たわけ!ドアホ男子   作:スピリタス3世

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 第四楽章は原作の『北宇治高校吹奏楽部のみんなの話』を参考にしてます。


第四楽章 うちなーのてぃだ
練習番号A あらたなオフィサー


  奏視点

 

 全国大会が終わった1週間後のこと。私と大輝と梨々花は大輝の部屋に、ある人たちからの呼び出しで集まっていた。そう、その人たちとは……

 

「奏ちゃん、ごめんね。ホントはファミレスとかにしようと思ったんだけど、大輝君が怪我してるから、ここのがいいかと思って……」

 

 久美子先輩たち幹部である。

 

「なんで私なんです?普通大輝に聞きません?」

「いや、大輝君の部屋に他の女の子をあげていいのかと思って……」

「私は全然大丈夫ですよ。本人も……」

「っしゃあ!俺の部屋にりりりんと久美子先輩と麗奈先輩がいる‼︎ふぅぅぅぅぅ!」

「あの通りなんで。」

「そ〜だね〜。」

 

 大輝は相変わらず、自分の部屋に女の子が来るとかでやたらはしゃいでいた。どうせ誰とも付き合えやしないのに。本当に、ポジティブすぎる奴だ。

 

「で、今日は何の話です?」

「単刀直入に言うよ。皆に次の幹部を任せます!」

「「おお〜!」」

 

 それはさておき、幹部が3人揃って私たちを呼び出した理由。しかもコンクールが終わったこの時期に。その理由は単純で、新幹部の任命だった。北宇治は代々上の代からの指名で新幹部が決まる。そして、指名されるのはこの3人。さあ、私たちはそれぞれ何の役職なんだろう………?

 

「部長副部長は奏と大輝君のコンビですか〜?」

「いや、違うよ。部長は梨々花ちゃん。」

「ええっ⁉︎わっ、私ですか〜?」

 

 なんと部長は梨々花。本人がびっくりしているが、私は似合うと思う。久美子先輩みたいな、ほんわかタイプの部長として。

 

「おめでとう〜、部長さん♪」

「いいと思うぜ!」

「そんなことないって〜!第一なんで私なんですか〜?」

「皆と仲良くて、なおかつ楽器が上手い人かな。」

「後は今年が金管に偏りすぎたから、木管を入れたかったのはあるな。」

「そ、そんな〜!」

 

 そして、梨々花が部長となれば………自ずと残り2人は決まってくるだろう。

 

「続いて副部長は、秀一の口から!」

「副部長は久石だな。剣崎の補佐にぴったりだと思って。」

「ですよね〜。ありがとうございます。よろしくね、梨々花部長♪」

「揶揄わないでよ〜!」

「最後にドラムメジャーは、麗奈の口から。」

「分かってると思うけど、荒川ね。去年席を奪われそうになったし。」

「あの時はどうも!麗奈先輩の後継者として、頑張ります!」

 

 副部長が私でドラムメジャーが大輝。というか大輝のドラムメジャーが、一番分かりやすかったかもしれない。音楽面は強いけど、部長副部長をやれるほど他のことは出来ないし。

 

「ちなみに、副部長はドラムメジャーの補佐もしてあげてね!」

「同棲とかいいんじゃない?」

「良かったな、大輝。彼女だぞ。」

「「それは全力で断らせていただきます‼︎」」

「部長命令で〜す!副部長とドラムメジャーは付き合いなさ〜い♪」

「「ここぞとばかりに権力を使うな!」」

 

 ゆるふわな部長と、バリバリ指導するドラムメジャー。その間を取り持つ私は、どう立ち振る舞うべきか。

 

「ということで、3人とも!新幹部として………」

「「お願いします。」」

「「「はいよ!」」」

 

 コンクールのリベンジを果たすために。やる事は沢山だ。

 

「あと、久美子と塚本が付き合い始めたよ。」

「ちょっと麗奈⁉︎勝手に言わないで‼︎///」

「それに、この場で言うことじゃねえだろ‼︎」

「おめでとうございま〜す♪」

「塚本先輩………あなた、抹殺されたいのですね………っ⁉︎」

「塚本先輩、コレは確実に処分しておきます。」

「だから久石さんと荒川も付き合って。」

「「それは無理です‼︎」」

 

 例えば大輝の処分とか。

 

 

 

 

 旧幹部陣が帰った後、私たちはそのまま大輝の家で幹部会議を開くことにした。

 

「うぅ〜、自信ないよ〜!」

「大丈夫だ。俺がフォローするし、最悪久石を悪者にすればいい。」

「悪者はアンタでしょ。」

「ありがと〜、2人とも!」

 

 私が梨々花をサポートして、大輝をちゃんと躾ける。副部長としての責務は、思った以上に重い。それが初日から分かっただけでも、大きな収穫だ。

 

「で、目標は全国金リベンジか?」

「だろうね〜。」

「来年の新入生がどう思うか分かんないけど、少なくとも今の1・2年生はリベンジしたいだろうし。」

「あんな終わり方、納得いかないもんね〜。」

 

 そして、目指すところは全国金。これは変わらないと思う。あと少しで獲れただろうに。なんなら大輝が不運な事故に遭わなければ獲れただろうに。

 

「ただ、来年の新入生がエンジョイ勢だったらどうする?」

「それは〜、どうしようね〜。」

 

 だが、問題は新入生がコレを望まないこと。一応2学年分が賛成だから、数の暴力で押せるけど………そんなのやったら、反発は目に見えてるだろう。だったら、これか………?

 

「最初から目標を言って新歓するとか?うちは全国金目指してます、って。」

「お〜、ありよりのあり!」

「新入生の数は減るだろうが、志の高い奴が入ってきそうだな。」

「じゃあ、それにしよっか。」

「「賛成!」」

 

 最初から目標を言ってしまうこと。今までの北宇治は、1年生が入ってから目標を決めていた。でも予め目標が決まってるなら、それに合う1年生を入れたらいい。そうしたら、4月より前に動けるだろうから。

 

「でも、いきなりコンクール曲………ってわけにもいかないよね〜。」

「早くても新入生が出揃ってからだな。それに1年間同じ曲だけはダレる。」

「じゃあ、それまで何する?」

 

 ただ、新入生が出揃ってからのがコンクール曲も決めやすいだろう。となると、3月まではコンクールへの準備期間。ここで何をするか。それが重要だ。

 

「いつも通りアンコンもいいが………俺から提案がある。」

 

 それを考えていると、大輝から提案があった。この言い方的に、アンコンをやるわけではなさそう。

 

「何やるの〜?」

「コンサート祭りだ。」

 

 コンサート、いわば演奏会か。確かに北宇治はコンクールメインで、コンサートの方はそんなに力を入れていない。それをやるってことか。

 

「理由は3つ。まず1つ目、合奏力を高める。コンサートならば全員で合奏する曲が増える。そうなれば、全員で合わせる練習を色んな曲でやりたい放題だ。」

 

 最初の理由はシンプル。全員で合わせる練習をいっぱいできる。それは全国金を獲る上で、とても役立つことだ。

 

「2つ目、優秀な新入生の確保。コンサートをやって北宇治の宣伝をするんだ。ここにはイケメン魔神が居ますよって。」

「最後は余計。」

「うるせえ‼︎」

 

 2つ目は………なるほどね。確かに、大輝含めて色々宣伝になりそう。それで上手い子が入ってきてくれたらラッキーだ。

 

「そして3つ目………それは体力作りだ。」

「「えっ?」」

 

 それで最後の理由は、ちょっとよく分からなかった。コンサートで体力作り?何かやるのかな?

 

「コンクールは長くても12分。しかしコンサートは短くても1時間で、長いと3時間くらいになる。そんな中でただ演奏するだけじゃなく、歌ったり踊ったりのパフォーマンスあり。しかも時には裏方も自分たちでやる。ここで体力をつけておけば、コンクールにも役立つってわけさ!」

「「おお!」」

 

 なるほどね。確かに演奏時間が圧倒的に違う。この長い時間でお客さんを楽しませるために、かなりの体力を使う。今の1年生には高坂先輩にしごかれたとはいえ、体力に自信の無い子もいるし。ちょうどいいだろう。

 

「まあ〜、演奏会は楽しめるしね〜。」

「お客さんを楽しませる、が最優先だけどな!」

「よしっ、じゃあそれでいこうか………」

 

 にしても、大輝は凄いな。ドラムメジャーが手慣れてる。中学の時やってたとはいえ、ここまで頭は回らない。反対に………

 

「って、部長が仕切らなきゃ〜♪」

「そうでした〜!ごめんね〜!よしっ、それでいこう!」

「「はいよ!」」

 

 梨々花はあまり部長に慣れてない様子。まあどっちかっていうと、誰かをサポートするタイプだし。でも、私は可能性感じるけどね!

 

「ということで〜、3人で頑張りましょ〜!」

「「はいよ!」」

 

 そして、私の副部長生活が幕を開けたのだった。




 原作で全部飛ばした幹部としての話が、梨々花ver.に変えて沢山出てきます。お楽しみに!

 ちなみに各役職は以下の通りです。

・幹部
部長 剣崎梨々花
副部長 久石奏
ドラムメジャー 荒川大輝 

・パートリーダー(全員梨々花の代)
フルート 山根つみき
クラリネット 平沼詩織
ダブルリード 兜谷える(梨々花部長化に伴い変更)
サックス 内田ベイブ
トランペット 小日向夢
ホルン 屋敷さなえ
トロンボーン 葉加瀬みちる
低音 鈴木美玲(別途後述)
パーカッション 前田蒼太

・その他役職
1年生係 鈴木さつき、義井沙里
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