爺さんの家に怪しい少女がいた   作:灰のスシ

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7話

吸血鬼が爪でルーをひっかこうとする。が、そこを黒い粒が防ぐ。そしてルーは手から黒い球を出し、その球が吸血鬼に向かって飛んでいく。その球を吸血鬼が爪で切り裂く。

 

 

 

「はぁ...」

 

 

 

ルーは溜息をつく。

 

 

 

「終わったわ。帰りましょう。」

 

 

 

...何を言っているんだこの幼女は。

 

 

 

「いや、一発しか当たっていないじゃないか。」

 

「えぇ、それで終わりよ。」

 

「何を言っている!相手をしなければそこの男を」

 

 

 

いきなり吸血鬼の目が曇り始めた。

 

 

 

「あ、な、あ...」

 

 

 

吸血鬼の白い肌に黒い斑点が現れ、地面に倒れ伏してもがき始める。非常に苦しんでいると傍から見て一目瞭然であった。...そして、

 

 

 

「が...ぁ...」

 

 

 

白目になり体の至る所が膨れ上がり、遂に声も発さなくなった。

 

 

 

「...死んだ...のか...」

 

 

 

ルーはふっと微笑む。

 

 

 

「忘れて頂戴。あなたには刺激が強かったわね。」

 

 

 

周囲の光景がくずれていく。

 

 

 

「...私はそういう存在なのよ。これでも力は5分の1程度の力しかないけど...それでもあんな存在を簡単に殺すことができるの。」

 

 

 

ルーは悲しそうな顔をしてこちらを向く。そして背を向け、俺より前を歩き出す。その背中があまりにも寂しそうで、思わず肩を掴む。

 

 

 

「そんな顔をするなよ。」

 

「...私が怖いでしょう?」

 

「ある意味それは最初からだろう。今更だ。」

 

「最初?」

 

「断ったら、なんて俺が言った時だ。あの時にもう既に脅されていたからな。」

 

「...ふふ、実際にその力をみてもあの時と同じっていうの?」

 

 

 

おかしそうに微笑む。

 

 

 

「ああ、変わらないだろう。それに、お前は少なくとも俺と向き合って、必要なことは教えてくれるし、あいつを殺したのも俺のためだろう。」

 

 

 

ルーの言っている情報、そして、あいつの言葉をすべて真とするなら、俺は本当に殺されていただろう。出るにはあいつを倒すしかなかった。そしてあの吸血鬼曰く、あの空間には意図して引きずり込まれた。ただの人間の俺には太刀打ちできなかっただろう。だからこそ、

 

 

 

「俺を守ってくれてありがとうな。」

 

 

 

間違いなく、命を救ってもらったのだから感謝をしよう。

 

 

 

「ふふ...なぁに、こんなに私に入れ込んで。そんなに私、あなたの好みだった?」

 

「...そういう冗談、言うんだな。」

 

「照れ隠しよ。察して頂戴。」

 

 

 

もうルーの顔に陰りはなかった。

 

 

 

「それも、悪くないかもしれないわ。」

 

「?」

 

「ふふ、気にしないで。」

 

 

 

いたずらっぽく笑い、前を歩く。

 

 

 

「帰りましょう。」

 

 

 

まだ力が抜けきっていないのか、青白い色が抜けきっていない髪が夕陽に照らされていた。

 

 

 

 

 

 

考える。それにしてもどうして俺はあんなに惨い死体を見て、あまり何も感じなかったのだろうか。ルーがそばにいたから?...いや、違う。いや、部分的にはあっているか。気づいている、これが適応するということだと。俺はもうルーから逃れることはできないのだと。

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