ゲヘナ学園所属の男子生徒がいろんな生徒に重い矢印向けられていく話 作:コウハクまんじゅう
前話で登場人物を匂わせていたな?
無理だった…申し訳ない…orz
というのも、夢中になって書いてるうちに文章量とんでもないことになって収集つかなくなり…
結果、分けました。匂わせていた人物は次話になります。もう2話はトリニティやると思います。
ただ、それが終わったら時計じかけの花のパヴァーヌ2章に移行する予定です。
え?ゲヘナ&トリニティvsミレニアムの大惨事大戦やる気かって?
そうならないようになんとかしますよ、石切が。(他力本願)
程よく緊張感がほぐれた後、俺は部室の椅子と机を借りて腰を落ち着け、4人と交流を深めていた。
話していて感じた印象はこうだ。
ヒフミはペロロとかいう目がキマった鳥の信奉者、ハナコが文学的な言い回しで下ネタをぶっ込み、それに対してコハルがツッコミを入れる。アズサは根は良いのは分かるのだが、ところどころネガティブっぽさが垣間見える…かと思えば、それでも私はと粘り強く前向きになる。
個々のクセが強いが、強いからこそ互いに良い影響を与え合う雰囲気の良いグループだなと感じる。
「補習授業部…『部』ってことは部活…なのかい?」
「はい。大まかに言えば、成績が危ぶまれた生徒が入って補習を受ける部活動…となりますね。」
「…そんな部活が。世界は広いなァ」
『じゃあここにいるみんな成績危ないんだな…』と頭によぎった言葉は封殺する。
失礼にあたるのは当然だが、かく言う俺も成績が危ない側の人間だからだ。
あれ、そういえば退学が掛かった試験いつだっけ。テスト範囲まだ復習し終わってねぇんだよな…。
エデン条約騒動で有耶無耶になってたけど、結局試験はあるんだよな…思い出したら頭痛くなってきたし、とりあえず話題逸らすか。
「部活動というからには顧問がつくんだろ?…学年主任とか、か?」
「いえ、実は先生が顧問をしてくださっているんですよ♪」
「へぇ、先生が」
「はい♪」
隣の席に座るハナコが、内側から制服を突き上げる双丘をさらに自身の腕で寄せながらこちらに身を乗り出してきた。桃色の長髪が揺れ、甘い吐息が頬を撫でる。
「私たちは先生の指導の下、情熱的で一生忘れられない
「ちょっ、ストップ!ストーップ!!何エッチな雰囲気出してるのよ!みんなで苦難を乗り越えて、私達の努力が報われた青春だったわよね!?」
すんでのところで、ハナコの艷やかな唇が耳元から離れた。割り込んできたコハルが猫のように目をつり上げ、顔を真っ赤に染めて抗議の声を上げる。
(ああ、惜しい…)
果実に触れられぬ無念を思わず胸の内で嘆いた。
もう少しで俺の肩に押し付けられていたものを、惜しかったなぁと本能の赴くまま肩を落とした。
同時に、年下に邪な感情を向けてしまった己の不甲斐なさにもため息が出る。
そうして勝手に落胆している間にも、コハルはフシャーっと猫のように唸り、ハナコは相変わらずマイペースにコハルをからかっていた。
「ですが、私達にとって初めての体験も多くありましたよね?」
「そうだけどぉ…い、言い方!言い回し!あんたが喋ると全部エッチになっちゃうの!男の人がいるのにそんなの駄目!死刑!」
「あら♪どの辺りが『そういう風』に聞こえたのか、一から十まで、じっくりと教えてほしいですね…♡」
「ひゃああっ!?ちょ、来るなぁ!」
「あはは…」
「ハハ、元気でいいねェ。」
ハナコとコハルはそのまま2人で仲良く追いかけっこを始めてしまった。そんな様子を笑って見ていると、ヒフミが耳元に口を寄せてそっと訊ねてきた。
「…石切さん。先生から聞きましたが、その…左目の方はもう大丈夫ですか…?」
「おお、その話されたか。信頼されてるなァ。…確かに、ヒフミなら話しても大丈夫そうだしな。」
「あ、あぅ、その、それはありがとうございます…ですが、実はアズサちゃんは現場を見ていて…ハナコちゃんとコハルちゃんは、アズサちゃんが口を滑らせちゃったのを聞いて、それで…」
「ん?ああ、そうだったのか…そうなると、みんな強いな。まったく表情に出てなかったぞ。」
いや、待て。そういえばアズサはずっと俺の左側にくっついていたな。ああ、あれはそういうことだったのか。
そうして一人で納得していると、ヒフミが申し訳なさそうに口を開いた。
「えっと、その…すみません。コハルちゃんとハナコちゃんに関しては半信半疑と言いますか、実際に見ないと信じられない、というか…欠損をするほどの大怪我自体、滅多に無いので…」
俺は改めて帽子を深く被り直し、左目を眼帯ごと覆い隠した。
「ああ、それでいい。気分の良くなるもんじゃあ無いしよ。…怪我に関しちゃもう平気だから、気にしなくて良い。2人にもそれとなく言っておいてくれ。ありがとうな、ヒフミ。」
ヒフミの頭に手を伸ばし、髪が崩れないように気を遣いながら撫でてやる。
「ふぇ!?あ、あぅぅ、はい…///」
そうしてヒフミの頭を撫でていると、それまで沈黙を貫いていたアズサがこっそりと俺に耳打ちしてきた。
「ごめん、石切。少し話せないか?その…二人っきりで」
「んー?おお。いいぞ」
二人きり、というのが少々引っかかったが、害意の類は感じられなかったので二つ返事で了承。
「ありがとう。…ヒフミ、少し出てくる。」
「ふぇ?あ、うん。わかったよ」
「うん」
アズサはヒフミに一つ頷くと、部室の出入り口の隣にある『教材準備室』と書かれたプレートがはめられたドアの前までつかつか歩き、ドアノブを捻って中に入った。
アズサに続いて中に入ると、部屋にはホコリを被った木材や教材が散乱していた。まるでトラップのように床に広がるそれらを、アズサは慣れた様子で避けて通っていく。
「こっち。足元、気をつけて」
「ああ。…これ、どこまで行くんだ?」
「屋上。この物置部屋、奥の方に屋上へ続くハシゴがある。」
「へぇ〜、そんなんあるんだな。元からついてたのか?」
「いや、元々は監視塔として私が整備しようとしたんだけど、先生とヒフミに止められた。ハシゴはその名残。」
「監視塔ォ?敵襲に遭うのか?」
「うん。正義実現委員会とたびたび交戦するから、あったら便利なんだ。だから。」
「アズサ、おま、それって問題児ってことじゃあ…いや、やっぱいいわ。忘れてくれ。俺も人の事言えなかったわ。」
そうして歩いていると、そのハシゴはすぐに見えてきた。どうやら本棚や木材で隠されているらしく、アズサはこれまた慣れた手つきでカモフラージュを解いていく。
「よいしょっ…と。うん、これでよし。ついてきて。」
ハシゴが現れるやいなや、アズサは訓練された動きで登って天井に到達し、外へ通ずる蓋を開けた。
アズサが屋上へ出たのを確認すると、俺も続いてハシゴを登ってゆく。
「よっと…おお、ここ見晴らしがいいな。」
ハシゴを登り切った俺を迎えたのは、どこまでも続く青空の下に広がる神殿のような建物の数々。そしてそれらを包み込む暖かな木々と、よく手の行き届いた生け垣。
なるほど、ここならトリニティ全体をほぼ見渡せるため、監視塔にはもってこいだろう。
「うん。監視塔はできなかったけど、景色を楽しむ分には良い場所なんだ。一人になりたい時はよくここに来る。」
「あ〜、羨ましいぜ。ゲヘナにもこんな場所ありゃよかったのにな。…で、話ってのァ何だ?」
膝を抱え込んで俯くアズサの隣に座り込んだ。
言葉を探すように、アズサはゆっくりと口を開いた。
「…えっと、私は話すのが得意じゃないし、何から伝えればいいのか未だに整理がつきそうにない。けど、聞いてほしい。」
無意識の内にか、膝を抱える腕に力が入っていた。拠り所を探そうとするその仕草が、彼女の心細さを物語っているようだった。
「心配すんな。ゆっくりでいい、最後まで聞いてやるから自分の言葉で話してみろ。」
努めて安心させるような声色で話しかけると、アズサはこくりと頷いた。そして、目を少し泳がせてからぽつりと呟いた。
「…私は、アリウスからトリニティに転校してきたんだ。」
そこでアズサは、不安そうにこちらを流し見た。
ああ、そういうことかと得心がいった俺は小さく笑った。
「言ったろ、最後まで聞くって。俺に伝えたい事があんだろう?」
「っ、う、うん」
そこでアズサはいくらか安心したようで、そこからはするすると言葉が出てきた。
曰く、彼女は元アリウススクワッド所属で、アツコ達の家族の一員だったそうだ。それから紆余曲折あってトリニティへ転校。
驚くべきことに、当初はセイア暗殺を命じられて潜入してきたらしく、いわばアリウスからの刺客だったそうだ。
しかし、己の良心に従って暗殺を良しとせず、結果スクワッドを裏切ってアリウスと対立。
それから、調印式の騒動にも駆けつけたそうだ。
そしてヒフミが言っていた通り、その時に俺が先生を庇って撃たれた所を目撃。俺が意識を失って先生と共に撤退した後、孤軍奮闘していたヒナを救急医学部と共に助け、共に撤退。
その後は補習授業部の仲間と先生、そして風紀委員会と正義実現委員会と共にアリウススクワッドとの決戦に赴き、勝利。
スクワッドとはそこで別れ、以来一度も会っていないという。
諸々を話し終えたアズサは、ふうと一息つくと緊張した面持ちで話を続けた。
「…私は、2つお礼を言わないといけない。私の家族が…サオリが人殺しになるのを止めてくれて、ありがとう。先生を助けてくれて、ありがとう。」
そして、と言葉を区切ると、ゆっくりと上げた顔をこちらに向けた。その瞳に映るのは、眼帯が巻かれた俺の左目。
「すまな…いや。ごめん、なさい…」
徐々に震えていく声と共に、その顔は悲痛な面持ちへと変わっていく。
「私が言うのは違うってわかってる。けど─」
「謝らずにはいられないんだよな。大事な家族が犯してしまった過ち、だから。」
「あ…」
手を差し伸ばし、そっと白髪を撫でる。震えるアズサの頭を撫でながら、俺は静かに語りかける。
「だが…その上で言わせてもらうぞ、アズサ。この左目はお前が謝ることじゃない。これは、俺と錠前サオリで決着をつけることなんだ。だから、何も気にしなくていい。」
「…うん。」
「ハハ、良い子だ。それと、俺も礼を言わなきゃな。」
一旦頭から手を離し、アズサ、と名を呼んで彼女へ向き直った。
「ヒナを助けてくれて、ありがとう。」
「うん。少しでも助けになれたなら、よかった。あっ…んん///」
幾分、憑き物が落ちたようなスッキリとした表情を見せるアズサ。
そういえば、前にヒナにもこんなこと言ったっけな、と思わず笑って再び頭を撫でていると、アズサの色白の頬に朱が差してきた。
「おっと、悪ィ。少し馴れ馴れしかったな。」
「あっ…」
「ん?どうした?」
「…ううん。なんでも、ない。」
「?そうか。」
なぜか先ほどよりも深く顔を膝に埋めてこちらを見ようとしないアズサ。先ほどは頬だけだったが、今や耳の先まで朱が昇っているように見えた。
…まさか、俺また何かやらかしたか?
そんな焦りからわざとらしく咳払いを一つして慌てて立ち上がった。
「そろそろ戻るか」
「う、うん…」
立ち上がったアズサは、顔を伏せながらそそくさと隣を通り抜け、ハシゴを降りていった。
ああ、これやったな…。
どう申し開きしようかと頭を抱えたが、何も解決策が出てこない。
己の頭の回転力の鈍さを恨んでいると、代わりに別の事が浮かんできた。
「…錠前サオリと決着がついたら、アズサと会わせてみてもいいかもしれねぇな。」
いや、錠前サオリだけじゃなく、アツコ達にも会わせてやりたい。
全ては彼女達の反応次第だが、やはり有耶無耶なまま彼女たちの関係性を途絶えさせたくない。
「じゃあ先生にも相談してみるか。いや、その前にアツコ達の事言わなきゃならんのか。…どう説明しよう。『雨でずぶ濡れになってるのをほっとけなくて家に連れていきました』とか…」
アズサへの申し開きを諦めた俺は、ひとまず別の事を考えながら部室へ戻るべくハシゴを降りた。
石切を含めた男子生徒が複数出てくるコメディ物を新しく書きたい。でもこっちの投稿遅れるかも。書いていい?
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ん、書くべき。
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ん、こっちを書くべき。
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ん、いいから石切は生徒を抱くべき。
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ん、いいから石切は生徒に襲われるべき。