たわけ!ドアホ男子   作:スピリタス3世

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 先に言っておきますが、僕は真由アンチではありません!なんなら大輝もアンチじゃないです!奏視点で物語が進む都合上、ちょっとアンチっぽく見えることがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。


練習番号C あらたなユーフォニアム

  奏視点

 

 私たちは楽器体験の後、いつも通り目標を決める時間となった。滝先生の登場で1年生が賑やかになった後、久美子先輩が場を鎮めて仕切り始めた。

 

「では、今日はこれから、この場の活動方針を決めたいと思います。北宇治高校吹奏楽部では毎年、活動の目標を自分たちで決めることにしています。結果を求めて厳しい練習に励むか、結果よりも部活を楽しむことに重点を置くか。具体的に言えば………全国大会金賞。これを目指すかどうかを、毎年多数決で決めています。自分の気持ちに正直に、後悔のないよう選んでください。」

 

 1年前に別の人から聞いた言葉を久美子先輩は反芻する。もちろん私の中で、どっちに挙げるかは決まっている。

 

「それでは、決を取りたいと思います。全国大会金賞を目標に頑張りたいと思う人は、挙手をお願いします。」

 

 そして、去年と同じように………こっちに挙げる人が圧倒的多数だった。もちろん私や大輝も含めて。そしてだんだんと挙げる人が増えていき、最終的には全員になった。

 

「では満場一致で、今年の北宇治高校吹奏楽部は、全国大会金賞を目標とします。」

 

 そして、私たちの目標が決まった。全国大会金賞。はっきり言えば、去年のリベンジだ。

 

「はぁ………終わったぁ〜。」

「部長、まだ終わってないぞ。」

「あっ………」

 

 そして、気の抜けた声を出す久美子先輩。こういうところは、去年と違うかもしれない………

 

「全国で金を取ることは、決して楽なことではありません。でも、えっと………」

「では、あとは私からお話ししても?」

「あっ、はい!」

 

 いや、久美子先輩下げられてるじゃん!何してんの?ホント締まらない人だなぁ〜。まあ、そこがいいんだけどね♪

 

「部長も言っていた通り、全国金を獲ることは容易ではありません。ですが、皆さんは今日、今、目指すと決めたのです。その事を、忘れないでください。皆さん、分かりましたか?」

「「「「はい‼︎」」」」

「それでは改めまして………新入部員の皆さん、北宇治高校吹奏楽部へようこそ。」

 

 そして北宇治は、新入生を迎えて新たな一歩を踏み出したのだった………

 

 

 

 

 

 と思っていた次の日のこと。

 

「福岡の清良女子から来ました。黒江真由って言います。ユーフォやってました。よろしくお願いします。」

 

 なんとどこかで見たことあるような転入生がやってきた。髪の長いそのお姉さんは、久美子先輩と同じ3年生。そして、この姿は………っ‼︎

 

「お久しぶりです、真由先輩!俺のこと覚えてます⁉︎」

「あの………もしかして、中洲の屋台でラーメン食べてたカップルの……?」

「カップルじゃないですけど、あの時いたイケメンの方です!女はコレですね!」

「コレって言うな、指差すな。久石奏です。コイツとは何の関係もないんで。よろしくお願いします。」

「よろしくね、大輝君に奏ちゃん!」

 

 福岡に行った時に大輝がナンパした人だ‼︎まさかこんなにも早く再会するなんて。というか、最悪な覚えられ方してるし‼︎カップルじゃないっつーの‼︎問題児とその世話係だから‼︎

 

「大輝君*1ってもしかして、ママちゃんの知り合いなの⁉︎」

「ママちゃん⁉︎」

「そう呼ばれることが多くてね〜。」

「それはそうと葉月先輩、この人は俺が福岡でナンパした人です!」

「された人だよ♪」

「奏ちゃんが隣にいるのにナンパ⁉︎ダメだぞ〜‼︎」

「あの、加藤先輩。私を理由に使わないでください。」

「はいよ‼︎」

「本当にちゃんと分かってるのかな〜?」

 

 にしても黒江先輩、なんか怪しいんだよな。どこかふわふわとしていながらも、ユーフォを手に取って分かるその圧倒的なオーラ。私の直感が危険と叫んでいる。これは事情聴取をしないと………

 

「まあいいです。それより黒江先輩、同じパートの人間として話しておきたいことがあるので、隣の部屋へどうぞ。」

「あっ、うん。分かった!」

 

 ということで、私は黒江先輩を取り調べることにした。

 

 

 

 

 教室に着いてすぐ、私は黒江先輩を尋問した。

 

「どうして、北宇治を選ばれたんです?」

「お父さんの仕事の都合で京都に来たの。それでここら辺では、吹奏楽が1番強いからかな〜?」

「では〜、やはり最初から吹部狙いで〜。」

「そうとも言い切れないけど、やるんなら上手いところの方がいいと思って〜。私、合奏が好きだから。」

 

 なるほど、やはりある程度ここに狙いを定めてきたというわけか。

 

「そういえば、奏ちゃんは大輝君とどういう関係なの?」

 

 って、なんで今それを聞く⁉︎

 

「本当に何もないです。中学が同じだっただけで。」

「なるほど〜、馴れ初めは中学の時か〜。」

「馴れ初めじゃないです‼︎たまたまあのアホが突っかかってきただけですから‼︎」

「向こうからアタックしてきたんだね!」

「そういう意味じゃないです‼︎」

「それで〜、2人での福岡旅行はどうだったの〜?」

「あれはただのソロコンの予選です。アイツが関西予選が無いからと、博多美人を捕まえに福岡にしたんです。ラーメンはその帰りに奢ってもらっただけ。」

「奢ってもらったんだ〜!とても仲良いんだね〜♪」

「だから違いますって‼︎アイツへの罰ゲームです‼︎私結構食べるので‼︎///」

「結構食べるの知ってて奢ってくれたんだね!凄いな〜、めちゃめちゃ好きじゃん!」

「誤解しないで下さい‼︎そもそも、部長の久美子先輩が勝手に私をアイツのマネージャーとして、福岡に行かせただけなので‼︎」

「部長公認カップルなんだ!」

「あのですねぇ⁉︎」

 

 全く、この人はなんなの⁉︎いちいち人の揚げ足取ってこないでよ‼︎私と大輝は違うって言ってんじゃん‼︎腹立つなぁ‼︎

 

「奏ちゃ〜ん、そろそろ皆で練習しない?」

「久美子ちゃん!」

 

 そんな事を思ってたら、久美子先輩が帰ってきた。助かった。よしっ、練習に戻るか………

 

「ご心配なく。丸裸にしておきましたので。」

「えっと…………」

「丸裸⁉︎ママ先輩の⁉︎俺に見せろ‼︎」

「久美子先輩、あのバカは捨てましょう。」

「じゃあ、奏ちゃんお願いね〜。」

「嫌です。私はゴミ処理業者じゃないので。」

「おい、久石‼︎お前嘘ついてんじゃねえよ‼︎」

「変態の分際で、文句言わないでくれる?」

「久美子ちゃん、これが部長公認カップルなんだね!」

「そだよ〜。」

「「違います‼︎」」

 

 って、全然助かってないし‼︎あのバカのせいで最悪な目に遭ったんどけど‼︎ホント、碌でもない奴なんだから………。いい加減まともになって欲しい。

 

「それにしても、低音パートは皆いい子だね!」

「でしょ?いい子が多いから……」

「ですよね、若干一名を除いて。」

「そうですね。若干一名を除き、いい子の集まりです!」

「2人とも、ホント仲良しなんだから。」

「そうだね〜♪」

「「違います‼︎」」

 

 にしても、黒江先輩はやっぱり危険だな。今後とも警戒を怠らないようにしよう。

 

「私も皆と仲良くなりたいな〜。」

「私と先輩は、既にいい関係だと思いますよ〜。」

「じゃあ私のこと、真由先輩って呼んでくれる?」

「黒江先輩という呼び方も、とても素敵だと思いますけど〜。」

「ママ先輩、すいません‼︎コイツホント生意気なんです‼︎あとで懲らしめておくので、ご安心下さい‼︎」

「自分だって、イケメンと彼女持ち男子には生意気なくせに〜。」

「なんか2人とも似てるね!」

「「似てません‼︎」」

 

 ということで、牽制をしておいた。揶揄われたけど、これでヨシ‼︎

 

 その後、その日の練習は無事に終わったのだった。

*1
葉月の呼び方が変わった理由は、荒川康太が入ったからです。これを機に他の人も名前呼びになります。

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