Scarlet(Steller Blade)&VS. メタナイト(星のカービィスーパーデラックス)
「貴様は誰だ」
「メタナイト。このポップスターを守護する騎士だ」
スノーホワイトへ騎士と名乗った男は、背丈こそニケたちの膝にも及ばない1頭身。
なのに既に彼女たちが身構えるほど、立つだけで只者ではない威圧感を纏っていた。
「予め言っておくが、今のヘビーロブスターは私がけしかけたわけではない。あくまでディメンションホール周辺の巡回を行わせていただけだ」
「ディメンションホール……あの、紫色の星のことか」
「そうだ。あれは我々の世界と君たちの世界を繋ぐ、異次元の穴。確か、ラプチャーと言ったか。それらが我々の星へ侵入するのを防ぐため、かの兵器を導入しているのだ」
滔々と語る騎士の仮面──V字型のスリットから覗く、真っすぐな視線──を見て、スノーホワイトは彼は嘘を言っていないと直感した。
ラプンツェルがヘビーロブスターの破片を一瞥すると、申し訳なさそうにメタナイトを見上げる。
「で……では、私たちは、その兵器を壊してしまった、というわけですよね……。どうしましょう、お金なんてありませんし、まま、まさか、この身体で対価を支払う、なんてことは……!?」
「ふむ。対価、か……」
何故か頬を赤らめてもじもじする聖女ラプンツェルだが、メタナイトの視線は一切そちらには向かわず、
「そこの剣士。紅蓮と言ったな」
突然の呼びかけに、白き剣客が笠を少しばかり持ち上げる。
「……そうだが。何か用かね」
「君に、決闘を申し出たい」
メタナイトがマントを開いた。
内から覗いたのは、一振りの剣。
高所にいる彼から紅蓮に向かって、黄金の剣身が一直線に突き出される。
夕日の色を鋭く反射した光が、一本の線を引いた。
さざ波の押し寄せる音も、今にも地平線に沈もうとする夕日の輝きも、カモメの鳴き声も、変わらぬまま。
だがいま確かに、彼らを取り巻く空気は変わった。
「それが、君の求める対価か?」
「そうだ」
「よくわからぬ提案だ。私たちはラプチャーと違って言葉が通じる。今回のことはすまぬが自己防衛ということで、大目に見てはくれないかね?」
「困るな。アレは部下たちが手をかけ、兄弟のように整備と点検を重ねた機体。その仇を取れば、彼らの気も少しは晴れよう」
メタナイトの視線は動かない。紅蓮はやがて首を振りながら薄く笑う。
「はは。どうにも頑なな御仁のようだ。だが、なぜ私一人に?」
「簡単なこと。我らは同じ剣の使い手。1対1ならば対等な勝負ができる。もっとも、そちらがその気なら3人がかりでもよいが」
「ほぅ。対等な勝負……か」
笑みはそのままだが、既に『
慌てて、ラプンツェルが叫ぶ。
「ぐ、紅蓮! 相手の力は未知数です、ここはいったん退いた方が!」
「彼が、このまま私たちを帰してくれると思うかね?」
「ですが!」
紅蓮はすっと笑みを消して刀に手を添えた。
「では……始めるとするか、騎士殿。2人は下がっておれ」
「ああ。では、さっそく」
スノーホワイトとラプンツェルは、無言で数歩下がるしかなかった。
2人の醸し出す気迫が、自然とそうさせた。
騎士がマントを脱ぎ捨て、ヤシの木の頂を蹴った。
それからスノーホワイトが瞬きする間に、彼は紅蓮の眼前へ肉薄していた。
「!」
火花が散った。
紅蓮は至って冷静に、空中から振り下ろされた剣を刀で受け止める。
全く使い手の背丈も、刃渡りも異なる剣が激しく競り合う。
「ほぉ、いい太刀筋だ」
「そちらも急襲に揺るがぬ心。見事だ」
両者が跳び下がり、間合いを取る。
周囲にメタナイトがいたヤシの木以外、目立った遮蔽物はない。
まさに、素の実力が試される場だった。
まず仕掛けたのは紅蓮だった。
彼女は川の流れのように駆け、膝下のメタナイトへ刀を下薙ぐ。
彼はそれを、素早く跳躍して躱した。
すかさず切り返しての2連撃。
確かにその刃は、仮面のスリットを的確に貫くかと思われた。
「!?」
しかし、空中でメタナイトは『再び跳ねた』。
既に丸い身体は、紅蓮の横へ宙を旋回している。
その背からは、先ほどは影も形もなかった蝙蝠のような羽根が生えていた。
「と、飛んだ!?」
「……それ以前に、あの一撃を見切るか」
ラプンツェルもスノーホワイトも驚かざるを得ない。
「無駄がなく隙もない……見事だ」
騎士は呟きながら、宙でその身を捻った。
メタナイト自身が剣を横に、独楽のように回転する。
音速の竜巻が、巧みに姿勢を操りながら読めない軌道で空を舞う。
「ほぅ、流石は異界の剣士。変わった技を使う」
紅蓮が呟く間に竜巻は背後へ回り込み、振り向く時には既に彼女の白笠に触れんとしている。
秒間に数十、いや、あるいはそれ以上の斬撃が、目の前に。
紅蓮は刀では受け止めず宙返りを打った。
騎士は回転を収めながら浜に着地、ちょうど同時に降り立った剣士と目線を合わせた。
湿った砂を踏む音が二つ、闇を増す静寂にざっ、ざっ、と響く。
「君のように剣を使う者は、他にも?」
「今は私だけだ。そちらはどうかね」
「数こそいるが練度は軒並み低い。遥か彼方へ出向かねば満足できる者がいないくらいにな」
瞬き一つなく、視線が交わされ続ける。
僅かに紅蓮が首を傾げた。
「満足……か。どうにも解せぬ。君は護るために斬るのか? ただ斬らんがために斬るのか?」
「その時々だ」
「ふふ、なるほど。正直だな」
直後、紅蓮は喉元へ真っすぐに飛んだ剣を受け止めた。
弾き返した紅蓮は、宙にいるメタナイトへすかさず回転斬りで迫る。
彼は流石に体重の差で押されながらも、剣で連撃を一つずつ弾き続ける。
「君の技を真似てみたが、どうかね?」
「超音速にはほど遠いが……良い威力だ」
「では、これは」
「!?」
一閃。
無数の斬撃が空間を裂き、浜に数多の線を刻んだ。
「なんと……」
すんでのところでメタナイトは身体を捻り、直撃を避けた。
彼の剣を握るグローブに、肩パッドに、幾つか亀裂が走る。
一瞬、地上に降り立った彼の頭上──跳び上がった紅蓮の唐竹割りが迫った。
「フンッ」
翼持つ騎士は、剣を逆に天へ突き上げながら飛び立った。
「ッ……」
紅蓮は思わず目を見開いて、咄嗟に上半身を逸らす。
黄金の剣が、彼女の右腰から左胸下辺りまで一筋の紅色の痕を刻んだ。
騎士は大きく宙返り滑空しつつ、剣士へ向けて剣を一直線に構え、全身を捻る。
「せやァッッ」
回転しながらの刺突。
紅蓮はそれを正面から突き、剣先一点でもって受け止める。
衝突点から溢れた衝撃波が空気を乱し、スノーホワイトたちの髪を揺らした。
「……あの騎士、いったい何者だ」
「身長も体重も全く違う相手……しかも、あの紅蓮に……傷を……!?」
ラプンツェルの戸惑いの声は、次の剣戟の音にかき消された。
互いに距離を取ってしばし睨み合ったかと思うと、紅蓮はふぅー、と息を吐いて納刀。
ちゃきん。
鯉口を切る音が鳴ってから1秒も経たず、メタナイトの眼前で火花が散っていた。
紅蓮が最も得意とする、居合抜きだ。
「これはどうかね、騎士殿?」
火花が収まるときには既に、彼女は元通りの位置にいる。
それを彼女は二連、三連、四連と連発する。
並みのタイラント級ラプチャーならば訳も分からず両断されているところを、メタナイトは空中で押されながらも真正面から的確に捌き切った。
そして5連撃目。唯一の障害物だったヤシの木が、彼のすぐ背後に迫っていた。
「……」
彼の視線が後方に僅かに逸れた瞬間を、紅蓮は見逃さなかった。
容赦なく、神速で刀を抜き、追い詰め──
文字通り、メタナイトが取り出したマントに身体を包んで『消えた』。
次に火花が散ったのは紅蓮の背後、その足下。
振り向きざまに地面に突き立てた紅蓮の刀が、メタナイトの横薙ぎを十文字に防いでいた。
「膝裏狙いだな」
「フ。流石に狙いが甘かったか」
「散々真正面から来ておいて、一向に君の『強み』を生かそうとせぬものだからな。そろそろとは思っていた……ッ」
彼女の言葉が途切れた。
紅蓮の白い装備が、紅く滲んでいる。
「ぐ、紅蓮!」
「ラプンツェル、やめておけ。あの顔を見ろ」
駆け寄ろうとしたラプンツェルの肩を、スノーホワイトが掴んだ。
「……!」
「止めに入れば、私たちが斬られる」
紅蓮の顔はとても愉しげだった。恍惚の感情すら覚えているようだった。
「嗚呼。姿形は異なるとはいえ、まさかこの時代に、ここまでの使い手に会えるとは」
対するメタナイトの表情は、銀色の仮面で読めない。
ただ、紅蓮だけを真っすぐに見つめている。
「紅蓮。感動してくれているところ悪いが、ここで敗北を認めれば私は『仇は取った』とみなして君たちをこのまま帰してもよい。何故ならば──」
距離を開けたメタナイトは、夜の色に染まりつつある浜の空へ、真っすぐに黄金の剣を突き上げた。
木の枝のように枝分かれした刀身が、自ら燃えるように輝いている。
「このまま続けるのであれば、私は私の騎士道に則り、この『宝剣ギャラクシア』を全力で振るう。だが住む世界が違う以上、君にとってそれは、卑怯な方法かも知れないからだ」
「……」
「私は、両者納得のいかぬ勝ち負けというものが嫌いでな。君自身の望みを聞きたい」
紅蓮は庇っていた傷から腕を退けると、むくりと起き上がる。
そして『花無十日紅』を一旦鞘に納め、目を細めて笑った。
「騎士殿。その全力とやら──是非とも見せておくれ。どうやら私も興が乗ってきた」
そう言って取り出したのは、ひょうたん型の酒瓶だった。
「そこまで言うならばこちらもこの刀、全力で振るわせてもらおう。その腕……我が奥義を見せるに相応しい」
酒瓶を見上げながら傾ける。
とくとく、と透明な液体が音を立てて彼女の喉を潤していく。
笠の下、すぅ、と酒を腕で拭い去ったあと──口から笑みは消えていた。
「天地万物を斬るとは、こういうことだ」
瞬間、ぞわりと、背を冷たいものが伝う感覚がスノーホワイトたちを包んだ。
空間そのものが切り裂かれ、血の紅に染まったかのような気迫が一帯を覆った。
気づけば、紅蓮はふらりと消えていて。
メタナイトの背後に迫っていた。
「……ッ」
すんでのところで彼は剣を弾くが、紅蓮はまた何処かへ姿を消す。
上下も左右もない、まさに時と空間を我がものとした変幻自在の舞。
黄金の剣を持つ騎士でさえ、そのすべてを受け止めきれない。
銀色の仮面に、羽根に、次々と大小の傷が刻まれる。
「さぁどう出る、騎士殿。君の全力とやら、出しておくれ」
一旦、メタナイトは目を閉じる。
そして、ある一点へカッと目を開く。
「そこか」
振り向きざまに虚空を切った宝剣ギャラクシアから、三日月が放たれた。
羽根を狙って迫っていた紅蓮は、すぐさま刀を抜いてそれを切り裂いた。
ほんのりと頬を紅く染めた彼女の顔が歓喜に輝いた。
「ほぉ、かまいたち! 君も使えるのか……!」
「では、これはどうだ!」
メタナイトは剣を掲げて炎を纏わせると、地面にそのまま突き立てた。
直後、炎の大竜巻が地を割り、天を衝かんほどに噴きあがった。
「なるほど。これが君の『騎士道』かね!」
砂が舞い、地盤が割れ、地中に埋まっていた岩までもが大量に巻き上がる。
紅蓮は竜巻を避けつつ、頭上へ視線を巡らす。
次々に落ちてくる岩を、跳び、蹴り、宙へ身を翻す。
「そこにいるのであろう?」
彼女は呟くのとほぼ同時に、メタナイトと剣をかち合わせた。
落ちる岩を足蹴にして斬り合い、互いに宙で鍔迫り合う。
一度、二度、三度、四度、五度。
激しく火花を散らし合いながら、両者は背中を向け合う形で地上に舞い戻った。
浜に静寂が戻った。
土煙が晴れ行くなか、両者は背中合わせに立ち続ける。
夕日は沈み、空には既に三日月が輝いていた。
何処からか、風流な虫の声が聞こえた。
「!!」
刹那。
騎士の仮面の右横に、深く亀裂が入った。
剣士の笠の右側が欠け、頬に細く赤い筋が入った。
場所を入れ替えた両者は、もう一度、振り向いて互いの眼を見つめ合った。
「ッ……もうダメです! 2人ともやめてください、これ以上は!」
「よせ、ラプンツェル!」
ラプンツェルがスノーホワイトを振り切って杖を掲げて光らせようとした、その時──
「良い仕合であった、メタナイト」
「こちらこそ感謝する。紅蓮」
両者は剣を納めていた。
歩み寄った両者の間で、固い握手が交わされる。
メタナイトは姿勢を正すと、唖然とするラプンツェルとスノーホワイトに向かって真っすぐ、深く頭を下げた。
「まずは非礼を詫びる。仲間への突然の狼藉、申し訳なかった」
「何を謝ることがあるかね。ここまで満足のゆく
「ど……どういうことですか? さっきは『決闘』と……」
ラプンツェルが杖から放つ回復の光を浴びながら、紅蓮はメタナイトへ片目を瞑ってみせた。
「彼の剣からは、気迫こそあっても殺意はまるで感じられなかった。視線、剣の擦れ合う感触から自ずと分かったのさ」
「確かに、言われてみれば」
スノーホワイトの目から見ても、途中からは大技に大技をぶつける、相手の実力を測るような流れになっていたことは分かった。
「しかし、こうして剣で『会話』できる使い手が現れるとは。殺し合いを続けるあまり、いつしかそんなものは与太話と思っていたが……長く生きてみるものだねぇ」
紅蓮の視線が、波打ち際に転がるヘビーロブスターの残骸へ流れ、また騎士へ戻った。
「騎士殿。もとより、仇討ちは
メタナイトは、しばし黙って紅蓮を見つめ返した。
「フッ……もう分かっていたか」
彼も、先ほどとは打って変わって柔らかく目を細めた。
「まずはこちらの事情を、簡潔にだが包み隠さず話させてもらおう」
*
「秘宝きらきらぼし、星間を渡る船……まるでおとぎ話ですが、あなた方にとっては現実なのですね」
「なるほど。そちらの不届き者を追ってきたが敢えなく手が届かず、ここで爪を研ぎつつ友を待つ。そういうわけか」
「ああ。だが私たちだけでこの世界を渡り歩くのは、あまりに危うい」
「つまり、水先案内人及び追加戦力が要るわけか」
スノーホワイトは、心得て頷いた。
「そうだ。そこでヘビーロブスターには戦闘だけでなく、状況を我が戦艦ハルバードへ送信する機能を設けてあった。そこに、君たちが引っかかった」
「なるほど。早い話が、私たちは試されたというわけだな」
「……無論、私の個人的興味もあったのだがな」
「むしろ騎士殿個人としてはそちらの方が大きかったのではないかね?」
紅蓮がばらけた鉄塊を一瞥して笑みを浮かべてみせるとメタナイトは無言で咳払い、目線を逸らしてマントで身体を覆った。
「そちらの目的は概ね把握した、メタナイト。だが、伝えておきたいことがある」
一方、スノーホワイトはメタナイトを冷徹に、しかし真摯に見据えた。
「私たちは、私たちそれぞれの目的に沿って行動している。お前の目的は、それを妨げてでも成し遂げたいものなのか?」
騎士はすぐには答えず、剣でもって遠くにあるディメンションホールを指し示した。
「君たちほどの猛者なら、そちらの世界で山ほど見たことだろう。妙な動きをするラプチャーを」
スノーホワイトの脳裏にたちまち、ここ数日間で出会った違和感が蘇る。
こちらの存在を無視して何処かに飛んでいく大群。
幾度となく発生した『仲間割れ』。
「確かに……挙げればキリがないな」
「あっ、私もです! てっきり何かの偶然か見間違いかと思っていましたが……」
その違和感を覚えているのは、スノーホワイトだけではなかったようだ。
「あれはすべて、その不届き者の勢力が仕向けたものだ。ラプチャーたちは、秘宝『きらきらぼし』を狙うための手駒となりつつある」
「……っ!」
スノーホワイトは思わず息を飲んだ。
ラプチャー殲滅が目的である彼女にとって、それは見逃せない情報だった。
「奴らは、全く考えが読めない虚言の使い手だ。そのラプチャーを使っていったい何をしでかすか、分かったものではない。思いつきのいたずら程度ならばまだいいが……」
「なるほど。相手の出方によっては『ラプチャー以上の脅威』にもなるな」
先ほど手合わせをしたお陰なのか、紅蓮はメタナイトの意図を汲んで言葉を続けた。
「して、その不届き者がどこにいるのか見当はついているのかね?」
「ああ。我々が交戦した地点は、君たちが通ってきた穴からずっと遠く南西に進んだ、荒れ地の一帯だ」
ニケたちの間で視線が交差した。
ラプンツェルは「まさか……」と小さく呟いてから、
「……出来れば、当時の状況を詳しくお聞かせ願えますか?」
メタナイトは黙ってうなずき、目を細めた。
「あれは屈辱的だった。彼らを追って異空間ゲートを潜った数十秒後、
彼は虚空を睨み、グローブをぎゅっ、と音が聞こえるほど握った。
やがて彼は感情を納め、もう一度スノーホワイトたちへ向く。
「……今では、奴らの乗る星船はレーダーには映らなくなった。光学迷彩の中に逃げ込んだのだろうな」
3人はどこか気まずそうに、ずっと黙っていた。
「どうした。何か心当たりがあるのか?」
「あの、実は……」
ラプンツェルはしばし言うのを躊躇っていたが、顔を見合わせたスノーホワイトと紅蓮にうなずかれたことで彼女は口を開いた。
「それは……恐らく、エデンです」
「エデン? 初めて聞く名だな」
「かつての、私たちの仲間がいるところです。憎悪と復讐に囚われた彼女が、人間とニケを集めて作り上げた……新しき楽園」
「……そうか。それは、何とも因縁深い」
メタナイトも言葉に詰まったのを見て、紅蓮はしばし閉じた瞼をもう一度上げて、口を開いた。
「話を戻そう。ということは……考えたくはないが、状況からしてそやつらがエデンと接触した可能性が高いな」
「……ああ。ゲートの位置からしても、明らかに意図的だ。恐らくは最初から分かって誘い込まれたのだろう」
スノーホワイトが目を伏せ、歯噛みしながら小さく呟いた。
「ドロシー……!」
「そんな、まさか!」
ラプンツェルが声を上げる。
「確かにドロシーも含めてエデンの方々は私たちと考えこそ違いますが、芯というものがあります。悪事に手を貸すようなことは、断じてありえません!」
「ラプンツェル、騎士殿が言っておったではないか。相手は虚言の使い手、その心の芯すら利用して蝕んでいく……そういうこともありうるぞ」
「ぐっ……そ、そんな催眠N〇Rみたいなことが……」
「……?」
痛ましそうな顔のラプンツェルの一言に首を傾げたメタナイトへ、即座にスノーホワイトが反応する。
「メタナイト。今のは聞かなかったことにしろ」
「あ、ああ……」
メタナイトは、改めて3人へ手を差し出した。
「……君たちの目的こそ詳しく知らないが、ラプチャーが敵であるという点は共通しているはず。私たちと協力するメリットは十分にあると考えるが……どうかね」
先に紅蓮が歩み寄った。
「私は協力しよう。流石に、かつての仲間が騙されて道を踏み外すところを、黙って見ていたくはない。ラプンツェルとスノーホワイトは?」
「……私も、参加させていただきます」
「……賛成しよう」
ここに、異界の戦士の間で同盟が交わされた。
今回は朝に投稿してみました。
メタナイトの動きは、歴代作はもちろんスマブラも参照。
紅蓮の動きは、NIKKEと同じSHIFT UP製SF剣戟アクションゲーム『Steller Blade』のコラボDLCを参考にしました。NIKKE本編だと照準に合わせて居合抜きしてるだけですが、アクションゲーム基準で動くとマジの神速。クリアまで何十回も死にました…。