秀な技術者であろうとも、一生を懸けて退役間近に名誉職として「一佐」か「准将」の席をどうにか用意されるのが限界の地位である。

 

 そこに、若干16歳の、あどけなさすら残る少年が座る。

 

 本来であれば、これだけの功績──自国の経済を過去最高に跳ね上げ続け、兵器の概念を覆し、エネルギー危機を解決して地球規模の餓死者を救ったノーベル平和賞と経済学賞と物理学賞を同時に受賞するレベルの発明──をしているのだから、「将軍」の椅子を与え、国家元首に据えてもまだ足りないほどの価値がある。

 

 だが、そこはやはり、ウズミ・ナラ・アスハが『大人の最後の立つ瀬』であった。

 

 あえて、トップである将官の末席「准将」で昇進を止めた理由。

 

 それは、彼に「軍の各基地の司令官クラスに命令を下せる絶対的な権限」と「他国の首脳陣と対等に渡り合える政治的地位」を与えつつも。

 

 その頭上には、将軍、そしてウズミを始めオーブ行政府が依然として立ち塞がっているという「形式上の階層」を残すためだ。

 

 万が一。

 

 キラの造り上げた兵器が世界を完全に破壊してしまった時や、彼の強行したライセンス契約が原因でオーブが世界中から核ミサイルの的になり、国家が滅亡の危機に瀕した時。

 

 その最終的な責任を、16歳の少年に「最高責任者」として一人で背負わせ、処刑台に上げるような真似だけは絶対にさせない。

 

 その時は、上にいるウズミたち大人の将官クラスが「我々が全て命令し、利用したのだ」と全責任を被り、泥を被って死んでやる。

 

 『准将』という階級章には、そんなオーブの大人たちの、痛切なまでの庇護欲と、己の無力さへの懺悔が込められていた。

 

「……似合わないな、こういう服は」

 

 真新しい、しかしまだ少し肩幅の余る「将官用の軍服」に袖を通したキラは、鏡の前で自身の襟元で重々しく輝く准将の階級章を見つめ、ひどく疲れたような、苦笑交じりの溜息を漏らした。

 

 彼にとっては、三尉だろうが准将だろうが、どうでもいいことだ。 

 

 ただ、これでアズラエルや他の国家元首たちとの交渉において「末端の技術者」と侮られることなく、よりエゲツない契約を突きつけることができる。

 

 ただその為によりドロドロな政治交渉をする立場になってしまったのは最早仕方がない。

 

 少年は、自らを縛る新たな『金色の鎖』を愛おしげになでると、愛する者たちを紅蓮の炎から守り抜くため、踵を返して部屋を出た。

 

 

◇◇◇

 

 

 凍てつく氷の大地、アイスランド・ヘブンズベース。

 

 その最深部にある総司令本部において、ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールが放った声は、副官の背筋を芯から凍り付かせるほどに、不気味なまでに静かで、そして透徹していた。

 

「アラスカに部隊を派遣しろ。組み上がった『アヘッド』を中心に、ヘブンズベースの戦力の半数を移動させるのだ」

 

「ジ、ジブリール様。しかし、アラスカは先の作戦以降、実質的にユーラシア連邦の管轄下に置かれておりまして……我々が大規模な部隊を動かせば──」

 

「同じ『地球連合軍』だ」

 

 ジブリールは、テーブルに置かれたクリスタルグラスを細い指で弄びながら、一切の感情を排した声で遮った。

 

「次の反攻作戦のための、一時的な寄港・中継地点としての利用に過ぎない。いちいち目くじらを立てる事もあるまい。表向きの理由などどうとでもなる。『ザフトに奪われたカオシュン宇宙港の奪還作戦に向けた、太平洋方面への部隊展開』とでも通達しておけば良い」

 

「で、では……真の標的は、カオシュンではなく……」

 

「オーブだ」

 

 パチン、と。ジブリールの指先でクリスタルグラスが弾かれ、高く澄んだ音を立てた。

 

「我々の『浄化の炎』を取り戻すために。オーブのモルゲンレーテと、そして宇宙への架け橋であるマスドライバー施設『カグヤ』を、我が軍で接収する」

 

「し、しかし! 今のオーブを攻めれば、彼らが握る技術ライセンスと、NJCのエネルギー供給網を盾にされ、世界中から非難を──」

 

「だからこそ、大義名分を作るのだ」

 

 ジブリールの口角が、三日月のように歪に吊り上がった。

 

 それは、怒り狂ってヒステリーを起こすいつもの彼とは全く違う。核の炎を小賢しい手段で奪われたことに対する凄まじい怒りが、沸点を通り越して絶対零度へと達し、極めて冷酷で論理的な「殺意」へと純化された結果であった。

 

「オーブのキラ・ヤマトは、表向きはジャンク屋組合という中立組織に身を置きながら、あろうことか敵であるザフト軍へもMSを大量供与している『裏切り者』だ。ましてや、奴は忌まわしきコーディネイターなのだぞ」

 

 ジブリールの青い瞳に、暗く濁った狂信の炎が宿る。

 

「その悪魔が中枢に巣食うオーブは、中立を騙りながらユーラシアやアズラエルの派閥と裏で結託し、兵器の技術提携を行っている。中立国家など聞いて呆れるではないか。……そんな腐敗した連中に、世界の命綱であるNJCを独占させる危険性が分からぬ者もいまい」

 

 副官は、ジブリールの口からスラスラと紡ぎ出される「完璧な詭弁」に息を呑んだ。

 

「奴らは地球国家の市民でありながら、プラントのコーディネイターと結託し、地球軍の足を引っ張り陥れた内通者だ。NJCを盾に世界を恫喝する、人類の敵だ。……ならば、我々地球軍総司令部が、その『非協力的なテロ支援国家』に正義の鉄槌を下し、技術を全人類の手に取り戻す。これ以上ない、完璧な大義名分だろう? 違うかね?」

 

「は、はっ! 仰る通りであります……! 直ちに、部隊の出撃準備に掛からせます!」

 

 恐怖に駆られた副官が逃げるように退室していく。ジブリールは司令室のスクリーンに映るオーブの地図を憎々しげに睨みつけた。

 

「……生意気な小僧が。私から炎を取り上げた代償は、貴様自身の命と、貴様の愛する国で支払ってもらうぞ」

 

 ジブリールは理解していた。

 

 アズラエルやユーラシア連邦の将官たちが、キラ・ヤマトの生み出す技術に骨抜きにされ、飼い慣らされていることを。

 

 ならば、彼らがオーブを庇う前に、圧倒的な戦力で電撃的にオーブの首魁を討ち取り、モルゲンレーテの技術とマスドライバー、そしてNJCを手中に収めてしまえばいい。

 

 すべてを奪い取ってから「我々が管理する」と宣言すれば、力を失ったアズラエルやユーラシアどもは、結局はこちらに傅くしかなくなるのだ。

 

 ヘブンズベースの巨大なゲートが開き、吹雪を切り裂くように無数の輸送機が飛び立った。

 

 その貨物室に積載されているのは、ユーラシア連邦から部品を掻き集め、ブルーコスモスの「純粋なナチュラル」の手によって組み上げられた主力量産機『アヘッド』の大群である。

 

 皮肉にも、憎きコーディネイターであるキラ・ヤマトが心血を注いで設計したフレームを内包するその赤銅色の悪魔たちは、キラ・ヤマト自身とオーブを焼き払うための「正義の軍団」として、北極海を越え、アラスカのJOSH-Aへと大移動を開始した。

 

 世界を救うための絶対的な抑止力として打ち込んだはずの「NJCのライセンス」という名の楔。

 

 しかしそれは、狂信者の暴走を止めるどころか、オーブという国そのものを「世界で最も価値のある標的」へと変えてしまったのだ。

 

 青き清浄なる世界を求める狂信の矛先が、かつてない規模の軍勢となって、太平洋に浮かぶ平和な武装中立国家へと、確実にその照準を合わせようとしていた。

 

 

◇◇◇

 

 

 中米・パナマ基地。

 

 大西洋連邦におけるもう一つの巨大な軍事拠点であり、国防産業連合理事ムルタ・アズラエルの実質的な「城」であるその司令室に、切迫した報告がもたらされた。

 

「ヘブンズベースが動いた?」

 

「はっ! 総司令本部からは『カオシュン宇宙港奪還作戦発令』のため、部隊をアラスカへ集結させるとの通達が来ております」

 

 報告を上げる士官の緊張とは裏腹に、高級な革張りのチェアに深く腰掛けたアズラエルは、呆れたように肩をすくめた。

 

「あーあ、やっちゃう気ですか。ま、そりゃそうでしょうねぇ」

 

「アズラエル理事?」

 

「そんなのブラフですよ。彼らの目的はカオシュンなんかじゃない。オーブだ。NJCを手に入れ、そのままオーブのマスドライバーで宇宙へと上がる気ですよ。アイツら」

 

 アズラエルは、手元の端末に表示されたヘブンズベースの部隊移動ルートを指先で弾き飛ばした。

 

 アイスランドからアラスカへ、そして太平洋を南下してオーブへ。

 

 アズラエルにとって、ロード・ジブリールの浅薄な思考回路など、三流の経済誌のゴシップ記事を読むよりも容易く理解できた。

 

「で、では、我々も直ちに呼応して出撃準備を……如何なさいますか!?」

 

「如何も何も。黙って見てるしかないでしょう」

 

 アズラエルは鼻で嗤い、あっさりとそう言い放った。

 

「一応、同じ地球連合軍で、あちらさんの名目は『総司令部』で『総指揮権』は向こう側にあることになってますからね。出しゃばる義理はありません。……まぁ、応援要請されても、すっぽかしてサボタージュするのが賢明です。いやですよ、あんな『ババ』を掴まされるのは」

 

 もし万が一、ジブリールから出撃要請が来たとしても、適当な理由を並べ立てて黙殺するつもりだった。

 

「Nジャマーの局地的な干渉で通信が届かなかった」「モビルスーツの機材トラブルで部隊が動かせなかった」──政治と軍備のパイプを握る彼にとって、言い訳などいくらでも捏造できる。

 

 あのオーブは、かつての大人しい「技術中立国家」ではない。

 

 今や、世界中の軍事ドクトリンを握り、自国の軍隊を異常なまでの重武装と新技術で固めた「世界を相手に戦える武装中立国家」なのだ。

 

 そして何より、アズラエルが呆れ果てているのは、ジブリールが動いた『タイミング』であった。

 

「あのNJCのライセンス要項が発表された、まさにこのタイミングで攻め込むなんて……トレンドを見れないバカの所業ですよ。全く、これだから狂信者は困る」

 

 アズラエルは忌々しげに息を吐いた。

 

 世界中が、喉から手が出るほど欲しかった『核の火』を取り戻し、オーブを救世主として崇め奉っているこの瞬間。

 

 そのオーブに軍事侵攻をかければ、確実に「人類のインフラを破壊しようとするテロリスト」として全世界から総スカンを食う。

 

「だれが、明日急転直下に暴落すると分かっている株に投資するんですか。アレも一応はロゴスのメンバーなら、その辺りの市場の空気くらい読めるはずなんですけどねぇ……。ま、教義で頭がショートしてる連中には、経済の基本も分からないんでしょう」

 

 アズラエルにとって、今回のジブリールの暴走は「千載一遇の好機」でもあった。

 

 もしジブリールが勝てば、オーブの技術が地球軍に転がり込んでくる。もしジブリールが負けて、あのアヘッドの大部隊ごと海の藻屑となれば、大西洋連邦内部におけるブルーコスモス派の戦力は壊滅し、アズラエルが名実ともに地球軍の全権を掌握できる。

 

 どちらに転んでも、パナマで静観している限り、彼が投資に失敗することは絶対にないのだ。

 

「精々、特等席で見物と行きましょうか。……今のオーブの力がどの程度のものなのか、僕もちょっと興味ありますしね」

 

 アズラエルの瞳の奥で、軍需産業を牛耳る死の商人としての好奇心がギラリと光った。

 

『他国へ侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない』

 

 その理想を掲げる武装中立国家が、実際に今、どれほどの「防衛戦力」を隠し持っているのか。

 

 あのキラ・ヤマトという規格外の天才から、自分は大金でリニアレールガンの設計図を買い取った。だが、オーブ国内には、あれと同等かそれ以上にイカれた『盾』と『矛』が山のように配備されているはずだ。

 

 開戦からただの一度も国土を焼かれず、どの勢力とも本格的な防衛戦を行っていないオーブの真の力。

 

 それを分析し、今後の軍事ビジネスの指標とするための「実戦データ収集」の機会として、ジブリールの部隊は最高の『モルモット』であった。

 

「せいぜい頑張ってくださいよ、ジブリール。……君がオーブの鉄壁にどうやってすり潰されるのか、パナマから見届けてあげるから、さ」

 

 誰もいない海に向けて突撃していく哀れな狂信者たちを嘲笑いながら、ムルタはこれから始まるであろう「世紀の防衛戦」の開幕を、独り優雅に待ち侘びていた。

 

 

 

 




やるかとかどうかと言ったら、多分やっちゃうんだなぁコレが!ってのがジブリールの良いところ。

ナチュラル憎いけど今はそんなこと言ってる前に立て直しと取り敢えず戦略目的は一応達成してるからまだ余裕があるパトリック。

キラとズッ友腹黒ヤクザビジネスマンアズにゃん。

頭C.E.から頭ティエレンに宗教替えしたユーラシア連邦。

何処が物語動かすかとなるとジブリールが動かしやすいから仕方ないネ!

ジブリールの詭弁考えてる時スラスラ書けた自分が怖くなった。え?俺頭ブルコスなの?ってさ。

ただティエレンより実弾に脆くなったアヘッドモドキでどうなるか。

一応スペック的には全領域対応型を目指した次世代ティエレンがベースになってるから、総合性能だとゲイツくらいは動ける?とは思ってるんですよね。

一応ビームには撃たれ強いけど、残念。

リニアレールガンならフェムテク装甲でも貫通するから、アヘッドモドキじゃ耐えられないゾ☆


ナノラミネート装甲について

感想でもご指摘があったので少し書き直して来ました。

そうだった、ゲームだと普通に105ダガーでも問題ないから忘れてた。

MSにラミネート装甲は割に合わないんだった。

しかもフレック・グレイズはさらに小型MSだから余計不向きじゃん!
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