奏視点
今年もいよいよこの時期がやってきた。
「だいかな先輩!あがた祭りの季節ですね!」
「「そのまとめ方をするな!」」
あがた祭りだ。浴衣を着て花火を見る、ロマンチックな祭り。色んな屋台があって、色んな美味しいものを食べられる。なんて素敵な祭りなのだろう。去年は大輝と一緒にさせられたけど、今年は断固として一緒にならないようにしなければ!
「すずめが大輝と一緒に回ったら?」
「絶対に、ぜ〜ったいに嫌です!」
「そこまで拒絶しなくてもいいだろ‼︎」
「拒絶される大輝が悪いんでしょ。」
「そんな事よりだいかな先輩、早くデートして下さいよ!」
「佳穂の漫画のネタ作りのために!」
「お、お願いします!」
「「ナメてんの?」」
そして、まるで私と大輝で行けと言わんばかりの3バカ。コイツらに大輝を押し付けようかな。一回痛い目みてもらわなきゃ困るからね!
「ねえねえ、みっちゃん!今年も一緒に行こ!」
「ごめん、さつき。その日も塾があって………」
「そっか〜。それは残念だね!勉強頑張って!」
「ありがとう。」
「求君は男子で行くの?」
「そうだね。大輝や照葉も一緒だよ。」
「去年と同じく、前半のみですが‼︎‼︎」
「俺は後半も一緒だぜ!」
「それじゃあ、低音女子会といきましょうか!」
「「「はいよ!」」」
「は、はいよ……///」
「「「杏奈(ちゃん)、きゃわわ〜♡」」」
それはさておき、今回も男子は男子で集まるみたいだ。前回みたくリア充は前半だけ、非リアは後半もという残酷な構成。今回は大輝が後半から合流しない事を祈りたい。
そして、女子は女子会。美玲が来れないけど、他は大丈夫みたい。梨々花は確かダブルリードの会らしいから、私は低音女子会に参加するか〜。
「それじゃあ、さつき先輩、すずめ先輩、弥生先輩、杏奈、そして………マジ天使・佳穂先輩と私で女子会しましょっか〜♪」
と思ってたら、華子に生意気な事を言われた。
「華子、まだパート員全員覚えられないの?」
「久石先輩は大輝先輩と行くから、関係なくないですか〜?」
「大輝は男子会。私は女子会。」
「え〜、来なくていいです〜!ね、佳穂先輩♪」
「そんなことないですよ!ほら、奏先輩は大輝先輩と一緒に回れなくて寂しいんだから………」
「その埋め合わせですか〜?なんか嫌〜。」
「違うから!///」
コイツ祭りの時に置いていこうかな?それか………
「というか、華子はお姉さんと回らなくていいの?」
「はぁ⁉︎なんでアイツと回らなくちゃいけないんですか⁉︎嫌なんですけど⁉︎」
「おっ!華ちゃんと優子先輩の姉妹コンビが見れるの⁉︎やった〜♪」
「見れません‼︎」
お姉さんと組ませるか。連絡先は持ってないけど、トランペットの3年か夏紀先輩に言えばくれるでしょう。ついでに言わなきゃね。妹を躾けてくださいって。
「私、当日久石先輩とは一緒に行動しませんからね‼︎あっかんべー‼︎」
「はいはい。」
まあいいや。とりあえず後半に大輝と組まされないよう、上手く立ち回らなきゃ。そんな事を思いながら、私はあがた祭りまでの日々を過ごしたのだった。
そしてやってきた、あがた祭り当日…………
「はぁ…………」
にはなったものの、台風で中止となったのだった。
「とりあえず、勉強するか………」
大輝の見張りをしなくて済んだものの、これはこれで退屈だ。受験勉強も決して楽しいものじゃないし。そうだ、大輝を揶揄おうかな。とりあえず、電話してみよう。
『もしもし〜、大輝?』
『急にどうした?まさか台風の中飯を奢れ、と?』
『そうだけど。』
『お前が買ってこい‼︎』
おっ、出てくれた。にしても相変わらず私のことを悪魔だと思ってる。面白いから、もうちょっと揶揄おうかな〜?
『でもさ〜、真のイケメンなら買ってきてくれると思うな〜?』
『なに………っ⁉︎』
『買ってきてくれないってことは〜、大輝はイケメンじゃないってことかな〜?』
『このクソ女………っ‼︎』
さてと、そろそろジョークって言ってあげるか…………
『ま、まあ、俺女が家にいるから無理だわ!』
は?えっ、嘘でしょ⁉︎大輝に彼女⁉︎しかも家に連れ込んでる⁉︎
『は⁉︎ちょっと、えっ、誰⁉︎』
『そんなの〜、彼女のプライバシーのために言えませ〜ん♪』
『いや、嘘でしょ⁉︎ねえ、ねえ‼︎』
『本当だぞ。今トイレに行ってる。これから何しようかな〜?』
『ちょっと‼︎それは流石にダメ‼︎今からそっち行くから‼︎』
そんな事ある⁉︎本当に信じられないんだけど‼︎ヤバい、嫌な予感がする‼︎早くなんとかしないと………っ‼︎
『どうした、そんなに焦って?もしかして、俺に惚れてんのか〜?』
しかもコイツ、わけわかんない事言ってきたし‼︎
『ちちち、違うし‼︎///』
『おっ、図星じゃん♪』
『大輝に惚れてなんかないから‼︎///』
『そこは惚れろよ‼︎』
『そんな無茶言わないで‼︎///」
誰が大輝になんか惚れるか‼︎わ、私はただ、その女の子の心配をしただけ………
『ちなみに女ってのは………俺の母ちゃんな♪』
『は?』
は?嘘でしょ?私、大輝の手のひらの上で踊らされたっていうの?
『ぎゃははははは‼︎彼女いる時に他の女と電話するわけね〜だろw』
「うるさいうるさいうるさい‼︎ホントバカ‼︎///』
『おっと、そろそろ母ちゃんと………飯を食う時間だ‼︎じゃあな‼︎』
『くっそ…………っ‼︎』
ホント最悪なんだけど‼︎笑うな、このクソ野郎‼︎あったまきた‼︎あとで絶対に仕返ししてやる‼︎そう誓った日だった。
サリー視点
あがた祭りで生憎の雨。非常に残念だ。本当は照葉君と一緒に回りたかったんだけど…………。幸い、照葉君が私の家に遊びにきてくれた。
「照葉君、来てくれてありがと………///」
「自分こそ………会えてよかった///」
私のことを真剣にみてくれる真っ直ぐな目。そして、私が嬉しいと思うことを、いつも真っ直ぐストレートで言ってくれる。最初私がすずめ達を連れてきた時も、案内してくれたことを褒めてくれた。その時から、一目惚れしちゃったんだっけ。
「とりあえず、一緒に勉強する?///」
「そ、そうだな………っ!///」
こうして恋人同士になれて、本当に幸せ。こんな日が永遠に続くことを願ったのだった。
奏視点
あがた祭り予定日の翌週。私は大輝を驚かすために、ある作戦に出た。
「昨日は楽しかったな〜。」
「うわっ、久石先輩が独り言言い始めた。病気ですか〜?」
「違うよ。昨日はある男の人と一緒に過ごしたの。」
「大輝先輩との惚気話は要らないんですけど〜。」
「いや、聞きたいです!奏先輩、教えてください!」
「まあ、佳穂先輩が言うなら………」
「いや、大輝じゃないし。」
「「えっ?」」
とりあえず、ユーフォ2人にその話をする。そして、今横で湊さんと話している大輝が食らいつくのを待つ‼︎
「おい、久石。逮捕だ‼︎」
よしっ、きた!釣れた‼︎あとはこのまま話すだけ‼︎
「は?急に何?」
「お前、その男に詐欺をもちかけただろ?」
「昔から色んなもの奢ってもらってるだけだよ。」
「はぁ⁉︎昔から⁉︎どこまでクソな女なんだ⁉︎」
「あっ、大輝先輩が嫉妬してる〜!」
「これは漫画のネタにしないと………」
「嫉妬じゃないからな‼︎」
よしっ、いい調子だ‼︎あとはこれを言うだけ‼︎
「もしかして、私のこと好きなの?」
「「おっ!」」
「はぁ⁉︎何言ってんだお前は⁉︎んなわけねえだろ‼︎///」
「顔真っ赤じゃん!照れてる〜♪」
「このカス石め………っ‼︎」
「ちなみに男ってお父さんのことね。」
「お前………っ!俺をハメやがったな‼︎」
やった、作戦成功!これで大輝に復讐ができた!やったね!
「なんでこの2人、これで付き合ってないんですかね?」
「本人たちがそう思ってないだけで、付き合ってるんだよ。」
「やっぱそうなんですね!」
「「本人が思ってなかったら違うでしょ(だろ)‼︎」」
佳穂にアホなこと言われたけど、寛大な心で許すことにした。
「あれ、石神井からサリーの香りが!」
「これ、サリーの家のシャンプーじゃない?」
「よく分かったな‼︎‼︎」
「おい照葉、まさかテメェぇぇぇぇ‼︎」
ついでに石神井君が大輝に大ダメージを与えてくれた。私としては充分な復讐になり、心の底からスッキリしたのだった。
この次の話(府大会オーディション)までで一旦区切ります。