青春に現れる異物たち   作:無幻館

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今回も三人称視点です。


繰り返されるであろう日常

まだ夜が明けて間もないとき陣の目が開く。身体を起こし周囲を一瞥しながら四人の寝ていることを確認する。そして、そのまま寝起きとは思えないほどしっかりした足取りで洗面台に向かう。陣は歯を軽く磨き顔を洗い髪をある程度整えながら一度目を閉じた。

 

 

「ここまで暇があるのも久しぶりだな。」

 

 

ただそれだけ呟いて、皆が寝ている部屋に戻る。戻ったとき少し首をかしげた。

 

 

「(なぜ、この部屋に戻ったんだ?自分に与えられた部屋で作業すればよいのに。…あぁ、そうか。元々ここは応接室でもあり仕事場でもあるのだから()()()()()でここに戻ってきたのか。仕事…では正確には違うが自分の部屋でそんなことはしたくないしな。)」

 

 

納得したという要素で陣は寝ていた場所から一番近い椅子に座りパソコンのように見える端末を開いた。慣れた様子で報復相手の会社の情報を収集する。セキュリティは一応あったが調べてみると更新も特にされていないのを確認すると危機感が足りなさすぎないか?と誰にも聞こえないような小さい声で呟きながら陣は情報を抜き取っていく。絶対に知られはいけないまずい情報がある部分のセキュリティーは他と比べて固かったが陣にとっては関係なく何も問題ないと言わんばかりに情報を抜き取っていった。全ての情報を抜き取るまでに時間はかからず、ついでに黒い噂がある会社の情報も抜き取りながら陣は作業を進めていくとセキュリティにある共通点を見つけていた。

 

 

「(一部のセキュリティが似ている?もしかして、これは外部に委託しているのか?金の流れを調べてみるか。)…それにしてもなかなか優秀な者もいるものだな。(発注場所はミレニアムサイエンススクールか。)」

 

 

そのセキュリティを発注している場所を帳簿から特定しつつ、そこのセキュリティを確認する。そのセキュリティを見て陣は少し目を輝かせ、色々攻撃してみることにした。

 

 

「(普通の方法ではハッキング出来ないな。ちょっと()()をするか?いや、どうせなら正攻法で解くか。だいたい、どんなセキュリティを使用しているかは分かったし、しかも、相手からこちらを特定することは出来ない。どうせなら制限時間付きでやってみるのも面白いが…うん?)起きたか。」

 

 

カヨコのヘイローが点滅しているのを見て、攻撃をやめ端末を閉じた陣は起きてくる彼女のためにとりあえずお湯でも沸かそうと席を離れた。

 

 

ちなみに、陣が興味本位でやった行動はヴェリタスの副部長、各務チヒロが対処していて二日ほど徹夜していた彼女はこの攻撃を部長の明星ヒマリがやったことだと疑われてしまうのだが、それはまた別のお話。

 

 

カヨコが目を開けると丁度陣は湯を沸かし始めていた。陣は顔だけカヨコの方を向きながら聞く。

 

 

「おはよう、カヨコ課長。目覚めの一杯は何が良い?」

「おはよう、陣。コーヒーが飲みたい。」

「分かった。淹れておこう。」

 

 

カヨコが朝の身支度をしようと部屋を出ていくの見ながらコーヒーと自分が飲む用の緑茶を淹れる。淹れ終わったコーヒーと緑茶をテーブルに置きながら、陣は席に着きながら、ふと自分の昨日の様子を振り返り苦笑する。

 

 

「(本当に()()()もアルもこうも察しが良いと困るな。何かしらの特別な力を以てしてではなく、本人の生来の感覚で気づかされるのはどうすれば良いんだろうか?難題だな。)儘ならないものだ。」

 

 

緑茶を啜りながらそう呟く陣の声音はどこか嬉しそうだった。そんな風に待っているとカヨコが部屋に戻ってきて置いてあるコーヒーを飲んだ。

 

 

「おいしい」

「それは良かった。」

「カフェでも経営してたの?」

「良く分かったな。一時期していたぞ。」

「本当に何でもやってたんだね。(どれだけの事業に手を伸ばしたんだろう)」

 

 

少し冗談でカヨコは陣に聞いただけだったが本気でやっていたことを知り呆れながらも心のなかではどこか納得していた。

 

 

「なんでこうなったんだろうなぁ。」

「何が?」

「ふふふ。俺の行動だよ。疑問に思うばかりだよ。こんな怪しい俺を誘うなんて。」

「それが素なの?」

「?そうだな。俺の素はこれだ。あまり見せるつもりはなかったがそこまで変わらないだろう?」

「全然。思ったより表情替わるんだね。ほとんど無表情だった時とは大違い。」

「ふむ。そうだな。カヨコ課長と…いや、違うな。便利屋の皆とはまだそこまで関わってないとはいえそこはわかるよなぁ。」

「カヨコ。」

「?」

「カヨコ呼びでいい。ムツキとハルカのこともそう呼びなよ。今のあなたからそう呼ばれるのは違和感がある。それにあなたの方がだいぶ年上なんでしょう。」

「なるほど、分かった。そうしよう。カヨコ。」

「自分から言ったとはいえこれも違和感感じるね。」

「ふふふ、では俺はどう知れば良いんだ?」

 

 

陣の上品な笑い声が部屋に響く。

 

 

「声も作ってたんだね。」

「うん?あぁ、そうだな。どうもこの声では舐められしまうと思ってな。少し低い声に調整していたんだ。その方が色々状況が上手くいくしな。あと、俺の口調と合っていない。」

「自覚はあるんだ。」

「そりゃ、あるさ。別に察しが悪いわけではないぞ。俺は。ところでカヨコ。君に聞きたいことがあるんだが?」

「私に聞きたいこと。」

 

 

眉をひそめるカヨコに陣は小さく笑いながらそこまで難しいことは聞かない。と手の平を上向きにしながら困ってるようなジェスチャーをする。

 

 

「ゲヘナ学園のことを調べて良いか聞きたくてな。」

「なんで私に聞くの?」

「?君が年長者であることと知り過ぎないためだ。」

「最初の理由は分かるけど後半は」

「知ると色々有利になることも多いがめんどくさいことも起こるからだ。それに君たちの通っている?学校だし一応聞いた方が良いと思った。」

「別に勝手に調べてばいいんじゃない。私たちには関係のないことだよ。」

「そうか、(割と関係ありそうな情報もあった気がするが)分かった。そういえば、あの会社についていつ報復する?一応、日程の候補は立てておいたが目を通してほしくてな。」

 

 

陣はいくつかの候補をカヨコに伝える。その様子はどこか楽しいそうだが絶対に潰すという意思が目に映っていた。

 

 

「どうしてそこまで報復しようとするの?」

「どうしてとは?」

「普通そこまで入ったばかりの組織のためにしないと思ったから。」

「…そうかもしれないが。信用して入れてくれたんだ。そんな組織のために動くのは普通のではないのか?」

「…そうだね。」

 

 

そこで会話は一度終了して、二人とも朝の時間を楽しみながらムツキとハルカ、アルが起きてくるのを待ち、三人が起きそうなのを確認すると軽い朝食を二人は作り始めた。

 

 

「勝手に色々使ってすまないな。」

「今更それを言うの?」

「そうだな。だが、こういうことを伝えるのは大切だろう?言うと言わないのでは言う方が良いと思っているのだが。」

「めんどくさいね。陣って。」

「そうかもしれないな。」

 

 

そんな会話を繰り広げながら朝食を机に並べる。三人が戻ってくるとその様子に少し驚いていた。

 

 

「二人とも仲良くなってるけどなんかあった?」

「(そこまでか)?少し会話をしただけだが、そこまでか?ムツキ。」

「!へー。やっと、呼び捨てで呼んでくれるんだ。」

「(まだ一日も経ってないが)そうだな。カヨコからの提案出たんだがおかしいか?」

「全然そんなことないけど。くふふ、だいぶ印象変わるなぁ。」

「そこまで変わるか?」

「いや、凄い変わっているわよ。陣。あなた、結構無表情だったじゃない。」

「(この会話さっきもしたがそこまでか?)そっちの方が都合が良かったからだ。無表情のほうが良いならそうするが。」

「そんなこと無いわ!今の方が絶対にいいわ。」

「(そこまで!?)それならそうするが…」

「あははは、アルちゃん陣おばちゃん困ってるよ?そんなに強く言わなくてもいいんじゃない?」

「ムツキ!?」

「大丈夫だ。ムツキ。俺はそこまで気にしていない。(少し落ち込んでるように演技をするか。)」

「えっ陣。誤解しないで頂戴。別に前のあなたが嫌いだったとかそういうことでは無く。」

「?特に気にしてないが。」

「陣!」

 

 

こんな会話を繰り返しながら朝食の時間は終わった。




ちょっと書きたかったから書いた後悔はない。こんな風に思いつきで追加していくからプロローグまでまだ行かないんですねぇ。何話になったらプロローグに行くのか?自分でも分からなくなってきました。先生と会話させたいんですけどね。主人公と。次は報復になるかも?


面白いところや違和感に思ったところなどがあれば感想お願いします。 
出来るだけ感想には返答するのでよろしくお願いします。
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