禪院直哉の兄はさしすの同級生   作:アルトリア・ブラック(Main)

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禪院直哉の兄はさしすの同級生

 

 

禪院直樹

直哉の一個上の兄。呪術廻戦の知識がある。

神様の手違いで殺され、神さまから『進撃の巨人』の世界のマーレ人か『呪術廻戦』の禪院家か選んで良いよと言われたが最悪すぎる選択肢に渋々禪院家を選ぶ。

せめて神さまには『五条悟レベルには行かなくてもそれぐらいの術式が欲しい』と頼み…

【等級】特級呪術師

 

【術式】

・陰陽操術

禪院家の相伝ではない。相手を祟るに特化している。

呪殺した人間を呪霊にして使役したり出来る。

『砲撃・滅』

五条の赫のような衝撃波を飛ばす。五条と違い、呪霊にのみに効果がある。

『砲撃・呪縛』

人間特攻であり、内側から発生させる呪いを発動させる。窒息死・喀血死など

 

・呪殺の眼

何処にいようと顔さえ覚えていればぶち殺せる。また殺気を感知すれば自動的に迎撃する

対象の死に方はおおよそ人間らしい死に方ではない。非術師からしてみれば変死になるが、呪術師側からしてみれば直樹の呪力が感知出来るので隠滅はできない。

 

【性格】

直哉や扇のようなクズで外道ではないが、性格がかなり悪く、善人ではない。

 

 

 

 

 

ハイ、初めまして、神様に手違いでぶち殺されました禪院直樹です。

 

名前を聞いて本当に嫌になる。この世界は呪術廻戦の世界でなおかつ禪院家という最悪の状況だった。

 

何が『間違えて死なせちゃったから二つの世界から選んでね』だよ、地獄の選択肢すぎる。マーレ人なんて確率的にエレンにぶち殺されて終わりじゃん。

 

地獄確定の世界で悩み選んだのは禪院家で、端くれじゃなくて禪院直毘人の息子、直哉の兄として生まれてしまった。最悪すぎる…

 

「なぁなぁにいさん〜なんで術式教えてくれへんの〜?ポンコツなん?」

 

「…ポンコツかもねぇ〜」

 

もうこの歳からクズ味が溢れる弟にウンザリする。

 

自分の兄達は呪力はあるが術式はなく、術式持ちの自分と直哉以外は別で育てられた。

 

(…いや、神様にお願いはしたよ…?『五条悟レベルには行かなくてもそれぐらいの術式は欲しい』って…だからってこんな悪意100パーなんていらないんだけど…)

 

魔王だけど自分を神様と勘違いしてるタイプだ…と思いつつため息をつく

 

術式+魔眼セットだよ!と神が嬉しそうにしているのが想像ついて嫌だった。

 

物心ついてすぐ、術式を自覚する歳になって周りの人間が一気に死んだ。

 

理由は簡単、自分を殺そうとしてきたから迎え撃とうとしたら相手がねじ切れた。

 

目でしっかり見てたので分かったが、これ絶対ヤバい系の魔眼だと思っていると、案の定父から『呪殺の眼ってのはどうだ?』と意気揚々と言われた。

 

目の前に死体ゴロゴロ転がってんのに直毘人は息子に魔眼+術式があると知った時の人でなし感が半端なかった。

 

(…知らん所で勝手に死ぬのやめて欲しい…)

 

自分に悪意・敵意を向けると勝手に迎撃するようになっているので、知らんところで勝手に死ぬのである。

 

「いいじゃん直哉が当主で、どうでもいいよ当主なんて」

 

「財産いらんのか?」

 

「そんな血みどろ財産なんていらないんだけど、好きに欲しい人たちでやって」

 

だから東京行かせてと言うと直毘人はふむと考えつつも了承してくれる。

 

まぁ、あの五条悟が東京にいるから了承してくれるんだろうが…

 

「わざわざ東京に行くん?兄さん」

 

「何処行ったっていいだろ」

 

あー、ウザイと思いつつ車に乗り込む

 

 

 

 

禪院家当主・直毘人にとって後継を決めるのは割と重要な事だった。

 

出来るなら五条悟と同じ歳の直樹に当主を継いでもらいたかったが、本人がやる気がない上、財産にすら関心を向けて来なかった事に酒を飲みながら『なんだかなー』と思っていた

 

呪殺の魔眼・陰陽操術という禪院家の相伝でもなければ過去に一人も居なかった術式に突然変異かなと思う反面、その能力はあの五条悟にも匹敵すると思っていた。

 

陰陽操術はその名の通り、陰陽師が使うような物を一通り使いこなせる…とだけ聞くと雑魚術式だと言われがちだが、直樹の術式は陰陽というより映画やアニメキャラクターが使うような陰陽師のような攻撃の仕方だった。

 

つまるところ、アニメキャラクターの術式をイメージさせれば強くなるのではと思い、そういうのを片っ端から見せていたらぶっ壊れ術式になった。

 

魔眼で殺した呪霊・呪術師を使役して戦わせる

 

『祟り』に全振りしたスペック。自分への敵意・殺意を向けてきた人間を自動的に呪い殺す魔眼。あの魔眼が無ければ陰陽操術は使いこなせないだろう。

 

「なんだかなぁーヒック」

 

直哉は投射呪法で正当性に関しては直哉の方があると思うが、個人的には直樹の方を押したかったが、いかんせん本人のやる気がなさすぎてかなしくなる。

 

 

 

「ハァ?禪院まで来んのかよ、ウッッz…」

 

よろしくお願いしますじゃなくて罵倒から来たので派手に五条悟が吹き飛ぶ

 

「(…今の敵意だったんだ…)だから言ったじゃん、そういう術式だって」

 

まだ常時無下限を貼れていのか吹っ飛ばされていた。

 

殺すという方に振り切らなかったのは吹っ飛ばされる瞬間に無下限を張ってなんとかしたのだろう。そこら辺すごいというかなんというか

 

「聞いてねぇよ!なんだよそれ!」

 

五条がぎゃあぎゃあ騒ぐ

 

「何今の?」

 

「直樹の術式って何?」

 

二人から聞かれ『陰陽操術と呪殺の魔眼』と返すと『はぇ?』と驚かれる

 

「制御できないんだよなぁまだ」

 

「ちょっと待って呪殺の魔眼って何?何その物騒な名前」

 

夏油から慌てながら言われ

 

「俺への敵意を感知したらぶち殺す魔眼。後顔さえ覚えていれば離れててもぶち殺せるよ」

 

「何それ、祟りじゃん」

 

「そうらしい」

 

「…ん?でも悟は吹っ飛ばされてただけだよね?」

 

「あー、なんか、五条には効かなかったっぽい。無下限張られたら意味ないのかも」

 

「張らなかったらやばかったってことじゃねぇか!!」

 

「そうだよ」

 

ウンウンと頷く

 

「陰湿すぎんだろ」

 

「それは俺もそう思ってる」

 

 

 

 

それから3人の中に俺という異分子が入りつつも、青春を過ごすことになった。

 

まぁ、一つあるとするなら自分の術式を制御することがかなり出来なかったという所だ

 

「お前、呪力多いくせに呪力制御出来ねえのマ?」

 

目の前に座って揶揄って来る五条に消し飛んだ呪骸を片付けながら

 

「…抑えんのどうやってんの…」

 

「そりゃ、ぎゅーとやって締める感じ」

 

「擬音語……」

 

五条は足をバタバタさせながら

 

「ペットボトルの蓋を閉めんのと一緒じゃね?」

 

「ペットボトルの蓋を閉めるのとおんなじ…」

 

うーんとイメージしていると、呪骸が消し飛ばず形を保っていた

 

「なるほど…」

 

「…コレで出来んのかよ」

 

呪骸を離し

 

「悟って意外に教えんの上手いんだな」

 

「"意外"は余計だ!」

 

机から離れ、呪骸を教壇の方へ持って行く

 

「てかお前って本当に禪院なのかよ」

 

「何急に」

 

五条はオェーと変顔しつつ

 

「五条家もそうだけどよ、禪院家もかなりひでぇだろ?常に人を見下してる奴らしかいねぇじゃん」

 

「そうだね、特に弟なんて酷いよ、煽り文句しか出て来ないから…」

 

そう言いつつ『お前弟いんだ』と言われる

 

「てか、そんなこと言ったら悟だって初手煽りから入ってぶっ飛ばされてた癖に」

 

呆れ笑いすると悟が隣に来る

 

「またバカにしたな!?術式開示しないでいきなり吹っ飛ばしたお前が悪いだろ!!」

 

「聞かないのが悪いだろ〜」

 

そう話ながら廊下を歩いていると、玄関に夏油と家入がいた。

 

「何してんの?」

 

「土砂降りなんだよ外…」

 

うんざりしたようにそういう夏油

 

「うわ、本当だ」

 

外を見て言う

 

「晴れに出来ないのか〜?禪院」

 

家入の言葉に『そこまで来たら神様の類だよ…』と呟くと「祟り神系のな!!」と声高々言われる。

 

「ていうか、傘は?」

 

「…傘で何とかなる雨の量じゃないだろ…」

 

「んー、無理だと思うけど、えーい」

 

気の抜けた声で手から呪力を出し空へ発射する

 

「まぁ無理だよn…ハ?」

 

雨が止み空が晴れて行く、それを見て夏油がバックを落とし、家入が呆然と空を眺めていた。

 

「…やっぱりお前って特級相当はあるよな、術式と魔眼だけで」

 

「なんか嫌な予感する!今のうちに帰ろう!」

 

そう言って外に向けてダッシュする

 

「え!?嫌な予感って何?!」

 

「土砂降りより酷いのが来そう!!」

 

自分の後ろを走る三人。寮が近づいて来るたびに雲行きが怪しくなる。

 

寮が見えた瞬間…

 

「ギャァァアアアア!!!土砂降りどころじゃない!!」

 

「竜巻起こってんじゃねぇのか!?コレ!!」

 

「ぶっ飛ばされる!」

 

「硝子ー!!?」

 

左右からの大雨に190近くの男が体勢を崩しかねないぐらいの突風が発生する

 

「なんか嫌な予感したんだよなぁ!!!」

 

「「「ふっざけんな!!!!」」」

 

何とか四人、寮に飛び込む

 

「やっぱりお前祟り神だろ!!」

 

「マジで俺祟り神だ!!」

 

ギャハハと笑う直樹に家入が「お前やっぱりそういう類の怪異だろ」とびしょ濡れになりながら言う

 

「このまま風呂入ろ!!」

 

四人それぞれ部屋に飛び込む

 

 

:星漿体護衛任務

 

星漿体護衛任務に行くとなった夏油と五条

 

「なんで直樹は来なかったんだよ、まぁ、俺らがいれば問題ないだろうけど」

 

そう夏油と話しながら目の前に転がるバイエルをツンツンする。

 

『余程なことがないと直樹は動かせないからねぇ、祟りに全振りした術式だし、遠隔操作で人殺せるから、現場には向いていないんだよ』

 

「アイツ、凄い地団駄踏んでたな」

 

夜蛾に『俺も行きたい行きたい』と地団駄を踏んでいたのを思い出す。

 

バイエルが悪態をつくのを見てカシャと写真を撮り

 

「俺の友人にさ〜写真見て念を込めるだけで遠隔で祟りを発動できる奴いるんだけどさ、そいつ今結構離れた場所にいるんだけど、オマエの写真送っちゃって良い?」

 

そう言って笑うと「…は?」と言い

 

「そんな術式あるわけないだろう!」と叫ぶ

 

「いやいやいるよ?禪院直樹って知らない?」

 

「禪院っ!」

 

「そうそう、その当主の息子、何人目かは分かんないけど、結構怖いよ?アイツ、大元教えてくんない?」

 

 

 

 

五条から電話でQの大元を教えてもらう

 

大元の写真を並べながら家入から貰ったタバコを吸いながら

 

「俺だって行きたかったなぁ、沖縄」

 

「観光じゃねぇよ、任務だって」

 

そう話しながら二人で対戦ゲームをしていた。

 

「分かってるけどさ〜俺だって、鍛錬頑張ってんだよ、こう少しは肉弾戦したいって思うじゃん」

 

モンスターを倒しながらチラリと写真を見る。

 

「お前、自分の術式が後方支援向きだって分かってねえの?目やられたら終わりだって」

 

「まぁそうだけどさぁ、って硝子!!先に倒さないでよ!」

 

ゲーム内で倒したモンスターのアイテムをポイっと投げて来る家入に言うと

 

「雑魚モンスターに構ってんのが悪いよ」

 

「硝子ってゲーム強い〜」

 

「オマエが特段弱いだけだと思うよ」

 

直樹はため息をつき写真を見て

 

「俺の目って実感あんまりないんだよ、離れた所で殺せても見てた訳じゃないから分かんないし、教えてくれたことが本当だか分かんないし」

 

「ハァ〜お前ってクズ〜ちゃんと目で見てたいのかよ〜」

 

硝子がタバコを捨てる。火を消すのを差し出して来る

 

「ありがと、いや、死ぬまでの経緯は別に見てなくないけど、安心しないじゃん」

 

「やっぱりお前禪院だよ」

 

「禪院だって」

 

話していると携帯が鳴る

 

「はいはい?」

 

補助監督からで大元が死んだと言う報告を貰う

 

「ありがとうございますー」

 

そう言って携帯を閉じる

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さて、ここで問題だが、自分は救済をするかだ

 

答えは"しない"だ

 

伏黒甚爾に接触して彼を改心させるのだって妻が亡くなってしまっている今、不可能だし、恵くんを探す時間もない

 

別任務で呪詛師を相手にしていた。

 

「変えたら大惨事になるかもしれないからねぇ」

 

呪詛師を片付ける

 

そんなことより自分の術式を極めて行くのが最優先だ。

 

(変えても問題ないところは変えるけど)

 

そして、この世界最大の要因・渋谷と新宿。

 

あれらには一切関わりたくない。九十九のように海外に逃げるかと思いつつ…

 

(…なーんか嫌な予感がすんだよなぁ)

 

自分の『嫌な予感』というのは大体当たる。

 

術式のせいもあるのだろうが

 

「…伏黒甚爾かぁ、強いよなぁ、あの人」

 

禪院家にいた時のことを思い出す。

 

弟のようにバカにする名目で見に行ったわけでもなく、適当にぶらついてたら遭遇したことがある。

 

 

 

禪院家はどこを歩いても陰鬱な気配しか感じない。

 

「直樹様は流石です!」

「次の当主は直樹様です」

「直樹様!今日も素晴らしく…」

 

自分の魔眼がそういう類だと周知されてからは悪意というより気色悪い善意しか向けられなくなった。

 

本気でそう思ってんのか?と思いたいぐらい悪い感情をひた隠しにして来る彼ら

 

(…今日も負けじと攻撃してんなぁ…)

 

甚爾にボコボコにされたのに学習する脳みそがないのかまたいじめている兄達を見て

 

(…あの人ら本当に学習しないよなぁ…)

 

こっちに被害を向けられたらたまったもんではない。

 

人ばっかり襲うヒグマに武器を持たずに斧だけで挑むような無謀さがある。

 

ため息をついて兄達の顔を思い出すと三人が飛び上がりこちらを見て来る。

 

「兄さん達さ、暇なら稽古したら?」

 

(…二次創作じゃここで絆を深めてなんて描写よくあるけど、別にそこまで友好度深めたいわけじゃないしな…)

 

いくらこちらが動いても原作改変を確実にできるなんて証拠は何処にもない。

 

甚爾と目が合い、ぺこりと反射で頭を下げる。

 

 

 

結果から言えば天内は死に、五条は一人で最強になった。

 

大体は彼に任せてしまえば問題なく、常時張れる無下限呪術を見せながら

 

「常時無下限張ってても反転術式を回し続ければ平気になった」

 

そう自信満々に言う五条とボケーとしている夏油。

 

「傑、少し痩せた?」

 

「夏バテさ」

 

「ソーメン食い過ぎた?」

 

そう話す五条は家入と話しながら教室の中に入って行く

 

「夏バテというより気疲れって所じゃね?傑」

 

「!」

 

別に彼が呪詛師として落ちようが好きにすれば良い。そもそも、彼が呪詛師に落ちなければ原作通りに動かない

 

無駄に救済してイレギュラーが発生するより事実通り進めた方が早い

 

「そんなことないよ」

 

そう言われるがめちゃくちゃ暗い

 

「そう、というか、今度の稽古相手お願い、悟は加減知らないから」

 

「いつなら大丈夫?」

 

「傑の空いてる日なら」

 

「分かったよ」

 

五条も言っていたが、助かるつもりがない人を助けるほど酔狂ではない。

 

助けを求めていないのに助けるのは余計なお世話というやつだ。

 

 

 

 

それから数ヶ月、多くの任務をこなしつつ、術式の解釈がだんだんついてきた。

 

「遠隔の祟りにぶち殺した呪詛師の使役、方陣を利用した砲撃ねぇ、どう見ても陰鬱・陰湿の権化じゃん」

 

教室にいた時に悟が言ってくる。

 

「自分でも思ってるよ、何この陰鬱術式って」

 

「まぁ、遠隔でぶち殺せるなら特級だな、てか、アニメキャラクターの陰陽師じゃんまんま」

 

「うん、マジで」

 

話ながら足を机に乗せる悟に

 

「というかさ、最近みんなで遊べてないよね、なんかこう、遊園地に行きたいな〜」

 

「いいな、それ!」

 

五条は何も気づかない。夏油の異変に

 

「ちょっとお茶買いに行ってくる。ついでに何飲みたい?」

 

「ココア!とカルピスだな!」

 

「糖尿病になるよ…」

 

「いーんだよ!反転があるからな!」

 

そう言われ、自動販売機の方へ向かうと

 

「お、噂をすればだ」

 

九十九がパッと指差し

 

「禪院直樹くん!君はどんな女が好みかな!?」

 

そう言われ

 

「黒髪美女で仕事をサボらず、強気じゃない女の人」

 

そういうと九十九が不貞腐れながら

 

「やっぱり禪院って嫌い〜」

 

「……拗ねた」

 

「別に好かれる気はないし」

 

お茶を買いそれを飲みながら

 

「ていうか学生に何の講義してたんですか?ロクに仕事しない癖に」

 

「キミってほんッッとに性格悪いよね!!」

 

「陰湿術式持ちですからねハイ」

 

九十九がムキーとしつつ

 

「別に勧誘なんてしてないよ、ただ私は夏油くんと呪霊が生まれない世界に関しての話をしてたんだよ」

 

「へー、術師・非術師皆殺しにしたらどうですか?そもそも、人間という生き物が害悪でしかないのに」

 

「君って大概発想が壊れてるというかサイコっぽいな!議論の余地もなんもない!」

 

「議論する気毛頭ないですけど」

 

「………」

 

九十九がムキーとなる中、夏油が少し顔を上げる

 

ベットボトルを潰し再び自動販売機の前へ行く

 

ココアを購入して振り向くといつのまにか九十九がいなかった。

 

「傑、ちゃんと休んだら?目の下の隈が極まって犯罪者だよ」

 

「……犯罪者は余計だよ」

 

「というか、九十九さん何しに高専に来たんだ…」

 

そう呟き夏油に

 

「まぁ何はともあれ、ちゃんと休みなよ〜」

 

そう言ってその場から離れる。

 

 

それから直樹は灰原と七海が苦戦していると手を回しておいた補助監督からの連絡に急ぎその場に駆けつける

 

砲撃・滅

 

五条悟の虚式よりかなり弱いが、特級呪霊(漏瑚以外は多分)は一撃で祓える威力は出せていると思う。

 

雷を発生させながら衝撃波で死んだ産土神

 

「ふぅ、間に合って良かった。二人とも5体満足?」

 

振り返って聞くと「はい!」と呼吸を荒げながら言って来る灰原。

 

灰原も七海も怪我をしていないのを確認し、補助監督を呼び後始末をする

 

「…どうして産土神信仰だと思ったんですか」

 

七海からの質問に『こういう田舎の呪霊って大したことないかヤバすぎるかのどっちかだし』と適当つく

 

「そうですか、助けてくれてありがとうございます」

 

そうお礼を言われる

 

「後さ灰原」

 

「はい!」

 

背筋を伸ばす

 

底なしに明るい灰原を見てるとホントに呪術師向いていないなぁと思い

 

「灰原、術師向いてないよ」

 

ドストレートに言うと灰原が黙る

 

「…禪院さん」

 

七海が顰めっ面で見て来る。

 

「まぁ、それだけ、今日のうちに決めておいた方が良いよ」

 

そう言って手を振る

 

 

 

「あのさ〜直樹〜お前って禪院だよな?」

 

「今更何聞いてんの?」

 

廊下を歩いているときいきなりそう声をかけられる。

 

「伏黒甚爾って奴から伏黒恵って奴について頼まれたんだけどさぁ、直樹の親父がうるさくてさ、何とか出来ねえ?いや俺でも何とか出来るけど、クソめんどくさいんだよね」

 

伏黒恵

 

将来の宿儺の…

 

「なんでそういうこと今言うんだよ!!?」

 

「何でキレてんの?」

 

 

 

それから五条と共に伏黒恵と津美紀が暮らしている家に向かう

 

「ホントに似てるなぁ」

 

そう呟くと隣にいた五条が『ホントな』とウゲーと言っていた。

 

「……なんですか、人の顔見て…ていうか誰ですか」

 

「あぁ、ごめん。恵くんの従兄の禪院直樹」

 

「よろしくー、あ、つまらないものですが」

 

そう言って津美紀に菓子折りを渡すとギョッとされる

 

「こんな高いの頂けませんよ!」

 

「えー?それ高いの〜?」

 

「悟は黙ろっか」

 

「ウチの親父が実力行使する前に顔合わせしに来ただけだよ、まぁ、悟より性格悪くないとは思うよ」

 

「…自分で言うんだ」

 

「よく言うよ、俺より陰湿術式持ちのくせに」

 

「まだ言うのそれ」

 

 

 

それから数日後、夏油傑が離反し、史上最悪の呪詛師となった。

[newpage]

 

タバコを吸いながらボケーとしていると、夏油の呪力が近づいて来る

 

振り向くとそこに夏油がいた「やぁ」

 

学生の時よりも隈がなくなった夏油

 

「よく俺の顔見にこれたね」

 

そう言いながら煙を吐くと

 

「まぁね〜別に今更顔を変えたりしても直樹の術式じゃ意味ないし」

 

「俺が殺すとは思わなかったわけ?」

 

「直樹は遠隔で殺すのあんまり好きじゃなかっただろう。それに、殺さないと分かってるから会いに来たんだよ」

 

「へー、舐められてるなぁ〜耳にタコができるほど聞かれただろうけど、なんで殺したわけ?」

 

タバコの火を消す

 

「術師だけの世界にする。非術師は不必要だ」

 

「ふーん。術師だけの世界と言いつつ、その術師から睨まれたら意味がないと思うけどな、まぁ別に良いや、傑のやりたいように生きたら?」

 

「…直樹って悟より大人びてるよね、責めないんだ。そもそも興味ないのかな私や悟に」

 

「興味ないと言うより自分の生き方は自分で決めた方が良いでしょ、他人に好き勝手命令されるのは死ぬほど窮屈だしねぇ」

 

そう言って背を向け

 

「術師である以上、碌でもない死に方するのは肝に銘じておいた方が良いよ」

 

「ハハハ、直樹の言うことは当たるからなぁ、肝に銘じておくよ」

 

 

それから高専に帰ると悟に早速問い詰められる。

 

「傑が裏切るって分かってたのに何で止めなかった!!」

 

胸倉を掴まれる

 

それを見た家入が職員室の方へ行く

 

「(…首いてぇ…)俺は少なくとも話は聞いたよ?でもさぁ、助けてって言わねえ奴をどう救えと、生真面目人間は一回思い詰めると周りの声を雑音にしちまうんだよ〜そういうお前だって気づかなかったじゃん」

 

「んだと!!」

 

「五条!!禪院!!」

 

離れた所から夜蛾先生が走って来る。

 

特級同士の喧嘩は大惨事になりかねない。

 

「傑が裏切る可能性があるから気をつけた方が良いって言った方が良かったか?そもそも、もう傑は手遅れだったと思うけどな」

 

「!!」

 

「お前強すぎるんだよ、弱者の考えなんて微塵も考えないだろ、強い奴は振り向かないと絶対に人は着いてこない。傑はお前の強さに追いつけないと諦めて別の道を歩んだんだよ」

 

夜蛾が五条の手を離してくれる。

 

「…どうしろっていうんだよ…!」

 

「…まぁ、次会ったら覚悟を決めるしか他ないんじゃないか、俺が殺してたらお前絶対納得しなかっただろ」

 

「!!」

 

手を振りながら背を向ける

 

「俺だって楽しかった青春を棒に振るのは本当に嫌だったんだよ」

 

そう言って禪院家の車が待っている玄関へ向かう

 

 

禪院家に向かう道中、直毘人から近況を聞かされる。

 

扇の所に双子の女の子が生まれたと、分家から蘭太が来たという内容を見ながらため息をつく

 

当主はお前確定だからな、と再三言われる。

 

その言葉にゲンナリする。

 

あれから直毘人が恵に構い尽くさないようにしたら『お前が後見人になるなら手は出さない』と言われる

 

空を眺めながら学生時代を思い出す

 

結構ドライに返したが、三人とバカやれたのは以外に楽しかった。

 

(…地獄だなあ、この世界)

 

 

 

 

 

禪院家に当主・直毘人の息子が帰って来るという話を聞いて真希はため息をつく

 

(…どうせ碌でもねぇ奴に決まってる)

 

直哉があんなクズでゲスならその兄は外道であるだろう。

 

「お姉ちゃん、掃除終わってないよ、帰って来るまでに終わらせないとお母さんに怒鳴られるよ」

 

「わぁーてるよ」

 

真依に言われ掃除を終え片付けていると…

 

キキッと車が止まる

 

直毘人が車の方へ向かっているのを見てじっと見ると

 

ぬるっ…

 

「!!」「ヒッ…」

 

車から出てきた呪力の塊に真依が怯える

 

(…なんつう呪力だ…!)

 

呪霊が見えない真希にもその異質な呪力が分かる。

 

「機嫌悪いなぁ?直樹」

 

「当たり前だよ」

 

そうゲンナリしたように言う

 

禪院直樹、高専に通い始めてから特級術師となった男

 

「当主は親父が死んでからで良いじゃん」

 

「お前がそう言うって事は俺は当分死なんということか」

 

二人が話しながらやって来る

 

母が頭を下げて『おかえりなさいませ』と言って来る。

 

チラリと直樹がこちらを見て来る。

 

直毘人が何か言いながら部屋の中に入って行ったのを見て文句を言いつつ着いて行く。

[newpage]

[chapter:呪いを背負い生きる]

 

この地獄の世界に転生してから数年、直樹は禪院家から他任務に当たる事が増えた。

 

「…こうなんというか術式の解釈を広げたいな…(真人みたいに魂をいじるのは無理だけど…)」

 

目の前で倒れている呪詛師を眺めながら考え込む

 

(…流石に形を変えたら最早呪霊だよなぁ、この術式…)

 

そう考えながら帰路に着くと

 

激しい竹刀の音が聞こえて来る。

 

「ハァッハァッ」

 

「…ッ…ま、き…!」

 

扇が真希を真剣でやろうとしているのを真希が必死に竹刀で防いでいた。

 

(…ホント、この家早く滅びないかな…)

 

俺以外、とため息をつく

 

「叔父さん」

 

そう言いながらその場に歩いて行く

 

「娘虐めて楽しい?」

 

そう言ってとりあえず剣を呪力でへし折る

 

「貴様…」

 

「直哉もそうだけど、身内同士でいじめあってるから強くなれないんだよ」

 

直哉が努力しているのは知っているが、ストレスの捌け口として真希たちをいじめるのは感心しない。

 

(まぁ、『全部壊して』の範疇に入りたくないだけなんだけど)

 

「"自分がやった事はいずれ自分に返って来る"」

 

「呪力のない人間など価値すらない」

 

「価値ねえ、人間が人間をバカにする?」

 

「非術師は猿以下だ」

 

「ねぇ、叔父さん、今は平成だよ?平安時代を生きてる訳じゃないんだから、マトモに生きようよ、あぁ」

 

笑いながら扇を見て

 

「あぁ、雑魚に何言ったって伝わんないか」

 

扇が殺気を分散させていたが、敵意はこちらに向いていなかった

 

まぁ、こちらに殺意を向けようものなら死ぬのが確定してしまうのだから出来ないのだろうが

 

(まぁ、オンオフは出来るようになったけど、言わないとこ)

 

扇が背を向ける

 

「俺がいなくなった場所でまた二人を虐めたら遠隔でぶち殺すから覚悟しとくんだよー」

 

揶揄うように言うと

 

「…直樹。なんで、私たちを庇うんだよ」

 

真希がボロボロになりながら言う。

 

怯えていた真依を見て『大丈夫?』と聞きつつ

 

「え?なんでだろ、純粋に扇が気に食わないってのもあるからかな、純粋にクソ野郎じゃん」

 

2回繰り返して言うと真希がそうだなと言って来る

 

真依が真希に文句を言いつつ部屋の中に去って行ったのを見て

 

「ホントに禪院家の当主になりたいの?真希」

 

「あぁ、ここを見返してやりてぇ」

 

地面に座り直す真希

 

「ふーん」

 

「…んだよお前も否定すんのか?」

 

「否定はしないよ?なりたいならなっても良いと思うよ、俺は全力で当主の座を真希に譲る。でもね?」

 

真希の前に屈むとビクつく

 

「扇に負けてちゃ絶対に認められないからね」

 

そう言ってその場から立ち上がる

 

 

 

 

 

この地獄の世界で生きてからさらに数年が経ち、俺は呪術高専京都校の教師となった。

 

別に五条のような強く聡い生徒たちを育てたい、なんて考えもなく、自分の中にあるのはこの世界でどう生き抜き、死ぬか

 

マシな最後を遂げるために生きている。

 

「俺も暇じゃないんだけど?」

 

窓際に寄りかかりながら五条と電話していた。

 

『知ってるよ、お前もたまには東京来いって』

 

「明日行くって言ってるだろ」

 

『あ、そうなの?お土産待ってるよ〜』

 

そう言ってガチャ切りされる

 

「…ホント、自由人だな悟」

 

携帯を閉じ、空を眺める

 

この呪いに満ち溢れた世界で生きていかねばならない

 

その事を考えてため息をつく

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