青春に現れる異物たち   作:無幻館

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今回は三人称視点です。


どうでもいいことはさっさと終わらせて

陣を除く便利屋の四人は未払いの報酬を回収するために企業の入口に訪れていた。その企業は最近大きくなり始めた企業らしく会社も立派なものだった。

 

 

『建物だけは立派だな。素直に報酬を支払わない分、見かけだけ良くしている。なんて、虚しいものだろうか。』

 

 

四人の脳内に陣の言葉が流れる。それにアルは目を輝かせる。

 

 

「本当に頭の中に言葉が聞こえる。秘密の手段って聞いてたけどすっごいアウトローね。これ」

『喜んでもらえて何よりだ。一応通信手段が使えなくなる可能性を考慮してこの札を渡したが成功して何よりだ。服のポケットか直接持っていれば機能するはずだから、もし何か緊急事態が起こったらお札を強く握って教えてくれ。こちらも全力で対応する。』

「それはありがたいのだけど、本当に来なくて良かったの?」

『あぁ、俺が来たら警戒されるかもしれないからな。こちらこそ撒き餌みたいになってしまって申し訳ないんだが…』

「あはは、ムツキちゃんたちは大丈夫だよ。元々、私たちが受けた依頼の報酬が支払われない問題だからね。自分の手ぶっ飛ばしたいと思ってたし。」

「そうね。便利屋68を舐めたらどうなるか思い知らさないと」

『一応、言っておくが相手が契約を守れば俺の計画は成功しない。まぁ、それでも支払いを延期してるんだから軽い祟りは出来るが、その時はすまん。』

「そうは言うけど、その可能性は低いんでしょ。私も陣の調べた情報を見たけど、失敗するとは思わない。」

『そう言ってくれると有難い。まぁ、最悪適当に暴れてくれ。監視カメラの情報とかも消しておくし対応はする。では、いったん切るぞ。』

 

 

陣が言い終わると同時に四人の脳内に流れている言葉が途絶えた。四人は陣から渡された札を言われた通りにポケットに入れてビルに入った。ビルの中も綺麗で受付の人はアルを見つけると応接室で待っています。と言いアル達を応接室に連れて行った。応接室に入ると、依頼主である社長が待っていた。

 

 

「いやいや、これは便利屋68の皆さん。本日はどのようなご用件で?」

「依頼の報酬が未払いの件よ。一体、いつになったら払ってくれるのかしら?」

「おぉ、これはこれはすいません。おい、客人に茶菓子を…」

 

 

アルが報酬の件を問いただすが社長は平謝りしながら、秘書に茶菓子を持ってこさせる。

 

 

「その前にこの茶菓子はいかがです?これはかの有名な…」

『全員それに手を付けるな。噂の中に出されたお菓子を食べてから意識が薄くなっていつの間にか契約書にサインをしていた。というものがある。警戒を怠らない方がいい。』

「悪いけど、いらないわ。そんな時間を取らないすぐに終わる要件だもの。」

「おや、その後ろのお三方はどうですか?…いらない?それは、それは行為は無下にしない方がいいですよ。」

「…言ったでしょ。すぐに終わることだわ。報酬を支払うことにそんな時間がかかるのかしら?」

「ははっ、これは手厳しい。でもね、すいませんがもう少し待ってくれませんかね?」

「何故かしら?」

「はは、実はですね…」

 

 

ここから一時間ほど、払えない理由について、会社で急に金が必要な問題が出来た。やら、次に依頼するときにもう少し上乗せするからなど、果ては遠回しにあなたの部下がもう少し対応を穏便にしてくれば払えたかもと言ってきた。

 

 

『…嘘だな。会社の帳簿をハッキングして見てみたが直近にそんな金の流れはない。この時点で次の内容が怪しい。それに最後のだって依頼内容が護衛だったと聞いたが、その時の不良たちの様子を見てみると、依頼を任せた場所は不良のたまり場。そこにわざわざ依頼したのも怪しいし、その後のこの社長の行動を監視カメラの記録から見ているが護衛が終わった後、すぐ近くのビルに入ったようだが15分も経たずとして出て、車で移動している。黒と確定しても問題ないだろう。』

「ですのでお支払いの方はもう少し待っていただくと…」

「分かったわ。」

「おぉ、そうですか。流石、社長理解が早い。では、」

「その前にこの()()()にサインして頂戴。」

「契約書?」

 

 

社長はアルが了承したことに喜び去ろうとするがアルはそうはさせないと社長に契約書を見せる。その契約書を見て社長は少し眉を顰める。

 

 

「これは?」

「報酬を払ってもらうための期限付きの契約書よ。」

「そんなものを用意されなくてもいつか絶対支払いますのに…」

「あなたにそんな信用があると思う?この催促はもう何度目だと思っているのかしら?これを書かないんなら私たちはそれなりの対応をするつもりなのだけど…」

「いやいや、すいません。そうですよね。私もあなたと同じ立場ならそうします。えっと…これでよいでしょうか?」

 

 

社長は渋い顔をしながらアル達に絶対払うからこのような契約書は必要ないと言ったがその言葉を聞いたアル達は静かに銃を構え脅す。それをまずいと思ったのか社長も契約書を軽く一瞥して、サインをした。

 

 

「じゃあ、支払い待っているわよ。社長。」

「えぇ、必ず。」

 

 

社長の言葉を聞いてアル達は少し訝しむが案内人に連れられ応接室から出ていった。応接室に残った社長はそのまま顔色を変えず契約書を破った。

 

 

「小娘が少し知恵を付けたようですが、まだ甘いですねぇ。払うわけないじゃないですか。さて、でも少し困りましたね。正面からでは勝てそうにない。…ゲヘナの風紀委員に任せましょうか。善良な市民が襲われていると言ったら助けてくれるでしょうし。となると、助けられる対象は適当にバイトを雇いましょうか。私たちが目を付けられてる可能性もあるでしょうし…」

 

 

社長はそう呟きながら応接室から出るが気づいていなかった。社長がサインした契約書も髪の色が黒くなりサインをした部分は赤黒くなっていた。

 

 

契約の一方的な破棄を確認し祟りの対象が決まりました。裏切者は苦しみ抜いて後悔してください。

 

 

黒い契約書からこの文字が現れた直後、契約書は青い炎に包まれて消えた。

 

 

『本当に愚かだな。』

「陣、どうしたの?」

『契約が破れたのを確認してな。』

「嘘。まだ、私たちがあのビルから出十分も経ってないわよ。」

『まぁ、元からするつもりだったんだろ。会話を盗聴していたがどうやら風紀委員も巻き込んで逃げようとしていたらしいぞ。』

「あんな黒い噂が多い会社に風紀委員が協力することなんてないでしょ。」

『あぁ、そのことだがあいつらも一応考えはあったらしいぞ。もう意味は無いがな。』

「くふふ、それにしても契約が破られたってことは祟りが発生するんでしょ?」

「アル様の報酬を支払わないどころか逃げようとするなんて許さない、許さない、許さない…!」

『安心しろ。報酬の回収なら問題ない。詳しいことは事務所で説明しよう。それより、早くそこから離れた方が良いぞ。巻き込まれるからな。』

「…それってどういうこと?」

 

 

アルが聞き返したところ四人の後ろで爆音が生じた。そこを確認するとさっきまでいたビルが炎に包まれていた。四人は少し呆然としたが急いで便利屋の事務所に戻った。

 

 

「お帰り四人とも巻き込まれなかったか?」

「巻き込まれなかったかじゃないわよ!いったい何が起きたの!?(急に爆発するなんて何が起きたの!?)」

「(元気だな。)それならニュースを見てみるが良い。面白いものが見れるぞ。」

 

 

そう言いながら陣はテレビの電源を点けると丁度ニュースがやっていた。

 

 

『緊急速報です。以前から黒い噂があったクイーンコンポレーションの本社ビルが火災により全焼しました。』

『これにより社長を含めた役員全員が大やけど覆いさらには社長は建物の倒壊に巻き込まれ入院することになりました。』

『この火災の原因は消防局の調査によると漏電によるもので事件性のようなものではないようです。』

 

 

四人は陣の方を振り返るが陣は面白そうにニュースに耳を傾けていただけだった。

 

 

「不運なこともあるもんだ。契約を守ればこんなことはなかったのになぁ。あと報酬に関してだが契約違反により回収出来て思っていた以上に回収できたがどうする?」

「そうね。色々聞きたいことはあるけど、とりあえず今日は焼肉に行きましょう!」

 

 

アルは少し戸惑っていたがとりあえず焼肉に行くことを決め、その発言に4人は喜んだ。




はい。今回で報復回は終わりです。それと今回出てきた社長ですが、こんな感じの悪い大人キヴォトスにいるだろうなぁと思いながら書きました。一つ言えることは祟りはこれで終わりません。次は焼肉回かも?


面白いところや違和感に思ったところなどがあれば感想お願いします。 
出来るだけ感想には返答するのでよろしくお願いします。

主人公の持つ銃に名前はいるか?

  • いる(両方)
  • ハンドガンのみいる
  • スナイパーライフルのみいる
  • いらない
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