ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。   作:一般通過社会人

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ちょっと短めです。次回から盛り上がるので許して…。


最後の一仕事

 

〜ダイダロス通り〜

 

……っ!?激痛と振動に目を覚ます。地面が大きく揺れ、周りには瓦礫。俺は…奇跡的に瓦礫の隙間に収まっていた。

 

「……よい…しょっと…!!」

 

瓦礫を退けて這い出る。辺りは滅茶苦茶だった。

 

「何が起きた…?」

 

状況確認。俺が気絶している間に何が起きたんだ……!?

 

「――目覚めよ(テンペスト)。」

 

風が吹き荒れる。……嫌な風だ。そして視界には漆黒の体躯。アステリオスだ。リドの言っていた新入りは居ないようだが、ロキ・ファミリアの三人は麻痺状態で動けなくなっている。団長達も居ない。ベルの方に行ったか…マズい、追いかけなければ。

 

「づぁ…!!」

 

右頬と左腕が焼けるように熱い。多分火傷で酷い事になっているはずだ。見たくもないので無視し、最後の精神力(マインド)回復ポーションを流し込む。

 

「……!」

 

ロキ・ファミリアの注意はアステリオスに集中している。今のうちに離脱しよう。リド達も回収したいが……あ、直ぐ側に黄金の羽根。という事はこの下に…。

 

「っ……おい、レイ起きろ!」

 

「ぁ…ロイ…?」

 

「あぁロイだよ。アステリオスが引き付けてる。今のうちに撤退するぞ!」

 

「っ……すみません、身体が…」

 

「……ほらっ!」

 

「……///」

 

レイを背負い、脚を引き摺りながら小路まで撤退する。アステリオスが派手にやった影響で通りには砂埃が舞い上がり、アイツの風で広範囲に拡散して視界不良を起こしていた。

 

「ロイ、これからどうし…むぐっ!?」

 

「説明は後!多分ベルの所に団長達が行った!何処に居るか分からんから空から探したい!」

 

レイの口にポーションの瓶を突っ込む。みるみる内に傷が癒えた。高かったんだぞコレ…。

 

「んくっ…分かりました、ロイ……は、その…その身体で動くのですか……?」

 

「ポーションはさっきので最後だよ…我慢するしかないだろ」

 

「……分かりました。背中に摑まってください」

 

「脚で良いだろ」

 

「駄目です。背中です。そんな怪我で無理したら死にますよ?なるべく負担は避けなければ」

 

「……はいはい」

 

レイの背中にしがみつく。あ〜…キッツ。滅茶苦茶痛い…。

 

「行きます…!」

 

「おっ…。」

 

レイの背中で浮遊感を感じる。思えば空飛ぶのは初めてか…。

 

 

〜上空〜

 

「よいしょっ…。」

 

「んっ…。」

 

レイの肩に顎を乗せ、下を見下ろす……あ、彼処だ。度々爆発が起きている。ファイアボルトか?

 

「……マズい。」

 

あの方向は広場だ。周囲の冒険者達の位置を見るに、彼処に誘導して魔法を叩き込むつもりだろう。指揮官は……。

 

「お師匠か…!!」

 

すり鉢状の広場の外壁の上に、緑髪のエルフと数人の魔導士が立っていた。リャーナさんとセルティさんもおり、既に詠唱も始めている。

 

「レイ、急げ!!」

 

「はいっ!!」

 

レイが急降下。凄まじい風圧に耐えながら、広場を目指した。

 

 

 

〜広場 リヴェリア視点〜

 

「【吹雪け三度の厳冬――我が名はアールヴ】!」

 

広場に白髪の少年…ベル・クラネルが、ヴィーヴルを抱えて飛び込んでくる。このような形になったのは残念だ…が、既にモンスター達によって少なく無い被害が出ている。此処で仕留めるしかない。

 

「ウィン・フィンブルヴェトル!!」

 

「イリヴュード!!」

 

アストレア・ファミリアや他の冒険者も一斉に魔法を放った。普段よりもかなり威力は下げているし、恐らくベル・クラネルは生き残れるだろう。その時だった。

 

「っ!?」

 

「ロ…!?」

 

上から黄金の羽根が降ってきたかと思うと、黒い影がベル・クラネルの前に飛び込んできた。

 

 

〜広場〜

 

レイの背中から飛び降り、ベルとウィーネの前に着地する。

 

「ロイさん!」

 

「ロイ…!」

 

「伏せろっ!!」

 

クソったれ!お師匠の魔法……市街地だから手加減はされてるだろうが、受け切れるか!?

 

 

最大最高防御っ!!!

 

 

っぐっ!?

 

 

〜広場 リヴェリア視点〜

 

「っ!第二波詠唱中止!!1人巻き込まれた!!」

 

「は、はいっ!!」

 

周りの冒険者達に指示を飛ばす。マズい…!!

 

「リヴェリアっ!」

 

「アリーゼ、ロイが巻き込まれた!!」

 

「え!?何でロイが此処に…!くっ、【アガリス・アルヴェシンス】!」

 

アリーゼが紅炎を纏って剣を構える。魔法を外部からの攻撃で相殺するつもりだ。だが…。

 

「待て!今やったら爆発する!!」

 

「そんな…!!」

 

氷属性を使ったのが仇になった。アリーゼの『アレ』はあくまでも炎属性。水蒸気爆発でこの広場全体が飛びかねない。 

 

「リヴェリア様!広場の床が抜けます!!」

 

「下に人を回せっ!!大至急だ!!」

 

結界と魔法が衝突、拮抗する威力に耐え切れず、広場の床が崩れ落ちる。未だに結界は確認できるが…消えかかっている。マズい…!

 

「私が行くわ…ロイっ!!」

 

「すまない…任せる!」

 

此処はアリーゼが適任だ。頼む、無事で居てくれ…!

 

 

〜ロイ視点〜

 

魔法の消失と共に床が抜け、3人とも地下に落ちた。……。

 

「……ゲホッ。」

 

「ロイさん!」

 

「……にげ、ろ。もう、かばえ…な…い…」

 

意識が消えかかる。何とか威力を四方に散らせたが、代償はデカかった。精神力は底を尽き、全身が凍りつく。火傷との温度差でもはや感覚が無い。動けない。ウィーネが駆け寄ってくる。

 

「いや、ロイ……!」

 

「……にげ、ろっ…!!」

 

「っ……ベルっ…!」

 

「すみま、せん……!」

 

二人が去っていく。っ……あ〜…マジで逝きそう。

 

「ロイっ!!」

 

「………だん、ちょ…?」

 

「っあ……ごめ、ごめんなさい…!!

 

「ゲボッ……ぁ…?」

 

「ロイっ!!ダメ、ダメっ!逝かないでっ…!!」

 

や、ばい……マジで…しぬ……いし…き、が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダーリン…素敵……♡♡」

 

 

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