青春に現れる異物たち   作:無幻館

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今回は三人称視点です。


疑心暗鬼な大人の注意喚起

便利屋は基本的に食事を一緒にとる。それは陣も例外はではなく、起きてきた三人も加えて五人で朝食をとっていたのだが、陣の様子が少しおかしいと四人は疑問に思っていた。いつも通りに軽い会話はあるし、食べるペースも変わらない。それでも、四人は確かに違和感を感じていた。

 

 

「どうかしたのか?」

 

 

その視線に気づいていた陣は四人に疑問を問いかける。いつも通りの口調、いつも通りの表情で問いかける様子に自分たちの疑問は気のせいかと思うが漠然と何かが違うと思ってしまう。

 

 

「あっ、分かっちゃった。」

「?急にどうした。」

「くふふ。ねぇ、陣おばあちゃん。今日は何で目を見ていないの?」

 

 

ムツキは面白そうに陣に問いかけた。これが違和感の正体だった。陣は人をよく観察する。それは会話をしていなくても、していてもそうだ。その為、陣に目を向けると誰かを見ているか、自分を見ている。しかし、今日の陣は誰にも目を向けていなかった。前を向いてはいるが自分たちを見ているのではなくどこか遠いところを見ているのをムツキ達は感じ取っていた。

 

 

「あぁ、少し考え事をしていたんだ。」

「?何か悩みでもあるの?珍しいね。」

「悩み事…とまではいかない。アルから聞いていると思うが朝の超大物のクライアントからの依頼の件の事だ。」

「あっアビドスを潰すんですよね。全部、私が爆破しに行きましょうか?」

「くふふ、ハルカちゃんやる気満々だねー。でも、そのアビドスがどうしたの?」

「アビドス単体…もそうだが、クライアントの目的がよく分からなくてな。」

「クライアントの目的?その学園が目障りだったとかそういうのじゃないの?」

「それもあるかも知れないが…依頼者の利があまりないと思ったんだ。どんなに隠蔽しても情報というものは漏れる可能性はある。学園を襲撃したというのは名前に傷がつく行為がマスコミにバレたとしたら?多大な損失が出るだろう。その損失と学園を襲撃して得られる利益を考えると目的が分からないんだ。…このクライアントが大物であるならば、目障りや復讐といった線は無くなるだろう。そこら辺のの損得計算が出来ないようであれば大きくはならず、他の企業に潰されるからだ。(クライアントの名前を偽った線も考えたて逆探知したが偽りは無かった。罠の線もありかと思うが調べていく内に得た()()から違うだろう。)」

「そう。でも私たちがそこまで必要ある?依頼人の目的を勝手に調べるのは藪蛇をつつく行為だしいいことないでしょ。」

「確かにそうだ。知り過ぎるという行為は良くいないことだ。知ることにより相手の計画の妨げになりこちらにも牙をむくこともあるだろう。まぁ、牙が向いたとしてもそれを全て叩き折れば済む話でもあるんだが…今回がアビドスだから問題なんだ。」

「?そんなにアビドスについて気になるの?今まで聞いたことないしそこまで有名な場所だとは思わないけど…」

「あぁ、アビドスには現在、有名な観光地も観光資源もない。なんせ、砂嵐によって物流すらほとんどなくなっている土地だからな。今回の襲撃する学園も在学生徒は五人…いや、一人()()()()の生徒もいるようだが二年前からいないし、今はいないと考えて良いだろう。」

「へぇー、在校生とが五人ってそれ学園として成り立っているの?」

「…まぁ、一年生が二人いるから頑張れば二年は続けれるだろう。砂嵐の被害が年々広がっているのを考えるとその後が問題だがな。(個人的にこの砂嵐について研究したいんだよなぁ…この砂嵐が自然発生的な物なのか…それとも異常存在(scip)のような存在が起こしているのだとしたら?考えすぎかもしれないがそもそも神秘なんてものがある以上、そういう高次元的存在がいても不思議ではない。…いきなり()()()()()ような事象が起きる可能性も考慮して、()()()()を進めるか?ならば、あいつ(黒服)にもこの可能性について話す必要性も…最悪、あの()()()を使ってしまえば()()()()()()()に出来るがそうすると面倒な問題が発生する。それを俺が後始末するのは嫌だな。自分たちの世界の問題は出来るだけ自分たちで解決した方が良い。その世界に発生する事象ならば手を出さない方がややこしくならないしな。大変になったこと実際にあるし…まぁ、今のところそんな前兆は観測されていない。この問題は後回しだな。今はアル達の会話の方が大切だ。)」

「…そんな大変な状況の学園を私たちは襲撃しようとしているの?」

「あぁ、そうなるがそんな学園の生徒たちを襲撃を依頼するクライアントは何かしら迷惑を被っているのかもしれないぞ。でなければ、こんな依頼をするのもおかしいからな。(おそらくそんなことは無いが、情報だけではなく実際に見てみないと断定できないんだよなぁ。俺の情報をあてに真剣に考えてくれるのもありがたいが、やはり自分達で調べて意見を交わしていきたいものだ。情報の受け取り方はその人によって変わるし、俺はここ(キヴォトス)の常識にまだ疎いからな。個人的な偏見もあっても良い。というより結局、情報は人によって作られているんだから偏見があった方が推察がはかどるだよなぁ…まぁ、こういう情報の重要性は教えるよりも体験する方が分かりやすいだろう。)」

「つまり、陣はこの依頼をどうしたいの?この依頼を受けるのを辞めた方が良いようなな言いぐさをしてたのに、それを否定するようなことを言って。」

「…別に依頼を受ける、受けないはどうでも良いことだ。どちらをとっても心残りは出来るからな。ただ、この依頼はもしかしたらとんでもないことに繋がるのではないか?と思っているだけだ。」

 

 

陣は四人を見る。その瞳は確かに四人を捉えていて、しゃべる前に感じていた違和感は無くなっていた。しばしの時は流れ四人見ていた瞳は瞬きと共にアルに向けられた。その目線は挑発的なものもあるがその奥にはアルへ期待に満ちていた。

 

 

「それでどうする?アル社長?受けるか?受けないか?どちらを選ぶかはアル社長の自由だ。その決定に社員は従うぞ。」

「私は…この依頼を受けるわ。このクライアントが怪しかったとしてもこの依頼を華麗に達成させる。それが金さえもらえば何でもやる便利屋68よ!(ちょっと不安もあるけど、私には優秀な社員たちがいるのだから大丈夫のはずよ。)」

「ひゅー。アルちゃんカッコいいよ。」

「はぁ、まぁ本当にまずかったら手を引けばいいだけだしね。」

「わっ私はアル様の敵を蹴散らすだけですので…」

「ふふふ、良いね。ならもう少し本気で調べるとするか…(なぜか消されていた会話データもあったし、全部、復元するか。そして、アビドスで目撃されたとされている‶白い大きな鯨”についてと‶暁のホルス”と黒服が呼んでいる生徒と行方不明な先輩の関係についてもね。)」

「陣副社長」

「?なんだ?」

「今回、あなたも前線に出てくれる?」

「ふむ。戦力的には別に問題ない気がするが、必要か?俺は(まぁ、襲撃するだけならの話だがな。)」

「何を言ってるの。あなたは便利屋68の副社長なのよ。こんなに大きな依頼一緒にやらないと駄目よ。世間に便利屋68は四人じゃなく五人ってことを教える最高の機会じゃない。」

「…ふふふ。それもそうだな。(まだ、裏方で活動して他の企業を欺こうと思っていたが…計画を変更させるか。それにしても、黒服とかには言っていたが…悪くないな。)」

「くふふ、でもあんまり私たちの活躍の出番取らないでね?」

「取るつもりはないさ。どちらかというと私はアルの前線での活躍を見たいしな。」

「えっ、まっ任せない。最高にアウトローな活躍を見せてあげるわ。」

「ふふ、楽しみにしている。」

 

 

陣は目を細めながら静かに笑うのだった。その後、五人はアビドス襲撃の依頼について改めて話し合い、アルの提案によりアビドスに偵察を行くのが決まった。




色々調べている陣。ちなみに先生はまだアビドスについてません。今は遭難中かな。陣がいることで便利屋の行動が慎重になっているように見えますが基本的に陣はそこまで口出ししません。今回が特別なだけです。次は情報収集のため黒服に会いに行くかも?


面白いところや違和感に思ったところなどがあれば感想お願いします。 
出来るだけ感想には返答するのでよろしくお願いします。

主人公の持つ銃に名前はいるか?

  • いる(両方)
  • ハンドガンのみいる
  • スナイパーライフルのみいる
  • いらない
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