もしエウリュステウスの側近にヘラクレス並の化物がいたら   作:名無しのマネモブ

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続きです。


ミュケナイの守護者マカリオスとアルケイデスとの邂逅

マカリオスの初陣から8年が経過していた。あの後も何度か戦場に駆り出されたがその度にマカリオスが敵陣に飛び込んで敵将を討ち取り壊滅させていた。それが続いた結果周辺国家はマカリオスを非常に恐れミュケナイに手出しをする事はなくなったのであった。そして隣国達が大人しくなったのを確認したステネロス王は退位しエウリュステウスはミュケナイの王となったのであった。

 

 

 

「今日もいい天気だなぁ」

 

呑気に歩いているマカリオスはミュケナイの守護者として国内外で有名となっていた。民衆は自分達の国を守ってくれるマカリオスに感謝し、マカリオスも驕る事なくエウリュステウスの臣下として働いていた。マカリオスが奴隷生まれだというのは周知の事実であり、陰口を叩く者も少なからず存在していたがマカリオス本人は全く気にしておらず、奴隷である自分を臣下にしてくれたエウリュステウスに深く感謝していたのだ。

 

「こんにちはマカリオス様!」

「うん、こんにちは」

 

往来を歩く中子供達から挨拶されたマカリオスは笑顔で挨拶を返しミュケナイが平和で大いに繁栄している事を嬉しく思っていた。

 

「最近は平和で俺が戦場に出る必要もないしいい事だ。それもこれも我が王の御威光のお陰だな!」

 

民衆がエウリュステウス王を尊敬し従っていると信じマカリオスは無邪気に喜んでいた……本当は反乱を起こしたら即座にマカリオスが来るのでたとえ不満があっても反乱を起こせなかったのだが、マカリオスを従えたエウリュステウス王の威光と言えばまあ間違ってはいないだろう。

 

マカリオスは上機嫌で鼻歌を歌いつつエウリュステウス王から与えられた自分の屋敷に到着するのであった。

 

「お帰りなさいませマカリオス様、客人が御待ちでございます」

「俺に客人?……いつものか?」

「その、はい」

 

 

 

 

「お前が奴隷生まれのマカリオスか!俺と勝負しろ!」

「はぁ、またか」

 

自分を倒し名を上げようとする勇士を見てマカリオスは思わず溜息をついていた。ミュケナイの守護者として有名になったマカリオスは国内外の勇士達から挑戦を受けるようになっていた。

 

「ひっきりなしに来るなぁ。何故勇士達は俺と戦おうとするんだ?」

「そんなの簡単だ、ミュケナイの守護者として有名なお前を倒し名を上げたいからだよ!」

「いや俺以外にも高名な勇士は幾らでもいるだろうに」

 

自分以外にも勇士はいるだろうと言うマカリオスはウンザリした表情を浮かべる。その舐めた態度を見て勇士は苛立ちを覚えていたが、何度も何度も挑戦を受けたマカリオスがウンザリするのも仕方ないだろう。

 

「俺を侮辱しているのか!」

「ああすまない、侮辱しているわけじゃないんだ。貴方の挑戦は受けよう。でも午後から王に御呼ばれしているのですぐ終わらせるぞ」

「ッ、それを侮辱しているというのだ!」

 

自分が侮辱されたと思い怒りを見せる勇士と共にマカリオスは外に出て戦いを始めるのであった。

 

 

 

 

「それで身の程知らずの愚か者を半殺しにしたのか。何時もの貴様ならば気絶させているのに何があった?」

「あの男は不敬にも王を侮辱しましたので、罰として手足を折り屋敷の前に晒しました」

「うむ、それでいい。私としては殺してもいいが王として慈悲を見せる必要があるからな……三日三晩放置した後は追放処分でいいだろう」

「はっ!」

 

その後勇士をあっさりと倒したマカリオスは宮殿にてエウリュステウス王の前に跪いていた。

 

「しかし最近は貴様も遊ばずにさっさと終わらせる事が多くなったな」

「いえ、遊んでいるわけではなかったのですが……歴戦の勇士達の武芸は参考になる物が多く、その技術を身に付けようと観察していただけでして」

「戯け、それを世の中では遊んでいるというのだ。私も以前見た事があるがあれは流石に相手が憐れだったぞ」

 

エウリュステウス王はふざけた事を言うマカリオスに対して溜息をつきつつ以前観戦していた戦いを思い出していた。名のある勇士が正確無比な攻撃を繰り出すもマカリオスはあっさりと躱し、その後は相手が疲労困憊になり心が折れるまで手を出さず攻撃を躱し続けていたのを思い出したエウリュステウス王はなんとも言えない表情を浮かべる。

 

「しまいには相手が幼児のように泣いていたではないか。あれはもう勇士として立ち直れないだろうな」

「も、申し訳ありません」

「いや私に謝ってどうするのだ!ハァ、まったく貴様はいつもいつも……」

 

相変わらず頭が悪いマカリオスにイラつきつつもエウリュステウス王は呆れ顔で説教を続けるのであった。

 

 

 

「マカリオス様!お疲れ様です!」

「うむ、警備ご苦労だ」

 

平穏な日々が続いたある日、マカリオスがミュケナイの宮殿前にて仁王立ちしていた。その様子を見ていた兵士達はいつもと違い警戒した表情を浮かべるマカリオスを見て困惑する。

 

「あの、何かあったのですか?」

「いや、俺の勘なのだが、恐ろしく強い勇士が来る予感がしてな」

「えっ!?マカリオス様が警戒する程の勇士が!?」

 

ミュケナイの守護者であるマカリオスが警戒する程の勇士が来ると聞き兵士達に緊張が走る。その間もマカリオスは正面を見据え警戒していたが、とある人影を見て更に警戒を強める。

 

「おい、あの男だ。あの男……恐ろしく強いぞ。何者かわかるか?」

「は、はい!ええと、あの男は恐らくアルケイデスです!」

「何?あの男が……」

 

兵士の言葉を聞いたマカリオスは驚きつつも瞬時に臨戦態勢を取る。

 

「あの男が突如発狂して自分の子供を殺したという気狂いのアルケイデスなのか!?」

 

その言葉を超人的な聴覚で聞いたアルケイデスは思わず足を止め青筋を浮かべてしまう。その様子を見ていた兵士達は怯え震え上がるがマカリオスは言葉を続ける。

 

「何という事だ、一刻も早くミュケナイから追い出さなければ!」

「し、しかしマカリオス様、アルケイデス殿はミュケナイに用があって訪れたようですし、宮殿に来たという事はエウリュステウス様に謁見したいのでは?」

「お前は何を言っているのだ!自分の子供を殺すような気狂いなど王に謁見させるわけにはいかないだろうが!追い返すぞ!」

「そ、それは……それは、そうなのですが」

 

マカリオスの言葉に兵士は反論できず黙ってしまう。その間もアルケイデスは沈黙していたが顔に浮かぶ青筋は増えていき全身から怒りのオーラを発していた。

 

「お、おい、どうするんだよコレ……向こうは滅茶苦茶怒ってるぞ」

「どうするって、どうしようもないだろ!?俺達は門番だし、逃げるわけにはいかないだろ!大丈夫だ、マカリオス様にお任せするぞ!」

 

戦いが避けられない事を悟った兵士達は怯えつつも自分達の持ち場を守ろうとする。そんな兵士達を見たマカリオスは兵士達を下がらせる事にした。

 

「お前達は危ないから下がっていろ、そして王をお守りしろ。いいな?」

「は、はい!」

 

兵士達が慌てて退避するのを見たマカリオスは頷きつつアルケイデスに向き直る。アルケイデスは全身から闘気を立ち昇らせ歩み寄っていく。

 

「お前がマカリオスか」

「うむ、そうだ」

 

相手がミュケナイの守護者だと理解したアルケイデスはマカリオスが強敵だと察し最初から全力を出す事にした。

 

「一応聞いておくが、通してくれないか?私はここで暴れるつもりはない」

「ダメだ。子殺しの危険人物など王に会わせるわけないだろう?」

「……そうだな、その通りだ。私がお前の立場なら同じ考えになるだろうな」

 

マカリオスの言葉を聞いたアルケイデスは自分でもそうするだろうなと納得し思わず苦笑していたが、やがて真剣な表情を浮かべると戦いの構えを取る。普段のアルケイデスなら大人しく立ち去っていたかもしれないが自分と比肩するかもしれない存在を見て闘志を燃やしていたのだ。

 

「だが私もアポロンの神託に従う必要があるのだ。ここを通してもらうぞ!」

「我が王には会わせん!帰れ気狂いが!」

 

そして両者は向かい合い……戦いの火蓋が切られた。そしてこれが三日三晩続くアルケイデスとの戦いの始まりであった。




FGOでエウリュステウス王が何もいい事なく退場したので書きました。とある掲示板で建てたスレをもっと書きたかったのですがパートスレにするのも嫌なので、折角だし二次小説として書く事にしました。

ちなみにこのオリ主の実力はは0.9ヘラクレスを想定しています。本気になった時の足の速さは0.9アキレウスです。



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