爺さんの家に怪しい少女がいた   作:灰のスシ

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5話

次の日、今日も今日とて同じように学校に行き、授業を受ける。昼休みの時間になり、昼食を取ろうと弁当を開けようとしたところに、とある人物が近づいてきた。

 

 

 

「ねぇ」

 

 

 

昨日の推定おかしい人だった。

 

 

 

「ちょっと校舎裏行きましょ」

 

「...もしかして、俺、今からしめられる?」

 

「場合によってはね」

 

「不良怖...」

 

「誰が不良よ!ほら、行くわよ。」

 

 

 

そうして校舎裏に連れ出された。

 

 

 

「それで?何の用?」

 

「あなたの力についてよ。」

 

「...中二病?」

 

「なっ!」

 

 

 

顔を真っ赤にさせてこちらに近づいてくる。

 

 

 

「あなたねぇ、それだけのエネルギーをばらまいておいて何わかっていない振りをしているのよ!」

 

「エネルギー?」

 

「あ、そっか」

 

 

 

いきなり耳元でルーの声が聞こえた。声の方向を向くとルーが立っていた。

 

 

 

「ごめんなさいね。私の力が流れ込んでいたみたい。今切っておくわね。」

 

 

 

そうしてふわりと浮かび、俺の額に手を当てる。その手が淡い光を放つ。

 

 

 

「これで解けたはずよ。じゃあまたね。」

 

「ああ。そう言えば、今日の晩飯は何がいい?」

 

「今日も鶏肉がいいわ。」

 

「わかった。じゃあまたな。」

 

 

 

手を振りまた黒い粒となって消えていった。

 

 

 

「...なによ。あの子...」

 

「同居人だが。」

 

「ち、ちがう!あの子は...いや、あの化け物としか言えない存在は...」

 

「...はぁ...」

 

 

 

ルーを化け物と表現するか。他の人にどう見えようと関係はないが、ルーは俺の恩人であり、友でもある。あの子のおかげで爺さんの家に住めているし、まだ関わって、それ程日数は経過していないが、それでもお互いに良い関係を保てている。おおよそ友と言っても差し支えないほどに。

 

 

 

「ルーを化け物と呼ぶんだったら話は終わりだ。じゃあな。」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

 

 

何故か非常に腹が立った。化け物、確かにルーのような存在はそう表現するのが正しいのだろう。しかし、何故だかその評価が納得いかなかった。自身の想像以上に俺はルーに入れ込んでいるのだろうか。そんなことを考えて、この場を去ろうとしたその時、腕を掴まれた。

 

 

 

「まだ話は終わっていないわよ。」

 

「俺はもうあんたとは話したくないのだが。」

 

「...あの子を悪く言ったのはごめんなさい。これは私が悪いわ。」

 

「はぁ...」

 

 

 

ため息一つ。確かに言葉一つで去ろうとするなんて流石に俺にも非はある。

 

 

 

「たしかに、こっちも冷たくしすぎた。すまん。」

 

 

 

...改めて、どうしてこんなにも感情的になってしまったのだろうか。

 

 

 

「まず、ひとつ言わせて。あなたは今あの子との精神的な繋がりがとても大きい状態になっているの。それこそ、無意識にあなたの身体に力を送り込むくらいには。だから、精神的にあの子に関することは敏感になっている可能性がある。...改めて、ごめんなさい。そのことを考慮していなかった。」

 

「...契約をするとなにか精神に異常が出るのか?」

 

「いや、異常というよりも適応反応と言った方がいいかもしれないわ。自身よりも強力な力を受けるわけになるから、精神的に自身の在り方を変容させようと...あなた、そんなことも知らずに契約していたの?」

 

「ああ」

 

「...馬鹿じゃないの。契約一つで命を失うようなものもあるのよ。」

 

「そうなのか。だが、そんなことすらも知らなかったわけだからな。」

 

「...はぁ、過度に警戒していた私が馬鹿みたい。一つ言っておくわね。あなたの契約している存在は多分規模は大分弱くなっているけど...それでも国一つ簡単に滅ぼせるような力を持っている存在よ。」

 

「それでなんで俺を警戒していたんだ?」

 

「...あのねぇ、私みたいな魔...いや、あの子みたいな特殊な力を使う人間は大体相手の力の大きさを見ることができるの。そんな中、昨日までなんともなかったのに、いきなりその気になれば国を滅ぼす程の力がその辺を歩いているのよ。悪魔にでも乗っ取られているのかと思ったわ...」

 

「契約ってのは力をそんなに得るものなのか?」

 

「契約した相手の存在によるわね。相手から力を注いでもらったり、契約しただけで力を得たり、契約した存在が直接戦うようなものも存在するわ。ただ、あなたのものは...どれとも違う気がするのよね...あなたは何の存在と契約したの?」

 

「知らん」

 

「えぇ...なら、契約方式は?」

 

「ルーが主と認める、と言ったからこの契約は成立したとか言われたんだが。」

 

「その前になにか条件はなかった?力を試すとか。要望に応えるとか。」

 

「特にはなかった。」

 

「...よくわからないわね。この話、私の師匠に話してもいい?」

 

「ああ、いいぞ。というより、こちらからも頼む。よくわかっていない事ばかりだからな。」

 

「ええ。っと、もうこんな時間。じゃあまたね。」

 

「あぁ、また。」

 

 

 

そうして長い話し合いが終わった。今までの情報を整理しておこう。

 

・俺にはルーから謎の力(エネルギー?)が注がれていた。

 

・俺の精神はルーとの契約によって適応?している。

 

・それにより、ルーに関する物事には過敏になっている。

 

・ルーから注がれている力はとてもすごいもの。(国を滅ぼせる?)

 

・契約方式は不明?

 

ざっとこんなものか。などと考えながら座っていると、

 

 

 

「なあ」

 

 

 

いきなり声をかけられる。

 

 

 

「あんた、西園寺さんとどんな関係だ?」

 

「西園寺?」

 

 

 

西園寺。そんな苗字の人の知り合いは俺にはいなかったはずだが...いや待てよ。そういや情報を貰った人の名前を聞いていなかった。

 

 

 

「もしかして、俺を呼び出してきた人の名前か?」

 

「...本当になにも知らないのか?というか何を話していたんだ?」

 

「知らないし、機密事項だ。」

 

「なんだよそれ...いいか、西園寺美久里(さいおんじみくり)さんはな、あの西園寺財閥の娘さんだぞ。そんな人に呼び出されるなんて...」

 

「...ざっくり言うなら同居人の知り合いだったという話だ。」

 

「同居人?」

 

「これ以上は秘密だ。...ほら、そろそろ席に戻ったほうがいいんじゃないか。チャイムなるぞ。」

 

「そうじゃん!やっべ!また話聞かせろよな!」

 

 

 

何ともまぁ、嵐のようだった。今日も早く帰れるように努力をしよう...

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