ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。 作:一般通過社会人
〜現在 豊穣の女主人〜
「まぁ…!」
「…漢ならそれぐらい受け止めな。」
「有罪ニャ。」
「ギルティだニャ。」
…いや、悪いとは思ってるんですよ?5年と数ヶ月、音沙汰無しだったんで。でも、まさか此処まで心配されてたなんて思わんやん。あのツンツン…デレぐらいのエルフは何処行った?
マジでごめんなさい。(もう遅い。)
〜数時間前〜
「はぁ!?冒険者始めて3ヶ月ちょっとでLv.3!?」
「あはは…そうなんです…。」
おっす。オラは主人公のロイ。ただいま、Lv.3冒険者のベルと共に久方ぶりの地上に向かって帰還中である。え?もっと詳しく説明しろだって?うーんと…。
「そうなんです!ベル様は凄いんですよ!」
「何でリリ助が誇らしげなんだよ…。」
「良いではないですか。ベル殿を説明するなら付き合いの長いリリ殿が適任でしょう。」
えーっと…俺は5年くらい前に死にかけて…いや実際死んで、でまた生き返って今の今まで異端児…ゼノス達に匿ってもらってたんだが、幸運にもそこに来てくれた『ヘスティア・ファミリア』のベル・クラネルのパーティに護衛して貰いながら地上への帰還をしている最中なのだ。
「しかし、そんな魔法があるなんて…。」
「本人も俺が初めての成功例だって言ってたからな。たぶん確率なんだろ。それも下手なギャンブルよりも低確率の。」
蘇生魔法…完全に輪廻の法則に中指立てているような魔法だ。自称だが800歳以上の長い人生の中で一度も成功した事の無い魔法だ。条件がガチガチなのか本当に超低確率なのか或いはその両方か…。それは神のみぞ知る…知るのか?
「まあだが、結果的にこうして生きてるんなら良いじゃないか。あんた、死ぬ前はレベル何だったんだ?」
「4だな。スキル抜きなら団長にも負けてなかった。たぶん一回死んだからレベルもリセットだろうし、キッツいなぁ…。」
「大丈夫ですって!ロイさんならやれますよ!」
「ベル様の前の
「いや、あの時はトラブル続きで死にかけてただけだからね。団長にも主神にも怒られまくってたし。」
「…そういえばロイ殿。ファミリアは何処に所属していたのです?」
「それは俺も気になるな。Lv.4となると二つ名もあったんだろ?」
あ、そういえば言ってなかったか。俺は…。
「俺の所属はアストレア・ファミリア、二つ名は『
そう。俺は元アストレア・ファミリアの所属だ。と、言っても女所帯だった上に加入時期、年齢的にもほぼ下っ端の末弟ポジだが…。ってん?
「な…!?アストレア・ファミリアの…ブラック・バルバロイ!?」
「リリ助、知ってるのか?」
「知ってるも何も、めちゃくちゃ有名人ですよ!?逆になんで知らないんですか!?」
「んな事言われてもなぁ…。」
「知らない物は知りませんし…。」
知られてたとは…俺有名人なんだな。でも5年も経ってれば忘れられてそうだが。
「アストレア・ファミリアの異端にして最強の存在!死の7日間にて闇派閥相手に大立ち回りを繰り広げ、その後も残党相手に単独で暴れ回り破壊の限りを尽くし、オラリオに存在した闇派閥の七割程を壊滅させた冒険者です…!」
「な、七割だぁ!?」
「何をしたんですかロイ殿!?」
何をしたと言われると…。
「襲ってきた奴全員ぶちのめして、ソレに与してた奴も追いかけ回してぶちのめして、とにかく目に写った敵全員ぶちのめしてたらいつの間にか…。」
「ひぃっ!?」
「ロイ様!ベル様が怯えてますっ!」
「お前が始めた物語なんだが?」
「そうだ人のせいにするのは良くないぞリリ助。」
「そうですよリリ殿。」
「私のせいですか!?」
そうだよ(便乗)。
「むぅ…すみませんでした!あ、ほら上ですよっ!」
「お…おぉ…。」
久しぶりだぁ…5年ぶりの太陽じゃぁ…。
「感動の涙流してるぜ…。」
「やっと地上だぁ…!」
うっうっう…涙が滲みるぜ。この5年、長かったぁ…。
「それじゃ、護衛は此処までですね。」
「あぁ。ありがとう。此処までくれば大丈夫だ。」
「アストレア・ファミリアの本拠は分かりますか?」
「5年前と変わってないだろ?」
「えぇ。少なくとも転居したと言う情報はありません。」
「だろうなぁ。彼処高かったらしいからな。」
「あはは…。」
ヘスティア・ファミリアの面々が苦笑いになる。…さてはコイツらも本拠買う時に借金したな?
「それじゃ、僕たちはこれで!」
「また会おうぜ!」
「お元気で〜!」
「お疲れ様でした!」
「おう!またな!」
良い奴らだった。さてと…。
「とりあえず星屑の庭に…。」
その時、腹が鳴った。………。
「先に腹拵え…か。」
豊穣の女主人…まだやってるかな?
〜豊穣の女主人〜
「いらっしゃいませニャ〜!」
「…ん?あんたは…。」
「え!?貴方は…!」
「久しぶり。腹拵えに来たんだけど…。」
「まあまぁ…!」
銀髪の店員…シルに随分と驚かれる。まあ当然だ。5年だからな。
「随分と空けていましたね…。お亡くなりになったと聞いてたのですが?」
「俺があんなのにやられてたまるか。5年間ダンジョンの中必死こいて逃げ回ってたんですよ。」
「…ま、どうせイレギュラーだろ?ギルドから口止めされてるんだろうし、これ以上は詮索しないよ。」
「流石ミア母さん。」
元冒険者だけあって配慮してくれる。ありがたやありがたや。
「それで、金はあるんだろうね。」
「ん。」
懐から袋を取り出して揺らす。コイン同士が擦れる音がした。
「なら良いよ。存分に食いな!」
「あざーっす!」
〜数分後〜
「美味い…!」
「泣きながら食ってるニャ…。」
「ダンジョンじゃマトモに食事なんて出来なかっただろうしね…。」
その通り。ダンジョンで食えるのなんてせいぜい木の実か一部モンスターのドロップアイテムだ。深層のモンスターの心臓食ったりもした。
「モグモグ…ゴックン。ふぅ…。」
「お水どうぞ〜♪」
「どうも。」
水もうめぇ…。
「……良し。じゃ、会計で…。」
「待ってください。もうちょっとお話できませんか?」
「…何で?」
「まあまあ。もうちょっとおしゃべりするニャ。」
…まあええか。別に星屑の庭に顔出すのは後日でも良いし、宿代もある。ちょっと周りの目も気になるが、まあ大丈夫だろ。
「…そろそろかね。」
「そうですね♪そろそろです♪」
「そろそろって…。」
その時、裏口の扉が開いた。そこに居たのは…リオン!?
「遅くなりまし……た…?」
「……久しぶり?」
「っ!!」
後は…リオンが飛びついてきて、今に至る感じだ。