戦士たちの同盟はゲートを再び潜り、荒れ果てた地上を行く。
夜は更けているが、幸い、満月が行く道を照らしてくれた。
「メタナイト。疲れてはいないか?」
「いいや。問題ない」
ニケたちは、メタナイトの拠点である『戦艦ハルバード』へ案内されている。
彼女たちの前でメタナイトが翼を広げ、先導する形だ。
「この調子なら、日が昇る頃には着くな」
「さすがは異界の剣の達人ですね。私たちのような機械の身体でもないのに」
ラプンツェルがそう言いながら周囲を見渡した。
「あの、皆さん。ほんの少しだけ、ここの辺りで野営をしませんか?」
メタナイトがスリットの下で目を見開き、スノーホワイトも紅蓮も驚いた顔をした。
「聖女ラプンツェル、気遣いなら無用。ただでさえ君たちの時間を奪っている上に、もしラプチャーに感づかれれば……」
「そういえば、話していませんでしたね。私の髪は、ラプチャーの探知を防ぐジャマーになってるんです。効果は弱くなりますが、良ければ3人ともお渡ししておきます」
そう言って彼女は金髪の三つ編みを持ち上げ、数本ずつ千切って渡していった。
「なぜ、そこまでして……」
「ちょうど、お互いを知るのにいい機会だと思うんです。あちらに着いてからは忙しくなりそうな気がしますし」
「……」
メタナイトは少し躊躇うが、ラプンツェルは目を細めて一同の顔を見渡した。
「それにこのメンツなら、少々ラプチャーが襲って来たところで、大した問題にはならないでしょう?」
「……そこまで言うなら、お言葉に甘えようか」
メタナイトが呟くと、紅蓮が笠を剣の柄で持ち上げ、荒れ地の夜空に輝く満月を見上げて笑った。
「ふふ。いつだかのことを思い出すな。あの時は手のかかるお嬢ちゃんが相手だったが、今回は異界の騎士か」
*
そうして一同は月夜の下で一通り、互いの世界の基本的な知識を交換した。
「プププランド……か。なんというか、口に出す度に気が抜ける感じがする名だな」
「スノーホワイト、失礼ですよ!」
ラプンツェルがスノーホワイトの放言をたしなめるが、メタナイトはため息交じりに首を横に振る。
「いや、その感覚は正しい。ほとんどの者が、その日その日の楽しみにしか興味がない。君たちからすれば、まさに堕落に満ちた土地と言えるだろうな」
「護られる対象にしては、ずいぶんと酷い言われようだ」
にやつく紅蓮に、メタナイトはどこかやりきれないような口調で呟いた。
「まったく。連中に君たちのことを教えてやりたいものだ。守るべき存在のために身体をキカイに変え、百年以上も地上を彷徨い、敵を討ち続ける『
それに対し、彼女は苦笑いを浮かべた。
「身に余るお言葉だ。しかしどうも君は、ポップスターでは随分と浮いた存在と見える」
「否定はしない。むしろこちらの世界が、性に合っているのかもしれないな」
「……なるほど。その体力と実力からして、確かにお前はサバイバル向きかも知れない。それなら……」
スノーホワイトは懐のケースから、もぞもぞとした黒い塊を取り出した。
「芋虫と毛虫で作った団子だ。疲労回復に効果がある」
「!?!?」
メタナイトは思わず後退りした。仮面越しでも顔が青くなっていることが、紅蓮たちからは分かる。
「な、なぜそれを、私に……!?」
「そちらの世界で多くのご馳走を頂いた、せめてもの礼だ。味こそ劣るが、お前ならきっとこの良さも分かってくれ……」
「スノーホワイト。それは客人に出すものではない」
「紅蓮。だが……」
「感謝の気持ちは実戦で示せばよかろう。そう押し付けるものではない」
「……分かった」
メタナイトが冷や汗を拭うのを見届けると、げんなりした顔で紅蓮は剣を杖のようにして立ち上がった。
「私は10分ばかり席を外そう。ラプチャーの見回りに行ってくる」
そう言って彼女は、その場を去っていった。その背中を見送りつつ、メタナイトはスノーホワイトに振り向いた。
「……ある意味君は、銀河一のヒーローを超えているな」
「銀河一のヒーロー……『カービィ』と言ったか。宇宙をも幾度となく救ったという彼と並べて語ってもらえるとは、光栄だ」
「スノーホワイト……たぶん、そこまで褒めては……」
ラプンツェルは言葉を途切れさせ、じいっと穴が開くほど剣を見つめた。
「どうしたラプンツェル。興味があるのか?」
宝剣ギャラクシア。
柄には赤いオーブが輝く。
剣身は枝分かれして、天を貫かんばかりに金色に輝いている。
「変わった……形の剣ですね」
「ああ。一見扱いづらそうに見えるだろう。だが、上手く使えば森羅万象を切り裂き……」
そこでメタナイトは異変に気づいた。
ラプンツェルの顔が真っ赤に火照り、瞳が見開かれ、涎が垂れ、自身を両手で押さえ込むも悶えて震えている。
「宝玉のついた……金の……そそり立つ……剣……はぁ、はぁ……!」
「ラプンツェル、どうした!! 苦しいのか!?」
「放っておけ、メタナイト」
驚いたメタナイトの横で、両腕を後ろに回して岩にもたれかかったスノーホワイトが呟く。
「何を言っている! 急遽あちらからマキシムトマトでも……」
「問題はない。食い物で治るものでもないからな、コレは」
「問題しかないだろう! 紅蓮に報告する!」
「……あ」
*
メタナイトは貰ったラプンツェルの髪を腕に括りつけておき、少し離れた高台にいる紅蓮へと飛んだ。
彼女は月を見上げながら、口へ盃を傾けていた。
「ふむ。やはり、満月を肴に飲む酒は格別だ」
メタナイトは雰囲気を壊すことを躊躇わず、すぐ背後に降り立った。
「紅蓮! ラプンツェルが危ない!」
「敵襲か? 見たところ、そんな様子はないが……」
「私の剣を見て、いきなり悶え苦しみ始めたのだ! 幻覚まで見ているようで……」
「ああ、それか」
一瞬で、紅蓮の顔が呆れたように緩んだ。
「それかとはなんだ! スノーホワイトといい、君までも……」
「大丈夫、ああなるのはただの悪癖、命に別状はない。ほれ、せっかく彼女が設けてくれた場だ。後のことはあちらに任せて、こっちに寄ってきてくれんかね」
紅蓮がそこまで言うなら、とメタナイトは溜息を吐き、仕方なしに隣に座り込んだ。
「メタナイト。そちらの世界に酒というものはあるかね?」
「酒……か。あることにはあるが、滅多に飲むものではないな」
「なるほど。君自身は?」
「……ない」
「なら、試すにちょうどいい機会だ。いかがかね?」
少し紅くなった顔で、紅蓮は一献勧める。
メタナイトは琥珀色の液体を怪訝に覗きながら、仮面を少し上げて飲んだ。
「……辛いな」
「ははは、そうかねそうかね。剣こそ達者だが、舌の方はまだお坊ちゃんということか」
「からかうでない、紅蓮。素直な感想を述べただけだ」
──そして、10分もしないうちに。
「ヒック」
紅蓮は、完全に泥酔していた。
完全に紅潮した顔でメタナイトの肩に手を回し、次々に酒を溢れんばかりに盃に入れてくる。
「メタナイト。ヒック、ほれ、君ももう少し飲め飲め」
「いや、私はもういらな……」
「要らないとはなんだ要らないとはぁ。せっかくの半年モノの蜂蜜酒だぞぉ、飲まにゃあそんそ……」
そこで、紅蓮はバタンとうつ伏せに倒れた。
むにゃむにゃと何やら呟いているがよく聞こえない。
「……完全に酔い潰れているな」
何とか紅蓮の腕から抜け出したメタナイトは彼女の寝顔を見つめつつ、
「まさか、ここまで変わり者の集団だとは……」
しばらくして、辺りを見回す。
ラプチャーはいない。パイオニアのメンバーもいない。
「さて……そろそろ辛みを中和せねば」
マントの内側から取り出したのは──
一つのフォンダンショコラ。
それを、どこからともなく握ったフォークに突き刺し、優雅な手つきで一口。
「……ふぅ」
「あはははは、驚いた!! ヒック、君が甘党とは……!!」
ぎょっとしたメタナイトは、外れかかった仮面を慌てて付け直す。
「ぐ、紅蓮!?」
「ずいぶんと可愛らしい顔に可愛らしい趣味ではないか、ん~?」
いいものを見た、という顔で上から覗き込む紅蓮に、メタナイトは叫んだ。
「た、頼む! このことはどうか内密に!」
「ヒック、そこまでして、ヒック、隠すことかねぇ?」
「隠すことだ!」
メタナイトの必死な反応を見て、紅蓮は艶めいた唇を舐めていたずらっぽく笑う。
「はてさて、どうしたものか。こんな光景を見てしまっては、ヒック、騎士殿の舌を育ててやりたいという気も……」
「紅蓮。そこまでにしておけ」
一言と共に紅蓮は背後から後頭部を打たれ、再び倒れ伏す。
その向こうにいたのはスノーホワイトと、その後ろで申し訳なさそうに縮こまったラプンツェルだった。
*
「すまない。紅蓮は酔うとだいたいこうなる。失望させたか?」
「いいや……戸惑いはしたが」
「そうか。それならいい」
紅蓮の背中をさすって介抱しつつ、スノーホワイトはふと思ったことを口にした。
「メタナイト。お前たちの世界に入って、不思議に思ったことがある」
「なんだ?」
あの世界に迷い込み、熊を吹っ飛ばして星屑に消し去った光景が、彼女の脳裏に蘇る。
「お前たちは……銃に頭を貫かれ、火に全身を焼かれれば……どうなる?」
はっ、とラプンツェルが顔を上げた。メタナイトはしばらく黙ったのち、
「目の前が真っ暗になり、傍から見れば星屑となって消える。そのまま奈落へ落ちるような感覚を覚え……気づけば、消えた時点とは少し離れたところで目を覚ます」
「……!」
「反応を見るに、やはりそうか。我々と君たちとでは、命の意味が違うようだ」
「なぜ、分かって……」
言いかけたスノーホワイトに、メタナイトは視線を合わせた。
「簡単なことだ。ハルバード修理の合間に見つけた数々の遺失物から、ニケや人間たちの恐怖と悲鳴を見聞きするうちに分かった。この世界の住民は、『やり直す』ことなど出来ないのだ、と」
「だから君は……私のコアと脳天を決して狙わなかったのだな」
「紅蓮。聴いていたのか」
「ヒック……百年地上で生きてきた剣士を……舐めてもらっては困るな……ヒック……」
薄く目を開けていた紅蓮は、またしても目を閉じて岩に身を預けた。
それを見届けたメタナイトは、次はラプンツェルに水を向ける。
「ラプンツェル。その……持病の方は落ち着いたか?」
「えっ!? は、はい。先ほどはお恥ずかしい姿を……」
「そうか。何か言いたげだが、私に聞きたいことでもあるのか?」
ラプンツェルは目を見開き、いったん目を伏せた後、静かにメタナイトを見つめた。
「あの、メタナイト。出来れば、その遺失物の場所……教えてもらえますか?」
「いいが……なぜだ?」
彼女は、胸元からネックレスを取り出して見せた。
「いつも私は、倒れた
「……何のために?」
「そうやって生まれ故郷を知ることで、彼女たちが安らかに眠れるよう弔うためです」
「弔う、か。こちらの世界にはない概念だな」
それを聞いたラプンツェルは、ぎゅっと胸の前でロザリオを両手に握りしめた。
「あの、一つお聞きしたいです。あなた方が『やり直せなくなる』ことはあるのですか。私たちは、それを『死』と呼んでいます」
「……そうだな。自分の姿を思い描けなくなること。自分のことを忘れること。自分のことを諦めること。自分が自分でなくなること。私にもはっきりとは分からないが、こんなところか」
「……ッ」
聖女は、言葉を詰まらせた。
「それはつまり……満足して眠るように訪れる『死』は、そちらにはない……ということですか」
「私の知る限りではあるが」
スノーホワイトは、彼らにとって命とは紙のように軽いものなのか、と一瞬でも認識した己を悔いた。
彼らの『死』の在り方は、軽いようで重かった。
彼女たちの表情を見てか、メタナイトは口を開く。
「案ずるな。『死んだ』のはいずれも、自らの願いに囚われるあまり他者を踏みつけ、身に余るチカラに手を出して逆に飲まれた者たちばかり。執念を燃やし、夢を燃やし、果てには自分を燃やし──最後には灰となって虚無へと朽ち果てていった。因果応報というほかない」
「……そうなの、ですね」
ラプンツェルは目を閉じ、組んだ両手を顔の前へ持っていった。
「何をしている?」
「その方たちに祈りを捧げています」
「……なぜ、そのようなことを?」
「私は思うのです。詳しく存じ上げませんが、その方たちの夢は、願いは、それほどまでに純粋なものだったのではないか、と。ただ道を少しだけ誤っただけなのではないか、と」
「……」
「見知らぬ異界の方々。あなた方がどうか、安らかな地で眠れますように」
メタナイトはそれをじっと見つめ続けた。
「……本当に変わった人だ、貴女は」
祈りが終わり、食い終わり、酔いを醒まし切った一同は、傾きかけた月下で再び旅を始めた。
*
朝日が昇るなか、ニケたちは入り組んだ山脈へと足を踏み入れた。
樹木のカーテンの下、彼女たちは森に似つかわしくない金属製の巨体を視界に認める。
「これが……戦艦ハルバード」
彼女たちの世界における戦艦の定義よりは少し小さいが、それでも全長100から200mはあろう巨体だった。
「フッ……今日もしっかり磨かれているな」
メタナイトが見上げるそれを見たスノーホワイトが、一言。
「メタナイト。そっちの世界には、所有物に自分の顔を飾る風習でもあるのか?」
突き出した砲の上部、船首に取り付けられたメタナイトの仮面が、あまりにも存在感を主張していた。
いかにも『これは私の戦艦です』と言いたげに。
「何か問題でも?」
「……いや、ない」
何かめんどくさいことになりそうだと直感したスノーホワイトは、即座に話題を切って捨てた。
「甲板に上がろう。部下たちがすぐ駆けつけてくれる」
騎士の言葉通り、ニケたちはやや小さめな梯子を上がり、広い甲板へ出る。
すると、そこでも真っ先に目につくものが飛び込んできた。
「おお、これはこれは……」
「物凄く、大きいです……」
立派な二門の主砲だ。
上部は回転して撃てるようになっており、下部には上部に負けないほど太い砲を装備。
さらには何の用途か、アームのようなもので取り付けてあった。
「わーい! メタナイトさまー!」
見とれているうちに、朗らかな声が響く。
ニケたちより遥かに背丈の低い者たちが甲板のハッチを開け、飛び出してくる。
まずは現地でワドルディと呼ばれているらしい、水兵帽子を被った手足の小さい部下がきゃっきゃと騒ぎ立てた。
「あら、可愛らしいですね」
「ラプンツェル。ほれ、まだいるようだぞ。あやつは中々に渋い面を……」
続けて紅蓮が指さしかけて口を噤んだ相手は、鷲のような身体に軍服を着こんだ男。
彼は髭を蓄えた顔に見合わず既に涙ぐんでいて、メタナイトの前に跪くと滝のように涙を流し始めた。
「うごおおおおお、メタナイトさまぁぁぁっ、うごおおおおおおおおおお!!」
「バル艦長。私の不在のなか、よくやってくれた」
「うごおおおおおおおお! そんなお褒めのお言葉、この身にはうごおおおおおおおおおおお」
「いくら何でも泣きすぎですよ、艦長」
「艦長の涙で発電が出来そうな勢いダス」
冷静に突っ込んだのは、斧を背負った骸骨頭とトゲ鉄球を背負った兵士。
あまりにもバラエティー豊かな面子に、パイオニアの面々は言葉を失う。
「改めて紹介しよう。私の部下、メタナイツだ。他にも兵士はいるのだが、彼らはいくぶん生真面目でな。整備に夢中だろうから、後で挨拶してやってくれ」
ため息交じりの紹介に、紅蓮はケラケラと笑う。
「これはこれは、なんともにぎやかな者たちだ」
「……悪く言えば統一性と緊張感に欠けるな」
「な、ナンだとキサマァ~!? ワシらはメタナイト様のため、あのウソつきどもに次元を超えてまで勇気の突貫を……!」
バル艦長が唾を飛ばしながらスノーホワイトに詰め寄ろうとしたところ、先ほどの2人組が慣れた足取りで手早く歩み寄って壁を作る。
「メタナイト様、報告します。お留守の間に、小型ラプチャーの襲撃がありました。被害は軽微ですが、周期は短くなっているようです」
「も~何度ヤラレたんだか数え切れんダス! 二度とあんな思いはゴメンダス!」
「すまなかったな、アックスナイト、メイスナイト。前線での戦闘は大変だっただろう」
「いえ。メタナイト様と比べれば私たちの苦労なぞ……」
労いの言葉をかけられたアックスナイトは謙遜したあと、パイオニアを一瞥した。
「で、そこのノッポな方たちが、メタナイト様のお眼鏡にかなった者たちですか」
「ニケという、あの黒い機械たちと戦う戦士たちの集まりだ。彼女ら自身は流浪の身として『パイオニア』と名乗り、私の旅に協力してくれる」
「すごーい! でっかくてつよそ~!」
水兵ワドルディが、ニケたちの周りを走り回って目を輝かせる。
バル艦長はぐぎぎと嘴の間から歯を覗かせる。
「こらっ、静かにしておけ! メタナイツとしての示しがつかんだろ!」
「さっき人前で泣き喚いてたヒトが言っても説得力皆無ダス」
「あ、あれはオトコ泣きというやつだ!」
バル艦長はどこから出る自信か、自身を遥かに超えるニケたちを前に胸を張ってみせる。
「巨人どもっ! 予め強者であるとは聞いているが……こうしてハルバードに足を踏み入れたということは、即ち一時的にでもメタナイツの一員としてメタナイト様及びワシの指揮下に入るということ! そのことを重々忘れるなッ! 分かったかーッ!」
威勢のいい警告に、アックスナイトが溜息をつく。
「仮にも女性に対して『巨人』ってのはデリカシーなさすぎませんか、艦長」
「そーいうこと言ってるとモテないダスよ」
それを聞いたバル艦長は、急に慌てて視線を左右させる。
「そ、そうか……? なら、なんだ……重量級のご婦人方?」
「余計失礼になったダス」
「あはは! こんなんだけど、お互い楽しくやろーね!」
水兵ワドルディのご挨拶に紅蓮とラプンツェルは苦笑し、スノーホワイトは呆れたように「……ああ」とだけ呟いた。
メタナイトはその様子をしばし見つめ、やがて一言。
「皆の者。武装の補修と強化は済んでいるようだな。早速、次は彼女たちが艦内に入れるよう改修を急ぐぞ。準備が出来次第、出航する」
「……ん?」
メタナイツもパイオニアも、首を傾げる。
──確かここに留まってカービィを待つ話ではなかったか、と。
「彼女たちと話すうちに考えが変わった。もはや、待っているのでは間に合わないかもしれない」
「メ、メタナイト様、どうされたのです。下手に動けばラプチャーどもの餌に……」
狼狽えるバル艦長に、メタナイトは鋭く切り返す。
「この世界は繊細だ。機を逃せば、二度と戻らないモノが多すぎる」
パイオニアは言葉を重ねる必要もなく背筋を伸ばし、メタナイツ一同は言葉に潜む気迫に息を呑む。
彼は稜線から頭を出した朝日を背景に、全員へ振り返った。
「クルー全員に告ぐ。我々は、きらきらぼしの反応を頼りにカービィへこちらから会いに行く。エデンにいる彼女たちの仲間を、一刻も早く救うためにな」
愉快な仲間たちメタナイツも登場。メタナイトの逆襲の会話、短いながらもすごくストーリー性があって好きなんだよね。
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