……パタン。
そっと扉が閉められ、アニスとネオンが真顔で向き合う。
「ネオン、ごめん。謝るわ」
「アニス。それは私の言葉です」
現実逃避として交わされる謝罪の後ろで指揮官は口をぱくぱくさせ、ラピも目を見開いて固まっている。
「……生き物、か?」
「わ……分かりません。動いたように……見えましたが」
気まずい沈黙。
「も、もう一度開けてみようか」
指揮官の指示に、アニスとネオンはゆっくりと頷く。
次は2人が協力して恐る恐る、確かめるように開ける。
そこにはやはりピンク玉がいて、今度は正面を向いて元気よく手を挙げた。
「はぁい!」
バタン!
冷蔵庫が揺れる勢いで扉が閉められ、中から「うぃっ!?」と戸惑いの声が響いた。
ニケたちは目にも留まらぬ速度で武器への装填を終え、即座に構える。
「指揮官様、発砲許可を!」
「師匠、いつでも準備できております!」
「待て待て待て!」
指揮官はひとまず制止して、まだ冷静を保つラピに頼むような視線で話しかける。
「ペットロボットじゃないか? 捨てられたのが勝手に起動して迷い込んだとか」
「……一通り、その類のサイトで販売ラインナップを検索します。アニス、ネオン。念のため目を離さないで」
ラピがデバイスを取り出し、しばらく画面を素早く目で追ったあと、顔をあげ首を横に振った。
「50年前のアーカイブまで遡りましたが、類似商品はヒットしませんでした。ロイヤルのオーダーメイドと仮定しても、逼迫する地下資源を無制限に摂食するような設定は考え難いかと」
冷蔵庫へ向けるラピの眼光が険しさを増し、手がトリガーにかけられる。
「最悪、ラプチャーの新種という可能性があります。その場合、迷っている暇はありません」
「……落ち着いて考えよう。ラプチャーにしてはおかしな点が多すぎる」
ニケたちの視線が、無言で指揮官に発言の意図を問いかける。
「もしあれがラプチャーなら、姿を見た瞬間に攻撃されたはずだ。そもそもここまで侵入を許したのに不意打ちすらされなかったのも、どこか引っかかる」
指揮官は、発言を受けてアニスとネオンの表情が少し緩んだのを確認する。一方、ラピは眉をピクリとも動かさない。
「ラプチャーが戦略的な進化を行うことは歴史が証明しています。人間の警戒心を解く暗殺用の擬態だとしても不思議ではありません」
いつの間にか彼女は指揮官の盾となる位置に進み出て、引き金に指を添えている。
「重要なことは、正体不明の存在がこの基地に侵入しているという事実です。もちろん我々は指揮官のご命令に従いますが、いかなる時も、指揮官の安全が最優先事項であることはどうかご承知おきを」
軍人として、部下として、そして『
そんな中、ネオンは迷いながらも銃口を下げた。
「私は、師匠を信じたいと思います」
「ネオン……」
「師匠はこれまで、この世のあらゆる常識をぶち壊してきましたし、これからもぶち壊していく方です。今回もその一例になる気がしませんか?」
アニスの手が、迷うように引き金と空中の間で往復する。
「でも、それでも、指揮官様にもしものことがあったら、私……」
その不安に満ちた表情に、指揮官は何も言えなくなった。
とりあえずこの状態でちょっとでも異変があれば、少なくともラピかアニスがトリガーを引くだろう。
「……では、そのもしもの事態に備えて冷蔵庫の補強を。できる限り、相手を刺激しないようにな」
妥協案は素早く実施された。
アニスが銃口を向けた冷蔵庫を、ラピとネオンがガッデシアム製の金属板とチェーンで幾重にも補強。さらに机や椅子も遮蔽物として大量に置く。
最後にひときわ大きな板を立てかけたネオンは、ふぅと一息ついて額の汗を拭った。
「よし! これでいかなる火力にも耐えられる遮蔽物の完成です! あ、でもいかなる火力も防御に劣ると認めるのは私の美学に、ぐぬぬぬ……」
「ネオンは放っておくとして、こんな原始的な手段で大丈夫?」
「あのサイズなら、仮に光学兵器でも少なくとも一撃で破られることはないわ。見た目は悪いけれどね」
ラピのお墨付きを得てやっと雰囲気が落ち着いた、その時だった。
安堵の時間を断ち切るように、少し離れた場所でボォンッと何かが破裂する音がした。
直後、ジリリリリリ、と警報が喧しく鳴り響く。
「えっ、なによ次から次に!?」
「厨房が火事だわ!」
焦げた臭いと煙が充満してくる。
「あっ……」
「『あっ……』てなによ、ネオン?」
アニスはネオンの異変を見逃さなかった。
ネオンはぺろりと舌を出し、茶目っ気のある表情で笑った。
「いやぁ……電子レンジがどうやら私の求める火力に耐え切れなかったようで☆」
「このバカッ!! 何Wでチンしてたのよ!?」
怒鳴ったアニスは、ネオンの襟首を掴んですぐ部屋の出口へ急ぐ。
「指揮官様、すぐ戻ってくるから!」
「あ、ああ、わかった」
「安全確保のため、なるべく冷蔵庫からは距離を取るようお願いいたします」
ラピが抜け目のない忠告をして後に続くなり、たちまち周囲に煙で充満する。意外に火勢が大きいようだ。
有毒ガスであれば、吸い込むと危ない。
ラピの言う通り冷蔵庫から身を離したうえで腰を屈めようとした、その時だった。
「……?」
煙が、急激にどこかへ導かれるように動いていく。その先に目を向けると──
「な、なんだ!?」
冷蔵庫が、扉の隙間から煙を吸い込んでいるではないか。
その扉を繋ぎとめる蝶番とチェーンさえも軋み始めている。
「あの生き物がやっているのか……!? なんて……威力だっ」
掃除機どころでない突風の勢いは、ますます増していく。
そのうち、蝶番が耐え切れず悲鳴をあげて潰れた。
「なっ……」
一方のニケたちは、30秒足らずで消火活動を終わらせた。
「はぁ、終わった……」
バキバキバキバキッ。
「わあああぁっ!」
彼女たちの耳に、何かが開かれる音。
そして、自分たちの指揮官の悲鳴が聞こえた。
「……」
3人の背中を、寒気が襲った。
「指揮官ッ! ご無事で……」
彼女たちの視界に飛び込んできたのは──
綺麗さっぱりなくなったバリケード、
蝶番が壊れ扉がなくなった冷蔵庫、
そして。
「あ……あぁ……っ」
ネオンがその場で崩れ落ち、上ずった掠れた声を出す。
仰向けに倒れ伏してぴくぴくと震える指揮官の胸の上で、もぞもぞ這い回るピンク色の丸い背中。はだけた指揮官のシャツに、赤い液体が染み出している。
「し、師匠……わ、私の、せいで……」
ネオンの身体がふらついた。
隣で俯いていたラピが、ゆらりと、アサルトライフルをピンク玉に向けて構える。その表情は機械のように硬くも、唇からは噛み締めすぎたせいで血が滲んでいた。
「……申し訳ございません、指揮官。いま、仇を討たせていただきます」
「お前……」
アニスが、光を喪った眼から涙を流した。
「お前、よくも……よくも、指揮官様をっ!!」
ニケたちは声を上げ、各々の得物の引き金に指を──
「やめろー! 私は無事だー!! こっちまで巻き込まれるーッ!!」
その瞬間、指揮官の両腕が上げられ、わたわたと宙を舞った。
「「……え?」」
ニケたちが、聞こえるはずのない死者の声に動きを止める。
直後、ずっとニケたちに背を向けていたピンク玉が振り返った。
「ぽょ?」
くぐもった声が発せられた彼の口では、パーフェクト数本が今まさに吸われている最中だった。
口からは、イチゴ風味の赤いパーフェクトゼリーが漏れ出ている。
それらもすぐまとめて、もごもごと口の中へ。
ピンク玉は暢気にもしばし指揮官のポケットをまさぐったあと、
「……ぷやゃ~~い……」
無いのか、とでも言いたげに少し残念そうな顔で、大きな欠伸。
口周りをソースでいっぱいにしたまま、指揮官の胸からコロコロと転がり落ちた。
「は? え……えぇ?」
数秒もせず聞こえてくる「すぴぴ、すぴぴ」と安らかないびき。
その顔を覗き込めば、涎と鼻提灯のフルセット。
赤ん坊のような、無垢で多幸感に満ちた寝顔だった。
*
「簡易スキャンの結果が出ました。にわかには信じがたいですが……」
ラピは報告書を片手に、指揮官の前に立っていた。
「ラプチャー特有のエネルギー反応・信号ともに一切見られないどころか、アークのデータベースに記録されるあらゆる金属・有機物とも分子構造レベルから一致しませんでした」
「……ということは」
「ラプチャーである可能性は限りなくゼロ。完全に未知の生物といえます」
指揮官は、ソファのど真ん中でよだれを垂らすまん丸な生物へ視線をずらす。ずいぶん腹を減らしていたのか、いかにも満足そうな寝顔だ。
銃を向けられてもなお満腹になった安心感が勝るとは、どれだけ能天気なのだろう。こんなものがラプチャーであれば、とっくに人類は地上を取り戻せているに違いない。
ならば、次にあり得るのは──。
「──D-WAVE」
その一言が、指揮官の口から洩れた。
「ゲートキーパーによる召喚の可能性ですね。D-WAVE波長は、前哨基地の設備では測定できません。中央政府へ連絡しましょうか?」
ラピの提案に、指揮官の視線が一時彷徨った。
「……いや、待ってくれ。よく考えたい」
これまでゲートキーパーと呼ばれる特殊なラプチャーが召喚した──正確に言えば『別世界の記録』から生成された人物は、少なくとも人の姿をしており、言葉による意思疎通ができた。
しかし今回の人物──というより生物は、なにか根本的に違いすぎる。中央政府からD-WAVEに関する呼び出しが未だないのも不可解さを増す。
アニスとネオンはソファの両端に座って、奇妙な訪問者の姿を見つめていた。
「改めて、こうして見ると……」
「顔は可愛いわよね。食べ方は掃除機みたいだけど」
牙も、角も、毛もない。エイリアンというよりはぬいぐるみのマスコットと言った方が似合いそうだ。
そんなピンク玉の眼が、ぱちりと開いた。
「起きた!」
再びニケたちは銃に手を添えて警戒したが、飛び起きたその生物の視界にそんなものは映らない。
真っ先に捉えたのは、ちょうどアニスのジャケットのポケットに入っていたパーフェクト。
彼の青い瞳が、星空のようにキラキラと輝いた。
「ぱーふぇっ!」
丸い身体がソファから飛び出して真っ先に飛びついたが、アニスが咄嗟に高く持ち上げたため、彼はその勢いのまま床へ飛び込むことになった。
「むぎゅっ」
「ダメ! 私たちのよ、これは! あと、パフェじゃなくてパーフェクト!」
ピンク玉は諦めず何度も飛び跳ねるが、指もなく丸っこく短い手は、アニスが持ち上げるパーフェクトへ一向に届かない。
すると、ピンク玉はむっとして口を大きく開いた。
「は? あんた、何を……わっ!?」
直後、アニスの髪とジャケットが突風に乱れた。それだけでなく、ピンク玉の前にある周囲のあらゆるものが動き始める。
──あの冷蔵庫をも破壊した『吸い込み』だ。
それは、中身がほぼ金属でできたアニスの身体でさえ引っ張るほどの威力だった。
「う、うわあああああ! や、やめなさああああい!」
「!」
一瞬ラピが銃を構えるが、アニスが叫ぶとピンク玉は素直に吸い込みをやめ、見るからにしょんぼりと俯いた。
「ラピ。恐らく食べ物が欲しかっただけだ。銃を下げろ」
ラピはまだ疑わしそうにピンク玉を睨みながらもその通りにして、指揮官に視線を戻す。
「……この生物の呼称はいかがいたしましょうか」
「コードネーム:ピンクボール、というのは安直すぎるか……」
アニスは一瞬の隙も見せないよう背を向けてから包装を開け、パーフェクトを噛みちぎった。
「何でもいいでしょ。名前を言ってくれりゃ楽だけど」
「ぁい、かーびぃ!」
「あーなるほど、カービィね、そう……」
直後、その場にいる全員の視線がピンク玉に集中した。
「まさか、言葉が通じるのか!?」
「……カービィ、あなたの所属と目的を答えて」
「しょぞー? もくてぃ?」
ラピの問いに、ピンク玉は首、というか胴体を傾げるだけだった。
「……難しい言葉は理解できないのでしょうか」
「では、もっと分かりやすく伝えてあげよう。君は、どこから来た?」
「ぽっぷすたー! ぷぷぷらんど!」
カービィは、飛び跳ねながら謎の単語を口にする。
少しは意思が通じたらしい。
「おぉ」と驚く面々だが、次第に怪訝な顔つきになる。
「プ、プププゥ? 本当に地名? 何だかふざけた名前ね」
「……発音しにくいわ」
「簡単なことです。笑いながら言えばいいんですよ、プップップ──!!」
「きゃー。ネオン様ったらすんごぉーい。もんのすごいアイデアー」
得意げなネオンとそれを冷やかすアニスのやり取りを、ラピは背後で聞き流す。
「……カービィ。あなたは、なぜここに?」
「はぁい!」
カービィは返事してから辺りを見回すと、ちょうど机上にマジックペンとブリーフィング用のノートブックを見つける。
「ぱーてぃー、ででで、えでん、わーぷすたー、どっかーん……」
カービィはペンを持ち上げ、謎のフレーズを口ずさみながらおもむろに絵を描き出した。
「なるほど、絵で示すつもりか」
カービィの顔は至って真剣に見える。
指揮官は、この生き物が伝えたいことを真正面から受け止めることにした。
描き終わるのを見届けると、視線で「見てもいいか?」と合図する。
それにカービィはニコッとして、自信満々に紙を掲げた。
「こ、これは……!」
絵を見て、指揮官は息を呑んだ。
「何も分からない……!」
ぐっちゃぐちゃのめっちゃくちゃだ。
黄金の流れ星に紫色の星。ケーキにおむすびに、あとは謎の生き物。
やはりどこからどう見ても、子どもの落書きにしか見えない。
「まぁ、お上手」
「言動からしても幼児程度の知能と見た方がよさそうですね」
本人は眉を吊り上げて必死にぽよぽよ言っているが、アニスとラピは冷めた目をしている。
「あ、師匠。これだけやたら強調してますよ」
一方、ネオンはある点に目をつけて指で囲って見せる。
「……なんだこれは?」
指揮官の表情の変化に感づいてか、カービィは跳ねて喜んだ。
……本当に辛うじて絵の形を成しているレベルだ。
ブサイクな厚い唇のペンギンのようなナニカが、不気味に笑っている。
「もう、これ遊んでるだけでしょ。一貫性無さすぎだわ」
「ででで、ででで、でででー!」
ピンクの手はそれを何度も指さして連呼する。
無論、意味は分からない。
だが彼の目線は、他でもない指揮官に真っすぐ向けられていた。
「……」
指揮官はなるべくカービィに視線を合わせるべく屈みこんでから、後ろにいるニケたちを左から指さしていった。
「カービィ。左から、ラピ、アニス、ネオンだ」
「らぴ、あにしゅ、ねおん!」
アニスはその意図を察して硬直する。
「え。まさか、指揮官様……」
「私のことは、指揮官と呼んでくれ」
指揮官は、そっと手を差し出した。
「しきかん、しきかん!」
カービィは笑顔で快く応じ、固く握手を交わしあった。
その手はマシュマロのように柔らかく、温かい。
指揮官は立ち上がると、顔を引き締めてニケたちに向き直った。
「この生物のことはアークには報告せず、詳細が判明するまで保護する」
ニケたちの顔に緊張が走った。
「理由は2つ。中央政府からD-WAVEに関する連絡がないこと。もう一つは、もし彼がD-WAVEによる産物でなく政府に察知された場合、安全上のリスクがあるからだ」
「確かに。お菓子で釣られて、一生研究対象にされそうですよね」
そう言ったネオンが試しに懐からパーフェクトを少しだけ出してみると、カービィはすぐ目ざとく見つけ、期待混じりに涎を垂らしていた。
「……一つ、質問してよろしいでしょうか」
指揮官は「ああ」とラピの申し出を受け入れる。
「そこまでしてその生物を庇われるのは、マリアンの件を受けてのものでしょうか?」
「……」
「まりあん?」
カービィの声だけが前哨基地に木霊した。
「……そうだ」
「お気持ちは理解できます。しかし今回の相手はD-WAVEでも説明できない、まさに正体不明の生命体です。あまりに不確実性が高すぎます」
カービィはカウンターズの足下をうろつき、指揮官とラピの顔を交互に見上げる。
「対象を保護する場合、万一の事態に備えた交代制での監視を私からは提案します」
「うっわー。ヤな予感はしてたけど、いよいよ子守りみたいになってきたわ……」
「私たちに断りもせずひどいですよ! 私は毎晩遅くまで火力の勉強をしているというのに!」
「2人とも、文句を言わない。先ほどの吸引力といい、カービィの行動は予測不可能よ。夜間は特に警戒しなければ」
アニスはそれを聞いて、じっと絵を掲げて突っ立つカービィを見下ろす。
彼女が少し口の端を上げて手を小さく挙げてやると、彼はにこりと満面の笑みを返した。
「……指揮官様の頼みなら仕方ないわね。せいぜい、その笑顔が仮面でないことを祈るわ」
表情とは裏腹に、アニスの瞳の奥は冷たい色を帯びている。
ラピは彼女独特の皮肉な言いまわしを賛成とみてか、それ以上は問わず、
「ネオンは反対?」
「うーん……私としては貴重な研究時間が少なくなるのは実ぅ~に残念ですが、師匠が良いと仰るなら……」
ネオンは多数決での不利を悟ってか早めに諦める。
そもそも兵器であるニケに部隊としての意思決定権はない。
最後の判断はすべて、人間である指揮官が下す。
「……では、それで頼む。だが研究所へ向かう日も近い。各々、無理はしすぎないように」
「了解」
「了解です!」
「りょうか~い」
アニスは敬礼を解いてから去り際、残った補給品の詰まったケースに目を留めた。
彼女は何かを考えると端末を少しの間叩いてからしまい、ケースに肘を置いて「ねぇ」とラピを呼び止める。
「今夜の当番は私に任せて。あとコレ、あのオンボロの倉庫に運んでっていい?」
「ありがとう、では、私は21:00まで警護をするわ。でも、なぜ補給品を──」
言いかけたところで、ラピの端末に通知が来た。
彼女はその画面を見たあと、同じく端末を持つアニスと目線を合わせる。
が、当人は眉一つ動かさない。
「なぜって、予防よ。またカービィに食べられちゃたまらないからね」
「……分かった。では倉庫で待ち合わせね」
「おや。では私は何を?」
「ネオンは非番よ。地上出撃に備えて装備品を点検しておいて」
ネオンの疑問は、ラピの一言で霧散した。
「あ、じゃあ今夜の私はフリーですね! イェイッ!」
各自の持ち場に戻っていく彼女たちの背中を、指揮官は心配げに見つめた。
「何事もなければいいんだが……」
バイバイと手を振って見送るカービィの傍ら、ラピはアサルトライフルのグリップを持ち直し、いつでも指揮官とカービィとの間に割り込める位置へ移動したのだった。
ニケ世界に来たばかりのカービィにさっそく、不穏な空気が迫る……?
明日も2話連続投稿予定です!
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