黒執事のアッシュに成り代わった彼の話   作:アルトリア・ブラック(Main)

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天使になった彼の険しい日々

支部や漫画などでラスボスに成ったり、転生したりするのは山ほど見てきたが、そのラスボスに成った人間を見てつくづく凄いなぁ〜とかこの展開になったら面白いよなぁとか

 

要はすっごい他人事として見ていたわけなんだが、自分がそうなるなんて知ったら、全力で対策練ってたよ

 

「……天使で執事です。とか誰が受けるん…?」

 

空を落下しながら現実逃避する。

 

転生ものとか憑依ものって大抵、車に轢かれるとか、殺されて転生とかそういう展開で異世界転移するはずだが、自分の場合は一切そんなことはなかった。

 

「……ただ寝ただけじゃん。枕の下に黒執事の本入れて『飽きた』って友達に携帯でメール送っただけじゃん」

 

落下しながら思ったのは自分は、黒執事アニメ一期に出てきたオリジナルキャラクター『アッシュ・ランダース』になっているということ

 

そして、今現在、天界みたいなところから神(笑)に落とされて落下してます。

 

「…気まぐれも良いところだよ、ホント」

 

神様の気まぐれとかよくいうけど、例に漏れず神さまから『なんかやってこい』と本当適当なこと言われて落とされました。

 

「………とりあえず」

 

天使の羽を出して、とりあえず飛ぶ真似をすれば思ったより上手く飛べた。

 

「……俺が出てくるってことは、一期展開になると思うけど…んー、原作展開の方が好きなんだよなぁ」

 

無論、アニメも漫画も色々読んでいるが、個人的には原作の漫画が一番好きだ。

 

あのハラハラ感、そして、救いのなさ

 

バサバサと屋根の上に降りると…

 

(…よし、とりあえず探すか、時代とかサッパリ分からないけど、ファントムファイヴって名前を探せば見つかるだろ)

 

 

 

 

〜数ヶ月後〜

 

 

(…え?いないんだけど…まるで消息を掴めないんだけど…)

 

自分の能力を使って人の記憶を見て探したりもしたが、まるで見つからなかった。

 

見つからない半面、自分の能力がいろいろ知れて良かったのだが、本当の目的はそれじゃない

 

(…えぇ、女王の選択肢しかないの?)

 

ファントムファイヴを探している間も絶え間無く見かける女王

 

女王陛下はいるのにファントムファイヴがいない。

 

時代的に考えれば、ギリヴィンセントの時代の気がしたので探しても、やはり見つからなかった。

 

「……天使も悪魔みたいに召喚できれば良いんだけどな…」

 

悪魔は気まぐれなところもあるが、割と召喚に答えてくれやすい半面、天使は完全に気まぐれで召喚の範囲外にいるらしい。

 

神曰く『なんか悪魔たちはすっごい活発的だけど、天使は別に活発に作んなくて良いと思って』とのことらしい。

 

(いや意味わからんが)

 

天使は別に悪魔のように魂を求めるわけではなく、天使の望むことをすれば満足する、みたいな扱いである。

 

(…いや雑…)

 

まぁ、原作では天使なんて皆無だったから適当になるのは仕方ないのだが

 

半ば諦めていると…

 

「ん…?」

 

紅茶を飲んだ次の瞬間、目の前がめっちゃ光、違う座標に転移した感覚になる。

 

(はっ!)

 

直感で、転移した先が見えハッと紅茶を消してシリアス顔に切り替える。

 

「天使を呼ぶとは、なんと運の良い」

 

適当にセリフを言って前を見ると、何故かボロボロの幼少期のヴィンセントがいた。

 

「あなたは…」

 

念願のヴィンセントに少しだけテンションが上がりそうになるが、笑顔を作りヴィンセントを見る

 

 

ヴィンセントに召喚(?)されてすぐ見えたのは、何やら物騒な装備をした人間たちで、ヴィンセントをやろうとしていた。

 

「とりあえず、よくわかりませんが片付けましたよ、坊ちゃん」

 

契約者の名前は一応知っているが、いきなり名前を呼んではあれだなと思い適当に言うと、倒れている女性の前に座り込む

 

(…クローディア・ファントムファイヴかな、ファントムファイヴ家って大体短命だよなぁ、まぁヴィンセントも20代そこらで殺されるんだっけ?)

 

埃を払って近づく

 

「生き返らせて差し上げましょうか?」

 

遺体の反対側に立ち笑顔で話しかける

 

優しげに笑ったつもりだったが、何やら警戒されてしまう。

 

(原作のアッシュがしてたようにすればいいかな)

 

まぁ、人間を生き返らせるのはぶっちゃけ可能である。

 

天使って実質チートなのか、神に与えられていることは基本的に可能である。

 

「……いや、いい」

 

「おや、いいんですか?実の母親でしょう?」

 

そう問いかけるとヴィンセントは立ち上がり、扉の方に向かって行く

 

「…母様は、やっと楽になれたんだ。むやみに生き返らせたりしない。それに…」

 

こっちを見て

 

「なんのデメリットも言わない契約は受け付けない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数ヶ月、いや、数年が経過し、ファントムファイヴ家の執事として仕える事になった。

 

「天使は不浄を嫌うと言うけど、本当に嫌いなのかい?」

 

18歳になったヴィンセントの言葉に考えるポーズを見せる。

 

「まぁ、汚いのは嫌いですが、別に、たまに人間が目障りになる事はありますけど」

 

アッシュの体に転生して感じたのは、人間が汚いと思い、人間をこの世から消し去りたいという特大感情だった。

 

まぁ、ラスボスはほかにいるし、別になる気もないので大人しくヴィンセントの執事をしている。

 

理由は簡単、後々のシエルの物語を直で見たいから

 

「まぁ、だからと言って人間世界を一掃したいとか、そういうのは思った事はありますけど、実行したいとは思いませんし」

 

めんどくさいからと小声で言うとヴィンセントが悪い顔で

 

「一掃してほしいって頼んだら君はやる?」

 

ヴィンセントの悪の貴族らしい顔に吊られるように嗤う

 

「どの程度かによりますよ、流石に世界は手間がかかりますからやりたくないですね、まぁ、イギリスぐらいなら」

 

その言葉に嗤うヴィンセントに「悪の貴族っぷりが出てるなぁ…」と内心思っていると…

 

「君と契約した日のことだけど、本当に対価は必要ないのかぃ?」

 

タダより安いものはないという言葉があるように、実質、契約の際の対価はなかった。

 

魂が必要とか、そういうのは一切かけてない。

 

「あの世界での生活には飽き飽きしていたので、私が求める対価は貴方達の人生と言いましょうか」

 

「私たちの人生?」

 

「私は悪魔と違って魂は別に必要ありません。貴方達の人生を契約の対価としてもらいます。つまらないと判断させてもらったら、お暇しましょう」

 

笑顔で言うとヴィンセントは『それは困るなぁ、でも、天使らしい』と返してくる。

 

アッシュとして転生して長い長い天使としての生をただ生き続けるのはつまらない。

 

それにアッシュとして転生した所為なのか、頭の中で『つまんないなあの家』とか思うと、高確率でその家は一瞬にして滅びるのだ。

 

さすがは天使、そして、元ラスボス

 

つまり、アッシュが飽きる=ファントムファイヴの終わりとでも感じているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィンセントが成人し、伯爵家の令嬢と結婚し、双子が生まれるまでは本当に早かった。

 

そして、何より暇じゃなかった。

 

大抵は人外体力のおかげで執事業をこなせたが、女王の番犬の仕事は割と大変だった。

 

まぁ人使いの荒いヴィンセントからあっちの任務に行ってくれとか、割とエゲツない時は女王から目をつけられた貴族全員抹殺してほしいと言われた時は、すっごく骨が折れた

 

(一人一人返り血を浴びずに倒して行くのはなかなか骨が折れる…)

 

返り血を浴びるのだけは生理的にこの体が嫌がるのか、大体血みどろの所は空を飛んで避けたりしている。

 

(死神と遭遇した時がマジでめんどくさいんだよなぁ…)

 

死神派遣協会は悪魔と違いむやみやたらに魂を喰らわない天使のことは基本的に寛容で、見ても軽い対応しかしないのだが、現世の事件に絡む時は大抵、デスサイズを振り回して襲ってくる。

 

まぁ、事件を増やしまくる天使なんて面倒この上ないが

 

考え事をしていると…

 

「アッシュ殿、旦那様がお呼びです」

 

タナカが呼んでくる

 

「かしこまりました」

 

そう言ってタナカの横を通り過ぎる。

 

 

 

 

 

 

 

ヴィンセントの元に行くと、これからミッドフォード家の人間が来るとのことで、至急もてなしをと言ってきた。

 

基本的に他のメイドでもなんとかなるのだが、セバスチャンみたいに動ける自分を割と頼っているのか、単にパシッてるのかどっちかなのだが、準備してある時に限って問題が起こるわけで

 

エリザベスがいろんなものをひっくり返そうになるたびに空中で華麗に相手に怪我をさせないように動かないといけない。

 

「お怪我はございませんか?エリザベス様」

 

「は、はい、大丈夫です!」

 

それからご迷惑おかけしました!と謝ってくるエリザベス

 

それから、ヴィンセントとフランシスが二人で話すことになり、扉の前で待つことにした。

 

「…!」

 

屋根の上からファントムファイヴ家の人間以外の気配を感じ、窓から出て向かうと

 

「…相変わらず、ファントムファイヴ家は敵が多い」

 

「!!」

 

恐らくヴィンセントを殺そうとやって来た人間だろう

 

煙突の上におり、それを見て嗤う。

 

煙突から侵入するなんて大胆にもほどがある。

 

「この後も仕事があるので、ここで(天に)お帰り願いましょう」

 

そう言い、天使の羽を出して、勢いよく斬りつける。

 

服についた埃を払い、ヴィンセントの部屋の前に戻る。

 

「アッシュ、少し話がしたいんだけど、良いかい?」

 

ヴィンセントが声をかけて来る

 




アッシュ・ランダース
成り代わり主
アニメ一期に出てきたラスボスで、女王の執事として出てきたキャラだったが、原作展開が好きなオリ主により、ファントムファイヴ家執事になる。
ヴィンセントが幼少期の頃からいるため、年齢的な観点から基本的に裏稼業の時に出てくる。
天使は基本的に悪魔と違い対価は求めない。
オリ主も別に対価なんて要らないが、ヴィンセントが楽しいから着いて行ってる。

能力についてはセバスチャンと同程度ではあるが、人の体を綺麗な状態で蘇生したりと出来る。
基本的に魂を食べなくても大丈夫なのだが、天使の役割として魂を天に運ぶ役割も一応はある。


ヴィンセント・ファントムファイヴ
アッシュと幼い頃に契約した。
シエルとセバスチャンのように最初は警戒していたが、現在はアッシュを全く警戒せず自由気ままにパシッてる。
アッシュが飽きれば自分は死ぬんだろうなぁと思いつつも、別に飽きられても良いかなとか思ってる。
天使なのは知ってるが、嗤い方的にも性格的にも悪魔なのでは?と本人に聞いてすっごいはぐらかされた。


タナカ
アッシュの正体を知ってはいるものの、特段気にしていない。

フランシス・ミッドフォード
ヴィンセントから呼ばれてアッシュの正体を知った。
いまだに警戒しているものの、兄が最も戦力になると期待しているため、邪険にしてはいない。
今後、深く関わってくる。
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