陣が再び指を鳴らすと周囲の景色は変わり便利屋の事務所に戻る。そして、離れた場所に気絶していた四人はそれぞれが気絶したまま寄りかかっている。その四人の怪我の状態を見て、懐に手を伸ばし形代を四枚取り出し4人にかざす。すると、四人の傷はすぐに治っていく。一方で形代は黒ずんでいった。完全に治ったのを確認すると陣は形代を懐に入れた。そして、4人分の失われている神秘を神秘を与える前の量まで与えた。四人が起きるまで陣は検査の結果が書かれた端末の情報を眺めている。
「(先ほどの戦闘でアルが放った弾に込められた爆発は範囲も威力も一番だった。込められた神秘はそこまで多くなかったのになぜだ?)…本当に面白くなってきた。」
陣は四人をしばらく観察した後、自分の部屋に入っていった。それから日が完全に落ちた頃、四人のヘイローが点滅し始めた。丁度その時陣は部屋に入ってきた。
「(時間通りだな。)さて、何から話すべきか…」
人差し指を顎に当てながら口角を少し上げて考えているしぐさをしながらも瞳はアル達を捉えていた。
「うっ、頭が痛い。(陣と戦っていて、私たちは)」
「おはよう。アル社長…いや、この場合はこんばんはかな?」
起きてきたアルに陣は薄い笑みを浮かべながら声をかけた。
「あぁ、負けちゃったのね。」
「良い攻撃だったぞ?その齢でそんな攻撃する者なんてなかなかいなかったし、何より真剣に渡そうしただろ?生き死にをかけた戦いでもないんだからそんなショックを受けなくても良いだろう。」
「そうかもしれないけど、それじゃ駄目よ。(みんながあんなに頑張ってくれたのに私が…)」
「(真面目だな。)それは私を舐めすぎだ。」
「えっ」
「はっきり言うが私と君たちとでは経験値に差がありすぎる。一対一、一対多、多対多、銃を使うものも使わないものも、全て経験している。そんな私に四人だけで勝とうとするのは、例え、実力があってもほぼ不可能だ。まぁ、知らなかったから仕方ないこともあるがもう知っただろ。…絆によって生まれる力の強さは否定しないが、それでは覆せないことも珍しくはない。アル社長、あなたたちはベストで戦って負けた。負けることを悔やむなとは言わないが自分がベストを尽くしたことは否定するな。君が自分の行動を否定すれば他の三人も否定し始めるぞ?お前の目指すアウトローはそんなことをするのか?」
「(違うわ。私が目指すアウトローはこんなところで挫けたまんまじゃないわ。)えぇ、そうね。いつまでも後悔し続けるなんてそんなの全然アウトローじゃないわ。陣、いつか私達があなたを越えて見せるわ!それまで待っていなさい!」
「(面白い…本当に面白い。ここで、諦めない選択を取るとは予想していたが、予想よりも実際に宣言された方が良いな。)おぉ、待っているぞ。だが、私はそう簡単にやられるつもりはない。魅せてくれ。絆の力を…そこで起きてる三人もな。」
陣はアルの後ろを見ながらそう言うとアルは驚きながら振り返った。カヨコは少し目を逸らし、ムツキは悪戯っぽく笑い、ハルカは申し訳なそうな様子だった。
「いっ、いつから…」
「そうかもしれないけどのあたりからもう聞き耳立てていたぞ。」
「ほぼ、最初からじゃない。(しゃっ社長としての威厳が…)」
「くふふー。アルちゃんかっこよかったよ?」
「やっぱり、気づいてたんだね。ごめん、アル。ちょっと話しかけづらそうな雰囲気だったから。」
「すいません。すいません。私なんかがアル様の会話を盗み聞きしてしまい。死んで償いましょうか?」
「待ちなさい、ハルカ。そんなことしなくていいから私も気づかなかったし。」
「(本当に仲が良いな。)聞いてて止めなかってことは挑むのか?(聞かなくても分かっていることだがな。)」
「あったりまえじゃん。私、負けたまんまでいいなんて人いないでしょ。」
「そうだね。アルがあんなに啖呵切ったのに私達が挑まないなんておかしいでしょ。」
「私はアル様の命令に従うだけですから。」
「楽しみにしている。…ところで、何か変化はなかったか?あったら教えてほしいんだが(そこまで期待は持てないが、もしかすると…)」
四人は少し困惑している。自分の身体に目を向けても目を閉じてもいつも通りだったようで、アルは首を横に振った。
「分からないわ。」
「そうか。まぁ、戦闘中の記録はすでに撮っている。それを見ながら確認すれば、なにか分かるかもしれない。」
「そういえば、あの空間ってどうなっているの?あの時は説明してくれなったけど、今は説明してくれるんでしょ?」
「そうだな、技術的に言えばあの技術の発展型だ。あの技術が空間と空間を繋げる技術なのであればこの技術は空間を創るものだからな。」
「空間を創るって、本当に何でもありなのね。」
「ねぇ、陣おばあちゃん。それって別の呼び方無いの?技術ってだけじゃ分かりにくいよー?」
「(教えるつもりはなかったのだが、それもそうだな。)繋げる技術は[空間干渉術 結]、創る技術は[空間干渉術 創]だ。まぁ、[結]と[創]で良いぞ。(もっと分類するなら、前に式つけて誰が使っている技術かもはっきりさせれるし、長くなるだけなんだよな。)[創]について疑問があるかもしれないが「結」を完璧に扱えるようにならなければ使えないし、混乱するだけだぞ?それでも聞きたいんなら説明しても良いが、それはしても明日だ。もう日も暮れてるしな。」
「そうだね。出来ないことを今知るよりも出来るかもしれないことをしっかり覚えないとね。それが必要ならなおさら。」
四人が納得しているのを見て、陣は自室戻るとするが
「そういえば、あなたお風呂はどうするの?」
「ん?(なぜそんなことを今、聞かれるんだ。)あー、誰が先に入るかか?私はどっちでも良いぞ(別空間に風呂を作って一人で入ろうと思っていたんだが)」
「ねぇ、その[創]を使えばお風呂とか作れないの?」
「(気づかれたか)作れるがそれがどうかしたのか?」
「いや、ね?私達、今月、結構ピンチでね?助けてくれないかなーって?」
「(それぐらいなら、というか報復しても生活が安定する可能性も少ない…か。だが、あまりこれを使うのは良いのか?堕落するかもしれないが…身を清める方が大切か。)良いぞ。ただし、これには頼りすぎないように。シャンプーとボディソープを見せてくれ。再現する。風呂のサイズは四人入るぐらいか?」
「何言ってるの?五人でしょ。」
「(広い方が好きなのか?)別に良いが?なぜだ?」
「皆で入るなら五人入るぐらいのサイズ必要でしょ。」
「(嫌な予感がする。)一緒に入るのは四人だろ?」
「五人で一緒に入るに決まってじゃん?」
「ちょっと、ムツキ何言ってるの!?」
「そうだ、一緒に入るんなら四人で良いじゃないか?まだ、一日も経ってない私が一緒に入ったらまずいだろ。」
「えー。でも、裸の付き合いとかあるじゃん。アルちゃんもアウトロー目指すんならそういうことしても良いんじゃない?」
「裸の付き合い…確かにアウトローな人達はやるのかしら?」
「納得しようとするな。否定をしてくれ。というか、まだ日が浅い相手と一緒に風呂は、まずいだろ。言ってしまえば私は部外者だったんだぞ。」
ムツキは陣が困っている様子をからかいながらもそろそろからかうのをやめようとすると
「部外者って、陣は便利屋68の副社長よ。懇親会として、今日は一緒にお風呂に入りましょ。陣、用意できる?」
「(これは何が正解だ?副社長との立場として、風呂に一緒に入る習慣があるならの則って入るべきか?いや、絶対ダメな気がするが社長は善意っぽいのがなぁ…)分かった。用意しよう。」
こうして、便利屋は一緒に入ることが決定しその選択に本気で困惑する陣だった。
今回技術の名前の方式が決まったんですがいつ設定に追加すべきかは未定です。それにしても技術が無法すぎる気がします。誰がこんな設定で書いてしまったんでしょうね?次はお風呂かも?
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