青春に現れる異物たち   作:無幻館

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今回も主人公(陣)視点です。


蛇足となるか?補強となるか?

さて、俺は何をするべきか。加入したのは良いが俺自身が行動しすぎるのは駄目だろう。人は楽が続けば堕落してしまう。それではあの輝きがくすぶってしまう。それだけはいけない。ともすれば、保険として活動するのが最適な気もするが、自分が何が出来るかを証明しなければいけないだろう。遠回りかも知れないが少しずつ手助けをしていくのが定石だろう。あの三人の信頼を得ねばならないし、やはりあの子の言う通りにした方が良かったのか?だが、嘘で取り繕ったとしてもその後に素が分かってしまえば信頼が無くなる可能性もある。そんなもので崩れる信頼なんていらないと思っているが…駄目だな。この選択の事を振り返りすぎるのは良くない。選択に反省はするが後悔はしてはいけない。時間は戻してはいけない。どれは不公平であり失礼であるからだ。それにしても、アルは他三人と話し合って俺の役割を決めようとしているようだが、そこまですぐに決めなくては良いと思うがそこまで大切なんだろうか?形から入るのは悪手ではなないがそういうのは功績を見て判断するものでは?

 

 

「陣、あなたは何かやりたい役職あるかしら?」

「(直接聞かれるのか。)特に何もないが、一応たいていの役職は出来るぞ。」

「へっ?あなた巫女をやってたんじゃないの?」

「それは前職にやっていたものだ。会社に入ったこともあるし、会社を設立したこともあるぞ。」

「なっなななんですってー。(思ったより大物なの!?)」

「…わざと隠してたの?」

「(ふむ。当然疑うよな。)それは違うぞ。カヨコ課長。ただ色々やっていただけだ。」

「ふーん。そんなに色々やってたの?陣ちゃんってそんなに私達と年変わらないよね?」

「(…なるほど。ここは大体普通の人間と同じ寿命なのか。)いや、私はこれでもかなりの年数生きている。」

「へぇ、てことは陣おばあちゃんてこと?」

「ちょっと、ムツキその言い方は失礼よ。」

「(おばあちゃん…か。あまりそういわれたことはないな。)アル社長大丈夫だ。そういう年齢はかなり昔に越えているし、そう呼びたければどうぞ。新鮮だしな。」

 

 

ん?すごい驚かれてるが年齢なんてどうでも良いだろう。大した問題ではない。いや、これが普通の反応か。難しいな普通の人と話すのは。だが、今後年齢に関するときは適当にはぐらかすか。信頼を得ようと思う相手にあまり嘘はつきたくないのだが、真実を選択するか。相手に勘違いさせるだけなら俺自身は嘘を言っていないし、知り過ぎるというのは良くないしな。

 

 

「そっその、あなたは何者なんですか?」

「(これも当然の疑問だな。)すまん。それは答えられない。」

「…何か聞いたらまずいことだったかしら?」

「アル社長。そうではない。私自身が何者かしっかり把握できていないんだ。」

 

 

四人とも困惑しているな。しかし、本当に何者の何だろうか?私とあいつらで定義したのもあくまで俺たちが定義しただけでそれが正解だとは思えない。…考えても仕方がないことだ。今までも明確な答えが出ていない問題だしな。それに、これは大した問題ではない。

 

 

「一つだけ確かなことがあるとすれば、私は私である。他人からどう認識されようが、評価されようが、分類されようが私は私である。だから、どう思ってくれても構わないぞ。」

 

 

まだ困惑しているな。当然の反応だ。答え方を間違えたのか?しかし、それ以外にどう答えようか。どう答えても納得しないだろう。

 

 

「何を言っているの?あなたが何者でも便利屋68の社員でしょ。」

「!(…なるほど。そう返すのか、本当に苦手だ。まさか、困惑しているのがアルの中では俺が便利屋の社員だとすでに思っているとは。執着は駄目なんだがな。)そうだったな。話がだいぶそれたが役職だが」

「それなんだけど、もう決めたわ。陣、あなたは副社長よ!」

「はい!?(思わず地声が出てしまった。しかし、アル…それはいかんだろう。そういうのはムツキ室長やカヨコ室長の方が適任だろう?というか誰か否定をしてくれ。ムツキ室長は…駄目だ。俺をからかうネタを見つけてうれしそうだ。カヨコ課長もあれはアルが決めたことなら良いよと思ってるな。君が元々便利屋の中で最年長だがそれでよいのか。ハルカさんはアルに対して尊敬の念を抱いているから否定しないな。人望があるのは良いと思うがもう少し、いや、これだから成り立っているのか?それでも少し不安だ。)すまん、取り乱した。アル社長の決めたことだ。しっかりその役職に恥じぬ働きをしよう。」

 

 

決まったことに喜んでいるアルを見ながら彼女に助言をしなければ。彼女の良さを活かしつつももう少しだけ深慮深くなるように。アルが決めたことを否定まではいかなくても妥協点を求めなくてはな。そう決意しながらとりあえず会社の状況を見せてもらった。思わず頭を抱える。ここの家賃すらぎりぎりな状況だったので、アルに話を聞いてみるとかなり報酬が良い依頼は成功したようだが難癖をつけられて支払いを遅らされているらしい。もう少し依頼を精査した方が良いと軽くアルにアドバイスをした。アドバイスをしている時、警戒が下がったがとりあえず直近の問題を解決しよう。軽く溜息を吐きながらもどう回収すべきか考え続けた。便利屋として舐められないよう、二度と難癖つけられないようにしてやる。




陣の便利屋としての立ち位置が決定しました。それと徐々に陣の情報も開示していますがまだまだ色々抱えているようです。次は便利屋としての初仕事かも?


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