ダンジョン潜って5年、地上に出たら色々変わってました。 作:一般通過社会人
〜ディアンケト・ファミリア 治療院〜
……眩しっ。
「………よく知ってる天井だ」
「でしょうね」
目を開けると、石造りの天井と消毒液の匂い。そして隣には…。
「……何か言う事は?」
「生きてること黙っててすんませんでした……」
「……バカ」
【
「…ふぅ。全く…アリーゼから聞きましたよ?今度は魔力暴走で自爆した後【
「えっ急にキレるじゃんなんで?」
「当たり前でしょう!?」
口に出した事で現実を見たのか、急にキレてくるアミッド。そんなに詰めなくてもええやん…。
「良いですか!?魔力暴走なんて普通は意図的にやる事じゃ無いですし、その上で
まあ怖いのは否定しないけど。ぶっちゃけ死ぬかとおもった。
「…でさ」
「…はい?」
「あれからどうなった?」
「…まず、貴方はあれから…約1日半、寝ていました」
「……そう」
アミッドの口から状況が語られる。現在、ロキ・ファミリアや冒険者達によってダイダロス通りが厳戒態勢にある事、未だに武装したモンスター達…異端児達は潜伏している事。
「…団長達は?」
「そろそろ来る筈なので、本人達から聞いてください」
その時、ドアが開けられる。
「アミッド、ロイは目覚め……!っ、良かった…!」
「団長…すいません」
「ううん。もう良いの。ごめんねあんなに痛めつけて…。そして、全部聞いたわ…よく頑張ったわね」
団長の手が俺の銀髪を梳くように撫でる。…ん、ちょっと待て。全部聞いた?誰から聞いたんだ、ベルか?
「えっちょっと待ってください。全部聞いたって誰からです?ベルですか?」
「ううん。ちょっと……ウラノス様とヘルメス様と…、ね?」
団長が微笑む……が、目が笑ってない。こっわ。もう聞かんとこ。
「あはは…それでは、傷は全て治っているので退院していただいて構いませんよ」
「ありがとうアミッド。お金は……」
「あ、後で俺が」
「ダメ。ファミリア持ちよ。ロイはちょっと甘えることを覚えなさい。」
リオンにも言われた。えぇ…かなり甘えてるつもりだけどなぁ…。
「兎に角、後で払いに来るわ。請求書もその時に」
「分かりました。それでは、ロイ?」
「…はい」
オラリオ二大治療師に睨まれる。怖い。こうなった治療師はたいてい怖いのだ。ヘイズさんもそうだったし…。
「も う 来 な い で 下 さ い ね ?」
「……努力します」
「……よろしい」
なおこの約束が守られた事はない。悲しいなあ…。(n敗)
「ロイは…呪われてるから!」
「満面の笑みで言わないで下さいよ…。」
呪詛使いと戦ったばかりなんだからやめてくれ。
〜星屑の庭 団欒室〜
団欒室に入る。中には3人が俯きながら座っていた。音に反応してこちらを向くと、2人が飛び出してくる。
「「ロイっ!!」」
「んぶっ!?」
でっ…!?輝夜さんとリオンに抱きしめられる。顔面に幸せな感触。だが悲しいかな、俺の身長的にそのまま抱きしめられると、ライラさん以外はだいたいこうなるのだ。新鮮味はない。
「怪我は…治ったな、良かった…心配させるな、馬鹿者…」
「ロイ…本当に良かった。取り敢えず、座ってください」
「ぷは…り、りょうかい…」
取り敢えずソファに座る。両脇を二人に固められ、向かいに団長が座った。……近っ。
「…えーっと、その…」
「?」
「……なーんでレイまで居るんです?」
「え、ダメでしたか…?」
「ダメじゃないけどさ……」
団欒室の椅子にサラッと座ってたからビビった。何でやねん。何で此処に居るねん。
「ロイを降ろした後、アリーゼさんに捕まってしまいまして…」
「ダイダロス通りの戦闘で意思疎通ができるのは分かってたから、根掘り葉掘り聞いたの!そしたら思ったよりも話が弾んじゃって!」
「ロイの話で盛り上がりました♡」
「「ねーっ!」」
ワァ…ァ…!いつの間にかとんでもないコンビが誕生してた。金と赤とか派手派手だな。
「私としては一度戦ったので気まずかったのですが…」
「そんな事は気にしません。異端児でもよくあることですから」
「新入り加入の時なんて毎回酷かったもんなぁ…」
あの時は生まれたばかりで混乱し、暴れていた異端児を皆で止めたものだ。俺はアイテムぶん投げてひたすら妨害してただけだけど。
「全く…お前もとんでもない冒険をしてきたものだなロイ。モンスター…異端児達に5年間匿われていたとは」
「でも、そのお陰でレイとも知り合えましたし…」
「ええ。私、ロイと出会えた事が人生最大の幸運だと思ってますよ?」
「うーんサラッと小っ恥ずかしい事言うなぁ…」
「彼女ですから!」
「????ちょっとロイ、それは聞いてないんだけど?いつの間に付き合ったの??」
「告った訳じゃないッス。何か勝手に付き合ってる事にされただけです」
だからそんな深層の闇より黒い目で見ないで団長……怖いっす。
「…おや、皆さんもロイの事を?」
「えぇ!好きよ!!」
「ああ。ぶっちゃけ貞操は私が貰いたいと思っている」
「ていそ…!?輝夜、下品ですっ!!」
「帰ってきて早々に自分の部屋に連れ込んで添い寝かました奴に言われたくないわ!このポンコツエルフめ〜!」
「ポンコツエルフと呼ぶなぁ〜!!」
「??????」
何かサラッと告白された気がする。えっぇっえっ…!?
「…ん?やはり気づいて無かったのかロイ貴様。言っておくが男女の関係だぞ?」
「……えっ」
「本当よ?と言うか彼処まで尽くされて好きにならない女なんて居ないわ!ロイ自身もイケメンだしね!!」
「えっえっ」
「貴方はいい加減腹をくくるべきだ」
「えっえっえっ」
「はーれむ、と言うやつですかね?おめでとうございますロイ!」
「えっえっえっえっ、もしかして全員…?」
「あぁ。ゆくゆくはアストレア・ファミリア全員抱いてもらうからな?覚悟しておけ」
「………ひゃい///」
何か知らない間にハーレム形成してた……何でや。俺なんもしとらんやんけ。
「……あ、所でライラさんは…?他の皆も居ないみたいですけど」
「ウラノスの所で恫か…いや、尋も…いや、お話をしている。アストレア様も一緒にな」
「アストレア様も…?と言うかお話って…?」
「無論、今回の件についてだ。意志を持ち、それを伝えて私達人間との共存が可能なモンスター…異端児達。確かにこのような情報が出回ってしまえば、地上は大混乱に陥るのは想像に難くないが、その情報の守秘義務によってお前が過度に傷ついたのも事実。アストレア・ファミリアとして、コレに抗議しない訳にはいかない」
「私達に話だけでもくれれば……直接的な支援はできないでしょうけど、それでもあの場でのロイとの交戦は避けられたわ。ウラノスの秘密主義も、今回ばかりはやり過ぎよ」
「……」
「ロイは悪くありません。貴方の立場なら、どの道あのようにするしかないでしょうから」
うーん…いや、そうなんだろうけど…俺が勇気出して話してれば済んだ話だし……うーん。
「兎も角、お前は今はゆっくり休め。異端児達の迷宮への帰還作戦があるから、それまでにしっかり身体を回復させるんだ」
「残念だけど、私達は今回の件で表立って味方してあげることはできない。帰還作戦は、どの道ロイにも動いてもらわなきゃいけないから…ね?」
「…分かりました」
今は、休む時…か。
〜主人公が寝てる間に起こった事 アストレア・ファミリアのガサ入れ〜
※台本形式注意
オラリオ管理組織「ギルド」の主神、ウラノスが起こした、他ファミリアの人員の不正利用に絡み、アストレア・ファミリアが管理事務所(祈祷の間)を家宅捜索しました。
(アリーゼがチャイムを鳴らす)
アリーゼ「アストレア・ファミリアや!」
(輝夜が玄関を強打する)
輝夜「はよ開けんかいゴラァ!」
(輝夜が玄関を乱暴に揺する)
リオン「はよ開けんかい!」
ウラノス、ヘルメス「「ちょっと待って…今開けるから…」」
ネーゼ「やかましいはよ開けいオイ出て来いコラ!」
イスカ「はよ開けんかいコラぁ!」
(玄関が開く)
ライラ「ワレお前はよ開けんかいゴラァ!」
以下、罵詈雑言を上げながら刑事(アストレア・ファミリア)が続々と突入。アストレア様が目が笑ってない笑顔でロイマンの目をそっと塞ぐ。ロイマンは恐怖のあまり失神、その場で倒れる。その後、取り敢えずのお話()を全て聞き出したアリーゼ、輝夜、リオンは帰還、その他の人員は祈祷の間に残り交渉中。